仮面の英雄、つまりは私?   作:虚灯

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あらすじを最後まで読んで、納得した上で読んでください。
しょっぱなから適当な展開と文章でできています。
今後の流れなどは、ほとんど何も考えていません。
ご都合主義や原作と矛盾する点も出てくるかもしれません。
というかそもそもちゃんと完結するかどうかすら怪しいです。
全て理解した上で、どうぞ。


適当すぎるプロローグと前置き的日常。

この世界は、神様は、意外といい加減な性分をしていたらしい。

そう考えないと、今この状況はとても説明がつかないもの。

 

「だから、理由も何もかもいい加減だってことはわかりきっているから置いといて。

 それを大前提として、せめて事の経緯と今後についてだけ説明してくれないかな?」

 

私は、そう言って目の前の人物を睨みつける。

彼は……いいや、彼女かもしれない。ともかく、今この場に私の他に唯一存在するコレは、私の常識や認識、理性や感覚では全く理解できない形態の存在だった。

男であると考えれば、女性に見える。大人だと思えば、子供になる。まだ幼い少女である気がすれば、次の瞬間には髭の老人。

ことごとくこちらの認識と真逆のものであろうとする、全く理不尽な存在だった。

 

コレが何なのか。それを考えると、めまぐるしく見た目を変える存在に頭が痛くなるので、とりあえず悪魔か蜃気楼かアメーバのように、そもそも不定の存在である、ということにしておこう。

……と、考えた矢先、その存在はピタリと変化を止めた。

 

「なんだ。はじめからこうしておけばよかったんじゃない」

 

人魂ともLEDとも鏡の反射ともつかない、光源がどこにあるのかさっぱりわからない光の塊になったコレを見て、私はそう呟いた。

白と思えば赤、青と思えば金。相変わらずこっちの認識の裏をかこうとはしているけれど、形が変わらない分だいぶマシだろう。

心なしか悔しげにしている光に向かって、私は冷たく言い放った。

 

「で? 説明できるんでしょうね?

 神だかなんだか知らないけど、人の思考に従ってしか自分を表現できないくせに」

『君は私たちに神の使い、世界の使者として選ばれた』

 

不思議と脳裏に響くような、親しみや敬意や信頼を感じ得る要素を無理矢理に詰め込んだような、よくよく聞くと無機質でちぐはぐな印象の音声は、さきほどと変わらないセリフを吐く。

 

「それはさっきも聞いた。

 その先を要求してるんだよ、分からない?」

 

作ったような抑揚の声に苛立ちながら、私は冷たい目でソレを見つめた。

いわゆる転生トラックを通過して真っ白い空間にやってきたわけなんだから、なんの用なのかはだいたい予想がつく。

まあ、こんなヒカリゴケとアメーバの奇形みたいな物がでてくるとは思わなかったから、そこは若干差異があるんだろうけど。

でも、それも微々たるもの。あってもなくても変わらない程度のものでしかない。

 

「素直に言ったらどう? 『漫画の世界に転生しませんか?』って。

 こんな微妙な点を変えてきたって、新鮮さなんて誰も感じないよ」

 

生前だったらあんまりにも痛すぎるセリフを、私はなんの躊躇いもなく口にした。

普段なら、こんな荒唐無稽な発想は出てこないし、思いついたとしても信じないだろう。

でも、ここに来る途中で見た他の神様と転生者のやり取りを見る限りでは、今回ばかりはこれで間違いないはず。

……というか、なんであんなに転生者がいるんだ。まさか、全部同じ世界に来たりしないだろうね……

 

『……願いを5つ叶えてあげるから、“転生ゲーム”に参加して欲しい』

「ほら来た」

 

渋々といった調子で告げられた言葉に、私は我が意を得たりと食いついた。

転生ゲーム? は知らないけど、要するに神様同士の暇つぶしか覇権争いの道具になれってことでしょ?

はいはい、テンプレテンプレ。全く良くありすぎて飽きるぐらいだわー。

 

『おすすめは能力や才能。容姿は別途で決められる』

「パタポン3のヒーローの各クラスの能力と、+15~40相当で装備全部。

 ドラクエシリーズの呪文と特技全部と、各種装備を全部。何か便利な倉庫みたいなのがあると嬉しい。

 身体能力や五感を最大にして、少なくとも鈍らないように。魔力や気といったものも最大で。

 容姿は青みがかった灰色のロングと翡翠色の瞳の美少女に、どちらかと言うとスレンダーでクールな綺麗系」

 

予想通りの言葉に即座に答えると、光は戸惑ったように揺らめいた。

ふふん、どうだこの一部除きオリ主的テンプレなオーダーは!

若干私の趣味入ってるけど。なんだか戦闘しかできそうにないけど。だけどいいよ別に。

私アロッソンが大好きだから。アロアロアロー出来れば文句はないから。

念のため、汎用性の高いドラクエの能力も入れたけど……

チートだとかの文句は言わせない。劣化無しの無限の剣製頼んでる奴もさっき見たし。

それを許可してこっちをボツるとか、ないよね?

 

『……舞台は魔法先生ネギま。立ち位置はランダムだけど、メインキャラの近くなのは確か』

「ああ、なるほどそれか。まあ、二次創作がかなり盛んな作品だよねあれ」

『こちらの希望者が多かったので、多分参加者は10人ちょっと』

 

もはや全く抑揚がなくなった声で、機械的に光は告げる。

なんつうか、随分事務的だね? 好きでゲームに参加してるんじゃないのかな、もしや。

 

『とにかく、自然に過ごしてくれればそれでいい。

 面白いことをしてくれれば、こちらの陣営の加点となる。

 ……健闘を』

「あ、やっぱりそんな感じのやつか」

 

最後にそれだけ言って、世界は反転した。

 

 

そうして、私は転生したようだ。どうにも場所は麻帆良らしい。

大戦中とかエヴァンジェリン付近に生まれるよかマシか。

問題は誰と同世代か、ってことだけど、これは原作3-Aと同じっぽい。

ここまでは問題ないんだけど……

 

「やあ、裕奈ちゃん。今日も可愛いね」

「え、あ、うん。ありがとう……?」

「あはは、照れちゃって。それもまた可愛いよ」

「う、ええっと……」

 

「あ、ミナトちゃんだー! こんなところでどうしたの?」

「なんの用ですか? 煩いですね」

「かくれてないで、あそぼうよ!」

「結構です。忙しいのがわかりませんか? これだから餓鬼は」

 

……現在幼稚園、既に転生者らしき人がちらほらと。

お気に入りのキャラを引きこもうと画策している奴もいれば、来る原作のために印象を強めておこうとキャラ立てしている奴もいて。うん、傍から見てると変な奴以外の何物でもないね。

そんな中、何もせずに傍観に徹するやつもいた。振る舞いが落ち着きすぎているので、多分間違いない。

でも、色々頑張ってる奴らを見て鼻で笑ってるのは、ちょっと印象悪いぞ。

何にせよ、カオスです。

 

男のくせに長めの銀髪と赤青のオッドアイ、女顔の美少年というテンプレ丸出しの奴。

原作メンバーの明石裕奈だと思われる幼女に、しつこく声をかけている。

オリ主ものでよくある、日常的にさらっと褒めて、こちらを意識させるというのを狙っているようだ。

あ、ナデポも狙ってんのか。今頭撫でたぞ。同年代よりちょっと背が高いからって。

どうでもいいけど、明石(仮)がドン引きしてるのに気づいてない。

 

目元が隠れるぐらいに長い前髪の白い髪の奴。原作の宮崎のどかよりも不気味な感じだ。

建物の裏に隠れてやたら難しい本を読み、他の子供を邪険に扱っている。

大人っぽく振舞っているつもりらしいが、それは大人気ないと言うんじゃないの?

隠れているようで実際にはとても目につきやすい場所にいることからして、わざと声かけられやすい位置を陣取ってるっぽいし。それであの態度とか……

恐らく、魔眼系の能力者か、顔を見せたら超美人とかだと思われる。

……だけど後者は、やっぱり宮崎とかぶるよな?

 

さらに、それらを見て嘲笑ってた転生者らしきやつ。

黒髪黒目と平凡な色だが、それなりに見栄えする容姿をしている。

他のバカどもとは一線を画した雰囲気があるし、今のところ要注意人物だ。

……なんだろう、『バカども』という呼称がかなりしっくり来てしまった。

 

「ねーマヒロちゃん、いっしょにあそぼう!」

 

と、さっき根暗女に追い払われた奴が、今度はこっちにやってきた。

確か名前は……

 

「うん、いいよ! まきえちゃん」

 

とかだったはず。

身体年齢に精神が引っ張られる、とかいう状況らしく、今の私は遊ぶのが大好きだ。

遊びたいという欲求に逆らったりなんかはしない。したくもないし。

今の私は子供なんだから、遊びまわるのは当然でしょ?

というわけで、かなり自然にお子様ライフを堪能できてたりする。

 

あ、そういえば。まきえちゃんって、佐々木まき絵だったりするのかな?

気になったら即聞いてみよう。

 

「ねーねーまきえちゃん。まきえちゃんって、ささき?」

 

う。だいぶ変な言葉遣い。そして、まだだいぶ舌足らず。

だけどそれでも理解してくれたらしく、まきえちゃんは大きく頷いた。

 

「うん、そうだよ! わたしのなまえは、ささき まきえです!」

 

よろしく! と、自己紹介するようにペコリとお辞儀をした。

お、じゃあ私も……

 

「わたしのなまえは、たちばな まひろです! よろしくおねがいします」

 

そう言って、ぺこりとお辞儀。

しばらくお互いそうしていて、やがてどちらからともなく笑い出した。

あ、なんだろう。なんだかよくわかんないけど、なんか楽しい。

 

「なにやってるのー?」

「あ、ゆーな! じこしょうかいごっこだよ!」

 

……いつからそんな名前の遊びになっていたんだろう。でもまあ、楽しいからいっか。

テンプレオリ主から抜け出してきたらしいゆうなちゃんが、会話に入ってきた。

あ、なんか私睨まれてる気がする。絶対犯人はあの馬鹿だ。

 

「あっちであそぼうよ!」

「いいよ! マヒロちゃんも行こ?」

「うん!」

 

きつい視線はスルーして、私は幼稚園児らしく遊びまわるのだった。

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