「…なんでおれまで行かなきゃならねぇ」
「はっはっは、アラバスタ王族に恩を売るいい機会じゃねぇか」
そう文句を垂れるクロコダイルをクリークはせっついてアラバスタ王都、アルバーナへ急行していた。
それもこれも全て電伝虫で連絡があった件に関してである。
"アラバスタ王女、ネフェルタリ・ビビを見失った"との連絡があったからである。
元々ビビ王女にはアラバスタ王宮に滞在させてもらっている事もあり、カモメの水兵団を一部護衛としてつけていたのだが、今回クロコダイル面会に際して大半を連れて来た為護衛についていたのは一人。
さらに折悪く最近王女が喧嘩を経て仲良くなったアラバスタの子供達の集団である"砂砂団"、ビビ王女が王宮を飛び出して城下に遊びに行くようになり、更に言えば王女にしてはあまりにお転婆ですばしっこく大人顔負けの運動能力を見せる事もある。
いつもだったら見失っても他の人員がカバーする所だったが一人となるとそうも行かず、見失った時点で直ぐにこちらに連絡が入り、万が一があっては不味い、とアルバーナに急行しているのである。
ついでに丁度手合わせをしていたクロコダイルも連行してである。
それがクロコダイルが愚痴をたれている理由である、まぁ何かあれば恩を売れると考えたのだろう最終的には着いてきたが。
町外れで見失ったとの事だったので直ぐに見聞色の覇気を広げて居場所を探る、そしてビビ王女の気配を見つけたが
「…走っているな…いや追われている?おい、クロコダイル!こっちこい!」
「ったく、何だ?いきなり目を閉じて黙りだしたと思ったら…」
「いいからこい!ビビ王女が誰かに追われている!」
「…へぇ?そりゃいい、わざわざ来たかいがあったってもんだ、場所は?」
見聞色の覇気にて探知した気配の走る方向から行き先を計算しクロコダイルと共に急行。
町の外から更に外れた遺跡地帯、そして目撃したのは大柄の男に目元を切りつけられながらも手にした棍棒でそれを殴り飛ばす少年だった。
更にそこに殴り飛ばされた男の仲間であろうガラの悪そうな男達、直ぐに敵だと判断し
「砂嵐(サーブルス)っ!!」
「長距離拳砲改め…飛拳砲っ!!」
片やクロコダイルの起こした砂嵐で空中に巻き上げられる男。
片やクリークの放つ飛ぶ拳撃にて吹き飛ばされる男。
「ゴリラさん!それから、サー・クロコダイル!?」
第一印象だろうか、すっかり定着してしまった愛称でこちらを呼び、更に有名だからだろう顔は知っていたらしくクロコダイルの出現に驚くビビ王女
「ビビちゃん、その子を診せてくれ、クロコダイル!辺りに他に潜んでないか見てくれ!!」
直ぐに切りつけられた少年の傷の具合を確認、痛みによるショックで気絶はしているものの幸いにも命に別状は無いと判断し応急処置だけ行う。
そのうちに後を追ってきたのだろうコブラ王と護衛隊隊長であるイガラムの二人が現れてこちらを見るや状況を察したのか
「すまないクリーク殿!礼を言う!」
「いえ、ビビ王女が無事であったので何よりですよ」
と言ってみれば
「全くだコブラ王、てめぇの娘ぐらいしっかり見てろ…」
そう言いつつ現れたのは両手にならず者達の仲間であろう男の顔面を鷲掴みにして現れたクロコダイル
「サー・クロコダイル!君も助けてくれたのか、感謝する!」
「コブラ王、国王がそんな簡単に頭を下げるようなものでは…」
と、クロコダイルと共に現れた護衛隊副隊長であるチャカ、ペルが苦言を呈するも一人の父親として娘を助けてくれた事に礼を言っているのだと取り合わず。
人が良すぎるのも考えものだな…などと思いながらそんな光景を眺めるのだった、というかこれクロコダイルが信用されるという意味で余計な事したか?
丁度原作開始11年前なのよね、他に主なものだとハンコックが七武海になってたりフォクシーがノロノロの能力者になったとかそんなもんかな。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
-
麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
-
クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
-
二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)