何度目だろう。   作:ウェットル

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 続きへの要望が途切れたので、ここでいったん筆を止めます。


来る鳥が跡を濁す前に。

 『今』とは、どこまでいっても。

 この世界での必ず起こりうること、それらの積み重ねだ。

 

 兵藤一誠が神器を原因として、堕天使レイナーレに暗殺される。

 リアス・グレモリーの要望で、駒王学園が遠い過去に設立される。

 アーシア・アルジェントは、主にある悪魔の性癖から教会を追放される。

 姫島朱乃が生まれの定めから、双方の勢力の因縁より両親を失う。

 木場勇斗は孤児であるがゆえに、ある実験場でモルモットとなる。

 搭城小猫が、『妹への愛ゆえに反逆者となった姉』へと誤解を抱く。

 ギャスパー・ヴラディは宿った神器から、必ず一度は引きこもる。

 

 それぞれの事情が、それぞれの悩みと苦しみを生み。

 それぞれの物語が、兵藤一誠という奇人変人によって「普通」なことへのありがたみを思い出していく、あるいは学んでしまって人間臭さを得てしまう。

 

 これらが変わってしまえば、『今』は容易く過程を変えていく。

 特に兵藤一誠がいなければ、当時の眷属たち以外の誰かが兵藤一誠の代わりとして、彼女たちに人間臭さを得させなければならない。

 特にリアス・グレモリーがいなければ、眷属たちは誰もが救いを知らない。

 もちろん他の誰かが欠落しても、さほど大きな変化は起こらないが相応の変化は起きる。兵藤一誠が大きな力を得ることがなくなったり。

 結果的にそれが、兵藤一誠の神器の暴走を招いたり。

 

 それらの『今』の中でも、この日に限っては。

 たまたま、彼女たちが現場に全員揃わないだけだった場合もある。

 

 たとえば、運動部関係で助っ人や鍛錬相手として呼ばれた誰かが、「それらの活動で消費した体力のまま、無理に戦わせるわけにはいかない」といった理由で、リアス・グレモリー直々に休む、あるいは活動を続行するように言いつけられたり。

 たとえば、偶然テストに出題された内容が先生のタイピングミスで若干異なっており、そこの記述への解釈を誤った誰かが補修を受けている真っ最中であったり。

 

 今回の『今』が、そういったケースのどれに当たるのかは、まだわからないが。

 

 どんな形であれ、はぐれ悪魔バイザーはリアス・グレモリーの手によって消滅させられる、という『今』には必ず至る。兵藤一誠へのレクチャーを兼ねた実践的教育にして、はぐれ悪魔に対しての実践的戦闘の解説。駒数が変われば、駒それぞれに関しての説明にも変化は生じるものの、やはり当然のように至る。

 

 リアス・グレモリー。

 彼女が眷属の主として相応の実力を示す瞬間たる『今』は。

 

 ――――そこだ。ここだ。ここなのだ!

 このバアル家を由来とする魔力を放った後。

 獲物を取ったと確信し、獲物を消滅させたと確認し終えた瞬間。

 

 屋上から、飛び降りる。彼女たちの眼前へと!

 

「まいったね、その獲物はボクたちも狙っていたんだよ。

 賞金首になったばかりらしいから、今のうちに、って思ったんだけどな」

 

 落下速度は相棒(リジル)の自動浮遊能力で程よく軽減。

 骨折しない程度で、かつスピード感を失わない程度で、落下時の物音や風切り音から気配を読み取らせることもなく。

 

 ライトノベルらしく表現するならば。

 

 ”空の暗闇から音もなく、彼女(オレ)たちの前にその姿をあらわにさせる。

 彼女(オレ)たちが今まで戦っていた暗がりの中へと舞い降りた、より深い闇から降りてきた黒装束の男。そいつはフードの中にある白い歯を怪しく輝かせた。”

 

 ・・・・・・なんてところだろうか。

 自分たちも同じ闇の住民だろうに、たったそれだけの演出程度で息を呑み、身構える彼女たち。学生なら仕方がないよね、何度も転生しているボクのほうがおかしい。

 気配を感じなかった、「自分たちと同じ獲物を狙っていた」と公言していたが大公の関係者らしからぬ気配だ、そもそも悪魔ではなく人間の気配がする。

 そんなことにぺらぺらと口を開いている合間でなら、舌を相棒(リジル)が切って落とせそうな気もするし、実際にしたこともあったか。そもそもの相棒の好みは(タン)ではなく心臓(ハツ)だからこそ、相棒が気乗りできなくて、何人か生き残らせてしまった『今』もあったような気もするのだが。

 

 ああ、ダメだ、またいつかの『今』が混ざってくる。

 

 この合間も『今』で何度繰り返されてきたのかさえ、正直思い出すのも億劫になる。似たような舞台への登場の仕方をするだけで、だいたい似たような反応でぺらぺらと、ぺらぺらと。狙ってやっていなければ、もう具体的には憶えていない、かなり前の『今』の時と同じように、思わずイライラとしてしまうかもしれない。

 

 

 逆に言えば。

 逆に言えば、『今』で必ず繰り返されるということは。

 億劫になってしまうほどに、必ず繰り返されてきたということは。

 

【 ”決して、「起こる」ということが、『絶対にありえない』”

 逆説的な『今』の要素や法則も、これまでの『今』が教えてくれる】

 

 ・・・・・・と、いうことだ。

 

 

「実は、そいつを手土産にセールストークがしたくってね。

 しようと思って物陰から馳せ参じた矢先に、いきなり手土産にするつもりの商品が刈り取られていたんじゃあ、こそこそと屋根の上に隠れる意味もない」

 

「セールストーク・・・・・・手土産ですって?」

 

 リアス・グレモリーが期待をしたかような弾む声で、同時に警戒心を露骨に示した眉根で目つきを鋭くさせながら問いかけてくる。

 

「そうそう、手土産、具体的にはそう、そこの隠れている彼に」

 

 ビクリ、と反応する彼、ギャスパー・ヴラディ。

 吸血鬼に手土産と言えば、普通は生きた人間の血だとか、とにかくそういったものになるはずだとでも思っているのか、リアス・グレモリーは首を少し傾げた。

 

「そこにあった冥界の裏切り者の首を捧げて、できることならば、ボクはね」

 

 ほんの少し、まだるっこしい言い方で彼女たちの言葉を紡がせない。

 嫌でも「聞く姿勢」に入ってもらう。入ってもらえた、入ってもらえたなら作戦決行だ、緊張しているのだと表現するように長く息を吐き、長く息を吸い、長く息を吐き・・・・・・また、長く息を吸って、そこで止める。

 胸を軽くなで、「んっ、んんンッ!」と咳を吐いてから。

 

「ボクは、【吸血鬼の彼と友達になりたい】のさ」

 

「ふぇ? ぼ、【ぼくと友達】ですかぁ!?」

 

 明らかに、殺伐とした状況と噛み合わなさすぎる願いを、告げた。

 動揺の形相がギャスパー・ヴラディから伝播していき、他の眷属ふたりとリアス・グレモリーにも同様の声が上がっていく。

 

「そうそう、【友達】さ。

 眷属だの誰かの部下だの、誰かの命令に従わないと極刑もといリンチで死刑だの、オカルト系の隠匿をしなきゃ危険人物だの、自分たちが世界の平和を作ってるだの。

 どっかで読んだダークファンタジーじみた、上から目線で人間そっちのけの論理飛躍は苦手でさぁ。そーゆー退屈なつまらないことを言いそうにない、『人間みたいな感性の子』を友達にしたいわけでね?」

 

「【私の眷属に近づかないで!】」

 

 ギャスパー・ヴラディをボクの目線から遮るように。

 リアス・グレモリーがボクの目の前へと立ちはだかる。

 

 ・・・・・・これだ。

 ここまでのすべてが、【必ず起こりうる『今』】なのだ。

 逆は絶対にない。【友達】という言葉に反応しないギャスパー・ヴラディ。【自分の眷属が危険に晒されれば盾になろうとする】からこそ発揮されるはずの、眷属の主たりうる素質を見せないリアス・グレモリーの情愛。

 【ダークファンタジーらしからぬ言動】に過剰反応してしまわない彼女たち。

 

 そんなものは、彼女たちが作り出す『今』には【起こり得ない】。絶対にだ。

 だからこそ、【必ず起こってしまうこと】、これらはリアス・グレモリーがどんな言葉を発しても、兵藤一誠や他の眷属がどんな言動で遮ろうとも、【起こる】。

 

 【必ず】ギャスパー・ヴラディは友情に飢えてしまい。

 【必ず】リアス・グレモリーは眷属を守るために立ちはだかるんだ。

 

 『今』とは、どこまでいっても【そういうもの】。

 ならば、ボクが望み、臨もうとする新しい『今』のためには。

 起こってほしくない【そういうもの】だけを遮り、より起こってほしい【そういうもの】だけが起こりやすいように誘導しなくてはならない。

 

「そう、それ。それが苦手なんだよ!

 ボクと彼がどうなるかは、ボクと彼の【自由】。

 君は彼らの主であって、親や兄弟や姉妹じゃない。

 そういうものじゃあないでしょ、大衆の【友情】ってのは。

 ――――ねぇ、『グレモリー家のお嬢様』?」

 

「・・・・・・っ!」

 

 自分の素性を知る脅威。自分の悩みを抉るような物言いへの嫌悪と恐怖。

 そのすべてが言葉にされるたびに明確になり、顔色を蒼く染めるリアス・グレモリーは正気を疑いかけたのか、あるいは突かれたくもない傷を抉られてでもしたかのように足元を軽くふらつかせる。腰が抜けないだけでも、かなりのものか。

 

 このように。やはり、この『今』でも。

 相変わらずのリアス・グレモリー、【彼女は拗らせている】。

 人間の真似事にも近い貴族社会での御令嬢、親に選ばれた婿、求める自由、管轄区を昼間だけでも代理担当してもらえるほどの友人との依存ある絆、眷属でありながらも友人と想う者との矛盾した信頼。

 いずれ名実ともに騎士となるよう育て上げた孤児との主従関係。いずれ同じように裏切るかもしれない疑惑を抱え込んだままの眷属との主従関係。身の程を過ぎた力を持っているという秘密を共有しながらも、己より程度がひどい眷属の引きこもり生活。

 ここにある『今』からするに、事情が多少は変わっているのだろう。

 

 だとしても、やはり。

 彼女は情愛を拗らせ、己だけを愛することもままならず。

 眷属のすべてを想うがままには愛せず、どこかで必ず、主と眷属という絶対的な距離を置き、それでいて自らの名誉と、眷属の安全の重みを時に計り間違える。

 そのような主の行いを、眷属さえも真似るように続けてしまう悪循環。

 ゆえに。

 

 【己へと誰よりも強い情愛で愛してくる、兵藤一誠へと執着(アイ)する。】

 

 それでいい。それがいいのだ、リアス・グレモリー”部長”は。

 その弱さこそが、【同じ弱さを持つ眷属を抱え込む器量】になっているのだから。

 

「ご理解いただけたようで、なにより。

 わけあって安息の地を求めているものなのですがね、そういう態度で気に食わないから死ね、怪しいから殺してやると構えられると困るんですよ。敵になる気もないのに、敵にならざるを得なくなるまで追い詰められるとね、もうキリがない」

 

 彼女たちが悪を潰した気になれるような『今』にはならぬよう。

 あらかじめ、言葉選びの段階から彼女たちのカタる正義を潰していく。

 【カタりやすい正義】から順番にチェックマークをつけて、見えなくさせる。

 

「かといって、こちらの事情を知ってもらっても困るんですよ。

 あなたがたは戦えるというだけで現実を見なくなる。手に持った武器ではないんですよ、我々人間というものは。こちらもまた、気に食わなければ牙をむくというもの。

 であるならば、飼い犬にせず『住民』に留めるほうがよろしい。

 なにがあっても、このボクの素性も顔も知らなかったで押し通せばいい」

 

 こちらの示す選択以外などありえないのだと、悪魔のように。

 

「あなたが、街に危害を加えないという保障はないわ」

 

「あなたが、本当に街を守っているという保障もありませんよ?

 少なくとも、そこの彼も『なにかの間違い』で、今すぐにでも不敬罪とでも称して同じようにバラバラ死体にされるようにしか・・・・・・つまり、結局は恐怖で圧政を敷いているようにしか見えないんですよ、そのための演目のようにも見えましたが・・・・・・」

 

 【男女二名が否定の声を、主へのエールのように挙げる。】

 そうやって眷属が彼女をその気にさせて、彼女たちと殺し合わざるを得なくなるまで追い詰められたのも何度あったか。腹立たしいが、ここは勢いで押し流すしかない。

 

 

「なにかをする、だけが信頼を得る手段ではないでしょう?

 なにもしない、これで信頼できることもある。ヒトを殺さない、犯罪をしない、簡単なことですって。ただ闇の界隈での表舞台に上がる気はない、まっぴらなだけ。

 できることならば、裏方がよろしい。であるならば。

 

 ”ボクとボクの相棒(あいぼう)である武器には直接間接問わず、個人情報に関わらない。”

 ”その秘密は、そこの吸血鬼の彼だけが知り、彼は決して口外してはならず、文字に記すこともない。偶然知った場合に限り、契約関係者は同じく口外無用、筆記禁止とする。”

 ”その代償として、ボクと相棒(あいぼう)である武器が駒王町に生まれ住まうもの、および契約相手である双方と双方の縁者を殺害せしめた場合、契約は破棄されたものとする。”

 

 ・・・・・・なんて具合に。

 そんな契約を、あなたがたが皆で果たしてくださればいいんです。

 しょせん、いつものお仕事なのでは?」

 

 

 ここまでを、可能な限り身振り手振りで意識を寄せ集め、言葉を完全には切らし切ることもなく、途中で誰かが大声を張り上げて途切れさせるような真似も許さずに。

 

 むしろ、声を張り上げようとした瞬間を狙って。

 

 相棒(リジル)を片手から投げ、相棒が自らボクの周りを踊り、意思あるものと示すように壁を刻ませて『”裏切った なら 殺す。”』と伝えさせる。

 仮に意思あるものであると気づかずとも、ボクは目をつむりながら攻撃を受けつつ、一方で相棒が相手の制服の尻や胸元を切っていって『”ばーか ばーか。”』とでも予定通りに煽り続けてくれれば、嫌でも理解はできるだろう。

 そんな手間が必要であってほしくはないが。ああ、ダメだ必要だった。

 また鼻の下伸ばしてるよアイツ、相変わらずだなぁ本当に。

 

 ともかく、誰にも余計な邪魔はさせない。

 こんな類まれな『今』は砂金を川辺で拾うようなものだ。

 交渉のテーブルに上がり込む砂利には、いったん黙ってもらおう。

 

「・・・・・・本気なのね、それほどの武器と実力があるのに」

 

「実力があるからこそ、ですよ」

 

 誰の、とは言わない。

 相棒(リジル)を持っていれば、誰でもこうなれると錯覚されても困る。

 あくまで相棒が応えてくれているから、こちらの予定や予想の範疇で留まってくれるに過ぎない。それで誰かが相棒に斬れ(キレ)られたのは何回だったか。

 ・・・・・・こういう調子で、いちいち思い出すのはやめよう。疲れる。

 

「ゆえに、そこでビクついている彼。

 彼と友人ということにして情報網を保ち、こちらへの楔とする。

 彼は彼で、完遂すれば生涯契約を履行したという悪魔としての業績が残る。

 もちろん契約に同意したあなた方も同様の業績、名誉が得られるでしょう。

 ボクが生きているうちに契約履行に問題が発生したのならば、そのときは要相談としましょうか。ようは、ボクが生きている間に限りの個人情報保護、これだけです。

 それが一番、あなたにとっても都合がいいはずですよ。眷属思いならば」

 

 うぐっ、と息を詰まらせるリアス・グレモリー。

 こうもおおまっぴらに、「眷属思いならば」と念押しをされてしまえば、無下にしただけでも彼女への眷属たちの印象は大きく変わってしまうだろう。

 裏切らないほうが利益はある。裏切れば魔剣か神器らしき武器に襲われ、一瞬で背後を取られて殺される。人間であるか否かは関係ない、相手が相棒と称した武器の脅威にこそ、彼女は正しく反応し、【己と眷属のための最適解を導き出す。】

 彼女は突発的な危機管理において、見えぬ危機でなければ誰よりも冴えている。

 

「・・・・・・納得がいかないけど、いいわ、そういう契約でいきましょう」

 

 折れた。これでいい。【やはり彼女は彼女だった!】

 

「ありがとうございます。で、対価はいかほどでしょうかね」

 

「ちょっと待ちなさい。朱乃?」

 

「はい、部長。このようになりましたわ」

 

 手渡されたタブレットを見るリアス・グレモリーは絶句する。

 酸欠になりかけている金魚のように唇を動かして数分ほどだろうか。ようやく顔を上げ、こちらにタブレットを手渡し、言葉を紡いだ。

 

「あの、けっこう値が張るのだけれども。ほら。

 そこまでの価値まであると思えないのだけれども、払えるの?」

 

「なんだ、そのくらいの額ですか、ローン契約でいいでしょう。

 なんなら、適当に彼に仲介役をさせて依頼してください。お金が行き来するだけで、実質ボクのタダ働きにも見えるでしょうが、まあタダ働きみたいな感じでやりましょう。

 私生活は自分でどうにかしますから、そのあたりはお気になさらず。

 依頼内容は、もちろん裏方の仕事限定で。

 手に負えない敵や賞金首の暗殺、探偵業、眷属の代わりにやりますよ?

 普通の使い魔よりは、まっとうに戦えるぶん困らないのでは?」

 

「・・・・・・そうね、念には念を入れましょう。

 堕天使の侵入を許してしまったもの、二度は面子に関わるわ」

 

「そうでしょう、そうなのでしょう。では、そういうことで」

 

 伸ばされる前に手を伸ばし、喜びの意を示す。

 ビジネスライクがあるならば、営業スマイルも忘れてはならない。

 別にこれは、顧客であるはずの側の人間が背中に刃物を隠しながら浮かべてもよいものだ。一方的にこちらが、あるいは相棒(リジル)だけが破棄をして、必要な『今』になってしまったら夜逃げをするくらいの雑な契約でも誤魔化せる。

 この『今』が必要ではないとわかったのならば、この『今』の彼らが期待や信頼などしようもない悪魔らしい悪魔へと堕ちきってしまうのであれば。

 いつでも裏切れるような契約を、正当かのように騙る口も予め必要になる。

 そうなってしまう先の『今』に至ってもいいように。備える。相棒(リジル)と。

 それが子供では騙されてしまう営業スマイルであり、言い換えるならば。

 

「これからもよろしくおねがいします。

 ・・・・・・ってなわけで! とりあえずカラオケでも行くかい?」

 

『”悪い こいつ テンション 切り替え 早い。 よろしく。”』

 

「あの、せめて壁を削るのやめてちょうだい。後始末が大変なのよ」

 

 

 

 いわば、リアス・グレモリーへの信頼(親愛)だった。

 

 

 




 このようにして、彼は繰り返しに臨む。
 新たな『今』を知るために、未知なる『今』を導き出すために。
 それもいずれは尽きる。これさえも繰り返すだろうが、しかし。

 それでも、まだだ、まだ足りないと吠えながら。



 彼は今もなお、『今』の新たな価値を探るのである。
 ――――相棒以外への執着(こだわり)を捨てた、ガラス玉のような瞳のままで。
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