ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク)   作:RIM-156 SM-2ER

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どうも皆さまSM-2です。
今年も残すところわずかとなりました。
今年最後の小説。本編どうぞ


第33話 新人

1944年9月。

大西洋上を1つの艦隊が進んでいた。日本国国防海軍第3空母護衛艦隊、15機の戦闘機を搭載する軽空母を旗艦とする8隻の艦隊である。

彼らは、第3次欧州派遣艦隊として地中海に向かう最中であった。

 

「艦長、現在の状況は?」

 

旗艦である「やましろ」の艦橋に、艦隊司令の蕪木(かぶらぎ) (かおる)少将が入っていきた。

艦長席で、双眼鏡を片手に海を見ていた艦長は、蕪木が入ってくるとスッと立ち上がって敬礼をする。

 

「司令。おはようございます。現在の状況ですが、ヒスパニア西方200kmを航行中です。今のところ異常なし」

「そうか」

 

彼らの航路であるが、日本を出た後インドを経由し、一度そこで補給すると南アフリカに寄港。2度目の補給をすますとヒスパニアのカナリア諸島で3度目の補給を、ジブラルタルで4度目の補給を行なってから、最終目的地であるロマーニャに向かう予定であった。

現在、第3空母護衛艦隊はカナリア諸島での補給を終えた後、ジブラルタルに向かっている最中であった。

 

「それと、先ほど司令部から連絡が入りまして、今朝方、ブリタニアに進出している空軍のE-2が重大事故を起こしたようです」

「事故?内容は?」

「飛行中に右エンジンが停止。機長の判断と操縦で、何とか左エンジンだけで着陸に成功したようです」

 

思った以上に重大な事故に、蕪木は顔をしかめる。

 

「原因は?」

「今、事故機を調査しているそうですが、事故機所属部隊以外の部隊の任務はそのままのようです」

「そうか・・・・。それ以外には何かあるか?」

 

蕪木は、ブリタニアに進出している早期警戒飛行隊が飛行禁止になってしまったことで、ここら一体で活動する早期警戒機が、第1空母打撃艦隊所属の早期警戒機1機しかいなくなってしまう。それについて心配していると、その時スピーカーから声がした。

 

『CDCから艦橋。ガリア西方100kmを航行中の遣欧艦隊から緊急入電!』

 

蕪木は、スピーカー横についている艦内無線のマイクを手に取る。

 

「内容は?」

『ガリア西方100km付近に大型ネウロイが出現。当艦隊は攻撃を受けつつあり。とのことです』

 

蕪木は、顔を険しくすると艦長をみる。

 

「艦長。私はCDCに向かう」

「私もいきます」

 

蕪木は、拒否することなく艦長の言葉にうなずくと、先に艦橋を出て行く。艦長は、その場にいた副長を見る。

 

「副長。ここは任せる。それとスクランブルを上げろ!」

「わかりました」

 

一通りの指示を終えると、艦長も艦橋の扉を開けて駆け足でCDCに向かった。

 

 

艦長がCDCの中に入ると、すでに蕪木が中にいた。その横には、艦の武装関係のトップである砲雷長がいた。

砲雷長は、艦長の姿をみとめると近づいてくる。

 

「艦長。先ほど指示があった通りスクランブル機を出しました。コールサインは、トレロワン。F-37JB4機です」

「ご苦労。スクランブル隊には、扶桑艦隊の援護に向かうように伝えろ・・・・それでよろしいですね。蕪木司令」

 

艦長は、蕪木に確認を取った。蕪木は、その言葉にこくりと頷く。

 

「それでいい。頼んだ。それと新たなネウロイの出現に備えて対空戦闘用意」

「了解しました」

 

艦長は、CDC内にいる通信士に合図を送る。通信士は、すぐさまヘッドセットのマイクをオンにして、スイッチとツマミをいじると、艦隊に指示を出した。

 

「旗艦より全艦へ!対空戦闘用意!繰り返す対空戦闘用意!」

 

この指示で、艦隊は一気に騒がしくなった。すべての乗組員がヘルメットとチョッキを着て持ち場に走り、水密扉が閉じられる。

その間も艦隊の中心であるCDCでは、着々と事態が進んでいた。

 

「敵ネウロイの位置は?」

「本艦隊より北北東に150km地点です。すでに扶桑艦隊のウィッチ1名が戦闘中」

 

護衛イージス艦らのレーダー情報が、艦隊全体に一瞬で共有される。それらの情報は、艦に搭載されている高性能コンピューターによって処理され、一つの画面に表示される。

CDCに設置されているメインモニターに移されたレーダー情報を見て、蕪木は渋い顔をする。

 

「艦対空ミサイルの射程圏外か・・・・。スクランブル隊の到着予定時刻は?」

「扶桑艦隊到着まで、残り5分。それとブリタニアの501基地からウィッチ隊4名と海兵隊戦闘機2機が緊急発進した模様」

 

砲雷長の報告で、ひとまずネウロイは片付きそうだと安心する。

 

 

501基地では、けたたましいサイレンの音が鳴り響いていた。この日のスクランブル当番は、チャックとマイケルのアメリカ軍組であった。彼らは、夜に備えて仮眠中であったが、サイレンの音が鳴り響くとベットから飛び起きて格納庫に向かう。

彼らが格納庫に着いて、戦闘機のコックピットに収まるころには、ウィッチ隊はすでに発進していた。

それを見ても2人は慌てずに、しっかりとヘルメットをかぶり戦闘機の状況を確認する。すべてを確認し終えると、滑走路に機体を進める。

 

「行くぞマイケル!」

「了解」

 

2機は、アフターバーナーを使い、滑走路のコンクリートを焦がしながら飛び立っていった。高度5000mまで一分とかからずに上昇して、水平飛行に戻すと501基地の管制隊から通信が入る。

 

『こちら501基地より501全部隊へ。日本国防海軍第3空母護衛艦隊よりスクランブル機4機が発進。コールサインはトレロ。トレロと協力し、ネウロイを撃破せよ』

「ディスイズストライカー01。ラジャー(了解)

 

ウィッチ隊とチャックたち戦闘機は、扶桑艦隊に急いだ。

 

――――――――――――――――――――

 

援軍が急いでいる中、扶桑艦隊上空では2人のウィッチが奮戦していた。

 

「大丈夫か?」

 

一人は501で戦闘隊長を務める坂本であったが、もう一人は誰も知らない無名のウィッチであった。どうやら初の実戦らしく、体力的にも限界が来ているようであった。

坂本は、それがわかっていたので時々、彼女のことを気遣う。

 

「大丈夫です。まだ飛べます」

 

無名のウィッチは、強い意志を感じる瞳でそう答えた。

 

「わかった。行くぞ」

 

坂本は、降下するとネウロイの気を引くためにネウロイの表面すれすれを飛ぶ。無名の彼女も、それに習ってネウロイの表面すれすれを飛ぶと持っている機関銃を発砲する。ドドドという重厚な発砲音とともに、ネウロイの表面装甲が削られる。

しかし、肉体的・精神的疲労が大きかったようだ。

 

――うう・・・・だめ・・・・もう・・・・

 

ネウロイは、無名のウィッチに向かってビームを放とうとした。

その瞬間、ネウロイで8つの爆発が起こった。無名のウィッチは、あたりをきょろきょろと見まわすと、灰色のやけに角ばった何かが、こちらに向かって飛んできていた。初の実戦である彼女は、思わずネウロイかと思い持っていた機関銃を構える。

 

「まて、宮藤」

 

坂本は、それを見て無名のウィッチ―宮藤に近寄る。

 

「あれは味方だ。日本の戦闘機隊だ」

「日本の・・・・?」

「ああ、だから安心しろ」

 

坂本は、宮藤を安心させるように言い聞かせる。そして、インカムで戦闘機隊に通信をいれる。

 

「こちら扶桑海軍の坂本だ。援軍感謝する」

「こちら国防海軍第3空母護衛艦隊所属第1編隊。援軍に参りました」

「援軍感謝する。敵はコア保有タイプの中型だ。コアの位置は敵上面中央」

 

坂本からの報告を聞いて、編隊長は赤外線カメラを起動するとネウロイのコアを探す。案の定、坂本が言った通りの場所にコアが放つ熱が探知できた。

 

「こちらも探知した。攻撃に入る」

 

どうやらこの間にネウロイは装甲を回復させたらしい。彼らが攻撃を加える前と全く同じ姿になっていたが、分が悪いと見たのか逃げ出そうとする。

編隊長は、ネウロイのその様子を見て鼻で笑った。

 

「ハッ、超音速戦闘機から逃げられるとでも思っているのか?」

「その通り!」

 

突然割り込んできた声とともに、ネウロイの上面にサイドワインダーが着弾し、降り注いだ金属ロットがコア周辺の装甲を削る。

 

「こちら501戦闘機隊、ストライカース02。戦闘に入る」

「アッカーマン大尉か」

 

501に所属している坂本には、聞き覚えのある声であった。

 

「そうですよ。ところで少佐。隣を飛んでいる子は?」

 

チャックは、坂本の隣にいる見慣れないウィッチに気が付いたようだ。もともと艦隊上空での迎撃に当たっていたのは1人と聞いていたので、疑問に思ったのである。

 

「ああ、扶桑から私が連れてきた」

「ほほう。カワイ子ちゃんの前で無様な姿は見せられませんね・・・・。おいマイケル。気合い入れていくぞ」

「了解です」

 

マイケルの声は、少し苦笑交じりであった。すると、ネウロイと交戦していた第3空母護衛艦隊の戦闘機隊隊長から通信が入る。彼らは、赤外線ホーミングミサイルを搭載していなかったため、時間稼ぎ程度の戦闘しかできなかったのだ。

 

「こちらトレロ05。われわれは、扶桑艦隊の撤退支援に移行する。ストライカースリーにこのネウロイの攻撃を任してもいいか?」

「構わない・・・・。少佐は、彼女を連れて後ろに。手柄の独り占めはずるいですよ」

「わかった。下がるぞ宮藤」

 

2人のウィッチは、戦場から離脱する。

それを見届けると、チャックは舌なめずりをする。今までのおちゃらけたお調子者の目は、獲物を狩る狩人の目に変わっていた。

 

「さて、マイケル!ロックンロールだ!」

「了解!」

 

2機は、めいっぱい加速すると急上昇する。ネウロイから2000m上空まで上昇すると、ネウロイのコアの熱源をロックオンする。

 

「FOX-2!」

 

2機のF-37の翼端から、計4発のサイドワインダーが放たれた。サイドワインダーは、降下による速度も合わさって、実にマッハ7*1で飛んでいく。

ミサイルのシーカーは、実に正確にネウロイのコアが放つ熱を探知していた。無論、ネウロイもミサイルを寄せ付けまいとビームをうつ。運がよかったらしく1発のサイドワインダーが、ビームによって迎撃されてしまう。しかし、残りの3発にビームが当たることはなかった。

 

ドォオオン

 

レーザー近接信管が作動すると、爆発とともにネウロイに金属ロットが降り注いだ。先ほどと同じように、金属ロットがネウロイの装甲を削ると赤く光るコアがあらわになる。

その瞬間、降下してきたチャック機が25㎜機関砲を放つ。

 

ガンズガンズ(機関砲発砲)!」

 

猛獣の唸り声のような発砲音とともに、25㎜機関砲弾がコアに殺到する。

無数の砲弾に貫かれたコアは砕け散った。コアが破壊されたことで、ネウロイは無数の白い破片となって海に落ちていった。

 

「ストライカー01。ターゲットキル(敵機撃墜)

 

チャックはネウロイの撃墜を報告すると、やっと着いたウィッチ隊もそれを確認したようだ。

 

「こちらバルクホルン。こちらでも確認した。ネウロイ撃墜、戦闘を終了する」

 

扶桑艦隊には、いくらかの被害が出たものの坂本や宮藤、戦闘機隊の活躍もあって、全滅は免れた。

 

「ストライカースリー。RTB(基地に帰投する)

「トレロは、ブリタニアから戦闘機隊が到着するまで護衛任務に就くぞ」

 

4機の戦闘機を残し、2機の戦闘機と4人のウィッチは基地に帰っていた。その姿を、先に空母に戻っていた宮藤は、見上げていた。

 

――――――――――――――――――――

 

数日後、第501統合戦闘航空団に宮藤(みやふじ) 芳佳(よしか)が着任することとなった。

*1
サイドワインダーの最新バージョンであるY型は高度次第では水平飛行で、マッハ8という極超音速での飛行が可能である。これは2020年代に開発が進んだ極超音速ミサイルへの対応によるものである




いかがでしたでしょうか?
1年間、大きな病にかかることもなく小説投稿を続けてこられたのも皆様の応援のおかげでございます。皆様、1年間ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。

次回 第34話 新人2

お楽しみに

ネウロイの瘴気の正体は?

  • 1:放射線もしくは放射能物質
  • 2:有毒な重金属などの微粒子
  • 3:毒ガス
  • 4:日本でもよくわからない
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