ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク)   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様お久しぶりです。SM-2です。
いやぁ、今回の話の最後の方が・・・・。何度も書いて消して書いて消してを繰り返してました。
そのくせして、個人的には出来が微妙・・・・。うーん、あらすじメモなくしたのつらい(´;ω;`)
では本編どうぞ。


第42話 過去(後編)

日本が転移してからもうすぐ1年が経とうとしていた。経済的混乱は、未だに続いているが、世界各国との貿易が始まったことで徐々に収まると期待されていた。

転移直後にあった食料品の配給や買い占めといった光景はすでになく。街には転移前の光景が戻りつつあった。

 

 

川野は、約半年ぶりに故郷に帰ってきた。前に帰ってきたときは、未だに配給制が敷かれていて街は閑散としていた。

しかし、半年たった今は転移前と同じような人の往来が戻っていた。時刻は夕方、真っ赤な夕日が西の空に浮かんでいた。会社帰りと思わしきスーツ姿の人々、下校途中なのだろう高校生たち、バス停に並ぶ人々、どれも転移前の普通の光景であった。

ようやく戻った光景に、川野はホッとしたものを感じた。

 

「あ、お兄ちゃん」

 

聞き覚えのある声に呼びかけられて、川野は声のした方に振り返る。そこには、彼の最愛にして唯一の家族である妹の楓がいた。かわいらしいストラップが付いたリュックサックを背負い、ブレザー制服を着こんでいる。

 

「楓か。学校帰りか?」

「うん。明日から夏休みだし」

 

そういいながら楓は兄に向かってにっこりと笑った。唯一の家族である2人は、幼いころから支えあって生きてきたからか、同級生たちがうらやましがるほどのとても仲がいい兄妹であった。

最近の学校の話、部活の話、友人の話、なんてことはない雑談をしながら2人は、バスを待っていた。

しかし、到着時刻になってもバスがやってこない。ちょうど帰宅時間帯ということもあり、バス停にはそこそこの列ができていた。

どこかで渋滞にでも引っかかっているのだろうと、相変わらず雑談をしながら待っていると、20分遅れでバスがやってきた。だが、妙にフラフラとしているように見える。バスロータリーに入ってきても、スピードを落とす気配は全くなかった。

 

「なんだ?」

 

川野がポツリとつぶやいた瞬間だった。バスが急に加速したかと思うと、バス停に並ぶ列をかすってバス停横に等間隔で設置されている金属製のポールに激突した。

 

「なんだ?」

「居眠り運転か?」

「ちょっと誰か交番に行ってきなよ」

 

その場にいた全員が立ち止まり、事故を起こしたバスの方を向く。中にはスマートフォンを取り出して、動画を撮影している人間もいた。

すると、バスの前部ドアが開いて中から血まみれのコート姿の男が、ふらふらとした足取りで降りてきた。事故でけがでもしたのだろうかと、駅前交番から到着した2人の警察官が男に近づく。

 

「君!大丈夫?」

 

40代くらいの女性警察官がそう尋ねた。若い男性警察官も心配そうにしている。

 

「どこけがしたんだ?」

 

しかし、その返答は言葉ではなかった。突然、男がコートの下から血濡れた包丁を取り出すと男性警察官の首を切り裂き、流れるように女性警察官の首元に包丁を突き立てる。咄嗟のことで警察官も対応できず、二人は血しぶきを上げながらその場に倒れこんだ。

 

「きゃああああああ!」

 

突然起きた凶行に、だれかが悲鳴を上げた。その声を皮切りに、男は周りにいた人間に無差別に刃を突き立てる。

バスの周りに集まっていた野次馬はパニックになり、我先にと逃げだした。足がもつれたり、誰かの足に引っかかったり、押されたりして何人かの人が転んでしまう。そのうちの半分近い人は男の凶行の犠牲者となった。

川野も楓を連れて逃げようとしたが、倒れこむ女性の傍で泣き叫ぶ幼い女の子の姿が彼と楓を引き留めた。男の姿は、離れたところにあるからすぐに襲われる心配はないだろう。

川野と楓は、女の子のもとに駆け寄った。

 

「大丈夫?けがはない?」

 

川野の問いかけにも、女の子は泣き叫ぶばかりで返答はない。時々、しゃくりあげるような声で「ママ、ママ」とつぶやいている。

 

「わかった。お母さんは、あとで僕と一緒に君のところに行く。だから先に逃げよう」

 

そういうと川野は楓をちらりと見た。楓も川野の言おうとしていることを察して、女の子を抱きかかえて逃げ出した。

川野は、横で倒れこんでいる女性を揺さぶった。

 

「大丈夫ですか!しっかりしてください!」

 

しかし、女性から応答はなく血だまりだけが広がっていく。脈も呼吸もなく、川野は「死んでる」そう判断した。そして川野も逃げようとしたとき、ふと後ろから気配を感じた。

 

「?・・・・・グフッ!」

 

後ろを振り返った瞬間、わき腹に強烈な痛みが走る。呼吸ができず、痛みと苦しさでその場にうずくまってしまった。

 

「ゴホッゴホッ」

 

わき腹を抑えてうずくまったまま後ろを上を見上げるとニタニタした笑みを浮かべる血まみれの男の姿があった。いまだに痛みが引かず、逃げることができない。

そんな川野に、隣で倒れる女性と同じ運命をたどらせようと男は包丁を振りかざした。川野は現実から目を背けたくて、思わず目をつむる。

しかし、いくら待っても痛みは訪れない。恐る恐るといった感じで、川野はうっすらと目を開けると男の方を見上げた。

 

「ッ!」

 

しかし、男と自分の間に見慣れたブレザー制服の少女が割って入っていた。

楓の胸には深々と包丁が刺さっている。男は相変わらず気持ち悪い笑みを浮かべたまま、包丁をゆっくりと引き抜いた。

ドサリという湿った音ともに、少女は糸の切れた操り人形がごとく倒れこむ。茶色っぽいブレザーの胸元に黒っぽいしみが広がっていく。

 

「楓!楓!」

 

妹の名前を叫びながら、川野は彼女の体を必死で揺さぶる。楓はぐったりとしたままで、その肌からは急速に血の気が引いていっている。

 

「あ、あああ」

 

川野は、この悲劇を引き起こした張本人をゆっくりと見上げる。男は今度こそ、川野の命を奪い去ろうと包丁を高く振り上げている。

その高々と掲げられた血塗れの包丁が振り下ろされようとしたとき、紺色の影が横から男にタックルをかました。

注意が川野に向いていたので、男は避けることができずにその場に倒れ込んだ。包丁も男の手から離れて、カランという音とともに石畳の地面に落ちた。

紺色の影は地面に落ちた包丁を軽く蹴飛ばして、男の手の届かないところにやると、男に馬乗りになって押さえつける。

 

「おとなしくしろ!暴れるな!」

 

川野が紺色の影を見ると、警察官であった。近くには、あの警察官が乗っていたであろう白い自転車が倒れていた。

 

「17時23分。殺人未遂で現行犯逮捕する」

 

男はうつぶせにされて、後ろ手に手錠をかけられる。警察官が男に馬乗りになって押さえつけていると、どこからかウーウーというサイレンが聞こえてきた。川野がゆっくりと音のなるほうを見ると、そこにはパトカーがあった。二人の警察官が出てくると、押さえつけられている男の方に走っていく。

その後も続々と警察官が集まってくる。救急車や消防車も集まり、負傷者の救護が始まった。野次馬や報道ヘリが集まる。

凶行を起こした男は、複数の警察官に囲まれながらボディチェックを受けた後にパトカーに押し込められた。

 

――――――――――――――――――――

 

「そのあと、病院で妹が死んだことを聞きました。妹は、自分のせいで死んだんです」

「どういうことだ?」

「あの時、女の子の母親が助からないことは、一目でわかってた。女の子に恨まれてでも、母親を見捨てて3人で逃げるべきだった。そうしなかったのは、自分の判断ミスです。ある意味、自分が妹を殺したといっても間違いじゃない・・・・」

 

川野の話は、ここで終わった。

すべてを聞き終えたバルクホルンは絶句していた。数々の戦場を渡り歩き、人の死というものをいくつも見てきたバルクホルンであるが、人が人を殺すという狂気に触れたことはなかった。

 

「その・・・・そのあと、どうなったんだ?」

 

聞いてはならないことだと思いつつも、バルクホルンは聞いた。そのあと川野がどう生きたか、そして事件がどうなったのか、疑問であった。

川野は、憤慨することもなくバルクホルンの疑問に答えた。

 

「男は裁判の結果、無罪になりました」

「え・・・・」

 

バルクホルンは川野の話が理解できなかった。これまでの話から、男が死刑に値するだけの罪を犯したことは間違いなかった。それなのに、なぜ死刑どころか有罪にすらならないのかわからなかった。

バルクホルンが、そのことについて聞く前に、川野が理由を話した。

 

「心神喪失といって、被告に犯行時に責任能力がなかったと認められれば無罪になるんですよ」

 

男の事件は、世間を震撼させた重大事件ということもあり1審は裁判員裁判が行われた。被告は心神喪失を主張したものの、認められずに死刑判決が下った。これを不服として東京高等裁判所に控訴した。東京高裁は、請求を受理し第2審が開かれた。最終的に東京高裁は、心神喪失をみとめて無罪判決を言い渡した。検察側は最高裁判所に上告するも、最高裁判所は高裁の判決を全面的に支持し、上告を棄却した。

これによって男の無罪は確定したのである。

 

「司法が裁かないのであれば自分で裁いてやろう、そう思いました」

 

バルクホルンは、川野の言葉の意味を正しく理解した。「殺そうと思った」彼はそう言ったのである。

 

「でも、結局できませんでした。違う遺族が、裁判所から出てきたばかりの奴を刺し殺したんです」

 

男を殺したのは、一人娘を殺された男性だった。殺された一人娘は妊娠しており、初孫と娘の2人を奪われたのである。また遺族の男性の妻は事件後自殺しており、遺族の男性も、男を殺した後に刺し殺すのに使ったカッターナイフで首を切って自殺した。

バルクホルンは川野をちらりと見ると、彼は下唇を強く噛み、拳をこれでもかというほどまで握りしめ、その顔には激しい怒りが浮かんでいた。

 

「妹を死なせたうえに、復讐することもロクにできない。こんな自分は幸せに生きる資格なんかないんです。妹の、楓の兄である資格は、ない」

 

川野は、そう自分を断罪する。バルクホルンは、先ほどから川野からにじみ出ている怒りは、彼自身にも向けられているのだと理解する。

川野は、バルクホルンの方を向いた。

 

「でもバルクホルン大尉、あなたは違う。大切な家族が、人が今も生きてる。あなたが死ねば、その人たちみんなが悲しみ、苦しむ。その人たちのために、あなたは何が何でも生き残らなければならないんです」

 

そこまで言うと、川野は持っていた缶コーヒーをあおる。そうして自分の気持ちを落ち着かせると、さらにつづけた。

 

「すいません。湿っぽい話をしましたね・・・・。自分はあと数時間待機しなければならないので、失礼します」

 

川野はバルクホルンに一礼すると、握りつぶした空のアルミ缶をもって待機室へと立ち去って行った。




いかがでしたでしょうか。
川野君はまだ救いませんよ。そのうち救いますけど、まだ救いません。ちゃんと一期中に救うので大丈夫大丈夫。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回。

次回 第43話 未定

お楽しみに

ネウロイの瘴気の正体は?

  • 1:放射線もしくは放射能物質
  • 2:有毒な重金属などの微粒子
  • 3:毒ガス
  • 4:日本でもよくわからない
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