起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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七星剣はどうなるのか、技術班のお話しです。




熊武装班 ドンクリークさん

「あー、全員集まってくれて感謝する」

 

「熊殿が帰ってきたと聞いたわよ、その件かしら?」

 

「ふぇえ…また何か拾ってきたんでしょうか?」

 

「あの人何か色々持ってきますからね、武装もそうっスけど子供や動物拾って来るって噂を聞いたっスか?」

 

「熊の子供達…ね、副官のギン殿なんかがそうだろう?いつか連れてた熊らしき生物なんかも有名な話じゃないのか?」

 

ここは海軍本部、海軍技術班の施設の一角で五人の人物が集まっていた。

 

彼等、彼女等は昔から当時まだ尉官だったクリークが身に纏う武装に関わっておりいつの間にか、今では少将にまで昇進したクリークの専属武装班となっていた者達である。

 

彼等、彼女等はクリークの武装の開発及び製造、そしてその武装の報告を受けレポートを海軍の武装を担当する技術班、及び武装の開発等を行う科学班にフィードバックするのが主な仕事である。

 

その他にもクリークが拾ってきた(奪ってきた)珍しい武器を研究したり、長い航海から帰ったきたクリークの武装のメンテナンスを行なったりというのが鈍熊専属武装班の日々の作業だった。

 

「はいはい、話はそれまで。前回はかのジェルマの武装という事で色々な発見や新技術もあり驚いたが今回はこれだ」

 

そう言ってリーダー格の男はおもむろに厚手の皮の手袋をはめると、長机の上に一つの長い包みを置く

 

「あら…随分と綺麗な剣ね?」

 

「タダの剣を拾って来るとは思わないし、なんか宝剣みたいなのものですかぁ?」

 

「しっかし普通の剣と比べて随分長いっスねぇ…」

 

「で、タダの剣じゃないとしてどういう剣だ?手袋をはめた事に関係あるのか?」

 

と、机に置かれた造りが丁寧な七星剣を見てそれだけでは無いだろう、と判断し口々に言う班員達

 

「ご名答、これはさる島で伝説の宝剣として祀られていたらしい。

 

因みに曰くつきの剣でなんでもこの剣を手にした物は剣に呪われて無差別に殺戮を繰り返すらしい」

 

「あら、随分と物騒な物持って帰ってきたわね?」

 

「ふぇぇ、なんて恐ろしいものを…」

 

「因みにこうして持って帰って来たって事は何か手があるっスか?」

 

「さしずめ魔剣とでもいう代物か、妖刀なんかも噂だけならごまんとあるしな。」

 

「因みに剣の銘は"七星剣"、熊殿の見立てでは肌との接触により負のイメージを持った者に叩き込むらしい。

 

先立って科学班の方で色々と調べてもらったが…その島に伝わる伝承と合わせて詳しく剣を調べた結果だが、少なくとも作られて数百年は経っている。

 

だが何故か錆びや歪みが無く、数百年以上経過しているにしては異常に劣化が無い。

 

注目したいのはその材質で科学班の結論は"材質不明"、だが分子構造的にはかの破壊不能の鉱石である海楼石に似ているそうだ」

 

「あら、随分と特殊な剣のようね?」

 

「しかもだ。この剣にはその島では人の力では破壊不能という逸話があり…何と熊殿が全力で叩きつけたにも関わらず一切の破損が無かったらしい!!」

 

「ふぇ?ふぇぇぇえ!?壊れなかったんですか?あの人が全力で叩きつけて!?」

 

「よかった、俺っちの作り続けて来た362の試作剣がようやく報われたんっスね!?

 

頑丈さに特化して来た筈のあの剣達はこれで折れる事はもう無いんっスね!?」

 

「何と…、海楼石の武器以外で熊殿の力に耐えられる武器が…しかも剣があろうとは…」

 

クリークの馬鹿力でも壊れない、これは専属武装班にとっては大きなニュースであった。

 

特に語尾が特徴的な軽そうな男はクリークの近接武装を担当しておりクリークの求める頑丈さを追求した剣を研究、作成して来たがどれもこれも戦闘に耐えきれず全て折れて帰って来ていたので頭を抱えていたのだ。

 

「そして呪いとやらに関してだが…

 

まぁ便宜上"呪い"と呼ぶが、剣が特殊な力場を形成しており肌に触れる事でその力場が活性化、それにより剣の握りには殆ど分からないような凹凸があり刀身にはガラス質の埃に似た物が不思議な規則性を持って並んでいるのが見つかった。

 

意図的に作られたか、偶然なのかわからないが刀を握り込んだ時に微細な光の反射が全て持ち手側に行く点と触覚から伝わる微細な凹凸の手触り、更にこの剣自体が人間の可聴域を超える微かな音を発しており、人間の視覚、聴覚、触覚の三感から持ち主にイメージが行くように揃っている。」

 

そう言って科学班からのレポートを読み上げるリーダー格の男

 

「狙ってつくられたならオーパーツと言っても過言ではないわね…」

 

「炎を吐くなんかの伝承もあるがこれに関しては詳細は不明だった」

 

「炎を吐く…気になるですぅ」

 

「とりあえずこれを使えるようにするって事でいいんスか?」

 

「ジェルマの技術を流用した専用装備もまだ開発中ですし忙しくなりそうだな」

 

「満を持して送り出したハンマーやガントレットなんかの解体もあるけどな、さぁ!仕事だ仕事!」

 

そう言ってリーダー格の男は手を叩くと話を纏めて先ずは、とクリークの鎧のメンテナンスに移るのであった。

 

 




とりあえず悪魔武器では無い事にしました。

万が一水中に持って行った際どんな不具合があるかわからないですしね。

更に劇中では能力者の力が抜ける(ルフィが力が抜けている描写)青い炎を操っていましたが現在は使用不能となっています(呪いに侵食されているわけでは無いので)

ですので現状はクリークの力に耐えるほどめちゃくちゃ頑丈な剣で素手で握るとヤバい剣という感じです。


専属武装班のメンバーに名前とかいるかしら?

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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