イザヤに案内されて到着したのは一つの遺跡…建物の風化度合いからかなり古い遺跡だとクリークはロビンから教わった事を思い出しながら軽く遺跡の年代を推測する。
あちらこちらに文字のような物はあるが流石にそこまでは教えられてないのでかなり古いと言うことしかわからないが。
イザヤとマヤはそのまま中に進もうとするが、中がかなり暗いと判断したクリークは荷物からランタンを取り出して点灯、それをマヤに持たせる。
自身が持つより何かあった時に自分が対応できるようにマヤに持たせておいた方が良かろうと判断した為だ。
そして通路を抜けて出たのは広い部屋、そして部屋の真ん中には石棺が一つポツリと置いてあった。
「…この中じゃ」
「前に開かれたのは?」
「…正確にはこの中に入っていると伝わっておる」
「という事は盗られている可能性も?」
「無いとは思うが…今までは伝承を信じとったわけじゃし開けて見ぬ事には何とものう…」
そう言って石棺の蓋に手を置くイザヤ。
石棺はかなり表面が苔むしていたりとかなり古そうではあるが、軽く調べたところ隙間などは一切なく堅く蓋を閉ざしていた
「かいへーのおじさん、これすごくおもそうだよ?」
「マヤの言う通りじゃ、一人ではこれは荷が重いの。
村の男共を呼んでくるべきじゃろう、しばし待っておるがえぇ」
と、イザヤとマヤが言う通り石棺の蓋はかなり厚く常人なら一人で開ける事は難しそうだったが、そこは仮にも海軍本部少将の地位にある男。
このくらい問題ないと言わんばかりにガントレットをはめた両腕をガシャンと打ち鳴らし
「まぁ村長殿、マヤちゃん、このくらい海兵なら余裕さ」
そう言って石棺の蓋に手をかけるとズズズッと重い音がして更にもう一息込めるととてつもない重さを持った石棺の蓋が持ち上がる。
クリークはそれを軽々と運び部屋の壁に立てかけると
「さぁて、七星剣とやらはあるかな?」
とポカンと口を開けるイザヤとマヤを尻目に石棺の中を覗き込む。
そこにあったのは一振りの両刃の洋剣。
長さは2mはいかないものの、普通の剣と比べるとかなりの長さを持った刃。
目を惹くのはベーシックな洋剣と違い樋がかなり広く、そこに刻まれた紋様なのか文字なのかわからないが広い樋には何かの紋様のようなものが入っていた。
握りには何かの皮であろうか、白い色のもので覆われおり柄頭には赤い飾り紐。
鍔は柄頭と同様の丸い飾り意匠を持ち、黄金か真鍮か見ただけでは不明だが共にランタンの光を受け鈍い輝きを見せていた。
そして何よりその剣は何故か無性に手に取りたくなるようなそんな異様な雰囲気を発していたのであった。
「村長殿、これが七星剣で間違いないですか?」
「うむ、この禍々しき姿、間違いなく伝説にある七星剣じゃろうて。」
「と言う事は長い間ここにあったもので間違い無いと?」
「そうじゃろうが…何か気がかりでも?」
「いえ、いくら石棺がきっちり閉じてあったとは言え刃も鍔も柄も、更にはこの柄頭の紐なんかも錆などの腐食が一切見られないんですよ、ですからこの剣自体呪いなどはさて置くとしてもかなりの特殊な剣なのは間違い無いでしょう」
「ふむ…材質などは一切伝わっておらん、何しろ七星剣はアスカ七星の神々から下賜された剣故な」
まーた非科学的な…とは思うも顔には出さずに
「さて、取り敢えず鞘のような物は見当たらないので何かに包んで後で丁度良いものを探すとして…」
そう言って七星剣の柄に手を伸ばすクリーク
「いかん!それを持っては!!」
「おじさん!だめ!」
とイザヤとマヤの警告は一歩遅くクリークはその手に七星剣を握り締めた。
指まで装甲に覆われたガントレットを装着した状態で。
む、今回でおわらせるだったのだが後1話続きますね
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
-
麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
-
クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
-
二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)