ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク)   作:RIM-156 SM-2ER

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いやぁ、だいぶ遅れてしまいました。どうもSM-2です。
いろいろとリアルが忙しくって、遅れてしまいました。ゴールデンウイーク中に書こうと思ったんですが、思ったように筆が進まず・・・・。
では、本編どうぞ


第54話 前へ

翌日。基地中にサイレンの音が鳴り響いていた。

 

「急げ急げ!!」

 

この日のスクランブル隊は今浦と桜田であった。待機室から飛び出ると、2人はハンガーにあるF-37に飛び乗る。

エンジンを始動し、飛行前の点検を軽く済ませる。整備士によってミサイルの安全ピンは抜かれており、いつでも発射可能であった。

 

「今日は珍しく予測が当たりましたね」

「そうだな」

 

滑走路に機体を進ませていた今浦達の前を、ウィッチ隊が発進していく。

 

「俺たちも急ぐぞ」

「了解」

 

2機の戦闘機は、ウィッチ隊の後に続くように飛び立つ。アフターバーナーを焚いて加速しながら、管制塔からネウロイの情報と飛行指示が届く。

すでにF-37のフェーズドアレイレーダーはガリアから501基地に真っすぐ飛んでくるネウロイの姿をとらえていた。

 

「ウィッチ隊へ。ストライカー01、02。先行し、敵ネウロイと交戦を開始する」

「ウィッチ隊、了解しました」

 

あとから発進した戦闘機は、超音速でウィッチ隊を追いぬかしていく。

今浦と桜田は、前方に目を凝らしてネウロイを見逃さないようにする。超音速という超高速で飛んでいるため、いち早く敵を発見しなければならないからだ。

しばらくすると、今浦と桜田の超人的な視力は、青い空に垂らされた墨のような小さな黒い点のような物を見つける。

 

「ストライカー01。エネミーインサイト(敵を確認)エンゲージ(交戦する)

 

編隊長である今浦の言葉と同時に、2機の戦闘機は一気に急上昇してネウロイの上空を抑える。今も昔も上空を取った方が有利であることに変わりはないのだ。

 

「ストライカー01、FOX-1」

「02、FOX-1」

 

符丁のコールとともに、2機の戦闘機のウェポンベイからAAM-7が放り出されるように発射される。すぐさま4発のミサイルは、ネウロイをレーダーでとらえるとその予想針路上に飛んでいく。M7という極超音速で飛んでくる小型の空対空ミサイルをネウロイはとらえることができず、爆発によって飛んできた金属ロットをもろに食らう。

その瞬間、ネウロイは不協和音を放ち、いくつもの個体に分裂した。

 

「なっ!」

 

FLIRでコアの位置を確認しようとしていた今浦は、突然分裂し突っ込んできたネウロイの対応に遅れる。それは桜田も同じようであった。

レーダーを確認しても、小型のネウロイが密集しているため、一つの大きな点のようになってしまっている。

 

「ストライカー02。いったん退避だ。速度で振り切るぞ!」

「ラジャー」

 

2機は再びアフターバーナーを使って急加速すると、小型ネウロイの群れを引き離す。

ちょうどその時、ミーナたちウィッチ隊も遅れて到着した。ミーナは状況を素早く理解すると、自身の固有魔法である空間把握を使ってネウロイの数と位置を確認する。

 

「右下方80、中央100、左30。総勢210機よ」

「勲章の大盤振る舞いだな」

 

坂本は軽口をたたいて見せた。

 

「バルクホルン隊中央、ペリーヌ隊右を迎撃」

「「了解」」

 

早速、指示を受けたバルクホルン、ハルトマン、ペリーヌ、リーネの4人が割り振られた小型ネウロイの集団に突撃する。

 

「坂本少佐と戦闘機隊はコアを捜索して、宮藤さんは坂本少佐の直掩に入りなさい」

「わかった」

「コピー」

「了解しました」

 

指示を受けた戦闘機隊と坂本も上空に展開してネウロイのコアを探し始める。戦闘機隊の特性的に、多くの小型ネウロイの相手をすることは不可能だからだ。

ミーナは直掩任務を割り振った宮藤の方を向く。

 

「いい?貴女の任務は、坂本少佐がコアを見つけるまで敵を寄せ付けないこと」

 

その指示を聞いていた桜田が今浦に軽口をたたいた。

 

「こっちに直掩はないんですかね?」

「速度で振り切れってことだろ。無駄口叩いてる暇があったらコアを探してとっとと破壊しろ」

「ラジャー」

 

ミーナは宮藤に指示を出した後、自分も小型ネウロイの集団に突撃していった。さすがは人類有数のエースウィッチで、圧倒的な数的不利などものともせず、ネウロイを白い破片に変えていく。

バルクホルンとハルトマンもスコア稼ぎとばかりにネウロイを流れるように撃破し、ペリーヌは自身の固有魔法でネウロイを一気に破壊する。少し離れた位置に展開していたリーネも最初のころとは比べ物にならないくらいの正確無比な射撃でネウロイを次々と葬り去る。

コアを探す坂本のもとにもいくつかの小型ネウロイが突っ込んでくるが、そばにいた宮藤がそれらをすべて撃破する。

 

「その調子で頼むぞ!」

「了解」

 

F-37を狙ってくるネウロイも圧倒的速度に翻弄され、25㎜機関砲で葬り去られる。

撃ち落しても減らないネウロイに、バルクホルンと合流したハルトマンはぼやいた。

 

「きりがないよ」

「いったいコアはどこにあるんだ」

 

いつまでたってもコア発見の報告がないことから、ミーナは心配して坂本の傍に行く。

 

「コアは見つかった?」

「だめだ」

「こちらでも見つかっていない。クソッ!どこに隠れやがった」

 

坂本と今浦の報告に、ミーナはハッとする。

 

「まさか、また陽動?」

 

しかし、坂本はミーナの推測に首を横に振る。

 

「違うだろう。気配はあるんだ。だがどうもあの群れの中にはいない」

「じゃぁ、どこに・・・・」

 

その言葉を聞いて今浦はレーダー画面を注意深く見始める。

ミーナは戦闘を眺めながらぽつりとつぶやいた。

 

「戦場は移動しつつあるわね」

「ああ、どんどん大陸に近づいている」

 

ちょうどその時だった。今浦は小型ネウロイの群れからは少し離れたところを飛んでいるアンノウンを発見する。ちょうど、坂本たちの真上であった。

 

「坂本少佐!敵機上方!注意せよ」

 

今浦は素早く坂本たちに注意喚起すると、桜田とともに発見したネウロイの集団に向かう。

坂本も今浦からの注意を受けて視線を上に向ける。確かに、太陽を背にネウロイの集団が突っ込んでくるところだった。それを魔眼で見ようとするが、太陽光線を直視することは難しかった。

 

「くっ!見えない・・・・」

「行きます」

 

直掩についていた宮藤がネウロイを迎撃氏に向かう。シールドを使ってネウロイのビーム攻撃を避けつつ、持っていた機関銃でネウロイを撃墜する。ちょうどそばにいたミーナも、坂本の傍で宮藤の援護をする。

坂本が、太陽を見ないように注意深くネウロイを見ると。集団の中の1機の中に赤く光るコアを確認した。

 

「見えた!」

 

コアを持つネウロイは、坂本たちの右を急降下で逃げていく。

 

「あれなのね」

「ああ」

 

ミーナはインカムのスイッチを押して新たな指示を出した。

 

「全機へ。敵コアを発見。私たちと戦闘機隊でたたくから、他を近づかせないで」

「「「「了解」」」」

 

そういうとミーナたち3人と、2機の戦闘機隊はコアを追った。

 

「ストライカー01。FOX-2」

 

FLIRでコアの熱を探知した今浦はサイドワインダーを2発放つ。しかし、どうやら1発は不良品だったようだ。ネウロイに最初のミサイルがあたり、装甲が削れてコアが露出するが、回避行動をとるネウロイに対して、2発目のミサイルは針路を変えることなく海面に突っ込んでしまう。

 

「クッ!こんな時に不良品か!」

 

すでに2機の戦闘機は、ネウロイを追い越してしまいすぐに攻撃することは出来ない。そんな戦闘機隊の様子を見た坂本は、そばにいた宮藤にすぐに指示を出した。

 

「宮藤!逃がすな!」

「はい!」

 

宮藤は加速すると、回避行動をとるネウロイに向けて機関銃を放つ。曳光弾を交えた機銃弾が、ネウロイに殺到し、露出していたコアを完全に破壊した。

コアが破壊されたことでネウロイは白い破片に代わる。降り注ぐそれが直撃しないよう、戦闘機隊は加速でミーナたちウィッチ隊はシールドを張る。

だが、本来なら容易に防げるはずのそれを、坂本のシールドは防ぐことができなかった。白い破片はシールドを貫通して坂本の頭部をかする。

 

「あっ!美緒・・・・」

 

ミーナはそれを見て心配そうな顔をする。しかし、どうやらミーナ以外そのことに気が付いていないようだ。

皆、ネウロイを撃墜した宮藤のもとに集まって褒めている。

 

「ふん!まぐれですわよ!」

 

ペリーヌが相変わらずひねくれたことを言うが、バルクホルンは彼女の言葉を否定した。

 

「いや。不規則挙動中の敵機に命中させるのは、なかなか難しいんだ」

 

歴戦のバルクホルンに言われてしまうと何も言い返せないのか、ペリーヌは黙り込む。

 

「宮藤、やるじゃん」

「えへへへ。そうかな?」

 

ハルトマンにまで褒められると、宮藤は照れくさそうに笑う。

そんな彼女らの眼下の廃墟となった町に白いネウロイの破片が降り注ぐ。その光景は幻想的で非常に美しかった。

 

「きれい・・・・」

「こうなってしまえばな」

 

宮藤のつぶやきに坂本が応じた。

 

「きれいな花にはとげが、って言いますわね・・・・」

「自分のことか~?」

 

茶化すハルトマンに、ペリーヌはいつも通りかみついた。

 

「失礼ですわね!まぁ、きれいってところは認めて差し上げてもよろしくてよ」

「棘だらけってか?」

 

言い争う二人を背に、何かを見つけたミーナが町の方に降りて行ってしまう。すでに誰もおらず、ネウロイの影響でボロボロになっている町になんのようなのか、ミーナの様子に気が付いた今浦にはわからなかった。

 

「ヴェルケ中佐?」

 

今浦のそのつぶやきに反応して、ハルトマンはミーナを追おうとした。しかし、何かを察した坂本がそれを止める。

 

「まて。しばらく一人にさせてやろう」

 

最初は何故だかわからなかったバルクホルンも何かに気付き、少し悲しそうな眼で、降りていくミーナを見ながらつぶやく。

 

「そうか、ここはパ・ド・カレーか・・・・」

 

 

地上に降り立ったミーナは、そのまままっすぐ1台の車に近づいた。その車は、今は亡き彼女の恋人であるクルトの車であった。

ミーナはそのまま助手席側の扉を開けて中を覗き込むと、運転席に何か紙包みが置いてあることに気が付く。

 

―なにかしら・・・・

 

そう思いながらミーナはそっと紙包みを縛っていた麻糸をほどく。すると中からは、赤いステージ衣装と手紙が出てきた。

その二つを見て、彼女の脳裏にクルトとの思い出がよみがえった。

 

―――――――――――――――――――――

 

クルト・フラッハフェルトは、ミーナの幼馴染にして恋人であった。ともに音楽家を目指し、同居していた時期もある。

しかし、ネウロイの出現、そしてミーナがウィッチとしての素質を持っていたことからすべてが変わった。

対ネウロイ戦において大きな戦力となるウィッチ、しかも稀有な航空ウィッチとしての素質を持っているミーナを軍が見逃すはずもなく、彼女は徴兵された。

当時、通常兵器であっても中型ネウロイに対抗可能である日本国防軍は、補給問題の観点から対ネウロイ戦に本格的に参加していなかったため、ことさらウィッチの最前線配属が望まれ、彼女は最前線への配属が決まった。

そして、クルトもミーナの後を追うように軍に入隊すると最前線に志願。同じ部隊に配属され、ともに対ネウロイ戦の最前線で戦うことになった。

 

 

その後の戦局は悪化の一途であった。彼女らの祖国であるカールスラントは陥落し、ミーナの部隊はガリアに撤退した。

配属されたばかりのウィッチが撃墜されてしまうような厳しい戦いが続いたが、ミーナもクルトも何とか生き延びることができていた。

しかし、戦局が厳しいことには変わらず、ついにはガリアもネウロイの手におちようとしていた。そこでガリアからの全面撤退をするダイナモ作戦が発動。ミーナたちの部隊も民間人撤退のための遅滞戦闘に駆り出された。

ミーナたちウィッチ隊は無事に撤退できたものの、支援要員たちは撤退が遅れ全滅してしまった。当然、ミーナの恋人であるクルトも命を落としたのである。

 

―――――――――――――――――――――

 

クルトとの別れ際、彼はミーナに渡したいものがあるといっていた。このステージ衣装と手紙がその渡したいものであることは、すぐにわかった。

もともと彼女は自分のステージ衣装を持っていたのだが、ウィッチになる時に音楽家への未練を断ち切るために焼き捨ててしまった。しかし、それでも音楽家への道をあきらめきれない気持ちを、クルトは察していたのだろう。

ミーナはステージ衣装から手紙に視線を移すと、震える手でそれを手に取るとゆっくりと開く。そこには懐かしいクルトの文字があった。それを読み進めていくにつれて、彼女はぽろぽろと涙をこぼす。それは手紙に落ちて、文字がにじんでしまう。

 

―クルト・・・・

 

彼女は手紙を大切そうに抱きしめる。そして、普段の大人びた彼女からは想像できない、18歳の少女らしく声を出して泣き始めた。

 

 

他の隊員たちを返し、ミーナを待っていた坂本は静かに彼女が泣き止むまで近くで待っていたのだった。

 

―――――――――――――――――――――

 

その日の夕方、ガリア上空のネウロイの巣への威力偵察任務に向かうため、国防海軍第2艦隊から派遣されたイージス駆逐艦2隻―DDG-111「なす」、DDG-105「あたご」を加えた扶桑海軍遣欧艦隊は、501JFW基地近くを航行していた。

 

「ったく。司令部は何考えているんだ。これくらいの戦力で威力偵察とは・・・・」

 

「あたご」艦長の男性中佐は、艦橋の艦長席に座りながら、そばにいる航海長にしかわからない声でそう漏らした。

しかし、気持ち的には艦の乗員全員が同じ気持ちであった。12隻いる艦隊のうち9隻は第2次大戦時の駆逐艦や巡洋艦で、1隻も大して役に立たないレシプロ機を有する大戦時の空母である。戦力になりうると思われるイージス駆逐艦も1隻は就役から40年以上たつ老齢艦。もう1隻もレールガンを有さないタイプのもので、就役から20年近くたつ船である。一応、「なす」は対空レーザー砲を積んではいるが、ミサイルも大半は古いSM-2やESSMで、最新のSM-7*1やフェイルノート*2などのミサイルは、「なす」にそれぞれ十発程度しか積んでいない。ネウロイの巣というのは、要塞でありネウロイの生産工場だ。非常に硬く強固であり、威力偵察と言えど、空母1隻を含む多数の現代艦艇からなる艦隊と数十機のジェット戦闘機、多数の最新ミサイルが必要となる。

正直、これくらいの戦力ではおとり程度にしかならない。ハッキリ言って死ねといわれているようなものであった*3

 

「はぁ・・・・これにブリタニアとリベリオンの艦隊もつくのか。4隻でどう守れってんだ」

 

艦長のボヤキに横で操艦を指揮していた航海長が、双眼鏡から目を話して苦笑いしながら答えた。

 

「仕方ないですよ。彼らにも面目があるんですし・・・・」

「それで作戦失敗じゃ世話がないぞ。しかも、そのあとに我々が単独で作戦に成功したら、奴らのメンツは余計につぶれるってのに・・・・」

 

ちょうどその時であった。艦橋の横を何かが高速で通り過ぎていく。何かはすぐに上昇してしまったようで艦長席からはあっという間に見えなくなってしまう。仕方なく、艦長は艦橋横にいる見張り員に声をかけた。

 

「おい!今のなんだ?」

「ウィッチです。ケッテ編隊*4でデルタ型*5に組んで飛んでいます。現在、赤城に接近中」

「なんだ。味方か・・・・」

 

とりあえず害をなす存在ではないとわかって艦長は一安心する。ネウロイであったら、ここまで接近する前にビームを撃ってくるだろうし、接近してきた時点でCICから報告が上がるであろうが、絶対はないのだ。

艦長は、艦長席から立ち上がると操舵室を出て、見張り員のもとに向かう。たしかに、そこにはケッテを組んだウィッチがいた。

ここらは聞こえないが、赤城の方に手を振って何か言っているようだ。

その時、艦内無線で通信室から報告が上がる。

 

『艦長。501基地からの通信を傍受しました』

「501基地から?内容は?」

『それが、電報ではなく音声無線で・・・・とにかく流します』

 

通信士官がそういうと、しばらくして艦内無線から歌声のようなのもが聞こえてきた。多少、音楽に造詣が深い艦長は、その歌が何なのかすぐに気が付いた。

 

「ほぉ・・・・リリー・マルレーンか」

 

優しく繊細な歌声に、理不尽な命令ですさんでいた彼の心は幾分か落ち着いたようだった。すると、艦長は通信士官に尋ねる。

 

「これ、扶桑艦隊でも傍受してるかな?」

『おそらく。してると思います』

「そうか・・・・。スピーカーにして艦内全部に流してやれ」

 

艦長はそれだけ言うと、艦長席に座って目を閉じると美しい歌声に耳を澄ませた。

 

――――――――――――――――――――――

 

同時刻。501基地の談話室には、赤城のもとに向かった3人―坂本、宮藤、リーネを除くストライクウィッチーズの隊員全員と、基地運用要員などが集まっていた。

談話室の中心には、赤髪のウィッチ―ミーナがいた。クルトが送ってくれた、彼女の髪と同じ赤いドレスに身を包み、目を閉じてまるで祈るように胸の前で手を合わせている。

サーニャの奏でるピアノの音に合わせて、美しい歌声で歌う。

傍では、普段は管制塔にいる通信兵と機械に詳しいシャーリーがパソコンと通信機をいじって、威力偵察艦隊のもとに音声をリアルタイムで送り届けている。その横ではバルクホルンが、川野の助けを借りながらこれまた日本製のビデオカメラでミーナを撮っている。

ちょうどそこに、戦闘報告書を書き終えた今浦がやってきた。彼は桜田の隣に行くと、ミーナを見ながらぽつりとつぶやく

 

「すごいな・・・・」

 

すると、今浦が来たことに気が付いたルッキーニが小声で話しかけてくる。

 

「今来たの?」

「ああ、戦闘報告書を書いてから来たからな」

「後回しにすればいいのに」

「後回しにしてると忘れるからな。早めにしておかないと」

 

それだけ言うとルッキーニも「ふーん」といって、視線をミーナの方に戻す。ちょうど威力偵察艦隊の見送りに言っていた宮藤達も戻ってきたようであった。

 

「戦争が終わったら、日本で歌手として食っていけるな」

 

黒っぽいTシャツに下はデジタル迷彩服という格好をしたチャックが、いつものふざけた口調でそう言ったが、その点に関してはみんな同意であった。

整った顔立ちに美しい歌声、この二つが合わさっているのだ。今日本で主流となっている音楽には合わないだろうが、それでも人気の歌手になれることは間違いないだろう。

しかし、「戦争が終わったら」なんていうベタな死亡フラグのようなことをいう彼をマイケルが小突く。

 

「そんなフラグみたいなこと言わないでくださいよ」

 

そうこうしているうちに唄が終わったようだ。ピアノの演奏が止まり、ミーナが優雅に一礼すると全員から拍手が送られる。

宮藤がミーナに近づき感想を述べる。

 

「とっても素敵な歌でした」

「ふふ、ありがとう」

 

宮藤の偽らざる本音の感想にミーナは柔和な笑みでそう返した。

すると、宮藤の後ろから忍び寄ったエイラが、宮藤の頬を引っ張る。突然のことに宮藤はびっくりしてしまう。

 

「にゃ、にゃにふるんへふか」

 

エイラに頬を引っ張られていることで発音がしっかりできていないが、「なにするんですか」と言っていることはわかった。

 

「サーニャのピアノはどうした?サーニャの!」

ふぉっへもふへひへひ(とっても素敵でした)

 

その感想を聞いて、サーニャは少し照れたようなそぶりを見せる。

 

「ええい、もっと褒めろ」

ほへへまふっへば(褒めてますってば)

 

その光景に、笑い声が起こる。今浦やチャックらも、とても戦争中とは思えない平和な光景に笑みをこぼす。

先ほどの戦闘まで、とても思いつめた雰囲気を出していたミーナもとても楽しそうに笑っていた。

*1
・RIM-191 スタンダードミサイル7 

種類:艦隊防空用艦対空ミサイル

配備部隊:国防海軍

発射方式:水上艦艇搭載VLS

誘導方式:慣性航法誘導/アクティブレーダー誘導・セミアクティブレーダー誘導・赤外線画像誘導

全長/直径/全幅:6.55m/53㎝/1.5m

発射重量:1.3t

エンジン:スクラムジェットエンジン+固形燃料ロケットエンジン

最大速度:M10

射程距離/最大射高:450㎞/35,000m

弾頭:レーザー近接信管付き指向性爆発破砕弾頭

概要:極超音速ミサイルに対応可能なよう、SM-6の速度強化版として開発された艦隊防空用艦対空ミサイル。

その速度性能から短距離弾道ミサイルへの限定的な対応能力も有しており、本ミサイルの改良型であるRIM-240 スタンダードミサイル8が弾道弾迎撃ミサイルとして開発されている。

現在、SM-2やSM-6との交替が進んでおり、前述ミサイルを搭載していた艦艇もシステムアップデートによりSM-7の搭載が可能となっている。

*2
・RIM-212 フェイルノート 

種類:個艦防御用艦対空ミサイル

配備部隊:国防海軍

発射方式:艦艇搭載VLS

誘導方式:慣性航法・指令誘導/セミアクティブ・アクティブレーダーホーミング複合誘導・赤外線画像誘導

全長/直径/全幅:3.8m/0.25m/63㎝

発射重量:270㎏

エンジン:ダクテッドロケット方式スクラムジェットエンジン

最大速度:M11

射程距離/最大射高:50㎞/30,000m

弾頭:レーザー近接信管付き指向性爆発破砕弾頭

概要:極超音速ミサイルに対応するべく、ESSMの後継として採用された個艦防御用艦対空ミサイル。

ダクテッドロケット方式スクラムジェットエンジンを搭載しており、運動性と極超音速の飛翔性能を獲得している。VLS1セルあたり4発が搭載可能で、国防海軍の駆逐艦すべてに搭載されている優秀なミサイル。

*3
実際、国防軍は欧州に派遣した軽空母1隻を含む空母護衛艦隊とブリタニアの海兵隊航空部隊を使って単独で威力偵察を行う予定であった。しかし、連合国各国が日本にガリア開放の実績をすべて奪われることを嫌ったのである。そのため、日本も渋々連合国が威力偵察作戦を行うことを認め、護衛(お守り)として第2艦隊からイージス艦2隻と汎用駆逐艦2隻をつけて行うことにしたのである

*4
第2次世界大戦前から前半にかけて主流だった戦闘機の編隊。3機で1編隊を組む。現代では2機1組のロッテ編隊や4機1編隊のシュバルム編隊が主流

*5
三角形に編隊を組むこと




いかがでしたでしょうか?
最近、他作者様のストパン物の小説読んでいるんですがね。いやぁ、文才がある方ばかりで嫉妬してしまう・・・・。もっといろんな本を読んでいかねばならないと決意しているところでございます。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回。さようならぁ

次回 第55話 未定

お楽しみに

ネウロイの瘴気の正体は?

  • 1:放射線もしくは放射能物質
  • 2:有毒な重金属などの微粒子
  • 3:毒ガス
  • 4:日本でもよくわからない
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