少年は天使と出会う
「おはよう」
二〇一八年の夏のある日の朝、僕―――飯野黒桜(いいのくろう)は丸亀城の敷地内にある寮の自室のベッドから体を起こし、一人しかいないはずの部屋で挨拶をした。
『おはようクロウ』
頭の中に青年の声の挨拶が響いた。
僕はこの頭の中に響いた青年の声―――自分と融合した天使と出会った日のことから香川県に着いた時のことを思い出していた。
僕がまだ小学五年生だった二〇一五年七月のある日の山口県の夜(何日かは忘れた)、黒桜は緊急時の避難所として利用している学校の体育館の入口の近くにある花壇に座り、心配しながら瓦礫だらけになった学校の外の様子を見ていた。
僕はこの日学校で夏休みの講習を受けていると強い地震に遭い、体育館に避難し体育館を避難所化する手伝いをしていた。
いつか地震に遭うと思っていたが自分が思っていたよりも早く遭ってしまった。
僕は仲の良い友達たちに「こっちに来い」と言われ向かい、友達たちの近くに置いてあるラジオから流れてくるニュースを聞いた。地震は山口県とその周辺だけでなく、日本全国で起きているらしい。しかも、地震以外の災害も起きていて甚大な被害が起きているようだ。
僕の友達たちはそのことを聞き様々な反応をした。
大きい声で叫ぶ友達、泣く友達、それを慰める友達、などだ。
僕は最初は様々な反応をして騒いでいる友達たちを落ち着かせていたが疲れ、クラス委員に任せて最初の花壇に座り学校の外の様子を見ている状態に戻る。
「これからどうなるのかなぁ…」
他の人に聞こえないくらいの声で呟き空を見上げた。
いつもと変わらない夜空だ。
「流れ星でも来たらいいのに」
そうしたらいつもの日常に戻ってと願うのにと、考える。
僕がそんなことを何分も考えていたからだろうか、運動場の真上の夜空に青白い流れ星が流れて来ていた。
僕はお願いしなきゃと思いその流れ星を見つめながら手を合わせるが、流れ星の軌道がおかしい。その流れ星は、僕たちの頭上を通り過ぎ夜空に消えると思っていたが、流れ星は真下にある運動場に向かって落ちて行っている。
そして、流れ星が運動場に落ちた瞬間―――
「うわああああ」
「きゃあああぁぁ」
目をそむけてしまう程の激しい閃光と共に、今まで聞いたことのない爆発音のような音が響き、体育館・校舎・車の窓ガラスが割れ、あらゆる人の叫び声が爆発音のような音に負けないくらい響いた。
運動場からそむけた目を元に戻すと、運動場の真ん中に深くはないが、かなりの大きさのクレーターが出来ていた。そしてその真ん中には、丸まった大人位の大きさの塊の様な物が存在していた。
「ん?あれは流れ星じゃなくて…」
僕はクレーターの真ん中の塊が何なのかが気になり凝視する。
「人…!?」
クレーターの真ん中の塊が人だということに気付き、「助けないと」と、思う前に体が反応し、クレーターの真ん中の人に走って向かっていた。
僕の行動に速く反応できた友達や、大人達に「危ないぞ!」「早く戻れ!」と呼び止められたが、それを全て無視した。
そして、クレーターの真ん中でボロボロになって倒れている人に駆け寄った。
ボロボロになっている人をよく見ると、髪は金髪、顔は青年位で、真っ白な鎧の様な物が体の所々を覆っており、その覆っている鎧はひび割れていて、出血が酷かった。
「大丈夫ですか!?」
どう見ても大丈夫ではない
「大…丈夫だ、問題な…い」
「大丈夫に見えないですよ?」
が、倒れている人は問題ないと言ったのでついツッコミを入れてしまった。
(叩いてはいない)
「私の事はいい…早く逃げろ…」
「ほっとけないです!あと、逃げろって…何から―――」
ドスン
最後まで言い切ろうとしたが、体育館の屋根に白く大きい星が大きい音を立てて落ちてきた。そして、それを皮切りに空から同じ星が立て続けに落ちてくる。
僕達二人の周りにも五、六個程落ちてきた。
「あぁ…来てしまった」
白い星が動き"顔"を僕達に向けた―――
~プロローグ~少年は天使と出会う を最後まで見てくださりありがとうございました。
オリ主達の設定は次ののプロローグに書こうと思います。
次のプロローグをできるだけ早く書こうと思います。