不思議な夢を見た―――
自分にとっては何度も経験しているおかげか特に騒ぐこともなく自然とその夢を受け入れていた。
これまでも何度も不思議な夢を体験してきた、監獄塔、サーヴァント達との意識の共有。
とはいえ、今回はその中でもより不思議な、馴染みのない一切関係がないはずの夢を見ていた。
一人、皆の笑顔のために戦い抜いた戦士がいた。
一人、人間の未来の為に神に抗い抜いた戦士がいた。
一人、繰り返された戦いを終わらせるため願いを貫いた戦士がいた。
一人、怪物となりながらもどこまでも人として生き、人と夢を守った
一人、自身の運命と戦い、たった一人で全てを背負った戦士がいた。
一人、鬼として、人を守り、己を鍛え続けた
一人、総てを置き去りにした世界で、自身の道を進み続けた戦士がいた。
一人、弱くても、立ち上がり続け、仲間とともに未来を切り開いた戦士がいた。
一人、自らの運命に立ち向かい、人と怪物との共存を望んだ王となった戦士がいた。
一人、世界を渡り、破壊者といわれながらも、世界を繋いだ戦士がいた。
二人、自らの家族と師の思いを受け継ぎ街を守る戦士がいた。
一人、自らの
一人、遠い宇宙の存在すら友人とする、銀河のごとき心を持つ戦士がいた。
一人、悪夢から人々を守り、絶望を希望に変え、最後の希望となった、魔法使いの戦士がいた。
一人、自らの守りたいもののため、世界を救うため、神になった戦士がいた。
一人、人の悪意を退け、正義の為に人々を守り、刑事としての信念を持ち戦った戦士がいた。
一人、友を信じ、英雄たちと共に命を燃やし、絆を紡いだ戦士がいた。
一人、命を救う者として、終わりなき
一人、科学者として、正義の
一人、最悪最低の魔王の未来を否定し、最高最善の魔王となった戦士がいた。
「ん・・・・?」
気が付くと、立香は一面真っ白な空間にいた、体の調子を確かめながら彼は立ち上がる。
またサーヴァントとのパスを通じて夢を見ているのだろうか。
「なんだろう、へんな夢を見ていたような気が・・・?」
そう思い先ほどの夢の記憶を思い出そうとする、だがなぜか断片的にしか思い出せず、彼らの姿はおぼろげにしか出てこない。
おかしいなー、なんでだろうなー、と思っていると。
「あ!いたいた!」
自身の後ろから唐突に声を掛けられる、振り向くと、一人の青年が立っていた。
ピンクのシャツにジーンズを履いた気のよさそうな青年だ、だが数多の
英雄王やオジマンディアス、征服王、なぜかそういったサーヴァントの王達のような雰囲気を感じ取った。
「いやーよかった、夢を繋げるとかウォズが言ってたけど本当にできるとはなぁ~」
うんうんと腕を組みながらうなづきつつ、一人納得する青年、ゲイツのラベンダーも効いたのかな?などと独り言を続ける。
「あの、あなたは?」
「あ!ごめんごめん、君、藤丸立香君だよね、俺は常盤ソウゴ!ソウゴってよんでいいよ、よろしく!」
なぜか名前を知っている青年はそのまま自分の肩をパシパシ叩いてから、自身のポケットから何かを取り出す。
どこか時計のような形をしたそれは、おもちゃのような雰囲気を醸し出している。
「とりあえず時間がないから、先にハイ!これ!」
「これは・・・?」
「これはウォッチっていうの、君のこれからの旅路に必要だってさ、とりあえず持ってて!」
そのウォッチとやらを押し付けられつつ、彼のことについて聞こうとする。
「あ、はい、じゃなくて!どういうことですか?これからの旅路に必要って・・・」
「ああ、それは・・・・えっ、もう時間切れ?」
見ると、彼の体が少しづつだが光の粒子になって消え始めているのがわかる。
青年は慌てながら大急ぎで自分に言葉を伝えてくる。
「ええと!と、とにかく!急な話だけども君の力が必要になったんだ!世界の危機なんだ!」
「世界の危機・・・ですか?」
「あれ、驚かないんだね?まあ、その危機なんだけども、もうすぐ、この夢が覚める時ぐらいには始まるんだ。
立香君には『仮面ライダー』達の世界をめぐって、彼らの世界が君の世界に融合しないように修正してほしいんだ。」
仮面ライダー、その言葉を聞いた時、記憶のいくつかがよみがえる、パズルをはめ込む様につながったその記憶は―――
「あなたは・・・もしかして、ジオウ?」
「―――そう、俺の名前は『仮面ライダージオウ』、君に世界は任せた、大丈夫!ちゃんと俺も未来からできる限り手伝うし、それぞれの世界にいる仮面ライダー達もきっと力を貸してくれるから!」
確信をもってそう言い、笑顔を見せた常盤ソウゴ―――仮面ライダージオウは
「じゃ!また会おうね!2019年で待ってるからさ!」
そう言い残して消えていった。
「・・・ぱい、先輩?起きてください先輩!」
「・・・・あれ?」
いつの間にか目が覚めると、自分は見慣れたカルデアのマイルームにいた、隣では今まで必死に起こしていたのだろう自身の後輩―――マシュが心配そうにこちらを見ている。
「大丈夫ですか先輩、もうすぐカルデアスの定時報告の時間なのに部屋から出てこないのでダウィンチちゃんが心配していましたよ」
「ごめんマシュ、いつの間にか昼寝してた?みたい」
身体を起こし、あくびをする。ふと手元に何かを感じ、そこを見ると、時計のような玩具を握りしめていた。
「先輩?それはいったい?」
「ああうん、なんか夢であった人に貰って・・・」
なんとなくその時計、ウォッチをいじってみる、だが特に何も起きない、ボタンのようなものがあったので押してみるが反応もとくにない。
「夢ですか?もしかして監獄塔の時のような?」
「いや、監獄塔の時みたいな感じじゃなかった、なんか不思議な空間に呼ばれて・・・」
その場であったことをマシュに話す、王様のような青年、世界の危機、新たな旅のはじまり。
一通り話してみた後、マシュは少し考え。
「人理修復後に特異点が発生したという話はありませんが、夢でのお話が本当だとすれば由々しき事態ですね・・・取り合えず、その時計のようなものをダヴィンチちゃんに調べてもらうためにも管制室に向かいましょう、先輩」
「そうだね、行こうかマシュ」
ベッドから立ち上がり、管制室へと歩き出す。
あの夢の通りならカルデアスにも何か起きているかもしれない―――
人知れず、手元のウォッチがゆっくりと一周時を刻んだ。
グランドジオウがかっこよすぎた勢いで書き上げた。
8/20:文章を一部修正