「いやぁ歌った歌った!」
もうほとんどお前しか歌ってなかっただろうが
「カラオケ自体久しぶりだったから楽しかったよ朱音ちゃん」
「うんうん、やっぱり歌うの上手だよ凛花。うちのボーカルは違うわ!」
「まだ入るって決まったわけじゃないけどね…」
「私は信じてるから大丈夫よ。優も良かったよ」
「カラオケとか全然行ったことないから緊張したよ…でも楽しかったよ」
「葵斗は…いつも通りとしか言い様がないわ」
「ほんとに湯島くんは歌が上手いよね」
「だけど駿河の方が良かったよ。こんなに上手いとは思わなかった」
駿河は恐ろしいほどまでに歌がうまかった。2回くらい99点とか出てたし95点より低いことなかったし
「凛花でいいよ湯島くん…それなら私も葵斗くんって呼んだ方がいいよね?」
「じゃあよろしくな凛花」
「こちらこそよろしくね葵斗くん」
こんなやりとりをしていると1歩離れたところから優がじーっと眺めていた
「どうした優。なにを考えてるのかわからない顔をしてるけど」
「あ、いやなんか羨ましいなぁって。僕、中学校の時全然友達いなくて…女子なんかもっぱらで…高校でこんなに変わっちゃっていいのかなって」
「なに、そんなこと考えてたの優。大丈夫よ。幸せになれるときに幸せになりなさい!」
「うん、もう大丈夫だよ優くん」
「うぅ…ありがとう朱音さん、凛花さん、葵斗…」
カラオケ店の出口で大粒の涙を流し始めてさすがに俺と朱音は若干引き始めてはいたがあんまり凛花にはわからなかったらしい
「大丈夫!?とりあえずハンカチ使って!」
「ありがとう凛花さん….」
「なぁ朱音、お前に必要なのはこういう凛花みたいな可愛さと母性なんじゃないか?」
「私があんなこと出来る女だと思う?そしたらあんたの目は節穴よ葵斗」
「わかって言ってんだ。お前のことを見なかった日はねぇよ今の今までな」
とりあえず優が泣き止むまで待ってから帰ることにした
「私、JRだけどみんなは?」
「僕は地下鉄だよ」
「うちらも地下鉄。じゃあここらでさよならだね。また明日ね凛花」
「また明日だね。高校生活とっても楽しくなりそう!今日はありがとう!」
地下鉄のホームに降りた後、優が突然、凛花さんは僕のお母さんになってくれるかもしれない人なんだとか言い出したからいよいよやべぇと思い始めた。大丈夫か?ほんとに優と凛花絡ませ続けていいのか?
***
『今から帰り!入学式だったけど早速友達出来たよ!』
そんな風にツイートするといつも見かける人から爆速で返信がくる。瞬く間にいいねが100から2.300、さらに4桁まで跳ね上がっていく。みんなには言っていないけど私は今全く別の名前を使って仕事をしている。
「今日も9時から配信か…」
私は今、バーチャルYouTuberとして活動してる。声がいいからって友人に勧められて応募したら通るとは思ってもいなかった。週に数回の配信、歌うことを専門にしているのでそこまで苦でもないかと思ったけど何故かトークの方面にも駆り出され始めてきていて今日もそういう感じのということだ。苦手だったりするんだよね…憂鬱になりながら帰宅して、支度しないと…
「あら、おかえり凛花」
「ただいまお母さん…ってなんか今日すこし量多くない?」
「よくわかったわね。今日は友希那ちゃんが来るのよあなたに会いにね」
「え!?友希那おねーちゃんが!?」
「えぇ、最近会ってないから私からお願いしたら3日くらいはうちに泊まるって」
そんな…いっぱい話したいことあるのに…でもお仕事は絶対やらなきゃだし…
「別に今日だけじゃないから大丈夫よ。明日でもできるんじゃないの?友希那ちゃんには私から言っておくし」
うん、その通りだと思う。とにかく今日に集中しないと
***
「いらっしゃい友希那ちゃん。ご飯用意してあるからね」
久しぶりに従妹のいる家を訪れることにしたのは数日前になってから。私も今じゃRoseliaのボーカルとして忙しいけれど昔の私を慕ってくれた凛花のことでちょっと相談があると言われ行かないというわけにはいかなかった
「それで肝心の凛花は?」
「ごめんなさい。ちょっと今外せなくて。10時まで待ってくれるかしら」
「なにかしてるの?」
「えぇバーチャルYouTuberって知ってるかしら」
バーチャルYouTuber?全くわからないわ。今流行っているVRがバーチャルなんとか…英語は分からないけど日本語訳だと仮想現実なはず。となると凛花は仮想YouTuber?余計にわけが分からなくなってきたわ。
「つまり凛花は画面の中の存在になってしまったの?」
「一種の正解かもしれないけど友希那ちゃんの頭の中は全然違うことになってるわね…」
1から説明されてようやくわかった。つまりは顔は別なものを使いそこに実際の顔の動きを連動させているということらしい。尚美さんによると最近疲れた表情をみせているそう。高校に入学したし新しいこともさせてみたいとのこと
「わかったわ。私からはあまり強くは言えないけれど話してみるわ」
***
「友希那おねーちゃん、久しぶりだね」
私と同じ色の髪、今でもおねーちゃんをモデルにした髪型にしてるくらい私は尊敬してる
「えぇ凛花。今日高校の入学式だったけど、どうだったかしら」
「うん!もう友達が出来たの。朱音ちゃんと葵斗くんと優くん。カラオケに行ってね。いっぱい歌ったの」
「楽しそうね。その人達はどういう人なの?」
「えっとね、朱音ちゃんと葵斗くんは双子でね。とっても仲がいいの。優くんは、優しいの漢字で書くんだけど文字通りとっても優しいの」
「なにか高校で始める予定はないの?部活とか」
「うーん…あ、そうだ。おねーちゃんってバンドやってるからバンドやりたいなぁって。それに朱音ちゃんと葵斗くんの話を聞いてるとバンドやりたいって話してるからそっちに参加しようかなって」
あの2人とならとっても楽しそうだしなにより私を変えてくれる気がする
「バンド…厳しいことの方が多いけれど覚悟はある?」
「う、うん…やってみる…違う…やってみせる!」
「ふふっ分かったわ。凛花、明日その2人を連れてきてくれないかしら」
ある程度話の軸は出来てるのでバンバカやっていきましょう!