ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
またもや長いです。書くの大変だったけど、バルクホルン編ほどじゃなかった。
では本編どうぞ。
翌日。
ウィッチ隊とマイケル、チャックの13名は基地近くの海岸に来ていた。残りの4人のうち、今浦と桜田は、午前中はスクランブル待機、緑川と川野は、昨日はスクランブル当番だったため、自室で寝ていた。残りの4人は、午後になったらマイケルたちと交替する形でやってくる。
13人の過ごし方はそれぞれであった。シャーリーとルッキーニは、岩場から海に勢いよく飛び込み、その先にはバルクホルンがクロールで、ハルトマンが犬かきで泳いでいる。雪国出身のエイラとサーニャは、故郷とか比べ物にならない日差しが堪えたのか、チャックが用意したパラソルで休んでいる。
チャックとマイケルは、ミーナ、坂本、リーネ、宮藤の4人とともに岩場にいた。リーネと宮藤の足には、ストライカーユニットを模したものが付いている。
「あの、これは・・・・」
なぜ、このようなものを付けて海に入らねばならないのかわからず、宮藤はそう聞いた。
「海上に落ちた時に備えた訓練だ!」
「他の人は皆やったのよ、後はあなたたちだけ」
リーネと宮藤は、彼女らにそう言った。
しかし、2人はどうしてもこの状態で海に入りたくはないらしく、横に立つマイケル達を指さして反論した。
「でも、マイケルさんたちはやってないじゃないですか」
すると、マイケルの横に立っていたチャックが、にこっとしながら親指を立てた。
「俺らは、救命胴衣あるから最悪浮かんでられればいいし。まぁ、グッドラック!」
戦闘機パイロットというのは救命胴衣が付いている。それにベイルアウト時には、ゴムボートやサバイバルキッドなどが射出座席についているから、そこそこ泳げる技能があれば、あとは救難ヘリがやってくるのをゴムボートの上で待っていられればいいのだ。
一向に入ろうとしない2人の態度に、業を煮やした坂本が怒鳴る。
「つべこべ言わずにさっさと飛び込め!」
「「は、はい!!」」
坂本の気迫に押されて、2人は海に飛び込んだ。しかし、ストライカーの重さがあるからか、2人は沈んでいく。マイケルは、しばらく海を覗き込んでいたが、2人は一向に海面から顔を出す様子はない。
「浮かんでこねぇな」
「やっぱり、飛ぶようにはいかんか」
マイケルは、支給されている防水時計を一瞥すると、心配そうに海を覗き込んだ。
「大丈夫ですかね・・・・」
その時、2人が海面から顔を出した。再び沈まないように必死にもがいている。どう見てもおぼれている。しかし、坂本は呆れたような顔で2人を見る。
「いつまで犬かきやっとるか。ペリーヌを見習わんか」
ちょうどペリーヌが、後ろにやってきた。優雅に泳ぐ彼女は、もがいている2人を呆れたように見ると、坂本の言葉に同調した。
「まったくですわ」
それだけ言うと、ペリーヌはさっさとどこかに行ってしまう。
2人は、しばらくもがいていたが、疲れてきたらしく再び海に沈んで行ってしまう。
「まずいな・・・・」
チャックは、それだけ言うとマイケルとともに海に飛び込んだ。2人は、海に沈んでいくリーネと宮藤を見つけると、チャックはリーネを、マイケルは宮藤を抱えて海面に向かった。
泳ぎが得意な2人だが、数十キロはあるストライカーと、10代とは言え、人間一人を背負って浮かんできた2人は、すごいと言わざるを得ない。
「2人とも落ち着け!もがくな」
マイケルは、若干のパニック状態にある2人を落ち着かせる。マイケルたちのおかげで、呼吸がきちんとできるようになったからか、宮藤達は落ち着きを取り戻していく。
「よし、いい子だ。いいか、海に落ちたとき、もがこうとして頭より上に腕を持っていくな」
そう言ってマイケルは、2人にレクチャーを始める。
「いいか?人間というのは、全体の何%かは、水面の上に出るようにできてる」
おぼれると人間はもがく。しかし、それは悪手なのだ。人間というのは、必ず体の何%かは水面の上に出るようにできている。しかし、もがこうとすると腕が頭の上に行ってしまう。そうすると、腕が水面上に出る分を占めてしまい、頭は水面下に沈んでしまう。そうすると、人間は呼吸ができなくなって溺死してしまうのだ。
「だから、腕が頭の上に行かないようにしろ。とりあえず、最初は呼吸できるようにすること。いいな?」
宮藤たちは、マイケルの言うとおりにしてみる。ある程度、宮藤たちが慣れてくると、マイケル達は離れる。
すると、チャックが離れる前に思い出したかのように言った。
「あ、二人とも眠気とか咳があったり、意識が朦朧としたら言ってくれ」
「なんでですか?」
キョトンとするリーネに、チャックは答えた。
「二次溺水っていうのがあるから、2人とも数時間はお互いの様子を見てろよ?少しでも異常があったら言ってくれ」
「「わかりました」」
チャックは、2人の答えに満足すると離れて行った。
その後も宮藤達の訓練は続いた。マイケル達から、ある程度レクチャーを受けたからか、そこそこ泳げるようになっていた。それでもつらいことには、ちがいなかった。
正午あたりになって、ようやく坂本から休憩の号令がかかる。2人は、ユニットを引きずりながら上がってくる。肩で息をして、相当疲れていることが一目でわかった。そのままある程度、砂浜を進むと2人はその場に倒れこんだ。
「2人とも大丈夫?」
リーネは、声のした方をバッとみる。そこにはスクランブル待機から解放され、海パン姿になった桜田がいた。桜田は、苦笑いしながらミーナの方を見る。
「その様子を見ると、だいぶきつかったみたいですね」
「あの、桜田さん」
恥じらうような声を出すリーネ。桜田は、首をかしげながら彼女の方を見ると、リーネは顔を真っ赤にしてもじもじしていた。
「あの、にあってますか?」
そういうとリーネは、手を水着の方にやる。その瞬間、桜田も意識してしまい顔を赤くする。頭の後ろに手をやって、ポリポリと掻き流ながらちらりとリーネの方を見る。
「その、とても似合ってますよ」
改めて言われるととても恥ずかしいらしく、リーネはさらにもじもじとする。
すると、桜田のさらに後ろから声がかけられる。
「桜田少尉、法律はきちんと守れよ?」
桜田が後ろを見ると、そこにはニヤニヤとからかうような表情をしたフライトスーツ姿のチャックがいた。
「わかってますよ」
「どうだかねぇ・・・・」
いまだにチャックは、ニヤニヤとした表情をやめようとしない。
すると、リーネの横で倒れこんでいる宮藤は、拗ねたように言った。
「遊べるって言ったのに、ミーナ中佐の嘘つき」
「なぁに、そのうちなれるさ」
「コーラいるか?」
またもや割り込んできた声に、4人は声のする方を見るとビキニ姿のシャーリーとフライトスーツ姿のマイケルであった。
宮藤とリーネは、マイケルからコーラを受け取ると、一口飲む。シャーリーは、宮藤達の方に進むと、2人の間に割って入って大の字になって寝転がる。
「それに、こうやって寝ているだけだって悪くない・・・・」
宮藤とリーネもシャーリーを見習って寝転がってみる。日差しがぽかぽかと暖かく、このまま寝てしまいそうになる。桜田、チャック、マイケルの3人は、そんなシャーリーたちの様子を見下ろしながら、のんきなもんだと苦笑いする。
「気持ちよさそうだな・・・・」
「気持ちいいぞ。マイケルもどう?」
マイケルのつぶやきに、シャーリーは誘ってみるが、マイケルは首を横に振って「フライトスーツに砂が付くと厄介だからやめておくよ」と断った。
その時、シャーリーの横で横たわって日向ぼっこを楽しんでいた宮藤は、太陽の前を何かが横切った気がして、思わず声を出した。
「ん?」
宮藤の声に気が付いたのか、その場の全員の視線が宮藤に集まる。
「どうしたんだ?宮藤」
「今、太陽の前を何かが横切ったような・・・・」
マイケルの質問への宮藤の答えに、全員の視線は宮藤から上空へ移る。全員が、太陽のまぶしさに思わず目を細めて、手で影を作る。しかし、しばらく上をじっと見ていたマイケルとチャック、桜田は、何かに気が付いて、はじかれたかのように走り出した。
1歩遅れて、シャーリーも3人の後を追う。訳が分からぬまま、宮藤とリーネは4人を追う。
「ど、どうしたんですか?」
宮藤は、厳しい顔をして走る4人に聞いた。
「ネウロイです!」
桜田がそういうと、チャックがすぐさま指示を出した。
「桜田。お前は中佐たちのところに行け!シャーリー達は俺らについて、出撃しろ!」
「了解しました」
桜田は、格納庫に向かって走る5人と別れてミーナたちのところに向かった。
――――――――――――――――――――
桜田がミーナたちのもとに向かっている最中、基地から敵襲を告げるサイレンが鳴り響く。基地を横目にミーナたちのもとに到着すると、支給品のスマートフォンでどこかと通話している今浦とミーナたちがいた。
「くそっ!」
今浦は悪態をつくと、通話を切る。
「今浦中佐。状況は」
「敵のネウロイがレーダー網を潜り抜けたらしい」
苛立たし気に頭を掻きながら、今浦はそういった。
「E-2は?」
「前の事故以来、派遣されてるE-2は全部検査のために飛行停止中だ」
今浦が言った事故は、E-2早期警戒機の2つのエンジンのうち、片方が停止してしまった事故のことである。欧州に派遣された空軍所属のE-2は、分解されて船で欧州まで輸送。その後、組み立てられて使用されているが、エンジン部品の一つが運搬中に破損してしまったことが事故の原因であった。
それによって国防軍は、事故再発防止のために欧州に分解輸送された航空機の、飛行停止処分と全機点検を命じた。代わりに陸軍、海兵隊に配備されている移動式対空レーダーで穴を埋めているが、それでも絶対数が少ないことや、性能などからE-2の穴を完全に埋めるには至らず、ブリタニア軍のレーダー網を使用することで、何とか補っている状態であった。しかし、ブリタニア軍のレーダーは信頼性が低く、この日の朝に海岸線に設置されていたレーダーサイトが1つ故障していた。
この襲来はその隙を完全につかれた形であった。
「警戒航行してた"はぐろ"*1が見つけて通報したらしい」
「まんまと隙をつかれたということですか・・・・」
その時、ちょうど滑走路から轟音が聞こえてくる。滑走路を見ると、シャーリーたちウィッチ隊が発進しようとしていた。
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「急げ急げ!」
チャックたちは、そう言いながらF-37に駆け寄ると、コックピットに横から飛びてた足場を器用に上っていく。
「さすがに、ウィッチは早いな」
目の前を発進していくウィッチを見て、ヘルメットをかぶりながらマイケルはつぶやいた。
そうしている間も、着々と発進準備が進められていく。電源が入れられ、自己診断プログラムが戦闘機に異常がないことを知らせる。それだけでなくコントロールスティックやラダーを操作して、きちんと動作しているかを確認する。
整備兵は、コックピット横の足場を格納し、ミサイルの安全ピンを引き抜いて、マイケル達に見せる。
発進の準備が整い、管制塔から発進許可が下りると、2機は滑走路に進む。
「ストライカー01。テイクオフ」
長機であるチャックが、先にアフターバーナーを焚いて急発進する。それにマイケルもすぐに続いた。
レシプロ機では到底まねできないような角度で急上昇していく2機は、あっという間に大空に消えていった。
――――――――――――――――――――
急いで管制塔の防空指令所に戻ったミーナたちは、無線機を使って発進したシャーリー達と連絡を取っていた。
「シャーリーさん聞こえる?」
暫くするとシャーリーから返事が返ってくる。ミーナは、横で地図とにらめっこしていた今浦に無線機を渡す。
「敵はすでに内陸部に進入!位置は当基地より295度、距離20マイル!速度は500ノットで超高速型と思われる!針路は295度!このままいくと・・・・」
今浦と地図をはさんで反対側にいた要撃管制官が、地図に定規で線を入れる。その線が、ネウロイが直線飛行をした際に通る進路である。ちょうど線は、ロンドンと重なったことでその場にいた全員の目の色が変わる。
坂本は、今浦から無線機をひったくる。
「ロンドンだ!今、チャックたちが向かう!協力して敵を撃破するんだ!シャーリー、お前のスピードを見せてやれ!」
『了解!』
ちょうどその時、ものすごい轟音とともに、後部から2つの炎を吐き出し、機体内部と翼下にはいくつものミサイルを抱えた2匹の鋼鉄の猛禽は、大空に飛び立っていった。
防空指令所の下、格納庫の横では、桜田と緑川、川野たちが飛び立っていく2機を眺めていた。パイロットスーツを着ていないことや、彼らの戦闘機は、整備中であるため出撃することは出来ないため、こうして眺めることしかできない。
そんな3人の横を、ルッキーニが慌てた様子で走っていった。3人は、ただならぬ様子のルッキーニが気になる。
「あぁ、シャーリー行っちゃった・・・・」
ルッキーニの言葉の意味が分からず、3人は首をかしげるが、ルッキーニはそれに気が付かず、さらに気にかかることを言う。
「まさか、あのままなのかなぁ?」
「あのままとは?」
ルッキーニの言葉の意味が分からずに、川野は問いかけた。その問いかけに、ルッキーニは言葉を滑らせた。
「あのね、昨日ね・・・・。私、シャーリーのストライカーをね・・・・」
しかし、その瞬間自分が口を滑らせたことに気が付いたルッキーニは口をつぐむ。そして、油の切れたブリキのおもちゃのように、ギギギと後ろを向く。
「ふーん。ストライカーを?その先は?」
そこには、笑顔であるものの目が一切笑っていない緑川がいた。完全に怒っている彼女を見て、ルッキーニは咄嗟にごまかそうとした。
「あの、何でもないです・・・・」
「そう?ヴェルケ中佐のところに一緒に行きましょうか」
緑川は、一切笑顔を崩さずにルッキーニの軍服の襟をつかむと、冷や汗をかく彼女を引きずっていった。
――――――――――――――――――――
「はぁ!?シャーリーのストライカーが!?」
ある程度上昇した後、ネウロイのもとに急行していたチャックたちに、今浦から通信が入った。何事かと思っていると、とても信じられない内容が今浦の口から伝えられた。
「ああ、昨日の夜に馬鹿がぶっ壊していたらしい」
今浦の声からは、怒りがにじみ出ていた。
通話口の先の今浦は、ちらりと後ろを見ると大きなたんこぶを作ったルッキーニと、宮藤たちに連絡を取っている坂本とミーナがいた。
「とにかく先行してシャーリーを止めろ!」
「了解!」
マイケルは、シャーリーがいるであろう前方を厳しい顔でにらみつけると、スロットを押し込んで速度を上げた。
――――――――――――――――――――
当のシャーリーは、そんなことはつゆ知らず、敵がいるであろう方向に飛んでいた。
――いつもと違う・・・・
シャーリーの感覚は、ルッキーニがストライカーの修理を適当にしたからなのだが、そんなことは気づきもしなかった。むしろ、そちらに気を取られすぎたせいで、インカムから流れる坂本の声に気が付かなかった。
『・・・・大尉、シャーリー大尉帰還せよ!シャーリー大尉!』
そのはるか後ろを宮藤とリーネが、ミーナたちから連絡を受けて全力でシャーリーを追いかけていた。しかし、シャーリーのストライカーの速度にかなわずどんどんと引き離されていく。
そんな2人の上空を、超音速で飛行する2機の戦闘機が追いぬかしていった。非常に離れていたが、超音速飛行によって生み出された衝撃波は、ものすごい轟音となって2人の鼓膜を叩いた。
2機を操縦するマイケル達には、前方を飛ぶシャーリーの姿が見えた。早いといってもF-37ほどではないため、2機は速度を落として無線をシャーリーのインカムにつなげる準備をする。
――なんだ?加速が全然止まらない。今日はエンジンの調子がいいのか?
しかし、シャーリーには2機が見えないらしく、加速し続けていた。
――この感じ、似てる。あの時と・・・・
シャーリーの脳裏に、バイクで世界新記録を出した時の記憶がよみがえる。
後ろからは、速度を遷音速まで落とした2機が近づいている。もうすぐシャーリーに追いつきそうだが、ここにきてもシャーリーは、目立つベイパーコーンを身にまという2機に気が付かない。
「いっけぇええええ!」
シャーリーは、固有魔法の「加速」を起動して、一気に速度を上げた。シャーリーは、一瞬ベイパーコーンを身にまとうと、音速の壁を突破した。
衝撃波が後ろを飛んでいた宮藤達とマイケル達を襲う。もともとF-37はスーパークルーズ機能を持つ戦闘機であるから問題はなかったが、宮藤達たちは衝撃波をもろに食らい体勢を崩してしまう。
「めちゃくちゃだ!」
速度計を確認した後、離れていくシャーリーを見てマイケルは、そういった。レシプロ機で音速を超えるなど考えられない。
「とっとと速度を上げて追いつくぞ!」
チャックの指示とともに、マイケルはスロットを押し込んで速度を上げると超音速でシャーリーを追った。
当のシャーリーは、目まぐるしく変わる空と音がなくなったことで、自分が音速の壁を越えたことを理解した。
「これが、超音速の世界。やった!あたしやったんだ!」
そう言ってはしゃぐシャーリーの両脇に、チャックたちが並んだ。超音速飛行を普段からしている2機と並走できていることに、シャーリーのテンションはさらに上がった。
しかし、対するマイケル達は慌てていた。
「シャーリー!曲がるなり上がるなりしろ!とっととするんだ!」
「マイケル!見たか!私はやったんだ!音速を越えたんだ!」
緊迫したチャックの声は、夢が実現して喜ぶシャーリーには届かなかったらしい。マイケルは怒鳴った。
「奴とキスしたくないならとっとと曲がれ!!」
すでに音速の世界を知るマイケル達は、すでに減速しても前方にいるネウロイとの衝突は避けられないと判断して、上昇か旋回でよけるように言う。
それと同時に、自分たちが衝突しないようにマイケル達は機体を急上昇させた。
シャーリーは、そこまできてようやくマイケル達の緊迫した様子に気が付いて前を見る。
「え・・・・」
すると前方に見えた小さな点がどんどんと大きくなっていく。
「ええ、え~~~~!!」
シャーリーは、その黒い点がネウロイだと認識すると、2機のように回避行動をとるのではなく、シールドを張って急ブレーキをかけて止まろうとした。しかし、車ですら急には止まれない。抵抗が少ない空中であれば、ほとんど減速することなく拳銃弾と同じだけの速度でネウロイに突っ込んだ。ネウロイのコアは、とてつもない速度で突っ込んできたシャーリーによって破壊された。
その様子を、上空で見ていたマイケルは、基地に通信を入れる。
「シャーリーがネウロイに突っ込んだ。敵の撃墜を確認」
『シャーリーさんは?』
ミーナの言葉に、マイケルはシャーリーを探す。すると、ネウロイを撃破したことでできた雲の中から、シャーリーが飛び出てきた。
「無事だ。元気に飛んでやがる」
マイケルがそう報告したとたん、シャーリーの水着が破け、ストライカーが足からはずれる。一糸まとわぬ姿のシャーリーは、ストライカーが外れてしまったことで落ちっていった。
「あ、やばい・・・・」
そのまま海面に激突するかと思われたが、急降下してきた宮藤とリーネが間一髪でシャーリーをキャッチする。
しかし、宮藤の手は、シャーリーの豊満な胸をつかんでしまっていた。宮藤はそのままシャーリーの胸をもみ始める。
『どうした』
その様子を茫然と眺めていたマイケルは、坂本のその声で正気に戻る。
「あぁ・・・・シャーリーは確保した。でも・・・・」
『でもなんだ!?』
様子が分からずに坂本は、そう聞いてきた。この状況をどう説明すべきかとマイケルが考えていると、宮藤のつぶやきが無線機を通じて聞こえてきた。
「おっきい・・・・」
「きゃぁ!芳佳ちゃんやってるの!?」
防空指令所では、無線から聞こえてくる声から状況を想像した桜田が顔を真っ赤にしてうつむいて、川野は指令所にかけられているカレンダーに視線をずらし、緑川は呆れたような顔でため息を吐き、ミーナは顔を赤らめて恥ずかしそうな顔をし、日本に妻子がいる今浦は唖然としていた。
全員の反応は、さまざまだが想像している光景は同じであり、何もわからないのは坂本だけであった。
「状況を正確に説明しろ!」
「説明できるか!」
マイケルの悲痛な叫びが、夜空に響き渡った。
――――――――――――――――――――
その日の夜中、マイケルとシャーリーは廊下でばったり会った。
「シャーリー。大丈夫なのか?」
「ああ、おかげさまでね」
シールドを張っていたとはいえ、ネウロイと音速で衝突したのだ。普通なら骨折の一つや二つがあってもおかしくないが、シャーリーはかすり傷くらいで軽症であった。
「ああ」
「その、なんだ。超音速飛行おめでとう」
一瞬、不可抗力とはいえ、裸を見てしまったことを謝ろうと思ったが、それに触れるのはよくないと思って、咄嗟にお祝いの言葉を述べてごまかす。それと同時に、どこかで飲もうと思っていたコーラをプレゼント代わりにシャーリーに手渡した。
「サンキュー、マイケル」
シャーリーは、マイケルから手渡されたペットボトルを受け取ると、早速ふたを開けてゴクゴクと飲む。マイケルは、窓の外に見える滑走路を眺めながら、さらにシャーリーを褒める。
「まさか、レシプロ機で音速を越えられるなんて思わなかった。すごいな」
「まぁな・・・・。ところでさ、マイケル」
改めて名前を呼べれ他ことで、マイケルは視線をシャーリーに戻す。シャーリーは、ニヤニヤとした意地悪そうな笑みを浮かべると、自分の胸を指さした。
「昼間、見たんでしょ。
自分から言うことは避けていたものの、当の本人から言及されたことでマイケルは観念する。
「不可抗力だったんだが、すまなかった」
すると彼女は、いつも通りのフレンドリーな笑顔に変わる。
「別にいいさ。減るもんじゃないし」
ここで許せるのが、彼女の懐の深さだろう。しかし、生真面目なマイケルはさらに謝った。
「いや、本当にすまなかった」
「いいって、いいって・・・・それにマイケルなら別に」
「なんだって?」
シャーリーの声が小声だったことで、マイケルは聞き取れずに思わず聞き返した。
「いや、なんでもない。じゃ!また明日な!」
そういって嵐のように去っていくシャーリーの後ろ姿を見て、マイケルは一言ぽつりとつぶやいた。
「
兎の心のうちに気付くことのできない、マイケルであった。
いかがでしたでしょうか。
そういえば、最近FFMの一番艦が進水しましたね。「もがみ」型FFM、小説にもちょくちょく出すつもりなので、他の艦がどんな名前になるのか注目です。
プラスして、NATOも最近P90の5.7㎜弾とMP7の4.7㎜弾を標準規格としたんだとか、6.8㎜弾と8.58㎜弾が正式採用されるのは何時かなぁ。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回。さようなら
次回 第45話 未定
お楽しみに
ネウロイの瘴気の正体は?
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1:放射線もしくは放射能物質
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2:有毒な重金属などの微粒子
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3:毒ガス
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4:日本でもよくわからない