起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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ワンピース二次はTSクロコダイルの作品が最近の楽しみ


双子の岬 ドンクリークさん

「…凄まじい大きさだな」

 

「何食ったらこんなでかくなるんですかね…」

 

ベアトリス号はようやく当初の予定通りグランドラインの入り口、リヴァースマウンテンの双子岬へと到着した。

 

そしてそこにいたのは規格外の大きさを持つ超巨大な鯨、原作ではラブーンと名付けられていた鯨である。

 

この種はアイランドクジラと呼ばれており本来グランドライン後半部、通称"新世界"に生息する種でその特徴はその名の通り島ほどの巨体に成長するというものである。

 

その巨体故にマリージョア下の海底トンネルを抜ける事も、リヴァースマウンテンを遡ってくる事もできない筈のラブーンが何故このグランドライン前半部にいるのかと言えば、それはラブーンがここに来た時はまだ小舟程の大きさしか無く、一緒に西の海から来た海賊達と共にリヴァースマウンテンを越えて来たのであった。

 

だがまだ小さいからとラブーンはここで預けられ、それ以降彼はここでずっと彼らの帰りを待っているのだった。

 

「ラブーンは元々そういう種だ、何を食ったとかそういう理由じゃない」

 

双子岬に停泊したベアトリス号の甲板でそう言っていたクリークとギンに訂正を入れたのは一人の男。

 

年は初老に差し掛かったあたりだろうか、白い髭にまるで花のような特徴的な髪型をした老人だった。

 

「アンタはここの住人か?」

 

「そういうお前たちは見たところ海軍のようだが、わざわざこんな所に何の用だ?」

 

「あぁ、自己紹介が遅れたな。俺はクリーク、"海軍独立遊撃隊"を率いている。

 

ここに来たのはグランドライン前半部の哨戒任務で立ち寄っただけだ。

 

そしてこっちは俺の副官を務めているギン、階級は少尉だ。」

 

「…私はクロッカス、この双子岬で灯台守をやっている。」

 

「ほぉ、あなたが…お噂はかねがね、優秀な医者であるそうで」

 

「どんな噂か知らんが…私はただの灯台守だ」

 

「いえいえ、少し小耳に挟んだだけですよ。かの海賊王の件とか」

 

まぁ原作知識なんだけどね、とクロッカスがかの海賊王ゴールド・ロジャーの最後の航海に船医として船に同乗していた事を匂わせると

 

「ほう、ならば私を捕らえにきたのか?」

 

「まさか、ただの哨戒任務ですよ」

 

自身を捕らえに来たのかと疑うクロッカスであったがそんなつもりは毛頭無いので否定しておく

 

「しかし"海軍独立遊撃隊"、噂に名高いカモメの水兵団に会えるとは光栄だ、そっちの噂こそ色々聞いているぞ?」

 

チラリとベアトリス号に掲げられた赤いカモメの海軍旗を見やりながら答えるクロッカス

 

「どうせまたどこかしらの海賊がやられたとかそういう噂でしょう?」

 

「まぁだいたいそうだがお前の噂も聞いているぞ?

 

若くして海軍本部少将であり大海賊"金獅子のシキ"を捕らえたとか、海賊相手には"赤カモメ"の名で恐れられるカモメの水兵団を率いて東西南北の海及びグランドラインで八面六臂の大立ち回りを演じているとか。」

 

「いやいや、仲間の活躍あってこそですよ。

 

取り敢えず、我々は船の補修が終わり次第こちらを発ちますので船はしばらくここに停泊させていただきたいのだが構わないですか?」

 

「…好きにしろ、私は只の灯台守だからな」

 

「それからその間ここで検問を設けますので悪しからず」

 

「あぁ、数年前から見かける"青十字"の旗を上げた海賊か?」

 

「えぇ、公認海賊は海軍で発行されたその旗を掲げるルールでそれが無い海賊達を取り締まる予定です」

 

「ふん、まぁ好きにしろ私には関係ないがな。…だが本当の海賊と言うのはそんなものではないのだがな」

 

ぼそり、とそんな事を言ったクロッカスの言葉に聞こえないフリをしつつ、クリークは己の船に戻るのであった。

 

わかってるよクロッカスさん、赤髪なんかがいい例さ。

 

この分ならホントに信念を持ってる奴らは海賊にはなれど、公認海賊にはならないだろうからな…

 

ルフィなんかもいくら説明しても公認海賊にはならないだろうなぁ…

 

 

 

 

 

 




Tips.公認海賊は手続の上で審査を受け、認められたらシリアル番号入りの白地に青十字の旗を発行されそれを海賊旗と共に掲げる決まりになっている。

因みにいくら公認海賊でもこの旗を掲げていないと海軍に攻撃されても文句は言えません、ルールですから。

ついでにこの旗の偽装は重罪となっておりもれなく赤カモメが襲撃しに来ます。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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