ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
今回で戦闘回はひと段落します。
では本編どうぞ。
戦闘機隊が「あまぎ」に指示された戦闘空域に向かっている頃、「あまぎ」を含む艦隊に静かに近づく真っ黒な飛行機が飛んでいた。
真っ黒な飛行機は海面から10~15mほどを飛行しており、ジェット戦闘機に比べれば遅いがそれでも時速500kmという猛スピードで飛行しているため、黒い飛行機が飛んだ後の海面は白い水しぶきがあがり、上空から見れば艦艇が3隻航行しているようにも見えなくはなかった。
先ほどの戦闘で40機いた仲間は今や3機のみとなっていたが、どうやらこの低空に降りると攻撃してこなくなるらしい。
真っ黒な航空機は仲間を撃墜した人間の船の群れを目指し、復讐心を宿しながら海面すれすれを飛行しているのであった。
―――――――
「ふぅ・・・・・なんとかしのぎ切ったか・・・・・・」
宮崎は「あまぎ」の艦橋で、そうつぶやいた。
一気に40機もの敵機が押し寄せてきたのだ。戦闘機隊や早期警戒機、イージス艦がいるとはいえ、相手は未知数の敵。コアとやらを破壊できるのかが正直不安だった。
だが今回の戦いで相手はステルス能力はおろか、ミサイル防御手段であるチャフやフレアすらも保有していないことや日本の保有する兵器でも十分、撃墜可能であることが判明した。今後、日本が今回のような敵と戦っていく可能性があることを踏まえると、戦略的に考えても大戦果と言えた。
すると艦橋に飛行団司令が入ってくる。この空母「あまぎ」所属の航空機部隊である、第2空母飛行団の司令である。飛行団司令は宮崎に近づくと報告を始めた。
「司令、F/A-3B4機はこれからミサイル搭載作業に入るそうです」
「了解。ミサイルは全弾、赤外線誘導で頼むよ」
「了解」
今回、F/A-3B戦闘攻撃機は燃料や機関砲弾の補給はしてあったもののミサイルは何にも積んでいなかった。それはF/A-3Bがマルチロール機であり、どういった任務を行うか決まっていなかったからである。艦艇攻撃を行うのなら対艦ミサイルを対空戦闘を行うなら対空ミサイルを、地上への空爆を行うのなら爆弾や空対地ミサイルを搭載する。もし既にミサイルを搭載していた場合、想定していた任務以外の任務を行うのなら、搭載しているミサイルを一旦外して、再び他のミサイルと変えなければいけない。
当然、ミサイルの換装(付け変えのこと)の方が何も積んでいない戦闘機にミサイルを搭載するよりも時間と手間がかかるのだ。
「しっかし・・・・・・さっきの敵といい謎の機械を履いて空を飛ぶ少女といい・・・・・・一体どうなっとるんだ・・・・・・?」
宮崎は艦隊司令用の赤い椅子に腰かけつつそうつぶやいた。すると、艦内無線で航空管制士官が艦長に報告を入れたらしく、艦長が報告内容を宮崎に伝えるために近づいてきた。
「司令!迎撃隊36機、現場空域に到着したとのことです」
「了解。帰還中の増援部隊は?」
「あと、7分で到着します。燃料はまぁまぁありますし空中給油機が待機していますから、燃料切れで、どぼん・・・・・ということはないかと。まぁ弾薬は20mm機関砲弾が全弾残っているだけで、残ってる機体でもAAM-5が1発残っているだけです・・・・・」
本来、敵の追撃に備えてミサイルは各機1発から2発は残しておくが、今回は敵の発射母機を撃墜してあるのと交替部隊が来たため、4機が万が一に備えてミサイルを1発づつ残しているだけであった。
だがこの時、誰もそのことを重大に思ってはいなかった。この時の「あまぎ」に乗船していた第2空母打撃艦隊の参謀長は後にこう言った。「あの時、艦隊全体を支配していたのは”慢心”だった。ミサイルも何もなく、速度は遅い。ビーム兵器はあるが戦闘機隊には損害はなかった。それが慢心を呼んだのだ・・・・・。我々が今、ココにいられるのは運が良かったからだ・・・・・・・」
――――――――
それから4分後、帰還途中であった戦闘機隊がそれに気がついた。
「ん・・・・・・?」
海面に何やら白い筋のようなものが伸びている。気がついた戦闘機のパイロットは電子式光学照準システムを空対地モードに変更すると、その白い筋の方にカメラを向けた。
「っ!?」
ディスプレイに映し出された映像には、先ほど戦闘機部隊が戦った謎の黒い航空機によく似た影が映っており、その上部には真っ白な物体が映っている。
パイロットはすぐさまその影は敵機だと判断すると、戦闘機隊の隊長に通信を入れる。
「右前方の下方に敵機!!機数3機!!!艦隊に近づいています!!」
「何だと!?」
隊長は慌てて自身も電子式光学照準システムを起動させ、報告にあった方をみる。確かにそこには3機の敵機が映っていた。
「ちっ!!ミサイルが残っている4機は発見した敵機に報告!!それと艦隊にも報告しろ!!」
「了解」
ミサイルをまだ搭載していた4機のF-35JCが
高度が残り1000mになると、発射ボタンをおす。すると胴体下のウェポンベイから04式短距離空対空誘導弾が放り出される。04式はシーカーを起動させると、指定されていた目標に向かい正常に飛んでいく。
敵はコアというものを破壊しなければ再生してしまうため、1機に対し2発のミサイルを使用し数を確実に減らそうと考えていた。1機残ってしまうが、そうなれば機銃で対処するか、艦隊のイージスシステムで撃墜すればいい。1機程度ならば確実に攻撃される前に撃墜できる。
だが、敵機は予想外の行動をとった。ミサイルが接近すると、信管が作動するギリギリの距離で方向を変えたのだ。
20G以上の機動をラクラク行えるミサイルといえど、その急な動きについていけず4発全てが空しくも海面に突っ込んだ。
「外れた!?4発全てが!?」
敵機が行ったこの機動は、現代戦に置いてミサイルを回避するために使われる機動であり、海面すれすれを飛行しつつ、ミサイルの着弾の直前に旋回をすると、ミサイルはそのまま海面に突っ込んでしまうのだ。
隊長は再び舌打ちすると指示を出す。
「全機、ブレイク!
ミサイルがないため待機していた8機のF-35JBも急降下していく。本来F-35はA型以外、機銃は付いていないのだが、このJシリーズは領空侵犯機への警告射撃や信号射撃で機銃が必要なため、三菱重工業が改良を加え、JC型とJB型どちらにも機銃が固定装備としてついている。*1
先に攻撃を開始していたF-35JC4機は再び上昇し、ある程度の高度まで行くと反転、一気に降下する。
「FOX-3!!」
ブォォォォォォォォォォ
まるで電動のこぎりのような発砲音をとどろかせ、毎秒66発という驚異的な発射スピードで20mm弾が発射される。
ただ、先ほどから3機は蛇行しており発射された銃弾の大半は海面に水しぶきを上げるのみであった。それでもいくらかの20mm弾は敵機に命中しその装甲を削っていく。だが、それだけである。この敵機の唯一の弱点であり、撃墜可能なコアの破壊は出来なかった。
「くそっ!」
さすがにこれ以上、急降下を続けると機首の引き起こしが間に合わず、海面とキスする羽目になってしまうのでパイロットは悪態をつきつつ、コントロールスティックを操作し素早く上昇を始めた。
「ちょこまかしく動きやがって!!」
12機のF-35は降下しつつ機銃を撃ち、再び上昇するという動きを繰り返す。だが、機銃弾のほとんどは当たらず、あたっても致命傷を与えられなかった。
―――――――
「上げろ!上げろ!!」
その頃、「あまぎ」の飛行甲板ではF/A-3Bがミサイルを搭載した機体から順次発艦していく。既に4機のF/A-3Bが発艦しており、2機編隊を組むと他の隊を待たずに空戦空域に向かう。
「超低空飛行か・・・・・やられた!」
宮崎は発艦作業を甲板で見ながら、苦虫を噛んだような顔をしてそうつぶやいた。
その時、CICからさらなる凶報が飛び込んできた。
「増援部隊から報告!!機銃、残弾なし!!迎撃不可能!!」
機銃は当たらなくとも時間稼ぎにはなる。当然、まっすぐ飛ぶより直線で飛ぶ方が早い。
機銃で時間稼ぎをしている間に此方は戦闘機部隊を上げて、尚且つ敵との距離を少しでも稼ぐつもりだったのだ。
「くそっ!!迎撃のF/A-3は!?」
「先頭、間もなく到達します!」
最初に発艦した編隊が到着したようだった。
「残りの機もとっとと上げるんだ!!随伴はどうなっている?」
「既に全艦、艦対空戦闘用意完了!!」
一応護衛艦は迎撃態勢を整えていたが、海面から15m以下という超低空を飛行する航空機を撃墜するのはさしものイージス艦といえども難しい。なぜならレーダーでは海面の乱反射の影響で探知が出来ない上、ミサイルも海面に突っ込んでしまう可能性があるからだ。また主砲で迎撃しようにも此方も接近信管が海面の乱反射の影響で見当違いの場所で作動してしまう可能性もある。
ただ、その場合敵もミサイルを撃てないため必ずホップアップといって、急上昇する。その瞬間を狙い撃墜するのだが、今回の敵機の武装は対艦ミサイルではなく、ビーム兵器だ。艦隊に甚大な損害が考えられていた。
「くそっ!」
宮崎は再び悪態をつくのだった。
――――――――
「
迎撃に出たF/A-3Bのガンナーがそう報告する。パイロットもガンナーの報告した場所に視点を移す。確かに3機の敵機がいた。
「イエローモンスター14。ディスイズ、イエローモンスター13。ターゲットインサイト。事前の想定通り攻撃を開始する!」
「イエローモンスター14。コピー」
2機のF/A-3は降下を開始する。すると、ピルム13のガンナーは海面すれすれを飛んでいる敵機3機の内、一番後ろにいる機をロックオンする。
「FOX-2!!」
翼端のハ―ドポイントからAIM-9Zサイドワインダー*2が2発発射された。
するとすぐさま2機は目標の左右に狙いを定め、機銃を発射する。
ブォォォォォォォォォ
一瞬、トリガーを引き手を離す。再びトリガーを引く。という動作を繰り返していた。目標に照準があっていないため、目標には当たることはない。
だがそれでいいのだ。この機銃の意味は、敵が左右に避けられないようにすることにあった。敵が左右によければ20mm弾があたるため、敵機はまっすぐ飛ぶしかない。そうなればミサイルは必ず命中するはずであった。
ドォォォォン ドォォォォン
2機の目論見通り、発射されたサイドワインダーは敵機に命中した。1発目は装甲をはがして弱点であるコアを露出させ、2発目がコアを破壊した。
「
2機は素早く上昇し、高度を稼ぐ。敵は上昇する2機に向けてビームを乱射する。だが、音速を超えている戦闘機にはかすりもしなかった。
高度7000mほどまで上昇すると、再び降下を開始する。
「FOX-2!!」
ピルム13の翼からサンドワインダーが発射され、2機は再び固定機銃で攻撃を開始する。
だが2機目の敵は予想外の行動をとった。ミサイルが命中する直前、機銃弾が当たるのを構わずに左に旋回する。
「なっ!!」
1発目のサンドワインダーはそのまま海面に突っ込み、2発目はかろうじて敵に命中した。
敵は機銃弾では撃墜されないと判断し、毎分6600発の25mm砲弾の嵐をものともせずミサイルを避けたのだ。
カインズリーダーのパイロットは一旦上昇して、再度攻撃しようと思った。だが敵は弱点のコアが露出しており、今を逃せば撃墜できないと判断する。
「イエローモンスター14!!そのまま
「了解」
今度は敵に命中させる気で機銃のトリガーを引く。だが右へ左へ回避運動を行う敵機に、誘導兵器ではない機銃弾が簡単に当たりはしなかった。
だが、奇跡が起きた。発射された機銃弾の内、何発かが露出していたコアにたまたま当たり、それを粉砕した。
「よしっ!!」
敵機は白い破片をまきちらし墜落していく。残るは1機となった。
「最後の奴も片付けるぞ!!」
2機はまたしても高度を取るために上昇するが、今度はそれほど高度を取らずに5000mほどで反転し降下を開始した。
「FOX-2!!ミサイルのバーゲンセールだ!!遠慮なく受け取りやがれ!」
2機は素早く敵機をロックオンすると、ミサイル発射ボタンを押す。すると2機の翼下のハードポイントから4発の04式短距離空対空誘導弾が発射された。すでに2機の機銃弾の残弾は150発を切っており、けん制射撃など不可能であったため、ミサイルの圧倒的数で撃墜するつもりなのだ。
発射された8発のミサイルがたった1機の敵機に突入していく。敵も回避しようと右へ左へ旋回するが、8発ものミサイルを回避するなど不可能であり、3発のミサイルが命中。コアを破壊し敵を撃墜した。
「
――――――――
「ふぅ・・・・・・・肝が冷えたな・・・・・」
宮崎は戦闘機隊からの報告を聞き、安堵のため息をもらした。
「発艦した他の隊はどうしますか?帰還命令を出しますか?」
艦長からの問いに宮崎は首を横に振った。
「いや、艦隊から半径50kmを哨戒飛行してくれ。まだ低空で突っ込んでくる奴がいるやもしれん・・・・。あとスカウターを上げろ。赤外線カメラで艦隊から半径60kmの円周上を哨戒飛行し他の接近する目標がいないか、確認しておけ・・・・・」
「はっ!」
艦長は部下に宮崎に言われた通りに指示をだした。すると、通信士が報告を上げてきた。
「未確認陸地上空へ向かった戦闘機隊より報告!”敵機全機撃墜!これより帰還する”以上であります」
「はぁ・・・・・よかったぁ・・・・・」
艦橋内にいた隊員たちはその報告を聞いて、喜びだした。
すでに、日が水平線に沈もうとしていた。謎の航空機との交戦が始まりすでに7時間がたとうとしていた。
この後、無人偵察機RQ-5A「スカウター」5機が発艦し、戦闘機隊とともに残存敵機の捜索を行っていたが、既に敵機は全機撃墜したとして交戦開始から10時間がたった、夜の9時に戦闘終了が宣言され、日中尖閣紛争以来15年ぶりの戦闘は日本の勝利で終了した。
この後、政府は未確認陸地に存在する国家に使節団派遣を決定することとなった。
いかがでしたでしょうか?
最近リアルの方で忙しくなってまいりました。ですので、1ヶ月ほど投稿及び活動を休もうと思っています。
ですので次回の投稿は10月1日とさせていたたきます。長らく投稿を開けてしまいますが、ゆっくりと楽しみにゆっくりと待っていただけると幸いです。
ご意見ご感想お気に入り登録よろしくお願いします。
次回 第8話 艦隊防空戦(後編) 《投稿予定日:10月1日》
お楽しみに
ネウロイの瘴気の正体は?
-
1:放射線もしくは放射能物質
-
2:有毒な重金属などの微粒子
-
3:毒ガス
-
4:日本でもよくわからない