狼?いいえ大神です!   作:片腕仙人

13 / 19
風神録までが長いなぁと思いました。


死の桜は蛇模様

あれから幽々子の後につづいて行き白玉楼へやって来た。

それから居間に通されこの場にいるのは幽々子、フラン、私。妖夢は今はお茶をいれてくるのと幽々子が腹が減ったということでついでに私たちの分も軽く作ってくれるらしい。

 

待っている間にいくつか幽々子に少し聞いておきたいことがあるから先に聞いておくとしよう。

 

「幽々子、私はあまり小細工などはしない主義だから率直にいくぞ。冬が随分と長引いているようだが何を企んでいるんだ。ことによっては私が止めるが」

 

「もぅ、アマテラスったら…折角久しぶりに会ったんだからもっと楽しい話を―――」

 

少しだけ神力を滲ませ幽々子を見据える。といっても幽々子はこの程度じゃ動揺もなにもしないだろうが……

 

「あらあら、アマテラスったらそんな顔しなくても心配ないわよ。別に永遠に春が来ないようにしようって訳じゃないから。ただあの大きな桜の木を満開にさせたいだけよ」

 

そういい外に見える枯れた大木を指差す。

 

「桜を?」

 

「そうよぉ♪フランちゃんあの桜が満開になったら綺麗だと思わない?」

 

フランは幽々子の言葉に満開になったあの木を想像しているのか眼を輝かせている。ただ何故かあの枯木を見ると何故か心がざわつく。なにも起きなければいいが……

 

「お待たせしました」

 

「え!?」

 

もうすこし幽々子に聞こうとしたが妖夢が戻ってきたらしい…手にあきらかに本格的な食事をするであろう量の食べ物を持って。

それは全て幽々子の前に置かれ私たちの前には一般的な量の御茶請けとお茶が置かれる。

 

フランはこんなものが出てくると思っているはずもなく驚いているが私は、まあ知っていたから大したことない。それに驚くにはここからだぞフラン。

 

幽々子は早速それに手をつけると美味し~♪といいながらどんどん食べていく、いや食べるというよりは消えていると言った方が正しいか。

 

「あら?妖夢~、アマテラスには私と同じもので良かったのよ~」

 

「へ?……いえいえ…幽々子様じゃないんですからそんな」

 

「でもアマテラスのもう無いわよ」

 

「え…」

 

確かに私の御茶請けは既に無い。そして目の前では幽々子が美味しそうに食べ続けている………

 

「幽々子…少しだけ――」

 

「嫌よ!」

 

…………………。

 

「あっ、尻尾と耳がペタって……」

 

やはり幽々子は分けてはくれないか……。だがやはり目の前でこうも美味しそうに食べられると流石に……フランもそう思うだろ?私の耳と尻尾なんて見てないで、それは食えないぞ。

 

「あの…材料が少ないですけど作って――」

 

「頼む」

 

「あっ、はい」

 

妖夢はそういうとすぐに戻ってかなりのスピードで作ったんだろう。さっきよりも早く戻ってきた。どうぞと私の前に作ってきた料理をおくがどうも半信半疑といった感じだな。量は幽々子と同じ、では頂くとしよう。

 

どんどん食べ進めすぐに食べ終わってしまった。それも仕方がない。この早さでこの味、妖夢はかなりの腕前を持っている。これはうん……そうだな。

 

「妖夢、うちの神社で毎日作ってはくれないか?」

 

「……………え!?…いや、それは、そのぉ///」

 

「駄目よ!アマテラス、妖夢はうちの料理番なんだから」

 

「いや、私の神社で料理番をしてもらいたい。それに私の方が――」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

幽々子とアマテラスが本来庭師の妖夢を料理番として欲しがっていろいろ言い合っている間、妖夢はアマテラスにいきなり告白紛いのことを言われて頭から湯気をだしボーッとしていた。

 

 

「妖夢さん、妖夢さん!しっかり!」

 

「……はっ!な、なんでしょうフランさん」

 

「えっと、幽々子さんとアマテラスお姉様の料理って何人前だったの?」

 

妖夢は一瞬うつむきバッと顔を上げ疲れた顔でフランに向かって言う。

 

「3…人前…です……」

 

「!?…へ、へぇ……そっか…なんと言うか、スゴイデスネ」

 

三人前といったときの妖夢の眼からは光が消えていた。

 

「はい、それはもうスゴいですよ……急ピッチで大盛りを作ったはずなのにすこし目を離すだけでもうなくなってるんですから……幽々子様だけで手一杯だというのにあんな人まで来てしまったら白玉楼のエンゲル係数がががががぁ!」

 

「ああ!妖夢さんしっかりして!気を強くもって!」

 

「はっ!…すみませんフランさんありがとうございます。…はぁ、すみません愚痴なんてこぼしてしまって」

 

「別にいいですよ愚痴くらい」

 

妖夢さんの眼にまだ光がないんだけど……あっ、戻った。

 

「…フランさんは天使ですか?……はぁ、幽々子様は人よりも食べる量が多いんです。まあ多いなんて言う比ではないんですが…。それにいつもなら食べ終わってすぐに私を呼んでおかわりを――」

 

「妖夢~」

 

あっ……また光がなくなった。表情も一瞬で無表情に……妖夢さんかなり苦労してるんだなぁ。

 

妖夢さんは幽々子さんの方に向かっていったけど途中で何かに気がついたように何処かをみてガッツポーズをした。どうしたんだろ?

 

「あっ!妖夢~おかわr「幽々子様!!どうやら侵入者がいるようなので私は撃退に向かいますね!!待ってろよ~侵入者ぁ!……ありがとう侵入者♪

 

そう言って妖夢さんは颯爽と飛び出していったけど……妖夢さん、逃げたね。

 

私は聞き逃さなかったよ妖夢さん。最後にちょっと本音が漏れてるよ。幽々子さんとアマテラスお姉様には聞こえてなかったみたいだけど。

 

………幽々子さん達のとこ行こっと。

 

 

 


 

 

「あら、妖夢ったらいっちゃったわ…」

 

「うむ、行ってしまったな」

 

できることならもう少し妖夢の手料理を食べたかったのだが仕方がない。フランも妖夢と話していたらしいが仲良さげだったな、いいことだ。……さてそれではすこし姿勢をただして。

 

 

 

「幽々子、できることなら今すぐにこの異変とやらをやめるんだ。それにあの桜は何か嫌な予感がする」

 

私がそういうと幽々子はすこし考える素振りを見せるがこちらの眼を真っ直ぐ見つめ問いかけてくる。

 

「何度やめろと言われても答えは同じよ。それと今の言葉は天照大神としてのあなた?それとも私の知ってるアマテラスかしら?」

 

お互いに暫しの間沈黙が続く。このまま辛抱強く相手が折れるのを待つのもいいが相手は幽々子だ。

 

「……はぁ、わかった。とにかく体に異変を感じたらすぐにいってくれ。私はお前の友のアマテラスだしただでさえ友達の少ない紫の親友に何かあったら心配だ」

 

「ふふふ、そうね。私、あなたのそういう所好きよ」

 

私はすこし苦手だがな。そのふわふわして掴み所のない感じは。いつまでも居間に居続けてもなんだしフランと一緒に白玉楼の庭でも久しぶりに眺めてくるかな。

 

「フラン、折角だから庭でも見てこよう。白玉楼の縁側からの眺めはなかなかのものだぞ」

 

「そんなにすごいの?」

 

「ええ!勿論すごいわよ!なんといっても妖夢が手入れをしている自慢の庭だもの!」

 

そういうと幽々子は妖夢を連れて先にいってしまった。私が提案したんだが……まあ屋敷そのものは幽々子のものだしいいのか。

そう思いながらあとを追いかけ幽々子の隣に腰をおろす。

 

フランは紅魔館の庭とは違った和が珍しいのか池にかかった橋などを渡ってみたりと興味津々なようだ。

 

「幽々子、この庭は妖夢が手入れをしているのか?妖忌はどうしたんだ」

 

「ええ、妖忌は……その……」

 

幽々子はどこか悲しそうに顔を伏せてしまった。……ああそうか…妖忌は…。

 

「すまない幽々子……そうとは知らず…」

 

「ええ…そうなの妖忌は…妖忌はね…剣の修行にふら~っと出てったのよ、それ以来戻ってないわよ♪」

 

「………は?」

 

なんだって?てっきり私はもう…そう思ったのだが顔を上げこちらを見ている幽々子のにこにこ顔を見るかぎりやられたなこれは。

 

「あらら~?アマテラスどうかしたの?そんな変な顔して、ふふふ」

 

「いや…何でもない」

 

妖忌は剣の修行、別に死んだわけではない……はいはい、うまくいって良かったな。やっぱり調子が狂うというかなんというかな。

幽々子が言っていたが私はきっといつもよりも表情に感情が無くなっているんだろうな、まるで能面みたいに。

 

「幽々子、誰か、きたぞ、どうする」

 

「そうみたいね。それじゃあ、行ってくるわね」

 

ああ、行ってこい行ってこい。この話の続きは個人的に後々話すことにしよう。フラン、そろそろ戻ってきてくれ。どうやら本格的な異変解決とやらを見れそうだぞ。手招きしてやるとフランはこちらに駆け寄ってくきた。

 

よし、それじゃあ行くとしよう。……おっと、その前にフラン。いいか幽々子がピンチになっても助けに入らないようにな、いいな。

よしよしいい子だ。では見に行こう。

 

 

フランと一緒に幽々子の元に向かってみると既に弾幕ごっこというのが始まっていた。空中では様々な色や形をした弾幕が飛び交っている。幽々子の相手は人里等では珍しい西洋風の服。メイド服を身にまとった人物。十六夜咲夜だった。

 

「咲夜も来たんだね。またお姉様が何か変なことでも言ったんだと思うけど。咲夜も大変だねぇ」

 

フランは横で腕を組んでうんうん頷いている。弾幕ごっこの事は詳しくないが幽々子が押しているのがわかる。このまま続けばいずれ咲夜は負けてしまうだろう。

 

そう思っていると何処からか別の弾幕、針のような物が幽々子に向かっていく。幽々子はそれを軽々避け咲夜に弾幕を放ち続けている。ちなみに咲夜の弾幕はナイフのような形をしている。

 

弾幕が飛んできた方を見てみると紅白色の少女が飛び出し止まることなく咲夜と合流し弾幕を撃ち始めた。ただ何かに言い合っているようだが特に険悪な雰囲気ではなさそうだ。

 

ふむ、あの紅白少女……大きくなったな。

 

まあそれは一先ず置いておくとして幽々子は二人相手に全く引けをとっていない。幽々子は随分と弾幕ごっこがうまいんだな。

 

それに――――

 

「綺麗だな、フラン」

 

「うん!でも見てるだけじゃなくて私もやりたいなぁ、楽しそうだし」

 

ふむ、フランも参加したいのか……なるほど。うん、ちょうどいいだろうな。

 

「フラン折角だ、参加してくればいい。幽々子側につけば丁度二人ずつになる」

 

「でもいいのかな?私がいっても」

 

「一対ニだと不公平だし、あっちも飛び入り参加して来たんだ。フランがいっても問題ないさ」

 

そういってやるとフランはすこし考え「行ってくるね!」と笑顔で幽々子の方へと向かっていった。

 

「あらフランちゃんも手伝ってくれるのね」

 

「妹様!?」

 

「ちょっと咲夜!あんたのとこの奴でしょ!何とかしなさいよ!」

 

フランが加わり弾幕の密度は先程よりも濃くなったが美しさは変わらない、いやそれよりもさらに美しくなったようにも思える。まあ、だからといって私は参加しないがな。

 

私のあれは弾幕というよりも直接体に撃ち込んでいるようなものだし。などと思いながら目の前で繰り広げられている弾幕ごっこを見ていたが少しずつ幽々子の動きが鈍くなってきている。

特に疲れた様子や被弾したようには見えない。

 

幽々子はなんとか弾幕を放ってはいるがその密度はかなりまばら。

そしてそれからすぐに全身の力が抜けたようにふらっと力なく地面に向かって落下し始めた。

 

私はすぐに幽々子の元へ駆け、スライディングでなんとかキャッチすることが出来た。突然のことに他の三人も弾幕ごっこをやめてこちらに向かってくる。

 

「幽々子、平気か?」

 

軽く呼び掛けてみるが幽々子は起きる気配がない。それに少しずつ薄れていっている。それと逆にあの枯れた桜は怪しく光を増していっている。

 

「幽々子様!」

 

声の方を向くと妖夢がこちらに向かって走ってきていた。その隣には白黒の大きな帽子をかぶった少女が箒を持った少女。妖夢の服は少し乱れて所々破けている。たぶん彼女との弾幕ごっこでのことだろう。

 

「アマテラスさん!幽々子様はご無事ですか!」

 

「落ち着け妖夢。どうなったかはわからないが急に力なく落下し始めたんだ。なんとか受け止めたが呼びかけても反応がない」

 

「そんな…幽々子様…」

 

その時怪しく光を放っていた枯れ木がよりいっそう強く発光したかと思うと手に感じていた重みが存在していなかったように消え失せてしまった。目線を落とせばいたはずの幽々子は既にそこに存在していなかった。私の手に残っているのは幽々子の持っていた扇子のみ。

 

再度枯れ木に眼を向けるとそこには枯れ木は存在しておらず満開の桜が怪しく揺れ動いていた。

それを見た瞬間全身の毛が一気に逆立つような感覚に襲われた。あれは……まずい。

 

 

あの桜から漂ってくるのは花の香りなどではなく鼻をつくような醜悪な臭い、死臭。そして死臭と共に辺りを包み込んでいる強い死の気配、重く押し潰されそうな妖力。咲夜たち人間にはかなりつらい状況なはず。

 

「くっ…なんだよ、これ…」

 

「妹様……ご無事、ですか…」

 

「咲夜こそ、平気……じゃ、なさそうだね…」

 

「幽々子様、私が、半人前なばかりに…」

 

「あんた達、しっかりしなさいよね…へばってたら死ぬわよ!」

 

 

妖夢、フランは辛うじて平気なようだが長くは動けないだろう。

ただでさえあの桜は強大な力を持っていたようだがそこにさらにオロチの力も感じる。

 

一先ずは彼女たちの周りを私の神力で覆ってやらなければ、横一線に腕を振るう。すると曇った黒い雲の隙間から一筋の光が射し込み彼女らを包み込む。

 

「なんだ?急に楽になったぞ」

 

「……あんたの仕業ね」

 

ああ、そうだが今は生憎話している場合じゃない。あの桜、あれほどの力を持っているが未だになにもしてこない。少しも眼を話すことも出来ない。

 

「ちょっと!なんとかいったら――「紫、出てこい。少し手を貸してくれ」

 

「ええ、勿論。…最悪な事態になってしまったわね」

 

私は桜を見据えたままこの場にいない人物に向け呼び掛けるとすぐに空間が裂け紫が現れた。

 

「紫、あれはなんだ」

 

「……あの桜は西行妖(さいぎょうあやかし)、かつて多くの人間の精気を吸った妖怪桜よ。封印されていたはずだけど……復活させてしまったようね。それに他の何かも加わっているらしいわね。……幽々子も捕らわれているわ」

 

西行妖、妖怪桜……またとんでもないものが蘇ってしまったな。

 

「幽々子を救うには、あれをどうすればいいんだ紫。出来るだけ手早く教えてくれ」

 

「私がもう一度封印するわ。そうすれば幽々子も解放されるはずよ。ただ簡単にはいかないわ。どうにかして西行妖の妖力を削らないと……アマテラス、お願いできる?」

 

「任せろ、とにかく奴の妖力を削ればいいんだろ」

 

それだけならそう難しくもないだろう。それに封印は紫がやるようだし削ることに集中できる。

 

「ちょっと!あんたら二人で勝手に話を進めないでくれる!」

 

「霊夢、今は私のいうことに黙って従ってもらうわよ。いいわね!」

 

ふむ、霊夢は紫に任せればいいか。それよりも妖夢がすこし不味そうだな。

 

「妖夢、これを持っていろ」

 

「これは…幽々子様の…」

 

妖夢に幽々子の扇子を渡す。妖夢は扇子を胸に抱き締めてうつむいてしまった。

 

「妖夢、幽々子は消えてしまったわけではない。今もあそこに捕らわれている。そこで見ていてもいいが幽々子の従者ならば成すべき事を成せ。……まあ無理はしなくてもいいがな」

 

「アマテラス、さん…はい!幽々子様の剣術指南役兼庭師、魂魄妖夢。必ずや幽々子様を救いだしてみせます!」

 

よし、その意気だ。これからかなり激しい戦闘になりそうだ。迷いはない方がいい。私は四つの鏡、真経津鏡(まふつのかがみ)神獣鏡(しんじゅうきょう)沖津鏡(おきつかがみ)辺津鏡(へつかがみ)を呼び出し彼女達の周りに展開しもし攻撃されても防げるようにしておく。そしてもうひとつの鏡、八咫鏡(やたのかがみ)は私の背後に呼び出してある。

 

そして片手には都牟刈太刀(つむがりのたち)もう片手には勾玉である死返玉(まかるがえしのたま)を呼び出しかつて白野威(しらぬい)と呼ばれた姿へと変化する。隈取りは色味を増し毛並みは白銀に煌めく物へと変わる。

 

西行妖へと一歩近づく、するとそれと同時に西行妖からどす黒い弾幕が一発私に向かって放たれる。それを都牟刈太刀を使い弾き欠き消す。だが欠き消したと同時に腕に違和感が残った。一瞬だけだったが指の一部が黒く変わった。本当に一瞬だけだった、だがそれだけで分かってしまった。

 

あの弾幕は、死そのもの。もし体に触れれば一瞬で死に至るだろう。

 

 

……………………妖夢を鼓舞したのはいいがこれはもしかすると後ろで見ていてもらった方がいいかもしれん……どうしよう。

 

「アマテラス、平気?こっちは封印の準備を始めているけど」

 

「……それがすこし不味いかもしれない。あの弾幕だが、死そのものだ」

 

「!?、それは…不味いどころではないわね……いけそう?」

 

やらなければ結局何も解決しないんだろう。それに幽々子が待っている。ただそうなると問題は妖夢だ。さっきの一発は牽制か何かだろう。近づけばどれ程の弾幕が来るかわからない。

 

かすりでもすればおしまい。無理難題にもほどがあるが……これを渡すべきだな。妖夢に私の背後にある八咫鏡を渡す。

 

「アマテラスさん、これは?」

 

「それが妖夢を守ってくれる。絶対に弾幕に当たるんじゃないぞ」

 

妖夢は頷くと刀を構え何時でも行けるというようにこちらに目線を送ってくる。よし、では行くとしよう。

 

二人同時に駆け出す。それと同時に西行妖は死の弾幕を大量にばらまきだした。妖夢の前に高速で移動し弾幕に向かって一閃を放つ。

ただいつもの一閃とは全く違う。

 

一筆で広範囲に広がった弾幕を全て切り裂き、空中には幾重にも重なった残像が出現する。紫は確かこれを見たとき一閃?滅多斬りじゃなくて?といっていたが一閃は一閃だ。何はともあれこれで一時的ではあるが西行妖までの道が開けた。

 

「妖夢、今だ!」

 

「は、はいっ!人符「現世斬」、はぁ!」

 

がら空きになった西行妖の元へ一直線に突っ込み西行妖を斬りつける。西行妖の幹に数本の深い斬り傷がつく、だが。

 

「そんなっ!?」

 

傷は一瞬で元に戻ってしまう。西行妖は妖夢に向かって弾幕を放ち枝を密集させ槍のようにし貫こうとしてくる。

 

すぐに死返玉を妖夢に巻き付けこちらに引っ張る。

 

「うわぁ!?」

 

妖夢は突然引っ張られ声を上げたがなんとか踏ん張り私の横に着地する。ただ弾幕に枝の集合体が未だに迫ってきている。枝を一閃、都牟刈太刀で斬り落とすぐに次の筆業を使う。今の私は白野威と呼ばれていた時と同じ速度で筆業を使える隙等は生まれることはない。

 

 

おびただしい数の弾幕が迫るが突如暴風が吹き荒れる。風がビュウビュウと音をたて弾幕を消し去り枝をへし折り巨大な竜巻を作り出す。

 

妖夢と眼でお互いのタイミングを合わせ竜巻を斬りつける。すると竜巻が二つの風の刃となって西行妖へと迫る。

 

 

西行妖は弾幕でその刃を相殺しようとしているが全く止まることなく幹に命中する。西行妖は枝や木屑を巻き上げ上から下まで届くほどの大きな傷を受け唸りをあげ受けたその場から再生していっている。だがいきなり再生した場所がドカン!と大爆発しそれを皮切りに連鎖的に爆発していき幹等は抉れて人の腕に数本分の太さの枝も吹き飛ばした。

 

 

「駄目です!アマテラスさんどれだけやっても直ぐに再生してしまってます!」

 

 

確かにかなりの被害のはずなのだが既に半分ほどまで再生している。だがこれでいいんだ。やることは妖力を削ること。フランたちは紫と霊夢の方に弾幕がいかないように打ち消している。そろそろ準備ができるはずだ。

 

「妖夢このまま妖力を削り続け――!?離れろ!」

 

「!?」

 

咄嗟にバックステップで避けたが私たちが元いた場所から地面を突き破って黒い靄を纏った蛇のようなもの5本が現れた。それと同時にあれだけ激しかった弾幕が止みその中の一本がこちらに伸びてくる。身構えるが特になにもしてこない。

 

 

 

ククク、アマテラスよ……随分と久しいな

 

 

「!……ああ、確かに随分と久しいな。オロチ」

 




続きは少しずつ書いてます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。