「うむむ、まさかこいつがユキユキの実とはな・・・どうしたものか」
クリークは浜辺で行っていた工作を中断して、休憩がてら机の上に置いた渦巻模様が特徴的な果実・・・悪魔の実を見て図鑑片手に唸っていた。
これはマリンフォードからファウス島へマガツノに乗って向かっている道中で賞金首リストに載っている海賊がいたので、適当に追い回しつつ小突いて没収したものである。
原作であればモネがこの能力を持っていたがドフラミンゴが早い段階で囚われた為何の因果かこうしてクリークの手元に転がり込んできたのだがクリークはこの悪魔の実の取り扱いを決めかねていた。
「どういう奇術が使えるようになるれすか?」
そんな悩むクリークに対し島の全景を見ておきたい、とカフウに乗って一周し終えてきたのかコットンがカフウと共に肩にバサリと舞い降りた。
「む?悪魔の実は知ってるのか?」
「マンシェリー姫の護衛についてるレオがこれと似た果物を食べて"ぬいぬい"の奇術が使えるようになったれすよ、これも同じれすか?」
その言葉にやっぱあの時チユチユの姫の横にいたのはレオだったか、と思いつつ
「同じ能力・・・トンタッタ風に言えば奇術か、同じ奇術は存在しない。
この場合この悪魔の実はお前たち風に言えば"ゆきゆき"の奇術、自分を雪にできる能力だな」
と簡単な説明をコットンにすれば
「・・・ユキって何れすか?」
その言葉に"あぁ、雪の存在知らないのか・・・"と思うも"そりゃそうか、ドレスローザに雪は降らないだろうからな"と思い直し
「えーと、あれだ寒い場所では雨みたいに空から小さい氷の粒が降ってくる事があってな、それの事だ」
どう説明したものか、と考えとても大雑把でしかもあまり合ってない説明をコットンにする。
「ふーん、外には知らないものが色々とあるれすねー。
ところでそれどうするれすか?くりーくが食べるれすか?」
それなんだよなー、とクリークは考える。
確かにこのユキユキの実、ロギア系ということもありかなり貴重である。
ただどうしても他のロギアに比べて攻撃力に劣るのだ。
確かにロギアの攻撃が殆ど効かないというのは魅力的だがそれなら自身の金剛体術で大抵の攻撃は効かないし何より雪というのもあり食すのを躊躇っていた。
ロギアに対して覇気を纏った攻撃は有効なのは当然だがその他に弱点を突くというものがある。
例えば砂には水を、雷にはゴムをといった具合にだ。
その結果で言えば雪には炎やマグマなど熱に弱いという事になり弱点が突かれ易くなると判断したのだ。
「いや、俺は食べない。これはしばらく保管しておこう、何かしらの役に立つかもしれないしな」
この世界では誰も彼も割と素で熱とか炎とか使うからなぁ・・・
「くりーくがそう思うならそれでいいんじゃないれすか?」
そう言ってクリークは悪魔の実と図鑑をリュックに仕舞い込み中断していた工作を開始し始めれば
「くりーくは何を作ってるれすか?」
釘を咥えてハンマー片手にコンコンと作業をするクリークに左肩に移動したコットンがそう尋ねる。
「あぁ、船だよ。と言っても2、3人ほど乗れりゃあいいから小型のボートみたいなもんだけどな。
あぁ、そうだちょっとあるとこに出かけるからお前にもついて来てもらうぞ?」
「あるとこ?」
「ま、お楽しみってやつだ。とりあえず俺とギン・・・到着時に出迎えた黒髪の子供わかるか?そいつとテゾーロ・・・シャボンディで見たろ?金の指輪嵌めてた奴とお前だな」
「まぁどこに行くかは楽しみにしておくれす、外の世界は知らないものがいっぱいれすから何処へいっても新しい発見がありそうれすからね」
「とりあえず明日か明後日にはこのファウス島から一旦グランドラインの前半部に行って、それからこの船で目的地を目指す事になるからそのつもりで頼む」
「地理は説明を受けたれすがこんな小さな船でどうやって前半に行くれすか?」
とコットンの最もな疑問にクリークはポンと手を打ち
「あ、勘違いしてたな。・・・という事は無駄じゃねぇか!」
とクリークは金槌を放り出したのだった。
クリークの頭の中では目的地・・・空島を目指すにあたって必要な場所まではマガツノの後ろにテゾーロと荷物を載せたボートを牽引する予定でした。
自分がいる場所の地理が頭から抜け落ちていた模様。
ボートをここで作ってそれを抱えてレッドラインを抜けるよりぶっちゃけ前半部に行って適当なボートを借りた方が絶対にいいですよね。
最もマガツノはわざわざ水槽にいれて新世界と楽園を行き来していますが。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)