ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク)   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうもSM-2です。
感想欄を読み返していたら、設定集を書かなければと最近思っております(-_-;)。もうしばらくお待ちを・・・・
では、本編どうぞ
※4/1一部設定修正
※12/03 一部設定修正


第45話 日本の影響

対ネウロイ戦争において、日本の存在感は無視できないものであった。先進的な兵器と戦術によって、通常兵器であっても、強力なネウロイに十分対抗可能な日本は、世界のイニシアティブを確実に握りつつあった。

世界各国も、そんな日本をまねた戦車や航空機、小火器の開発を進めていたが、100年の技術格差はすさまじく、開発が頓挫してしまうことも珍しくなかった。何より、開発がうまくいっても、単価が高くなってしまい、部隊運用が可能なほどの数をそろえることができないこともあった。

そして、そんな日本の存在をよく思わない人間もいた。

 

――――――――――――――――――――

 

ブリタニア空軍所属、トレヴァー・マロニー大将もその一人であった。

 

「くそっ!日本め!」

 

マロニーは、西部方面統合軍総司令部であった定例会議から戻ってくると、自身の執務机を思いっきりたたいた。

彼の怒りの理由は、この日の定例会議で国防軍が提案した「ガリアにおける敵大型拠点の威力偵察作戦」にあった。

 

 

国防軍がこの作戦を立案したのは、ブリタニアに建設されていた大型ジェット機が利用可能な飛行場が、今年12月に完成することと、今年中には1個海兵機甲師団の編成が完了することが理由であった。

国防軍では、この作戦で得た情報を元に、進出してきたB-3爆撃機の巡航ミサイルか地中貫通爆弾を使用してネウロイの巣を破壊。そして国防軍海兵隊がガリアに上陸し、橋頭保を確保したのちに、他国軍からなる本隊が上陸し、ガリアを解放する計画であった。

大詰めとなる上陸作戦には、もともと西部方面統合軍に派遣されている第6海兵旅団の他に、地中海方面統合軍に派遣されている第1、第2海兵師団*1と北部方面統合軍に派遣されていた第4海兵旅団。そして新規編成される1個海兵師団の3個海兵師団2個海兵旅団、計60,000名を投入し、国防軍が開発したばかりの新兵器である自律型無人駆逐戦車―A-UTD-44Aも200機投入する予定であった。

 

 

この計画の一番のネックは、ネウロイの巣の破壊であるが、それさえ成功してしまえば、ガリアにおけるネウロイの出現は大幅に減少すると思われ、後は残ったネウロイの残党を駆逐するだけだ。日本は、すでにブリタニアや地中海での防空戦闘において大活躍しており、アフリカ戦線でも海兵隊が地上戦において地上型ネウロイを圧倒している。残党ネウロイの駆逐など造作もなくやってのけるだろう。そうなれば、日本はガリア開放の立役者として、連合軍内での影響力は、さらに大きなものとなるだろう。

しかし、マロニーにとっては、日本が影響力を握るのは非常に面白くないことであった。

 

「イエローモンキーどもが!」

 

マロニーは、これでもかというほど日本をののしる。

彼は、ブリタニアにおける反ウィッチ派、そして反日派の筆頭であった。

 

 

対ネウロイ戦において、ウィッチが大活躍していることから反ウィッチ派というのは、あまり支持を受けられず大きな勢力というわけではない。しかし、反日派というのは、世界各国の財界、政界、軍部に数多く存在し、各国で無視できない大きな勢力となることが多かった。

反日派が大きな勢力となる理由は、主要国の、特に40代以上の人間に根強い白人至上主義的な考えと日本との技術格差が関係していた。

白人が人類の中で最も優れた人種であり、支配されるべき黄色人種である日本人が優れた技術を独占し、白人を見下すことは許せない。なにより、日本が有する技術には、未来の白人たちが発見・開発した技術もあり、それらを独占するのはまるで泥棒のようである。というのが反日派の意見であった。若干の被害妄想と無茶苦茶な理論が交えられた意見であり、日本からしたら下手な技術移転や流出は、世界に無秩序を生み出すのは目に見えているから技術の公開を禁止しているのだ。

また、安価で高品質な日本製品の台頭は各国の産業衰退を促しており、各国政府も関税を高くするなどの対策を取っているものの、富裕層や大企業を中心に、日本製品はどんどん広がっていた。特に影響が大きかったのが、自動車産業や飛行機製造業、造船業であった。これらは、軍事利用が可能とされ、日本政府としても特に厳しく輸出を制限していた*2。しかし、それでも頑丈で整備がしやすい日本製品は、各国の運輸業などに多く取り入れられていた。軍隊でも輸送機や偵察機として航空機が、輸送船としてセミコンテナ船が導入されるなど、もともとあったメーカーは、隅に追いやられる結果となった。

こういった経緯から、財界を中心に反日派が増えているのである。

しかしながら、同じように親日派も各国の政財界、軍部で大きな勢力を持っていた。

これは、一部の現地企業が日本企業と協力関係を築いたり、生き残りをかけて子会社となるなどしたためであった。これらの企業には、日本からしたら旧式ながらも優れた技術とノウハウが移転*3され、頑丈で壊れにくい安価な製品を製造するなどして、シェアを伸ばしていた。

輸出入業者も親日派が多かった。日本は1億人以上を有する巨大な市場であり、自給率が低いことから、食料や原材料、資源を輸出すればするだけ買ってくれる金の生る木であり、また優れた日本製品を輸入して売りさばくことで莫大な利益を上げていた。

投資家からしても、これらの企業や業者は投資すればするだけ金の生る木であった。

財界の親日派の意見としては、日本との関係をよくすることで日本の技術やノウハウを吸収し、技術を発展することにつながり、また巨大な市場を確保することができる。というものであった。

軍部としても、日本製の輸出用セミオートライフルやサブマシンガンは壊れにくく使い勝手がいいことから導入したいという人間が多く、また日本と戦っても勝ち目がないとしてならば日本との関係をよくして、自国軍を強化したほうがよいという親日派が多くいた。

 

 

さて、良くも悪くも各国に影響を与えている日本が、これ以上連合軍内での影響力を持つことは彼には絶対に許せないのである。

 

「少佐。()()()()の開発はどうなってる」

 

幾分か落ち着いたマロニーは、突然横にいた副官にそう聞いた。マロニーに使えて久しい副官は、マロニーの言う()()()()が何を指しているのか、すぐに理解することができた。

 

「はい、機体の開発は終わりましたが制御システムの開発が終わっていません」

「開発を急がせろ!日本がガリアを解放する前に、()()を完成させて、我々の手でガリアを解放せねばならん!」

「はい」

 

副官は、こくりと頷くとマロニーの執務室から出て行った。マロニーは、自身の執務室に飾ってある世界地図を忌々し気に見ると

 

「貴様の好きなようにはさせんぞ。日本!」

 

とぽつりとつぶやいた。

そんなマロニーの部屋の電灯の付け根には、何やら怪しい黒い物体が付けてあった。

 

――――――――――――――――――――

 

一方、良くも悪くも世界に影響を与えている日本の総理官邸には、防衛大臣と統合参謀司令長官、官房長官、外務大臣、情報大臣が集まっていた。

総理執務室には、応接用に大きな檜の机とそれを囲むように置かれた7つのソファが置いてあり、先の5人と大泉はそれらに座っていた。

 

「それで黒木君。報告というのは?」

「はい。先日お話ししたブリタニア軍の新兵器に関してですが、核兵器では無いようです」

 

黒木はそういうと、手に持っていたタブレット端末を大泉に手渡した。

 

「トレヴァー・マロニーの周辺を調査したところ、開発が行われているのはレイクンヒース空軍基地と思われます。同基地を衛星で観察しましたが、核兵器開発を行っているような形跡は見当たりませんでした。しかしながら、一定数の人員の出入りと資材の搬入状況から、同基地が新兵器開発の現場で間違いないと考えられています。無論、核濃縮を他で行い、組み立てだけをしているならば別ですが、そのような動きは一切見られませんでした」

 

核兵器開発には、ウランの核濃縮が必要不可欠である。これがなければ核爆弾など作れない。しかし、レイクンヒース空軍基地に、核濃縮を行なえるような施設は確認できないし、そういう施設から資材を搬入している様子もないことから、国家戦略情報省では核兵器開発は行われていないと判断したのだ。

すると官房長官が、ハッと鼻で笑う。

 

「じゃぁ、何を作っているんだ?パンジャンドラムでも作っているのか?」

「それはまだ。引き続き調査を行います」

 

すると、うーむと何かを考えていた大泉が、統合参謀司令長官の方を見た。

 

「統合司令長官。こないだ新型電子戦機が配備されたと思うが・・・・」

「EM-1のことですか?あれならすでに実戦配備も可能です」

 

EM-1というのは、転移前から国防海軍と空軍が開発・配備を進めている新型電子戦機である。種別としては統合電子戦機という新しい機種に分類される本機は、電子データの収集とジャミングを1機で行うことができる双発ターボプロップ機で、最新式のアビオニクスとミサイル警報装置、高出力マイクロ波ミサイル迎撃システム、チャフ・フレア自動散布装置が搭載されていた。陸上機バージョンと艦上機バージョンがあり、本来なら転移した年の翌年から導入開始であったが、転移の影響で配備が延長され1944年に、陸上機型のA型が5機、ようやく実戦配備された新型機であった。

 

「あれを欧州に送ってくれ。情報省の小型機材では、傍受するのにも限度がある。EM-1ならその穴を埋められるだろう?」

「わかりました。リベリオンとファラウェイランドの飛行場を使用すれば1週間ほどで派遣可能ですが、どういう名目で派遣しますか?電子偵察も可能な機体ですから、他国を刺激する可能性もありますが」

「偵察機という名目でいいだろう。こないだ、威力偵察作戦について提案したからな。その準備とでも思わせておけ」

「わかりました」

 

EM-1の派遣は、この会議から1週間後に行われた。

このEM-1が、欧州戦線で大きく活躍するとはだれも気が付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
スエズ運河を奪還し、補給路を確保するために、地中海方面統合軍には海兵隊の全主力部隊である3個海兵師団が派遣されていた

*2
船であれば排水量は5000トン以下のセミコンテナ船に限定。飛行機であれば、レシプロエンジンを使う時速400km以下、航続距離2000km以下の双発機に限定、自動車は、マニュアル車とし、樹脂やカーボンの使用を禁止するなど、性能を著しく制限することとした

*3
日本政府は、無秩序な技術移転による混乱と、産業保護の観点から1940年には特定技術移転規制法が制定されていた。この法律では1960年以降に開発された技術、製品の構造を外国に移転することは禁止され、外国人による技術関連書籍の閲覧、購入が禁止。日本人がこれらの書籍を外国人に譲渡することも禁止とされた。技術関連書籍はすべてビニールやひもで封印され、購入には身分証の提示が必要となった。これらを破った場合は、10年以上15年以下の懲役刑という類を見ない重い処罰が下され。外国人には、無期限入国禁止処分が下されることとなったのだ。

例外として転移に巻き込まれた外国人には、購入等は許可されたが、転移後の世界の人間に開示・譲渡することは禁止され、購入者は、半年に一度役所の検査を受けなければならないほどであった。

企業が外国の子会社への技術移転や外国で工場建設を行う際には、新たに内閣府に設置された技術保護局への申請・認可が必要となった。違反した場合は、責任者・経営者は懲役5年以上10年以下もしくは1000万円以下の罰金またはその両方が科せられ、企業には無期限営業停止処分が下されるというこれまた厳しいものであった。

原子力技術に関しては一切の技術移転を禁止していた。




いかがでしたでしょうか?
今回もかなり長い話となりました。特定技術転移規制法、かなり厳しい内容となっています。でもこれくらい必要ですよね?
それと部隊配置についてですが、以前、感想欄で答えさせていただいたものとかなり違うものとなっていると思います。申し訳ございません。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回。さようならぁ

次回 第46話 真夜中のスクランブル

お楽しみに

ネウロイの瘴気の正体は?

  • 1:放射線もしくは放射能物質
  • 2:有毒な重金属などの微粒子
  • 3:毒ガス
  • 4:日本でもよくわからない
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