就職してからというもの、仕事が忙しくてなかなか書く時間がとれない。
そんな中判明したあのカードを見て、勢いで書いたものを投稿します。
②を書くかはまだ未定。
決闘恋姫の日常① 頑張れ詠ちゃん / KONAMIさんどうしちゃったの
●頑張れ詠ちゃん
現代で言うと、朝5時頃だろうか。どこからともなく聞こえる爆音により、賈駆は目を覚ました。
「…………またか」
爆音による目覚ましは、彼女が『チーム劉備』にやってきてからはそれ程珍しいことではない。2~3日に1回位の頻度である。
賈駆は急いでメイド服に着替えると、掃除道具を持って爆音の発信源へと走りだす。因みに、彼女が来ているメイド服は、《マドルチェ・マーマメイド》というモンスターカードと同じもの。これは、メイド好きかつデュエル脳の青年・北郷一刀が一晩で作成したものである。
董卓はその衣服の可愛さに喜んだが、賈駆は当初げんなりしたものだ。出会って間もない少女を着飾らせる性癖にもドン引きしたが、それどころかアンタ達はどこまでデュエル脳なのかと。
閑話休題。
ともかく、大急ぎで爆心地にやってきた賈駆だが、いつもの惨状を目の当たりにして朝から気分が沈む。
穿たれた地面、へし折れた木々、崩壊した壁。そう、これがいつものことなのだ。
そしてこれを引き起こした人間はというと――
「これで終わりです! ネオ・タキオンさんで華雄さんに直接攻撃! アルティメット・タキオン・スパイラルッ!!」
「ぐぁああああ!!」
金色に輝く三つ首の龍の攻撃により、斧型のデュエルディスクを構えた女性が宙を舞い、地面に叩きつけられる。その衝撃により、再び地面に穴が開いた。
「…………」
賈駆は何も言わない。表情も変えない。無心でいなければやっていられない。
麗しく、可憐な親友が巨大な龍で大暴れしている状況など、本来ならば目を逸らして部屋に引きこもってしまいたい。
だが、この惨状を修復できる人間は賈駆以外にいないのだ。何故だと聞かれても、彼女自身答えられない。
賈駆がこのチームに来てからというもの、何故か定期的に起きる『周りの人間に不幸を撒き散らす』という現象が消え、家事全般の能力が上がった。
それを親友に言ってみたところ、
『それはきっと、ご主人様と桃香さまが持つZEXALの力のおかげだよ』
とドヤ顔で言っていた。んなアホな。
そんな現実逃避をしている賈駆の元へ、同じくメイド服を来た親友が駆けて来る。朝っぱらから勝利を収めたからか、かなりの上機嫌のようだ。
「詠ちゃん、おはよう! 今日も絶好のデュエル日和だね!」
「…………ええ、そうね」
「? どうしたの、詠ちゃん。何か疲れてるみたいだけど」
賈駆は思う。今日は多めに胃薬を飲んで、早めに休もうと。
嗚呼、どうしてこうなった。
●KONAMIさんどうしちゃったの
「さすが桃香さま。このような素晴らしいフィールドを創り上げるとは……!」
日々行われるチーム内での練習試合。決闘者達は、お互いに切磋琢磨しながら各自のデッキを強化していく。
そして今、城内のデュエル特訓場で行われている対戦カードは劉備と関羽。義姉妹の誓いを交わした2人のデュエルは、互いに一歩も引かないものであった。だが、それもこの瞬間まで。
現在、関羽のライフは100。更に手札とフィールドにもカードが存在しないという絶体絶命の状況。ここまで風前の灯火という言葉が似合う状況は他にないだろう。
対する劉備は、ライフポイントこそ関羽と然程変わらない300ポイントだが、フィールドには圧倒的な差がある。
《No.39 希望皇ホープ》
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
《CNo.39 希望皇ホープレイV》
《CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー》
《No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ》
そう、5体の「希望皇ホープ」が並んでいるのだ。エースモンスターとその進化形態で埋め尽くされたフィールドは、圧巻だ。
5体が並んだ瞬間、関羽だけでなく周りにいた他のチームメイトでさえ言葉を失った程である。
「どうする、愛紗ちゃん。残りライフはたったの100。もう今みたいに《クリフォトン》の効果でダメージを無くすことはできないよ」
絶体絶命のこの状況。誰もが劉備の勝利を確信していた。
だが、関羽は諦めない。あの桃園で交わした誓いを守るためにも、最後の最後まで勝負を捨てるなんてことは、していいはずがない。
「桃香様の言う通りです。このドローで逆転のカードを引き当てられなければ、私の負けです。
だから、今持てる全ての力を振り絞り、逆転の一手を導いてみせます!」
そう言うと、関羽は天高く跳び上がる。日々の鍛錬で培った、渾身のドローを行うための大跳躍。
それは、見る者全てを魅了する程に美しい舞い。
「これが私のかっとビングです! ドロォオオオオ!!」
城内全てに響き渡る程の大声を発しながら関羽はカードをデッキから抜き放ち、地面へと着地する。
「……来ましたよ、桃香様。逆転のカードが! 私は、このモンスターを召喚します!」
関羽がデュエルディスクにモンスターカードを繰り出すと、彼女のデュエルディスクが、いや、フィールド全てが光り輝く。更に、召喚した本人が唐突に口笛を吹き始めるではないか。所々音を外した口笛と共に現れるモンスター。それは――
「今こそ現れろ! 我が分身、《ナンバーズハンター》!!」
それは、《
どこからどう見ても
『えー……』
この瞬間、関羽以外の人間の心は1つになった。いつの間にそんなカードを創ったのかと。使用者本人そっくりのカードを召喚するとは、反則ではないかとも考えそうなものだが、デュエルディスクが認識しているのだから、召喚は有効である。
「何故皆が放心しているのかはわかりませんが、《ナンバーズハンター》の効果を発動! このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールド上の「No.」を全て持ち主のエクストラデッキに戻します! さあ、ホープ達には退場して頂きますよ、桃香様!!」
関羽そっくりの女性モンスター、《ナンバーズハンター》が右手に持った青龍偃月刀を振るうと、劉備のフィールドに君臨していた5つの希望は全て吹き飛ばされ、エクストラデッキへと戻されてしまった。
「そ、そんな! 私のホープ達が!」
場に出るだけで全ての「No.」を一掃する力。まさにナンバーズキラー。
「これで桃香様のフィールドにカードは無くなりました! 行け、《ナンバーズハンター》! 桃香様に直接攻撃!」
全ての「希望皇ホープ」を一掃した刃が、今度は劉備へと迫る。フィールドをがら空きにされた彼女には、防ぐ手段など無い。
「破滅のフォトン・スラッシュ!!」
竜の鎧を纏う仮装女性の一撃が、関羽の叫びと共に引導を渡すのだった。
後に残ったのは、主君であり姉に勝利した決闘者の歓喜の叫びと、それを呆れながら見つめるチームメイト達の姿だけであった。
《鳥銃士カステル》のインパクトすら霞ませる兄さんは嫌いだ……。
次のデュエル回は近いうちに投稿できるよう頑張ります。