とりあえず原作の始まり、シャンクスとルフィの友情くらいは確認しておこうと考えてベアトリス号はゴア王国にあるフーシャ村へ。
夜遅くに島の影に船を隠して単身上陸するも赤髪の船であるレッドフォース号は残念ながら確認出来ず。
旅立った後かと考えるも数日様子を見てみるか、と船に連絡を取り潜伏する。
潜伏している間にゴムになるという自身の能力を見せびらかす少年が確認できたのでゴムゴムの実を食べた後であり、なおかつあれだけ大事にしている麦わら帽子をかぶってない事からまだあのシャンクスが麦わら帽子を託す超名シーンの前だと推察できる。
ふぅ、と嘆息し思わず拳をグッと握りしめてしまった。
シャンクスはまだあの海の主とかいうのに腕を食われてはいない、あの戦力をみすみすあんな海王類如きに下げさせるのも損失だし、そうなればシャンクスの腕を何とかする方向で行くべきだろう。
彼は別に今の時点だとまだ原作のように"四皇"とは呼ばれていない。
しかしグランドラインに蔓延る海賊達の中でもかなりの勢力から一目置かれているのは事実だ。
そしてそれが抑止力になっている以上このまま座してシャンクスが腕を食われるのをみすみす見逃す事は無いだろう。
となるとクリアすべき条件は
一つ、山賊の排除
二つ、赤髪にルフィを守らせる
三つ、ルフィに海の過酷さ、己の非力さ、そしてシャンクスの偉大さなどを知ってもらう
…箇条書きにしたが難しいなこれ、特にその三
ともあれ幼体ルフィの姿は確認出来たので一度船に戻り、これらの対策を練るべきであろう。
赤髪が現れる可能性が高い、というのを前面に押し出し数日の滞在を周知、その間にうまい方法を考える。
そして数日が経ちとうとう待ち望んだ報告が入った、レッドフォース号のフーシャ村への帰還だ。
カフウとのリンクで既にルフィが山賊のボスに捕まっているのは把握している。
本当は最初から排除しておけば問題無かっただろうが上手くルフィを海に連れ出してもらいたいのでスルーしておいたが今のところ原作通りに事は運んでいる。
そして山賊の棟梁が海に出て暫くした辺りで島の影から姿を表し、それと共に拡声器にて声をかける
「そこの山賊、今すぐ停船しろ。さもなくば沈めるぞ」
「なっ!赤い海軍旗だと!?…ちっ、おい海軍!こっちにゃ人質がいるんだぞ!それ以上近づいてんじゃねぇ!!」
やはり交渉は無駄かと思いつつボートを出すように指示し一人で近づいていく
「おい!近づくなっていってんだろ!!このガキがどうなってもいいのか!!」
と激昂する男を尻目に
「よし、撃て」
『は?しかし人質がまだ…』
「構わん、あの子供は能力者だ、海に落ちた場合はこちらでフォローする」
『はっ!了解です』
その言葉と共にベアトリス号の砲門が一斉に小舟へと向き凄まじい音を立てつつ砲撃を始めた。
そんな騒音を立てたからか近海の主と呼ばれていた海王類が海から顔を覗かせるも
「飛拳砲(とびけんぽう)っ!!」
と出番は作ってないので退場してもらう
そしてきっかり1分で砲撃は止み小舟のあった場所には木っ端微塵の木屑がプカプカと浮いているだけで他は必死に手足をバタつかせ溺れまいとする少年の姿。
あの山賊の棟梁は見当たらないのでくたばったな、と判断しつつ小舟を漕いでルフィの襟首を掴むと勢いよく引き上げる。
「大丈夫か少年」
「ゲホッゴホッ!ハー、ハー…おっちゃんありがとう…」
まだ幼いルフィは素直に助けられた事に礼を言ってくるも海の過酷さはさっきの砲撃連打で良しとして、己の非力さとシャンクスの偉大さを知ってもらう必要があるからな…
まだ小さい子供をいじめるのは心が痛むが仕方ないと思いつつ
「さて少年、君はあの砲撃を受けても生き残ってるという事は何か特別なのかな?」
とオーバーに身振り手振りを加えつつ聞けば
「え?おれはゴムゴムの実を食ったんだ、だから体がゴムみたいになるんだよ」
そう言ってみょいん、と頬を引っ張るルフィ
「そうかそうか、君は能力者だったのか。ところで少年、君は海賊をどう思う?」
と、この質問には目を輝かせて
「おれは将来海賊になるんだ!だって楽しそうだし!!」
と答えた
「…そうか、少年。君は海賊になりたいのか」
とポツリと呟きガントレットを外した腕でルフィの首を掴むとそのまま持ち上げる。
「がっ…おっちゃん何を…」
すまん!少年ルフィ!と心の中で謝りつつ上手く首を絞めないように親指と人差し指で顎を支えつつ
「見ての通りこっちは海軍だからね、海賊になりたい、しかも悪魔の実の能力者となると見逃すわけにはいかないんだよ。
それにこの程度で海賊になろうとは笑わせてくれる…」
シャンクス!!まだ来ないのかよ!とその願いが通じたのか
「てめぇ!!おれの友達に何やってんだあっ!!」
と背後から振り下ろされる剣、それをスルリと躱し
「何だ、誰かと思えば赤髪か」
「てめぇ!クリークか!?何でここに、というか何があった!」
「いや少年と一緒の怪しい男がいたから停船命令を出したら無視したので沈めたとこさ。
で助けた少年が海賊になりたいというのでお灸を据えていたところだ」
そう言いつつ少年ルフィをボートの端に放ると背中から引き抜いた白尾棍をゆっくりと構える
「てめぇ…それ本気で言ってるのか」
とシャンクスから漏れる気迫に思わず肌がブルリと震えるもシャンクスの強さをルフィに見せておく必要があるので黙しておく
「そうか、ならこっちはアンタをぶっ飛ばすだけだっ!!」
さーて、何で俺がここまでやんなきゃならんのだろうと思いつつも顔を強張らせつつシャンクスの二つの斬撃を白尾棍で受け流すのであった。
ありゃ、二千字こえちゃったか
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)