起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

165 / 524
水上バイクを手に入れました


不穏船影 ドンクリークさん

今は敵わないと考えて逃げようとしたところを尻尾を掴まれ、ボコボコにされた上で引き上げられた白目を剥いた闘魚をクリークが海から引き上げた数日後。

 

クリークは王宮に報告だけ行った後船の補給を済ませ、捕らえた闘魚に跨りドレスローザの港町アカシアを出航しようとしていた。

 

「少将ー!船には本当に乗らないんですかー?」

 

甲板から一時的に別行動する、という事で船の指揮を任された少佐が声を掛けてくるも

 

「ある程度満足したら船に戻る!習熟がてらだ、こいつはまだ反抗的だからな!!それまで指揮は任せるぞ!」

 

クリークは早く新しく配下に加えた闘魚の能力を確認したい模様

 

まぁ最もクリークが船の指揮をとるのは主に戦闘時、しかも最近は専ら高額賞金首を相手する時だけなのでさほど影響があるわけではないが。

 

「それからコットンちゃんが少将と一緒に行かせろと言ってますがー?」

 

そんな少佐の声にクリークは

 

「かまわん、カフウとコットン臨時三等兵の出撃を許可する。

 

しかし鞍と手綱は作り直す必要があるな、もうちょっと丈夫さが欲しいな・・・」

 

そうぶつぶつと言いながら新たに取り付けられた鞍の座り心地や手綱を引いた感触を確かめていた。

 

クリークが跨る闘魚・・・黒い堅牢な鱗に角の根本までビッシリ並んだ鋭い牙、そして右側には大きな傷が入っているものの内側に湾曲した一対の鋭い大きな角。

 

禍々しい姿と立派な角という意味でマガツノと名付けられたその闘魚は急拵えの鞍を背中に、同じく急拵えの手綱を綱に取り付けられ不承不承といった感じで海に浮かんでいた。

 

そんな姿を見ながら搭乗者の負担にならないよう、新たに専用に調整された(クリークがちまちまと作った)鞍と手綱を取り付けられたカフウに搭乗、クリークの肩に着地した小人族のコットンは

 

「呆れたれすよ、闘魚を・・・しかも大人間一人で飼い慣らすとは恐れ入ったれす」

 

と自身より弱いはずの大人間に自分の見識を改めつつそう溢した。

 

「いやぁまだまだだぞ?比較的マシになったとは言え、隙あらば振り落とそうとしてくるぞこいつ?」

 

クリークの言う通りである。

 

この闘魚は比較的若い個体であり有り余る闘争心と自身の力に対する自尊心を持っていた。

 

特に他の同世代の個体と比べて鋭く大きい角は彼の自慢だったが、今回の闘争でその角を大きく傷付けられた上にボコボコにした男を今は敵わないとはわかっているのだが時折振り落としてやろうと暴れる事がある。

 

まぁすぐにクリークのドスの効いた声が響くか鋭い蹴りが脇腹に飛んでくるのでほどほどにしているが。

 

何はともあれクリークは海上(息が続く限り海中も含む)を自在に移動できる手段を得て肩には偵察戦鳥騎、カフウとそれに騎乗した新たな仲間。

 

トンタッタ王国偵察部隊に所属していた小人、紫の長い髪で片眼を隠し、柔らかそうな丸い尻尾を持つコットンと共にドレスローザから出航するのであった。

 

「はははっ!こいつはいい!!船より小回りが効くしスピードもかなりなものだ!何より空気を肌で感じられるのがいいな!・・・だから暴れるな、干物にするぞ?」

 

ご満悦で海上を進みつつ、最後だけボソリと言うクリークに

 

「早すぎるれす!あまり船と離れるなれすよ!しょーささんが言ってたれすよ!!」

 

コットンは少将のおもりをお願いします、と自身に頼んできた少佐の姿を思いだしつつハイテンションなクリークを嗜めるのだった。

 

シャーロット・アンジェ号の出航を離れた島の影から旗こそ掲げてないものの秘密裏に伺う"フラミンゴの船首を持った"その船に気づかないまま・・・

 

 

 




フラミンゴの船首・・・いったいダレナンター

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。