起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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遅くなりました!


五色姉弟 ドンクリークさん

「初めまして国王陛下、海軍本部少将のクリークと申します。

 

本日は偶々近くを通りかかったので挨拶とそれからお願いがあって参りました」

 

その言葉にジェルマ王国国王、ジャッジは訝しげに

 

「お願いだと?…何か政府からの依頼か?」

 

そう聞く、クリークのお願いを世界政府からの戦争稼業の依頼と考えたのだろう。

 

「いえ、お願いというのはとても個人的な事でしてジェルマ王国、ジェルマ66で使用している科学武装をこちらにも分けて頂けないかなと思いまして…」

 

まぁ可能性は低いだろうが折角なので近くを通りかかったし、とクリークは前から考えていた事をジャッジにお願いする。

 

「…装備か」

 

その言葉に少し唸りジャッジは考え込む

 

ジェルマの王国軍の科学装備はどれもジャッジが開発したものである。

 

が、今はジェルマ独自のものであれど海軍にかつて共に研究を行なっていたベガパンクがいる以上彼もそれ相応のものを開発するだろう。

 

それに相手は海軍本部少将、普通の本部少将であればつっぱねても問題は全く無いが相手はクリーク。

 

こちらでも要注意人物として詳細なデータは手に入れてある実質本部中将クラスの戦力を持ち活躍目覚ましい"海軍独立遊撃隊"の長でもある男。

 

「販売という事であれば少しは出しますが…」

 

考え込むジャッジにそんな事を追加で言うクリーク、これでもかなりの高給取りでありついでに賞金首の捕縛でまぁ、流石に海軍の人間なので全額ではないが三割ほどが褒賞として入るので金は持っているのだ。

 

「ふむ…いや金はいらん、そのかわり私のお願いも少し聞いてもらおうか?」

 

ジャッジは考えを纏めてクリークにそう告げるのであった。

 

 

まるで悪の秘密結社のような謁見場から所変わって、ここは王城の外にあるとても広い演習場。

 

ジェルマの兵士達が汗を流して訓練していたところにやって来たジャッジは二言、三言告げると兵士達が場所を開けた。

 

そこには片や筋骨隆々として鈍色の胴鎧を纏った大男。

 

向かい合うのは桃色の髪の少女に赤、青、金、緑とバラエティ豊かな髪を持つ少年達。

 

「あー、国王陛下?本当に構わないのですか?」

 

「あぁ構わん、それから子供達よ"全力で"やって構わん。」

 

ジャッジの狙いは子供達の実力の確認。

 

桃色の髪の長子であるレイジュでも11歳、その下の四つ子の弟達はまだ8歳と本来であれば絶対に大人には敵わないであろう年齢だが、ジャッジは"血統因子"理論を元に子供達には"とある処置"を施しそれ故にこの年齢でも成人した男でも圧倒出来るほどの戦力を持たせる事に成功していた。

 

流石に完全勝利とはいかないだろうが戦力を測るには丁度いい、もし万が一死んだとしてもそこは今までの任務の事を盾に世界政府に交渉すればなんとかなるだろう。

 

と、ジャッジはそう考えるのであった。

 

先手を打つのは赤髪の少年、イチジ。

 

「おいおっさん!父上から全力でって言われてるからな!」

 

とは言え戦闘の駆け引きはまだ未熟であり繰り出されるのはバチバチバチッと火花を纏うパンチ

 

「おおっと、危ない危ない」

 

それをわざと大袈裟にクリーク が避けて見せれば

 

「へっ!タダの人間がおれ達に敵うと思ってるのかよ!!」

 

そこに右脚で蹴りを叩き込むべく青髪の少年、ニジ。

 

クリークはそれを腕で受け止めると

 

「ほう、子供にしては凄いな。力もなかなかだ。」

 

そのまま弾き飛ばせば背中に衝撃を感じ

 

「おっさん!よそ見してていいのか?背中がガラ空きだぞ!」

 

振り向けば緑色の髪の少年、ヨンジが拳を振り抜いた体勢をとっていた。

 

しかし5姉弟の長姉で桃色の髪の少女、レイジュは

 

「みんな!バラバラじゃダメよ!あのおじさんは絶対に手強いわ!!」

 

そう言って手合わせが始まるや否や飛び出していった三人を纏めようとするが

 

「あ?タダの人間がオレ達に勝てるわけないだろ?」

 

イチジは自身の力を過信しているのかまるで相手にしようとせず

 

「タダのおっさんのくせにおれの攻撃を受けとめやがって…!!」

 

ニジは自身の蹴りを受け止めた事に苛ついたのかまったく話を聞いておらず

 

「…なんかこのおっさん硬いぞ?」

 

唯一ヨンジだけが違和感に気づきレイジュの元に戻った。

 

「…どうする?レイジュ」

 

レイジュに問いかけるのは金髪の少年サンジ。

 

「ヨンジ、あなたが感じた違和感っていうのは何?」

 

「…そこの役立たずみたいにいつも通りの力でぶん殴ったんだけどイチジ達と手合わせしてるみたいな感触があった」

 

と、サンジをギロリと睨みながら拳を握りしめるヨンジ。

 

「…図鑑でそんな感じの能力は結構あったからそれじゃないの?」

 

と、サンジは睨むヨンジに怖気つつもかつて読んだ悪魔の実図鑑の事を思い出してそう言うが

 

「決めつけるのは早計よ、噂には聞いたけど海軍には全身を硬化させる体術もあるって話だわ」

 

そう言って火花や電気をあちこち散らしながら拳撃や蹴撃を繰り出すイチジとニジの姿を眺めるレイジュ。

 

なおクリークは笑いながらそれをひょいひょいと避けてたまに相手を空中にポンポンと放り投げキャッチするという事を繰り返していた。

 

そうしてしばらく話し合い作戦が決まったのかまず駆け出したのはヨンジ。

 

「おらぁっ!ちょっと大人しくしてろ!!」

 

彼は怪力の血統を得ておりまずその力でクリークを足止めすべくクリークの右脚に取り付いた。

 

「お?さっきのパンチの少年か、…って子供にしちゃ凄い力だな」

 

子供にしてはどころか並の大人以上の怪力でクリークの進行を止めるヨンジ。

 

そこに更にサンジが背中から忍び寄り他の姉弟と違い何の力もなく普通の子供と変わりない身体能力しか持たない為、遅々としつつも一生懸命クリークの背中をよじ登りクリークの後頭部にとりつき必死で抑える。

 

「ん?どうした金髪の少年、そんなんじゃ俺は倒せないぞ?」

 

「見てろゴリラのおっさん!レイジュのさくせんだ!」

 

「作戦?」

 

そこにレイジュがクリークの目の前まで飛び出し手のひらを口に添えフゥッとクリークの顔面に吹き付ければ

 

「目ェっ!!!」

 

思わずクリークが目を押さえて膝をつく。

 

彼女の持つ血統は"毒"

 

とは言え流石に相手を殺せるような毒を今は持ってないので軽い刺激がある程度のものであるが。

 

「やった!レイジュ!!」

 

そう言って地面に投げ出されながらも起き上がって嬉しそうに言うサンジに

 

「まだよ!イチジ!ニジ!ヨンジも今のうちに攻撃しなさい!!」

 

畳み掛けるべく先程まで暴れていた火花の血統を持つイチジと電気の血統を持つニジにそう声をかければ

 

「待てレイジュ・・・さっきから投げられまくって・・・」

 

「うぷ、ぎもぢわるい・・・くそおっさんのくせに・・・」

 

完全にグロッキーになって地面に蹲る二人

 

完全に油断していたのかまともに目にくらったクリークは全力で瞬きを繰り返し涙で毒を押し流し立ち上がる

 

「なるほど、一人が動きを止め、一人が頭を固定して真打がトドメを刺しに来たか。

 

なるほど良い手だがここは畳み掛けるべきだったな」

 

そうして悔しそうな表情を浮かべるヨンジを、唖然とした表情のサンジを、そして溜息をつき困った顔で笑うレイジュを纏めて空中にぽんぽんと放り投げるのだった。

 

 

 

 




とりあえず困ったらぶつけるのがいちばん

しかし流石に技はこの年齢なら持ってないよなぁ。

ニジがレイドスーツ無しで電撃を発していたのでレイドスーツ無しでも各々の能力は使えるものとしています。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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