ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
最近、同居家族がPCR検査を受けました。幸い結果は陰性でしたが、結果が出るまで私も自宅待機となりました。
コロナを改めて実感させられました。こんな状況ですが、みんなで頑張って乗り切りましょう。
では、本編どうぞ
管制室や戦闘機、ウィッチ隊の備品などの視察を終えた藤木は、ミーナとともに基地の正面にある駐車場に向かった。
来るときに乗っていたパジェロⅡ*1のもとに向かった。
「有意義な視察だった。また上陸作戦の詳細が決まり次第、うかがうだろう。その時はよろしく」
「はい」
ミーナは藤木に敬礼して見送る。藤木もミーナに返礼してパジェロⅡに乗り込もうとするが、その途中何かを思い出したようなそぶりを見せる。そして、助手席の窓から中を覗き込むようにすると女性副官に何やらいう。
「少し待っていてくれ」
「わかりました」
女性副官がそう言って、車のエンジンを切ると藤木はミーナの方を向いた。突然何事かと思い、ミーナはけげんな表情をしている。
「ヴェルケ中佐、少し話をしよう」
「はい、なんでしょう?」
「まだ、あの規則はあるのかな?」
藤木の言うあの規則というのが何なのか、ミーナにはすぐにわかった。ウィッチ隊との必要以上の接触を禁止する規則のことだ。表向きはウィッチ隊への性的暴行などを防ぐためとされているが、実際にはミーナの過去が関係していた。
「はい」
「たしか・・・・フラッハフェルト君、だったかな?」
「ッ!」
ミーナの表情が明らかに変わった。なぜその名前を藤木が知っているのか、ミーナははなはだ疑問であった。なぜなら、その名前はミーナが失った恋人の名前なのだから。
「なぜ知っているのか・・・・そういう顔だね?」
「・・・・」
ミーナは動揺して何も言えなかった。
「ウィッチ隊との必要以上の接触を禁止する。その規則を設けた理由を聞いたとき、君はウィッチが性的
暴行に合うのを防ぐため・・・・そういったね。しかし、私はそれを疑問に思ったんだ」
「疑問・・・・?」
「そうだ。ほかにもウィッチ隊はあまたあるが、そのような規則はここくらいしか聞かない。何より、接触を禁止したところで、そういうクズは性暴力を振るおうとするものだ。意味がないことくらい、聡明な君のことだからわからんはずがないと思った。だから、君の過去に理由があるのではないかと調べさせてもらったんだ。幸い、私はいろいろなところにパイプがあるからね」
藤木のいうパイプというのが、カールスラント軍内の人間のことなのかそれとも日本の優秀な情報機関の人間のことなのか、ミーナにはわからなかった。
「必要以上の接触を禁止するのは、君と同じような苦しみを味合わせたくないというエゴからくるものかね?」
「・・・・」
ミーナは、何も答えなかった。
「沈黙は、時に言葉よりも雄弁だ。ここから先は、人生の先輩として、人の親としての言葉だ。別に聞き流してくれて構わない。今、君の目の前にいるのは、君の上官の中将ではなく、君より数十年も長く生きた人生の先輩だ」
ミーナからなにも返事はないが、藤木はゆっくりとしゃべり始めた。
「人生というのは、出会いと別れの繰り返しだ。別れはいつか必ず来る。所詮、早いか遅いかの違いでしかない。君がどんなことをしようとも、理不尽な別れというのは、来るときは来るものだ。それがこの戦争によってなのか、はたまた平時に人の手によってなのかはわからんがね」
「・・・・」
「本来、君らの年齢は、いろんな人とふれあって、話して、時には恋をして人との接し方を学ぶ、自分の心を育てる時期だ。だけど、君の作った規則はその成長を阻害する要因になっていると、私は思う。部隊の円滑運用だとかそれ以外でも、人生を、人を育てるのにも悪影響であるとおもう」
藤木は、きっぱりと言った。
「君は、理不尽な別れによってくる悲しみを、苦しみをほかの人に味わってほしくない。そして、その苦しむ様子を見るのが、自分の過去と重なってつらいから、その悲劇を起こさないためにウィッチ隊との必要以上の接触を禁止する規則を作ったんだろう?」
藤木の言葉にミーナは何も返さないが、その言葉は的を射ていた。
確かにウィッチーズの隊員に、大切な人を理不尽に失う苦しみを味わってほしくないという気持ちもある。だが、それ以上に、理不尽な別れに苦しむ人間の姿が、過去の自分と重なってしまうのが怖い、という気持ちの方が強かった。
「この世は修行だ。苦しみも悲しみも乗り越えなければならない。乗り越えて一歩前に進まなければならないんだ。それは君も一緒だ。君は、ダイナモ作戦の時から一歩も前に踏み出せていない。ずっと立ち止まったままだ」
藤木の声には、何か感じるものがあった。過去に理不尽な別れを経験したことでないものでないと発することは出来ない何かが、藤木の言葉には感じられた。
何も言わないミーナを、藤木はしばらく見るとポツリと口を開いた。
「ここに川野というパイロットがいるだろう?彼の妹さんがあった事件のことは知っているかい?」
「はい。ある程度は・・・・」
なぜそのようなことを聞くのか、ミーナは疑問に思った。
「実は、その事件には私の息子の妻、つまりは義理の娘もあったんだ。いや、正確には義理の娘と孫がね」
「え・・・・?」
ミーナが藤木の顔を見ると、彼の顔は若干曇っているように見えた。
「私には、当時24の、
懐かしそうに藤木は話す。
「息子は結婚して、孫が生まれる。本当に幸せだった。だけど、あの事件がすべてを狂わせた。たまたま出かけていた嫁が事件にあったんだ。孫の出産日の一か月ほど前だった」
藤木は当時、少将として海兵隊参謀司令本部で働いていた。事件の一報を受けた藤木は、仕事を切り上げるとすぐさま帰宅した。病院につくと、霊安室に通され、そこで冷たくなった息子の妻とそのそばで泣き叫ぶ息子、彼女の両親と合流した。
しかし、藤木にとってそのあとも悲劇は続いた。
「犯人は心神喪失で無罪。嫁のお母さんは自殺して、お父さんは犯人を殺して自殺した。息子も精神を病んで自殺した」
「ッ!」
藤木に何を言ったらいいかわからず、ミーナは黙ってしまった。
「人生というのは、何が起こるか分からん。その都度、前に進むことをやめていたら、いくら時間があっても足りん。君が前進できるように祈っているよ。では、また今度」
そういうと藤木はパジェロⅡに乗り込んでいってしまった。
――――――――――――――――――――
その日の夜。ミーナは自身の執務室で一人、昔のことを考えていた。クルト・フラッハフェルト、ミーナの幼馴染にして恋人を失った時のことだ。
すると、後ろからガチャリという音がする。ちらりと見てみると、坂本がいた。
「聞いたぞ。手紙を突き返したそうだな」
「ええ、そういう決まりよ」
ミーナは冷たく言うが、その声はどこか迷っているようにも聞こえた。坂本がミーナの隣に行くと、ミーナがぽつりとつぶやいた。
「ねぇ、美緒。私は、間違っているかしら・・・・」
坂本がミーナの方をハッとして向くと、彼女はとても苦しそうな顔をしていた。坂本はそんなミーナに掛けてやる言葉が見つからず、ただ黙っていることしかできなかった。
いかがでしたでしょうか?
藤木さん、かなりの過去を持っていましたね。藤木さんが優秀だったのと、犯人を殺したのが自分の子供の配偶者の親ということで、3等親いないではなかったので国防軍をやめさせられることはなかったという設定です。
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ではまた次回、さようならぁ
次回 第54話 前へ
お楽しみに
ネウロイの瘴気の正体は?
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1:放射線もしくは放射能物質
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2:有毒な重金属などの微粒子
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3:毒ガス
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4:日本でもよくわからない