連れていけと駄々をこねるシュガーを"もっと大きくなってからな?"と宥めすかしてクリークは折角だから、と作った小船にシグマとギン、必要な荷物を乗せてマガツノにくくりつけると島の他のメンバーに見送られながら出発した。
因みに島にいる珀鉛病が完治したフレバンスの人達に身の振り方を聞けばここで働かせてくれ、と望む人が多かったのでテゾーロに連絡を取りシャボンディにあるステラ・プロダクションの本社をこちらに移し、そこで働いてもらおうかと考えている。
時折休憩を挟みつつレッドポートへ、そこでマガツノを特注の水槽に載せ替えて、少し惜しいが"ローレライ"と名付けたお手製のボートは置いていく事にした、自分で作ったボートで思い入れはあるとは言えぶっちゃけただのボートだし。
ボンドラへのりマリージョアへ、細心の注意をはらって天竜人に見つからないように・・・とは言え天竜人はだいたい新しく作られた屋敷に軟禁されているから見かける事は無いが。
途中でエターナルポースを受け取り、そのままシャボンディ諸島に向かいテゾーロの元へ。
予め告げていたためしっかりと準備を済ませたテゾーロがステラプロダクションの社屋前で待っていた。
「ったくクリークよ、おれも一応社屋の移設準備やら何やら忙しい身なんだが・・・」
直前に言われた為か憮然とした面持ちのテゾーロに
「すまんな、お前がいない事には話にならなくてな。」
「ったく、あんま長い間は離れてられねぇからな?」
「安心しろ、せいぜい一週間か長くても二週間くらいで考えている。ところで能力の具合はどうだ?」
そう、テゾーロはゴルゴルの実を食しており現在は仕事の傍、その研鑽に努めていたのだった。
「あぁ、動かすだけならほぼ問題無い」
そう言って両手指の全てに嵌めた金色の指輪を撫でるテゾーロ。
勿論この指輪は金でできており材料はフレバンスの王宮広場でパクッ・・・拾った金塊を流用しているが。
「重畳重畳、ではステラさんしばらくお願いします。
一応手すきだった一部の部隊を秘密裏に護衛につけていますので」
「すまんな、一応書類は纏めている。後は各所に通達するだけだから頼む」
そう言ってテゾーロはクリークと連れ立って港に向かうのだった。
クリークは新たに大型のボートを借り受けマガツノに括り付けると大量の荷物と共にテゾーロ、ギン、シグマをボートに、カフウとコットンを肩に乗せマガツノに跨ると
「目標!メルヴィユ!旗艦全速・・・じゃなかった、マガツノ!こっちの方向に進め!」
クリークのその号令と共にマガツノは猛然と進み出したのだった。
全速のマガツノにより二日ほどで思ったより早くメルヴィユに到着した一行は浜辺で一時休息をとる。
久々の里帰りにこの国の固有種であるシグマも嬉しそうだったので少しならウロウロしてきていいぞ、と告げギンにはこの島にはかなり手強い獣が多いから鍛えるには丁度いいぞ?と告げた。
ギンとシグマが森の方に向かうのを横目に
「コットンはカフウと共に上空を警戒、二人を捕捉しつつ大きめの池か何かあったら知らせてくれ」
と指示を出しテゾーロと共に海図と地図を広げると
「さてテゾーロ、お前は空島伝説を知ってるか?」
と言いながら浜辺に腰を下ろした。
「聞き方が意地悪だな、伝説扱いしてるのは一部の知識不足の人間だけだ。
知ってる奴はちゃんと存在してると理解してる。しかしそう言うって事は目的地は空島か?」
「あぁ、本来空島は正規ルートとしてハイウエストを経由して行くルートがある。」
「この島は随分と離れているようだが?」
「別に正規ルートと言っていない、別のルートを使う。
ついでにハイウエストを経由するルートは十人で行って辿り着くのが一人とかいう巫山戯たルートだしな。」
「別のルート?」
「あぁ、代表的なものとしては
「正気か!?ありゃただの災害だぞ?」
「お前の言う通りだ、流石に部隊の皆をそんなカケに巻き込むわけにはいかんからな。」
「おれならいいってか!冗談じゃねぇぞ!?」
「・・・まぁそんな危険なルートはとらんがな」
「驚かせるな!・・・でどういうルートで行くんだ?」
「この島からだ」
そう言ってクリークは地図の一点を指差すのだった。
10が1のルートも10か0のルートも使えたもんじゃ無いですよねー。
原作ではパーフェクトにうまく行きましたが同じ事をやって成功するとは言い切れませんしね。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)