現在、クリークの姿は東の海にあった。
海軍の大規模な人事移動計画"四海制覇"、その調整の為に彼女の力を借りようと考えたからだ。
電伝虫で連絡をとろうとしたところ既に海軍を辞めたと聞き、話をする為にわざわざ自ら足を運んだのである。
ここはコノミ諸島ココヤシ村、農業や漁業などの一次産業が盛んな村でクリークは住人達に彼女の居場所を聞くと村の外れに住んでいると教えられた。
「一体彼女に何の用だね?」
とこちらが私服の為か不審そうに聞くこの村の駐在と思しき人間。
頭に風車つけてるって事はこの人が"ゲンさん"か、と考えつつ
「失礼、自己紹介が遅れたな、俺は海軍本部少将のクリーク。
今回は元海兵である彼女に頼み事があって休暇を利用して来ただけだ。」
「海軍の…しかも本部の人間とは、失礼最近何かと物騒なものでね」
「お気になさらず、貴方は貴方の仕事をすれば良い。それでは」
と頭を下げる駐在に鷹揚に頷くとそのまま教えられた村の外れの家に向かう。
というかやはり海軍コートくらい羽織ってくるべきだったか?顔が確かに悪人ヅラなのは自覚しているが…
そんな事を考えていると小さな家が見えてきたが何よりも隣接する果樹園の方が自己主張していた。
「こりゃ見事な果樹園だな…」
そう思い近づいていくと太陽の光を受け橙色に照り返すみかんを手に取る。
が
「ベルメールさーん!!!みかんどろぼー!!!」
そんなまだ幼い子供の声と
「くぉらぁぁぁぁあっ!!何処の誰か知んないけどそこに直れやぁぁぁぁあっ!!」
と家の方から女性の怒鳴る声と走って来る音が。
いつだったかプレゼントした金色に輝く銃を左手に持って走ってきた特徴的な髪型の女性を見て
「元気でやってるようだな、ベルメール本部大尉」
と声をかければ
「クリーク!?何でアンタがこんなとこに…」
「少しお願いしたい事があってな…その子達はベルメール大尉の子供か?」
おそらくみかん泥棒呼ばわりした子供だろう、ベルメールの後ろには薄青色の髪とオレンジ色の髪の二人の少女がこちらを伺っていた。
特徴的な髪色、あれがきっとナミとノジコだろうけどちっちゃいなー…とそんな感想を抱きつつ
「あー、血は繋がってないけど何より大事な私の子供よ。
というか私はもう海軍を辞めた人間よ?既に階級は無いわ」
やはりか、と思う。
とりあえず話をするにしろあまり公に聞かれてもいいわけでは無いので
「その件も含めて少し話があってきた、そこのお嬢ちゃん達おじさんがお小遣いをあげるから少し村まで遊びに行って来るといい」
そう言って二人に500ベリーづつ渡すと
「え!いいの!?」
「ありがとう!かおはこわいけどいいひとね!!」
と目を輝かせ、ベルメールに許可をもらい颯爽と駆け出していった。
「…やはり俺は顔怖いか?」
「…言いにくいけど海兵には見えないわね、私服だと余計にね」
と微妙な空気になるもカブリを振って本題に入る
「今回わざわざ訪ねてきた用件だが…」
「待って、流石にお茶くらい出すから上がってよ」
そう言って家の方に戻るベルメールに着いて行く。
そうしてお茶を頂き一息つくと
「で、用事ってのは何かしら?」
とベルメールが本題に戻ったので用件を伝える。
「なるほどねぇ、えーとその"四海制覇"だっけ?それの概要はわかったわ。」
「理解してくれてなにより、その一環で東方方面、ようするにこの東の海も支部の統廃合を行なっている話だがそれによりココヤシ村に小規模ながらも海軍支部…派出所とでも言うべきかそれを置こうと考えていてな。」
「ふーん?で、何でその話を私に?」
「ベルメール元・大尉にはそこの代表となってもらいたい、部下として一人か二人の海兵がつくと思うが…」
「うーん、そうは言ってもアタシはみかん畑の手入れもあるし、ナミやノジコの世話もあるからねぇ…」
「…一つ老婆心でお節介を焼くがベルメール元・大尉、ちゃんと食事を摂っているか?」
「う…」
「…やはり図星か、流石にみかん農家の仕事だけで本人と娘二人を満足に養うのは難しかろうと考えていたが。
ちなみに新しく作る派出所には週に2、3回顔を出してくれればいい。
主な仕事としては海に出るのは支部の仕事だ、派出所に行ってもらうのは沿岸の警備だから長期間家を離れる何て事はない。
もちろん給料はこちらから出すし諸々保険もつけるがどうだ?」
と、クリークは計画の主導者であるのをいい事に立てた計画をベルメールに頼み込むのであった。
ナミもノジコもまだロリなんだよな…
というか原作勢は今の時期だとほとんどショタかロリだからなぁ…
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)