他はギンが16歳、パールが14歳ですね
センゴク元帥に報告と休暇の申請を行いクリークの姿は演習場にあった。
そこではパールやドレイク含む何人かの子供達数人の姿がありそれぞれが組み手を行なっておりその様子を新設されたアスカ島の海軍道場へ赴任する予定のゼファー教育総監がジッと見ていた。
「どうよゼファーのおっさん、パール達の様子ゴッ・・・」
「おっさんは止めろと言ってるだろう。」
クリークは質問している途中でゼファーに殴られた頭を抑えつつ
「いや、今更ゼファーさんとかゼファー殿とか呼ぶのもどうかと思うが・・・」
と反論すれば
「あぁ、率直に言ってそれは気持ち悪い」
との酷い答えが帰ってきたのでクリークはそれに憮然とした顔をしつつ
「酷いな・・・で、パール達の様子はどうですか?」
「あぁ、お前が連れてくる奴はどいつもこいつも筋がいい。特に能力者であるパールはその能力もあってか近接戦闘には適性が高いな。
とは言えその硬さを過信しすぎているきらいはあるがな」
そう言いながらゼファーが見る方向を見ればそこにはローグタウンの時より幾分か体つきがガッシリとした無手のパールと細い剣を持った朱色の髪の少女が相対していた。
パールが大振りの拳を少女に振るうもそれを左手で受け流しつつダメージは与えられないと分かっているのだろう、思い切りよく右手の細剣を後ろから首に振り下ろす。
「やはり硬いな、能力者とはやはり凄まじいものですね」
「とは言え硬さは鋼鉄程度だ、トップクラス相手には紙と変わらん」
「そんな一部の例外を例えに出さなくても・・」
「お前にとっても本気なら鋼鉄と紙は変わらんだろう」
しかしそれはあえなく鈍い音を立てつつ弾かれそこに更にパールを相手に蹴りを入れつつ距離をとる赤髪の少女。
更にそこから細剣の構えを刺突に移行、そこから猛然とパールに襲いかかる。
パールもそれを迎撃しようとするが直前で少女は跳躍、パールの後ろに回り込む。
「パールもですが相手も中々ですね」
「ん?お前が拾ってきた少女らしいぞ?」
そう、ここにいる子供達はクリークが拾ってきた子供達・・・通称"鈍熊の子供達"と呼ばれる集団である。
彼等はクリークが任務中に拾ってきた親を亡くした子供や捨てられた子供、シャボンディにて保護し、帰るところが無い子供達である。
大半はクリークが出資する孤児院に入れられたがここにいるメンバー・・・彼等彼女らは強く海軍に入れてくれと嘆願してきた子供達である。
「彼等が強い希望を持って海軍に自ら入隊したというのはわかるんだが・・・子供達を戦場に連れ出すのはどうにも」
「なら彼等の意思を尊重してやれ、無理やり戦場に出すわけじゃないんだから気負いすぎるな。」
そう話しているうちに組み手は終わったのだろうパールと朱色の髪の少女がこちらを見て驚いたように駆けてくると
「クリークのおっさんじゃねぇか!ギンの兄貴は元気か?」
「ちょっと!相手は少将ですよ!?クリーク少将お久しぶりです!あの時は助けて頂いてありがとうございました!!」
「ようパール、元気そうで何よりだ。ギンは今別件でいないが元気だぞ?
それとそっちの女の子は・・・」
「あ、名前言い忘れてましたね!イスカです!あの火災の時は助けて頂いてありがとうございました!!」
火災の時という言葉で数年前の事件を思い出すクリーク。
「・・・そうか、君はあの時の子か。火災を起こした者と同じ海軍の人間として深く謝罪させてくれ」
膝をつき身を屈めると痛々しく火傷の痕が残る手をそっと握り深く謝罪する。
そんなクリークの姿にイスカは慌てたように
「そんな!少将が謝らないで下さい!少将はわたしを助けてくれたじゃないですか!
確かに事件の詳細は聞かされましたがあれは一部の人間なんですよね?別に少将が事件をおこしたわけじゃないんですよ?」
そう言って否定するも
「いや、謝らせてくれ。まだ若いのにこんな火傷の痕まで・・・」
「落ち着けクリーク、それ以上は彼女を困らせるだけだ」
謝罪するクリークの肩に手を置くゼファーの言葉にグッと目を閉じ立ち上がる。
「・・・すまない、困らせたな。俺は君たちに期待している、これからも鍛錬に励んでくれ。」
そう言ってクリークはパールとイスカの肩をポンと叩きつつゼファーと二、三言話して演習場から出ていくのだった。
明日から明後日には空島に向かいます。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)