狼?いいえ大神です!   作:片腕仙人

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三話です。

キャラを少し考えて戦闘シーンも書き直しました。


深紅の館と門番の龍、ただし門は……

漸く目的の屋敷に着いた。

 

だが何があったかは知らないが立派であった門は完全に壊されている。そしてその門の前に倒れている女性。彼女が着ている服は確かチャイナドレスといったか?それを着ている。流石に死んではいないだろう。

 

「おい、平気か?何があった?」

 

そういい手を差し出す。

 

「うぅ…あぁ、生きてますご親切にどうもありがとうございます」

 

見た目はぼろぼろだが無事なようだ。

 

「まったく酷い目にあいました。あぁ、門もこんなになって咲夜さんにまた怒られちゃいますよぉ。あっ、どうも私は紅 美鈴(ほんめいりん)といいます」

 

 

紅美鈴、服装と名前からみても中国関連の人物らしい。名前を言ってる時も掌に拳を合わせてたしこっちも同じようにした方がいいだろうか。

 

「ああ、私はアマテラスという。こっちはイッスンだ。よろしく頼む」

 

 

「アマテラスさんにイッスンさんですね。お二人はこの紅魔館(こうまかん)にどういったご用でしょうか?」

 

紅魔館か、名前の由来などはわからんがここが発生源で間違いないだろう。魔と入っている事だしな。

 

「どういったご用もなにもこの屋敷にこの霧だ、なにも関係無い訳ねえんだろボインの姉ちゃん?知ってることがあるならさっさと話した方がいいぜ!」

 

イッスンが私の肩で跳ねながら美鈴にそう訪ねるただ聞き方がごろつきのそれだがそれは置いておこう。ただ関係ないはず無いだろうな現にイッスンが聞いたとき美鈴、彼女の雰囲気が少し変わった。

 

「確かにこの霧を出しているのはこの場所であっていますがそれを知ってどうするつもりですか」

 

「なら止めさせてもらおう。通らせてもらうがいいか」

 

私の言葉を聞き美鈴は一度目を閉じてそしてゆっくりと瞼を開けこちらを見る。その目も雰囲気も完全にさっきまでの明るい笑顔の気の良さそうな感じからガラッと変わった。

 

「私は門番ですのでこの門をそう簡単に通すわけにはいきません。それにお嬢様には誰も通すなと言われていますので」

 

ほお、これが門だと。

 

「随分と開放的な門だな、これでは入ってくれといっているようなものだが」

 

「うっ、それは……い、いろいろあったんです。いろいろと」

 

何があったのかは知らんが折角だ私が直しておこう。そう思い門に手をかざす。するとぼろぼろだった門が一瞬で綺麗なものに変わる。

 

「!?…アマテラスさんがやったんですか」

 

そこまで驚くことでもないだろう。確かにあれだけの物が一瞬で綺麗になれば驚かないこともないだろうか、私のはこれが普通に思えてしまうのだが。これは筆業の一つの画龍(がりょう)

壊れたものや失くなったものなどの場所を塗り潰すように筆をはしらせると壊れたものが直り失くなった物が現れたりするというもの。

 

「ありがとうございます。これで咲夜さんに怒られずにすみそうです。ですがこの門は通すとはできません」

 

直したら通れるほど甘くはないか流石は門番ここは通さないの一点張りときた。

 

それなら

 

「ならばこの塀を飛び越えて…」

 

「させません」

 

む、ダメか。であれば

 

「穴でも掘って下から…」

 

「許しません」

 

 

うーむ、これはかなりの難敵に当たってしまったようだ。

 

「ならば逆にどうすれば通れる」

 

「そうですね私に勝つことができれば、でしょうか」

 

やはりそうなるか。予想はしていたのだがすんなりとはいってくれないものだな。

 

「だったら一体全体なにで勝負しようってんだ!」

 

イッスンが跳びはねながら美鈴に訪ねる。

 

「そうですねここはやはり弾幕ごっこでしょう、スペルカードはお持ちですね」

 

弾幕ごっことは、なんだ?スペルカードというのも初めて聞いた。

 

「弾幕ごっこというのははじめて聞くいったいどんなことをするんだ」

 

「そうでしたか、弾幕ごっこというのはですね。スペルカードと弾幕を使った少女の遊び、らしいですよ」

 

弾幕というくらいだ何か撃ち出せばいいのだろう。ただ私は少女という感じではないと思うのだが……

 

「弾幕というのは私もできるぞ、ほら」

 

そういい画点を打つ。すると美鈴の周りが土煙を上げ何かが当たったように地面が抉れている。画点とは対象に点を穿つことでその点が破魔の弾丸になるというもの。弾丸だからといってもほぼゼロ距離で放たれるもの。避けることはまず無理だろうな。

 

「…………え、えーと、これは、弾幕じゃなさそうですねぇ…弾幕はこういうものです」

 

そういい美鈴は赤い光弾を作り出す。

 

「ふむ、そういうものか。では私にはその弾幕ごっこというのは無理だ。たしかスペル、カードだったか?それも同じものをつかうのだろう。………しかしそれではどうすべきか」

 

「そうですね、それならこちらでどうでしょう」

 

その言葉のあとに構えをとる美鈴、なるほど純粋な力比べか。

 

「いいだろう、それならば私にもできる」

 

 

「そのようですね、それに弾幕ごっこはまだこの幻想郷には浸透していないようですし、かくいう私も弾幕ごっこはあまり得意ではないんです。私はもっぱらこっちの方があってますので」

 

そういい終えると私も美鈴も構えをとった状態から視線を合わせる。

 

初動は二人ともほぼ同時、お互いの拳がぶつかり合いその衝撃で辺りの木々が揺れるほど。

 

そこから間髪いれずに回し蹴りをする要領で斜めにサマーソルトを繰り出す。だが美鈴は後ろに飛び退き回避する。

私もサマーソルトの反動を生かして後ろの方まで移動する。

 

「美鈴、だったな。少し打ち合っただけだがかなりの腕らしいな」

 

「ええ、アマテラスさんの方こそまだ様子見程度で手を抜いていますね」

 

やはりわかってしまうらしい。たしかにどれ程のものなのか確認するために少し手を抜いていたが―――

 

「どうやらそれなりに力を出してしまってもいいようだな。美鈴よそちらも本気で構わんぞ」

 

すると美鈴はこの言葉に少しムッとした表情を一瞬見せる。

 

「では、お言葉に甘えさせていただきます、よっと!」

 

そういい黄色の光弾を放ってくる。それを一閃で二つに切り裂き消し去る。すると先ほどまで距離を取っていた美鈴が目の前まで近づいてきていた。どうやら光弾の後ろに隠れて近づくのが目的だったらしい。

 

そのままの勢いでこちらに拳を放ってくる。先ほどの攻撃よりも拳が風を切る音が鋭くなっているのがわかる。それを回避、受け流し上段目掛け回し蹴りを放つ。

 

「熱いぞ」

 

「なっ!?」

 

ただこの蹴りは先ほどの蹴りとは違い炎を纏っている。これは筆業の一つの紅蓮の応用。本来ならば火種が無ければ使えないものだが奥義を身につけることで火種が無くとも使うことができる。

 

放った蹴りは頭を掠めるだけで避けられたがそのまま追撃として紅蓮を腕に纏わせ左右に振るように連撃を繰り出す。

ここで少し驚いたが美鈴は避けることはせずに防ぎ受けとめて見せた。そして今は組み付いている状態因みに私の腕には未だ紅蓮を纏わせている状態のまま。

 

 

「………熱くは無いのか、普通は熱いぞ」

 

「問題ありませんよ。火が出たときは少し驚きましたが"気"を使えば熱くもありませんから」

 

"気"を使う、そういったものもあるのか。今までではそういったものを使う妖怪とは戦ったことがなかったが紅蓮が効かないとはな、こんなことはなかったはずだが…………

 

いや、今思い返すと効いていない妖怪もいたのかもしれない。そうたしかあれは火を纏っていた車輪の妖怪。その妖怪に美鈴と同じようにこうして紅蓮パンチをしたのだがその時は倒すことができた。

確かに倒せたのだがあの車輪を粉砕出来たのは私の腕力だけだったのでは……うむ、多分そうだな心なしかあの時車輪の方の火力が上がったようだったしな。

 

「………はぁ」

 

「ん?どうかしましたか油断は禁物ですよ」

 

私が衝撃の事実に気付き気を落としていると美鈴はそういい組み付きをときバックステップで少し離れ空中での二段蹴り、双龍脚を放ってくる。流石にいつまでもこうしていられないので切り替える。

 

一発目の蹴りを手で受け流し二発目を着物の袖を使い受けとめそのまま脚を絡めとり投げ飛ばす。美鈴は体勢を空中で整え着地、背中から落ちるということはなかった。

 

「今ので決まればありがたかったのだが」

 

「そう簡単にはいきませんよ。これでも門番なんですからね、それと次で決めます」

 

そういうと腰の辺りに手首を会わせた状態で構え腰を落として何かを溜めるような体勢をとる。

すると構えた手の中に何かが集まっていくのを私でも感じることができた。

 

そう思っているとすぐに手の中に虹色に輝く球体のようなものが出現しどんどん大きくなっていく。不味いな、さっさと止めてしまえば良かったな。

あれを喰らえば私とて無事ではすまない。そうこうしているうちに溜めが終わったようだ。

 

「アマテラスさん、手当ては後でするので潔くこれで倒れてください」

 

「ふっ、いいだろう撃ってこい私が受けとめて見せよう」

 

お互いに構え、美鈴は溜めていた手を前にだし虹色の太い光線を私に向け放つ。

 

「波あああああッ!」

 

雄叫びと共に放たれたその光りは真っ直ぐ私に向かってくる。大見得を切って私が受けとめて見せようとか言ったがこれは無理ではないだろうか。ここは鏡を出して防ぐ、もしくは反らすべきか。

 

だがな、ここまでお互いに能力は使っているが直接的な武器は使ってはいない。ここで私が鏡を出してしまっては美鈴にもこの勝負にも失礼というものだ。

 

さて、では私も本気でこれを受け止め…………いや、やはり無理だな。

 

そう思いながら私は虹色の奔流に飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

アマテラスが立っていた場所、今は美鈴が放った一撃によって辺りに白い煙が充満している。アマテラスの姿は確認することができない。

 

美鈴はとっておきの一撃が決まったはずだが未だに構えを解いていない。それよりもより一層警戒しているように見える。それもその筈、何故なら美鈴が放ったものではこんな辺りが白くなるほどの煙など出るはずがない。

 

美鈴が警戒している理由はこれだけではない。アマテラスが健在というのは彼女の能力、気を使う程度の能力でアマテラスの気を感じとり分かっている。ただこの煙のせいなのかアマテラスの気が散漫しているらしくどこにいるかのかまでは把握できていない。

 

白い煙が美鈴の周りに広がり頬に触れたその時目の前にいきなりアマテラスが現れた。今までとは比べ物にならないくらいの素早さで突如煙の中から現れたことで少しだけ反応が遅れてしまう美鈴。

 

そこを逃すまいとアマテラスは着物の袖で器用に美鈴の両腕を絡めとりこちらに引き寄せ頭突きを顔面に繰り出す。

 

「ぐぁっ!?」

 

美鈴は腕を固定されてしまって避けられずにもろにくらってしまった。美鈴が怯んでいる隙にアマテラスは袖の拘束を解き体勢を低く構える。

 

「こちらもとっておきだ、これは痛いぞ」

 

そういい低い体勢から放たれる二度目のサマーソルト、だがこの二発目は最初とは全く違い放った瞬間辺りの煙が凄まじい風圧で吹き飛び辺りの木々を揺らし風を切り裂くような音をたて美鈴に命中、美鈴は吹き飛ばされ後ろの門に叩きつけられた。

 

そして放ったサマーソルトの余波で門が両断されその先の屋敷の壁に切り裂かれたような傷が深く残った。

 

かなり重い一撃を受けた美鈴は辛うじて意識を保っているが受けた部分から出血し片ひざを着いて肩で息をしている。流石にこれ以上は動くことが出来ない様子、この勝負の勝者はアマテラスで決まった。

 

 

 

 

 

……………不味いな、流石にやり過ぎてしまった。まさかここまでとは。私は虹色の奔流に飲まれるすんでのところで回避し攻撃が地面に命中した瞬間に紅蓮と筆業の一つの吹雪を使い簡易的な霧を発生させ姿を隠した。そこから疾風を使い加速し一気に近づき頭突きを一発。そのあとにやったのは疾風と一閃を掛け合わせた合体筆業のようなもの名付けて『疾風一閃』………そのままだな。

こういう名前をつけたりすることはあまり得意ではないんだ。

 

これは完全に咄嗟に思い付いたものだったのだがあまりにも威力がありすぎたらしい。美鈴もかなりの重症、門も切れてその先の壁にも傷がついてしまっている。これには練習が必要だな。

 

それよりも速く美鈴を手当てしなくては。そう思い美鈴に近寄る。

 

「無事か、というのは聞くまでも無いな。すまない少しやり過ぎた」

 

「い、いえ…見た目ほど酷くは……うぐ!?」

 

うむ、やはり見た目通りかなり酷いな。

 

「美鈴、これを食べろ。そうすれば傷も良くなる」

 

そういい大神骨頂を口に運び食べさせる。骨といってもちゃんと人でも食べられるように改良してある、それに一口サイズにもしてあるから問題ないはず。

 

「ん、ど、どうも…これは!さっきまでの傷がもう塞がってしまうとは。これならまたすぐにでも戦えそうです!……あっ」

 

そういって意気揚々と立ち上がり、ふらついて倒れそうになってしまう。ここで倒れられても困る。肩を貸して壁際に寄りかからせ休ませる。

 

「どうも、何から何まで有難うございます」

 

「いや、元はと言えば私にせいだからな。あと傷は確かに治ってはいるが失った血は戻ってはいない。気を付けるんだ」

 

「はい、どうやらそのようですね」

 

どうやら素直に従ってくれるらしい、ここで無理をしてまだ続けるきだったら流石にどうすればいいか悩んでしまうところだ。

それで―――

 

「で、なのだが勝負は私の勝ち。通ってもいいだろうか」

 

「はい問題ないですよ。本当は通せません!て言いたいですけど流石にこれ以上は出来ませんし。ですがアマテラスさん次は負けませんからね!」

 

「ふっ、次も私が勝つさ」

 

そう言い合って互いの健闘を称え私は漸く門を越えることができたのだった。そして玄関らしき場所に向かっていこうとしたのだが…

 

「おいおいおいおい!!アマ公!オイラの事を忘れてんじゃねえよ!」

 

………ああ、イッスンか。そういえばいたな。

 

「…………忘れてなどいないぞ」

 

「うるせぇやい!完全に忘れてやがっただろうが!」

 

 

 

門から扉までイッスンがやいのやいのとうるさくしたせいで途方もない距離に感じたが本当に、漸く紅魔館の内部に入るときがきたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




アマ公はこんな感じでいきたいと思います
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