起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

173 / 524
コニス 10歳

パガヤ 43歳

原作開始九年前


空の楽園 ドンクリークさん

10秒・・・20秒・・・と経って何も反応が無いのでクリークはようやく緊張を緩める。

 

いきなり何やら装備して大声を出したクリークを見て仲間たちは呆気にとられたように

 

「どうしたんですボス、急に大声なんか出したりして・・・」

 

と尋ねるも

 

「あぁ、いやちょっと気がかりがあったもんだからな。気にしなくていい」

 

と答え分厚いゴム製の全身スーツを脱ぎ捨てつつ浜辺へ向かいながら考える。

 

エネルはまだここに来ていない、クリークはそう結論を出して安堵する。

 

エネルがここにやってきたのがいつだったか覚えていなかった為ぶっつけ本番になったが運が良かったようだ。

 

そういえば入国管理局も無かったがあれはエネルが建てさせたものという事なら話は繋がるな。

 

あの婆さんとエネル達は繋がってたみたいだし。

 

「よし、シグマはこの島の人間に見つからないように海の方から周り大きい島を探してくれ、この海は海底が無いから注意してくれよ?

 

カフウは上空から偵察を、コットンは・・・ちょっと狭いがポケットに入っててくれ

 

ギンとカフウはしばらく何げなくここで遊んでろ、俺は住人を探してくる」

 

そう指示を出してカフウが上空に、シグマが海に入っていくのを横目に上陸前に見えた建物の方に歩いていけば

 

「へそ!!」

 

という少女の声。

 

年の頃は10歳ほどだろうか?金の髪をお下げに、頭頂部は何やら触覚のような独特の髪型の少女。

 

そして背中には摩訶不思議な事に一対の小さな翼。それを見てそういや空島特有の挨拶だったか?と考えつつ

 

「へそ、お嬢ちゃんはここの人間かい?」

 

と尋ねる。

 

「私はコニスです!この島に住んでます!青海からいらしたんですか?」

 

「あぁ、俺はクリーク。色々と聞きたい事もあるんだがお父さんかお母さんはいるかい?」

 

「父上は雲切場に行ってます!もう直ぐ戻ると思いますよ?」

 

「あぁ、だったらそこのビーチでしばらく待たせてもらってもいいかな?」

 

「はい!案内しますね!」

 

その声に従い歩いていると

 

「へそってなんれす?」

 

とポケットからの小声に

 

「ここの挨拶みたいなもんだろ」

 

と返しておく。

 

そうしてメンバーがはしゃいでいるビーチに戻るクリークに

 

「ここはスカイピアのエンジェルビーチです!青海からいらしたのでしたら色々と物珍しいかもしれませんが何かあれば言って下さい!」

 

「お、嬢ちゃんはこの島の人間か。」

 

そんなコニスを見てえらく硬かった果物を片手にテゾーロがやってきた。

 

「貴方も仲間の方ですか?あ、その手に持ってる果物・・・コナッシュって言うんですけど飲みますか?」

 

とても硬い果物・・・コナッシュを見てコニスがそう言うも

 

「いや、割ったはいいが食い方がわかんなくてな・・・」

 

反対側に持った真っ二つのコナッシュを手にテゾーロが肩を竦めれば

 

「え?鉄のように硬いんですけど・・・えっとこれは裏からこうやって・・・」

 

と一瞬疑問を浮かべるもコニスはコナッシュをひっくり返しナイフで中心を抉るとストローをポンとさして

 

「こうやって飲むものなんですよ!」

 

テゾーロに差し出す

 

「おっ!こりゃうめぇな!おいクリーク、お前も飲んでみろよ!!」

 

との声に少し分けてもらったが成る程、常日頃高い物を食ってるテゾーロが言うだけの事はあるな、と思いつつコニスを見やる。

 

「嬢ちゃんはこの島の案内を?」

 

「はい!青海から来る人は珍しいので父上と一緒に色々案内をしているんです!

 

あ・・・、父上も戻ってきたみたいですね!」

 

とコニスが大きく丘の方に手を振れば

 

小さな影が階段を降りてくるのが見えた

 

「コニスさん!へそ!!」

 

「えぇ、へそ!父上!!」

 

不可解な掛け声をかける二人に

 

「・・・なぁクリーク、ありゃなんだ?」

 

と疑問を抱くも

 

「ま、この地方の挨拶ってとこだろ。合わせとけ」

 

よそ様の風習にわざわざ口を突っ込む事もないだろう、と小声でやりとりをする。

 

「父上!この人達青海からいらしたそうですよ!」

 

「そうですか、それでは戸惑う事も色々とあるでしょう、すいません。」

 

「いえいえ、お気になさらず。俺はクリーク、ここへ来たのは・・・観光みたいなもんだ」

 

「おぉ、申し遅れました私の名はパガヤと申します、すいません」

 

パガヤと名乗ったのは口髭が豊かな男性。薄い黒髪に触覚だけが伸びており、やはりその背中には一対の羽。

 

何でいちいち謝るんだろうと思いつつも

 

「パガヤさん、色々と話を聞きたいのですがよろしいですか?」

 

と尋ねれば

 

「おぉ、では家においでください!丁度お昼時ですから昼食をご馳走しましょう!」

 

とパガヤは一行を自分の家に案内するのであった。




原作では入国料を請求していましたが入国管理をしていたお婆ちゃんが不法入国の報告をエネル達にしていたのであの制度はエネルがやってきてからなものとしています。

ついでに言えばホワイトベレーの面々も、発足がエネルの来た後なのでまだいません。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。