狼?いいえ大神です!   作:片腕仙人

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紫視点とその後です


閑話
八雲紫とアマテラスと


「紫様、レミリア・スカーレットは手筈通り異変を起こし、博麗の巫女、霧雨魔理沙が解決向かっています」

 

「そう、ありがとう藍。下がっていいわよ」

 

藍は軽く頭を下げスキマに入り監視の任務に戻っていった。

 

この異変はいってしまえば最初から仕組まれていた起こるべくして起こった異変とでもいっておくべきでしょうね。勿論仕組んだのは私、八雲紫よ。

 

レミリア・スカーレット率いる紅魔館組は幻想郷を自分達の物しようと付近の妖怪たちを集め勢力を広げようとしていた。それを私や藍、その他の力のある妖怪を集め対処した。レミリアたちは確かに善戦をしていたが他の妖怪たちは所詮は寄せ集め、連携もなにもなく呆気なく散っていった。敗北したレミリアたちをその場で消すこともできたのだけどある取引をして来るべき時までここに隠れて過ごしてもらっていた。

 

流石にここまでの館を隠すのにはそれなりの結界やら境界をいじったりと色々あったがそこまで大変でもなかったから良かったわね。

それに結界は藍が担当していたし優秀な式を持っていて良かったと思うわ、ありがとう藍。

 

話しは戻るけど来るべき時というのはまさに今この時、彼女たちには異変を起こしてもらう。

 

なぜそんなことをさせるかといえば近頃は治まってきてはいるのだけど妖怪の中で力が全て、力が強いものだけがのしあがるそんなことが頻繁に起きていた。

 

これじゃあ、正直いってつまらないのよね。だから新しいルール、弾幕ごっこを私が作った。これはスペルカード、弾幕を使った勝負事。命のやり取りはしない。

 

これならば弱者が強者に勝ち下剋上のようなこともできてしまう、見るものも実際にやっている人物も楽しめるものになる。

 

このスペルカード方式を広めるための最初の異変、それがこの異変という訳ね。だからどこでも首を突っ込みたがる鴉天狗も好きに行動させているわけだし。

 

「あの、紫様」

 

我ながらいい案を思い付いたものね。これならスキマから覗いて暇潰しにもなるし━━

 

「紫様!」

 

「!?、ど、どうしたの藍そんなに大声を出して」

 

全く急にそんな大声を出されたら驚くじゃない……

 

「紫様、少し問題が……その、あの方がこちらに真っ直ぐ向かってきています」

 

あの方?一体誰のことかしら霊夢……はもうこっちにいるし。

 

「藍、一体誰のこともし邪魔になるようなら早急に帰ってもらいなさい」

 

「えぇと、ですね…その向かってきている人物が問題でして、あのですね。アマテラス…殿なんです」

 

……………え?アマテラス?

 

「……アマテラスってあのアマテラスかしら?それとも同じ名前の別人かしら、ええきっとそうね別人よねぇ~」

 

「紫様、現実から目を反らさないでください。あのアマテラス殿ですよ」

 

な、なんで彼女がここに!?いつもなら神社でゆっくりしているじゃない!なんで今日に限って……って、それどころじゃない。

 

「藍、今彼女はこっちに向かって来てるのよね」

 

「はい、そうです。あっ、ご覧下さい紫様もうさっき霊夢が倒した門番のところにいます。………あっ、戦闘が始まってしまったようです。しかも結構激しく弾幕は使っていないようです」

 

………それは、そう、でしょうね。彼女が弾幕なんて使うはずないでしょう。どこまでいっても我が道をいくような神だし。

 

「はぁ、藍。私の計画成功するかしら、もしかして弾幕勝負じゃなくてあっちの方が流行ったりしない?私、結構頑張って考えたのよこの計画」

 

「紫様、アマテラス殿を信じるしかありません。多分何とかなるでしょう……多分」

 

 

 

 

 


 

 

 

紅魔館前、美鈴とアマテラスの戦闘が終わった頃━━━

 

 

 

「終わりましたね。流石の実力ですね、全く衰えてはいないようですよ紫様」

 

そうね、確かに最近は見ていなかったけど衰えてはいないわね。というよりも強くなってない?

 

「ねえ藍、あの戦闘かなり血の気が多いと思わない?弾幕勝負…広まるわよね」

 

「そこは問題ありません、あの鴉天狗からは見えないように結界を張って起きました。といってもさっきの一撃で完全に破られましたが」

 

 

なら問題ない、のかしらね。あまり場をかき回さないでほしいのだけど。こっちは私が監視しておきましょう。

 

 

 

 

それから少し経って紫はアマテラスの監視に飽きて今起こっている霊夢対レミリアの弾幕勝負をスキマから見ていた。

アマテラスはあれから特に戦闘などはせずにいたため別にいいかと思ってしまったらしい。

 

それに霊夢がしっかりと勝つことができるか気になってもいるようだ。

 

霊夢とレミリアの弾幕勝負が始まって少しすると魔理沙も合流し霊夢と一緒に共闘を始めた。ただ魔理沙としてはどちらが先に倒せるかという方に要点をおいている気がしなくもないが。

 

観戦しているといきなり紅魔館の外壁がいきなり吹き飛びそこから禍々しい姿をした少女が現れた。そしてレミリア、魔理沙、霊夢に攻撃を始めた。

 

「紫様、あれは!?」

 

「藍落ち着きなさい。少なくともあれはこちらの意図したものではないわ。それに霊夢一人なら何とか対処できるかもしれないけど今の状況では厳しいはずよ。最悪私たちがあれを止めるから準備はしておきなさい」

 

「はい、了解しました紫様」

 

私の考えた通り今の状況では避けるので精一杯のようね。これは早々に出ていくことになりそうかしら。

 

そう思っていると外壁が崩れた場所から私の知った顔を姿を現し四本ある首の二つを一瞬で切り飛ばし少女を救出した。

 

「どうやら私たちが出ていく必要はないようね。藍、このまま流れに任せましょう。監視を続けて」

 

藍は少しだけ不安そうにしてはいるがすぐに頷き監視を再開した。

 

それからはトラブルはあったもののアマテラスのおかげで何とか大事に至ることはなく異変は解決、そして今は博麗神社で宴会の真っ最中である。

 

 

 

ただ私は博麗神社にはいない。今はもう一つの神社、天照神社だったかしら?そこに来ている。とはいってもスキマの中から縁側に座っている彼女を眺めているだけなのだけど。

 

「紫、そこにいるんだろ。出てきたらどうだ」

 

あらやだ、ばれてるわ。ばれてるのなら潔くスキマから出て隣に腰かける。

 

「こっちでは宴会なのに一人で考え事?まあ察しはつくけど」

 

「まあ、そんなところ」

 

前にアマテラスから聞いたことがある何でも因縁の相手だとか。

 

「そう気にすることでもないわよ。今はあなた一人で全てをやる訳じゃないんだし、いざとなれば霊夢も私も手を貸すわよ」

 

「そうか、なら早速手を貸してくれ。一緒に今晩の夕食を考えてほしい」

 

………は?考え事ってそっちなの!?

 

「ちょっと待ちなさい!考え事ってそっちの事てっきり私はヤマタノオロチについてだと……」

 

「ああそっちか、それも考えてはいたがまあまたアイツか程度にしか思っていなかった。といっても紫、お前も見ていたんだろうオロチの妖気が飛び去っていったのを」

 

「ええ、藍に後を追わせたけど途中で消えたらしいわ」

 

「そうか。ならすぐには大事になったりはしないだろうがもしかすると幻想郷の各地にタタリ場が出ているかもしれない。見つけたら教えてほしい」

 

タタリ場が幻想郷にね。確かに放置して置くわけにはいかない案件ね。私たちでは見つけたとしてもその場で食い止めるくらいしか出来ないからこれは必然的にアマテラスの仕事になるでしょう。

 

「それはそうと紫、宴会からこっちに来たってことはまさか居づらくなったりでもしたのか?未だに親友や友人と呼べる人物が増えないということか?」

 

「なっ、なにを言っているのかしら。別にそんなんじゃないわよ友人と呼べる人だって……い、いるわよ」

 

扇子を開き顔を隠して表情を悟られないようにして答える。別に友人を作るのが苦手というわけではない。幻想郷の管理者として誰かを贔屓するのは良くない。だからできるだけ公平に接しているのよ断じて煙たがられているわけはない、はず。

 

「そうやって顔を隠しているときは何かを企んでいるか、図星の時だろうに。その様子では私と幽々子くらいしかお前が素でいられる者がいないんだろ」

 

うぐっ……確かに親友と呼べる者はそこまで増えないけど余計なお世話よ。ここはもうさっさと退散しましょ。そう思いスキマを背後に開く。

 

「なんだもう戻るのか?」

 

「ええ、私の()()()()が宴会してるんだからそっちに早く行くことするわ」

 

「ふふっ、そうか。友人増えるといいな紫」

 

それを聞き私はスキマに入り博麗神社に戻った。ただ戻るときのアマテラスの表情が少しだけ気になった。あの表情はまるで悪戯が成功したような彼女にしては珍しく自然な笑みだったのよね。まあ、深く考えても意味は特にないだろうから気にすることもないでしょう。

 

再度スキマを開き博麗神社、霊夢の横に座る。

 

「あ、戻ってきた。紫、あんたなら知ってるでしょあの異変の時にいた着物の女」

 

「そうだぜ!あれ誰なんだ?なんか一瞬でヤバそうな奴倒してただろ」

 

霊夢、魔理沙も含め他の面子もどうやらアマテラスの事が気になっているらしい。でも、まだ教えるには早いかしらね。

そう、物事には順序ってものがあるのよ。その時が来れば教えるよりも早く知ることになるでしょう。

 

いつも通りの所作で扇子を開き口元を隠す。

 

「そうね、それは今はまだ語るべきでは━━━ん?なに?そんなにキョトンとした顔で」

 

私が扇子を広げた途端全員が全員、最初は驚いたような顔をして次第ににやけた表情になっていく。なんなのかしら?

 

「ふっ、紫あんたそんな風に思ってたのね~。ふふふ」

 

「そこまでアピールされたらなってやるしかないな、なあレミリアお前もそう思うだろ。でもこんなことしてくるとは思わなかったんだぜ」

 

「ふふ、そうね。そこまで言うのであればこのカリスマ溢れる私がなって上げてもいいわよ妖怪の賢者」

 

な、なに、一体どういうことなんだか皆私を生暖かい目で見てくるんだけど。

 

「れ、霊夢一体どういうことかしら?」

 

「え~、だって…ねえ」

 

「ああ、これはなぁ~」

 

そういい霊夢、魔理沙は私に向かって指さしてくる。いいえ私じゃない、正確には私が持っている扇子を指さしている。急ぎ扇子を裏返して見てみるとそこにはある文字が書かれていた。

 

 

お願い友達になって

 

八雲 紫

 

 

 

と、力強く綺麗な字で書かれていた。これを見た瞬間ある一言がすぐに浮かんだ。そう、アマテラスが最後に言っていた一言「友人増えるといいな紫」という言葉が。

 

これを出し続けていたと思うと一気に顔が熱を持ち今までにないくらい熱くなっているを感じる。

 

「あ、あぁぁぁ!あのイタズラ狼!余計なことして!!」

 

「大丈夫よ紫、私はずっと友達だと思ってたから」

 

「━━━━━━━━━━!?!!?」

 

 

紫は声にならない悲鳴を上げてスキマに勢いよくダイブし消えていった。それ以来宴会の席には姿を見せることはなかったとか。

 

 

 


 

 

 

天照神社の縁側にて

 

 

「くしゅん……ふむ、少し冷えてきたか。それとも誰か私の噂でもしているのか。さしずめ紫辺りが感謝しているのだろうな、これもきっと神として当然のことだな━━━━くしゅん……もう寝るか」

 

 

こうしてアマテラスの知らぬ所で尊い一人の妖怪の犠牲はあったものの幻想郷最初の異変は終息したのだった。

 

 

 




あとは慧音と阿求、紅魔館組も書きたいと思ってます。
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