ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク)   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうもSM-2です。
今回は、かなり短い話となっています。
それではどうぞ。


第32話 国防軍の苦悩

対ネウロイ戦争で欧州が戦火に焼かれる中、日本は空前の経済成長を見せていた。

戦争特需による自動車や医療品、食品の有償供与のほか、主にリベリオン向けの家電製品の輸出によるものであった。唯一、IT産業だけはいまだに復活していないが、重工業や化学工業などを中心に日本経済は復活していたのだ。

これにより、日本は75兆円近い国防予算を支えることができていた*1

予算というものに悩まされなくなった国防軍であったが、別のものの不足に喘いでいた。人員不足である。国防軍の大半が、対ネウロイ戦に派遣されているのが原因であった*2

一定数の失業した人間が、国防軍に志願するようになり頭数だけは揃えられているが、よく訓練された兵士は、一朝一夕でできるものではない。それらを指揮する将校は、もっとである。今は、新規部隊の整備も行われているが、実戦投入できるのは1945年からである*3

しかも、最近は景気が向上していることもあって、志願数自体も減ってきている。金はあるが人がいない、国防軍はそんな状況に陥っていた。

 

 

さて、そんな中で聞かされた()()()()に統合司令長官は、額に青筋をうかべていた。岩峰の後任として着任したばかりの彼は、非常に温厚な性格で知られていたが故に、彼の表情は見る人間に恐怖を与えた。

 

「どうだね?」

 

大泉の言葉に、統合司令長官は一切表情を変えずに、短くそしてはっきりと答えた

 

「無理です」

「ふむ、予算の心配はないはずだが?」

「ええ、確かにそうですが、人が足りません。現段階でさらなる地上部隊派遣を行えば日本本土の防衛は不可能になります」

 

統合司令長官は、厳しい口調でそう断じた。

 

「1個海兵機甲師団の編成及び訓練が完了次第、欧州に派遣することは可能ですが、来年まで待っていただきます」

「ふむ・・・・しかし、連合軍からは更なる部隊派遣要請が来ている。何とか抽出できないか?」

「不可能です。これらを説明しても、まだ地上部隊の派遣を要請する国は、おそらく我が国に対しての戦争を計画していると断言します。ついでにその国への反抗作戦を立案しましょうか?対ネウロイ戦に投入している海兵隊全部隊を投入すれば可能ですよ」

 

いらいらしてか、過激なことを言い始めた統合司令長官の様子を見て、大泉は「もう大丈夫だ。部隊派遣は来年としよう」と約束した。

しかし、統合司令長官も政治はある程度理解している。このままでは日本のメンツは丸つぶれであろう。そこで代替案を出した。

 

「第5空母護衛艦隊と第2空母打撃艦隊などの海軍艦隊を派遣することは可能です」

「わかった。連合軍司令部には代替案として海軍航空部隊の派遣を提案してみよう」

「では、失礼します」

 

統合司令長官は、話が終わったと見るや、きれいなお辞儀をして部屋から出て行った。

 

――――――――――――――――――――

 

1週間後。リベリオン合衆国のニューヨークで、連合軍大臣級連絡会議が開かれた。不定期に開催されるそこでは、今後の連合軍の全体的な戦略や連合軍参加各国への要請・連絡などが行われるのである。

参加者は、各国の軍事にかかわる大臣と軍の制服組のトップである。

無論、日本からも防衛大臣と統合司令長官が出席していた。

 

「なに?地上部隊の更なる派遣を断るとはどういう意図か!?」

 

そして、日本から出席している面々は、罵声を浴びせられていた。

 

「そうだ!我らは100万の単位で兵士と武器弾薬を対ネウロイ戦に投入しているのに!」

 

防衛大臣は、表情を崩さずに淡々と答えた。

 

「ですから、何度も申し上げます通り。これ以上の部隊派遣は本土防衛に支障が出ますので、派遣要請は拒否させていただきます」

「ならば徴兵制でも採用すればいい。貴国の人口から見て、多くの部隊を編成できるであろう」

 

自分たちはそうしているといわんばかりに、リベリオンの大臣がそう言い放つ。

 

「ええ、可能ならばそうしたいですが、現段階で徴兵制を採用した場合、我が国の経済が崩壊し、戦費を支えることも難しくなります。それとも75兆円の国防予算を貴国らが負担してくださるのですか?」

 

75兆円、日本を除けば世界最大の経済規模を誇るリベリオン合衆国の年間国家予算ですら遠く及ばない額である。自身の国家予算ですら軽く超える金額を負担できるはずもなく、各国の代表は黙ってしまった。

 

「ただ、海軍空母機動部隊を追加派遣することは可能です」

「なに?だが人が足りないと」

「ええ、それは地上部隊に限ってです。もともと海軍には余裕がありますし、予算にもある程度の余裕がありますので、地上部隊の派遣でなければ可能です」

 

防衛大臣は、事前のブリーフィングで統合司令長官から言われたことを、そのまま説明した。

するとブリタニアの大臣が質問してくる。

 

「どれほどの部隊を派遣できるのかね?」

「大型正規空母1隻を含む1個空母打撃艦隊、軽空母1隻を含む1個空母護衛艦隊。それと2個通常艦隊です。艦艇数にすれば40隻でしょうか」

 

もともと世界第6位のEEZを保有し、四方八方を海に囲まれていたのだ。前世界でも海軍艦艇保有数は、米中に続いて第3位の海軍国家であったのだ。追加で40隻の艦艇を派遣しても、日本近海の防衛は可能であった。

 

「わかった。オラーシャとしては、それでもかまわない」

「スオムスとしても異存はない。地上部隊の派遣は残念だがね」

 

日本の航空戦力による援護が、西部戦線と比べて少ない東部戦線を抱えるオラーシャ帝国とスオムスには、正規空母を有する空母艦隊の派遣はよほど魅力的だったのだろう。

それに続いて、各国の代表も渋々といった様子であるが了承し始める。

最終的に、東部戦線を抱えるオラーシャとスオムスに、第2空母打撃艦隊と第5空母護衛艦隊が派遣されることとなり、地中海にも第3空母護衛艦隊が派遣されることで各国は合意。さらに、ガリア開放後の復興を日本が最大限協力することを約束した。

*1
1944年の日本の一般会計予算は、転移前年とほぼ同じの300兆円であり、一般会計予算からは15兆円の予算が、戦時特別補正予算として60兆円の予算が出ていた

*2
ある国防軍将官は「アメリカ本国と全米軍が一緒なら」と呟いていた

*3
1940年に定められた中期防衛力整備計画で整備されることとなった1個海兵機甲師団のこと。兵員や装備自体はある程度揃っているものの、士官の教育が終了していないのだ




いかがでしたでしょうか?
ここで皆様にお知らせです。12月31日から1月6日までの1週間は年明けキャンペーンということで毎日投稿させていただきます。頑張りますので応援よろしくお願いします。
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ではまた次回さようなら

次回 第33話 新人

お楽しみに

ネウロイの瘴気の正体は?

  • 1:放射線もしくは放射能物質
  • 2:有毒な重金属などの微粒子
  • 3:毒ガス
  • 4:日本でもよくわからない
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