起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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さてさっさと進めるべ


花の旅立 ドンクリークさん

腕を組むジャッジ、大きく手を振るレイジュ、睨みつけてくるイチジ、ニジ、暗い表情のサンジ、ふてくされた顔のヨンジ

 

港にて見送りに来た彼らに大きく手を振りつつシャーロット・アンジェ号は一路新世界、クリークが拠点としているファウス島へと出航した。

 

半月ほどすれば船はファウス島へ到着、そして留守番をしていたロビンと合流し、この後の行動について話し合う。

 

「やはり東の海からがいいのではないか?」

 

やはり旅立つにあたって他の海よりはかなり平和な東の海からグランドライン入りを進めるが

 

「でもおじさま、私がいたのは西の海よ?東の海での目撃情報を作るのは得策とはいかないわ」

 

ロビンは自身の目撃情報を作るべく、元々いた西の海からの旅立ちを希望している。

 

確かに今のロビンであればそんじょそこらの海賊なら相手にならないし本部大佐くらいなら抑え込む事も出来るだろう。

 

万が一CP9が出張ってきても逃げ切る事は可能だろうからこちらとの繋がりを隠す為にあえて目撃情報を作るというのは理解できるがやはり心配なものは心配である。

 

「確かに今のロビンであればだいたいの敵には問題なく勝てるだろうし、西の海には悪名高い"西の5大ファミリー"が存在しているから裏社会に潜り込むのなら手っ取り早いだろうが…」

 

「だったら西の海からでいいわよね?」

 

しばし考え、渋々ロビンの戦闘力や西の海から出発する事のメリットデメリットを考えて仕方なく了承しロビンは西の海から出発する事になった。

 

そうと決まればすぐさま出発準備に取り掛かり、私的目的で技術班に依頼していたものや必要な物を取り寄せ、数日後にはロビンとクリークは船上の人となっていた。

 

「友達に別れは?」

 

「昨夜のうちに済ませたわ、それに二度と会えなくなるわけじゃないから大丈夫よ」

 

「…二度と会えなくなるわけでは無いとは言え、俺ならまだしもモネなんかとの再会はきっとかなり先の話になるぞ?」

 

「おじさま、確かにモネ達との別れは惜しいわよ?でも私は前に進む、あの時の誓いを果たす為に私は海に出るわ」

 

毅然とした態度で強い視線でこちらを見据えるロビンにどうやら決意は固そうだ、と感じつつ船は進み、数日もすれば西の海へと入り、船はとある島に停泊していた。

 

「これが俺の電伝虫の番号だから何かあったら連絡してくれ、万が一に備えて覚えた後は燃やすなりして処分するように

 

それからこっちはお前が頼んでいたビブルカードだ、配るのは俺とモネだけで良いのか?」

 

そう言って番号が書かれたメモとロビンの爪から作られたビブルカードの親紙を渡す

 

親紙をロビンが所持し子紙をこちらが持っていればこちらはロビンの居場所がわかるというのはかなり大きいな。

 

「ありがとうおじさま」

 

「本当は俺のビブルカードも渡したいところだが…」

 

「わかってるわ、万が一があって繋がりがバレると一気におじさまが窮地に立たされるからね…」

 

「済まんな、ではロビン何かあれば連絡してくれ、くれぐれも食事はちゃんと摂って」

 

「睡眠もしっかりとって無理はしない事、でしょ?わかってるわおじさま

 

私は今から敢えて目撃情報を作りつつ"歴史の本文"を探しながら何処かの海賊団に潜り込んでグランドラインに入るわ」

 

「あぁ、予定通り行けば世界政府からの追手がかかるだろうから潜り込んだ海賊団は自動的に消滅するか情報をくれれば俺が片付けてやる。」

 

「うふふ、頼もしいわね…ありがとうおじさま、あの時待つ事しか出来なかった私を連れ出してくれて

 

あの時おじさまが私をオハラから連れ出してくれたからお母さんと再会できた。

 

オハラのバスターコールの時にも私を助けてくれた。

 

そして何の力も無かった私をここまで教え導いてくれた。

 

ねぇ、クリークのおじさま。どうして私にここまでしてくれるの?」

 

それはロビンが昔から抱いてた疑問だった。

 

今回の旅立ちにあたってつい漏れてしまった軽い質問、それに対してクリークはロビンの髪をクシャリと撫でると

 

「子供の為に大人が頑張るのは当たり前だろ、それに俺にとっちゃロビンは娘みたいなもんだ、いちいち遠慮するな」

 

そう答えた。

 

「…娘、か。」

 

「ん?何て言った?」

 

「いえ、何でも無いわおじさま」

 

そう言ってクリークの腰にギュッと抱きつくロビン

 

「ありがとうおじさま、そしてまた会う日まで」

 

「あぁ、元気でやれよ?何かあったらすぐに言え、どこにいてもお前の元に駆け付けよう」

 

こうしてロビンは自分の足で前へと歩み出したのであった

 

もうそんなになるか…とクリークは感慨深く椅子に身を沈める。そして"原作"での航海について考えていた。

 

原作では麦わらの一味は東の海からリヴァースマウンテンへと入り、そこからサボテン島(ウィスキーピーク)、リトルガーデン、ドラム島、アラバスタ、そしてジャヤから空島へと向かい、そこからロングランド?(ロングリングロングランド)、ウォーターセブン、エニエスロビー、スリラーバーグ、そしてシャボンディ諸島というルートを辿っていた、合ってるな?

 

と、薄れている原作知識を思い出しつつ書き留めていく。

 

そしてセンゴク元帥から様子を見にいくように頼まれているのは数年前に七武海に就任した"クロコダイル"、彼が数年前からアラバスタに拠点を構えているらしいとの事でここは回らなければならないだろう。

 

そう、旅立ちを決意したロビンが数年後に一味に加入したアラバスタである。

 

他はシャボンディ諸島はいつも顔出ししているので問題なし、空島に関しては計画はあれどまだ時期じゃ無いので急ぎでは無い為後回し。

 

原作では魔の三角海域(フロリアン・トライアングル)に潜んでいた七武海の一角、ゲッコー・モリアも今はワの国にてカイドウと抗争中という報告を受けている為今はまだ無視で構わない。

 

ウォーターセブンも海列車のテスト航海が成功したとの報告はあれど裁判自体はまだ猶予があるから急ぎでは無く、エニエスロビー、サボテン島(ウィスキーピーク)、ジャヤ、ロングランド(ロングリングロングランド)は別に用事は無いしドラム王国もワポルはまだ国王になっていない。

 

リトルガーデンは天竜人にばら撒いた人工病疫ギフトグリーンの材料であるケスチアを採取しに行った時にドリー、ブロギーの二人とは接触したのでこれも問題なし。

 

ギフトグリーンと言えばいつだったか提出したレポートを元に各国から集めた医者達の努力にて天竜人に蔓延していた病の進行は止まったようだ。

 

まぁ進行が止まっただけで完治では無いのでその分長く苦しむだけだろうけど。

 

取り敢えずはこのまま哨戒行動を行いつつリヴァースマウンテンへ、その後大回りをしつつアラバスタへ向かい国王への謁見とクロコダイルの調査という流れで良いだろう。

 

クリークはそう判断し航海計画をたてるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




うーん、ちょっと難産。特に後半

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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