鋼鉄の硬度を得る事が出来るカチカチの実。
確かに一般人であれば脅威であろう、何しろどんな攻撃でもその硬さに阻まれてしまうのだから。
だがそれに対しての対処法が無いわけでもない。
鋼鉄を打ち砕く威力で攻撃するか、もしくは攻撃に覇気を纏わせるか。
他にも海楼石を使うという方法なんかもあるが今回ギンがやったのは、相手の赤熱化した拳を左腕で払いつつ、膝頭に武装色の覇気を纏わせて相手の腹部に膝蹴りを叩き込んだだけの話である。
そして崩れ落ちるパールの姿に
「パールさんがやられた!!」
「無理だ!かないっこねぇよ!」
そう言って騒めく周囲
「…何だ、ボスがやられたってのにかかってくる気概も無いのか?」
とギンは煽るも
「う、うるせぇ!元々下についてりゃいい思いが出来るって思ってたからついてただけだ!てめぇらみたいな化け物に敵うわけねぇだろうが!!」
と言い捨てて逃げる不良少年達にやはりそんなもんか、と嘆息しつつ気絶したパールを背負いクリークの元へ戻る。
「ボス、終わりました。」
「とりあえず船に運んで寝かせといてやれ、気絶してるだけなら直に目を覚ますだろう」
とクリークとギン、そして背負われたパールは港に停泊しているベアトリス号の元へ向かいパールを医務室に預けると自室に戻る。
暫くすればコンコンとドアをノックする音とパールが目を覚ましたという報告。
直ぐに書き物を中断してギンと共に医務室に向かえばそこには状況が掴めないのかキョロキョロと周囲を見渡すパールの姿。
「目が覚めたようだな」
とそう声をかければ
「何だてめぇ!!何処だよここ!!」
と乱暴に言い返すパール
「てめぇとは随分な言い様だな、しっかし昔と違って随分と口が悪くなったもんだ…」
「昔だぁ?…どっかで会ったか?」
「そうだな、お前が3歳の時にな」
「3歳の時…」
そう言って頭を抑えるパール
「そうだな、7、8年くらい前になるか?」
「…思い出した!アンタおれと親父を助けてくれたあの時の海兵か!!
という事はそっちのおれをぶっ飛ばした黒髪はギンのあんちゃんか!?」
よく覚えていたな、と感心しつつ
「そうだな、密林で遭難していたのを助けた時だな、こっちはお前が最後に泣いて別れを惜しんだギンだ。俺の副官をやっている」
と、その言葉に軽く首肯するギン
「…あん時の事は感謝してる、で今回おれをこんなとこに連れて来たのは何の用だってんだ?」
「…お前の親父さんから頼まれた、お前を預かってくれとな」
そうクリークが伝えるとパールは
「…あんだけ言っときながら親父も結局おれを捨てるってのかよ」
と奥歯をギシリ、と鳴らすパールにクリークは手紙を差し出す
「短絡的だな、詳しくは親父さんから手紙を預かっているから読め…おっと、破るなよ?」
受け取るや否や破り捨てようとしたパールにそう声をかければパールは渋々封を開けて中身を読む。
詳しくは聞いていないがポールは自身のパールに対する思いを手紙に綴ったと言っていた。
そして手紙をたっぷり時間をかけて読んだパールは
「ぐっ…親父ぃ…ごめん、おれが馬鹿だった。
言う事も全部うるせぇって切って捨ててきたのに親父は俺の事考えて…っ、くそ!」
瞳を涙で濡らしつつ唇を噛みしめた後にそんな言葉を漏らした、手紙に綴ったポールの思いが伝わったのだろう
「色々と言って悪かった、虫の良いお願いだとわかってるがおれを連れて行ってくれ!」
そう言って床に膝をつけ懇願するパールに
「落ち着け、顔を上げろ。親父さんに別れは言わなくていいのか?」
と立ち上がらせつつ聞けば
「…今度親父の前に姿を見せる時は今より立派になってからだ」
と、何かを決意した目でいうパールに
「そうか、改めて名乗ろう。海軍独立遊撃隊隊長のクリークだ。階級は少将だ、よろしく頼む」
手を差し出すクリーク
「おれはパールだ!よろしく頼むぜクリークのおっさん!ギンのあんちゃん!!」
その手を握り返すパール
とりあえずまずは言葉遣いを直させようかと考えるクリークであった。
パールがクリークの配下に加わりました、これで一応原作での部下はクリアしましたね。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)