「スパンダム殿、少し宜しいですか?」
スパンダムが物陰で地団駄を踏んでいるとそこに一人の男の声がかかる
「あぁ?・・・何ださっきの海兵か、何の用だ?」
そこにいたのは先程自身の邪魔をしてくれやがった海兵だった。
「いえ、捕縛した犯人を尋問するとのことでしたので身柄はどうしようかと」
コートを着ているので将校だろう、今更ながらムカムカしつつ
「・・・っち、てめぇのせいでおれの計画がおじゃんになっちまったじゃねぇか!!」
と激昂して詰め寄るも
「計画?何かトムに恨みでも?」
そう返されたので言葉に詰まる。
しかし自身も五老星から任務を受けている身
「・・・違ぇっ!!いいか?おれは五老星から・・・世界政府のトップである五老星からこの任務を受けてるんだぞ!この意味がわかるか!?」
そう反論する。
まぁ、実際の所任務を指示されたのでは無くまぁできるんならやってみろという五老星のスタンスだったがそこら辺をスパンダムは理解していなかった。
「ほぉ・・・因みにどんな任務で?」
流石にそれを言うわけにはいかない、と理性が働いたのだろう
「っ・・・それは極秘だ」
と流石にプルトンの件は伏せておく。
「要するに今回の司法船襲撃は貴方がおこした事で間違い無いと?そしてトムに襲撃の罪を被せようとした・・・と」
「ふん、それがどうした。おれの出世の礎になるんなら別にいいだろ。
とりあえずさっさと貴様が捕縛したおれの部下を返してもらうぞ」
こっちは世界政府の人間だ、さっさと言う通りにしろという意味を言外に込めて言えば
「あぁ、それでしたら船の方に連行しましたよあちら側の港に停泊していますが・・・」
その言葉に従いクリークはスパンダムをトムの無罪に沸き上がる港から少し離れた桟橋へ案内するのだった。
「なっ・・・赤い海軍旗!?てめぇ赤カモメの人間かっ!!」
「おや?コートで気づいてなかったので?自己紹介が遅れましたな。海軍独立遊撃隊司令、本部少将のクリークです。」
流石に相手が本部少将だとは考えておらずべらべら喋った事を悔やんでいるのか
「・・・っち、とりあえず襲撃犯の身柄はこちらに引き渡してもらうぞ!」
今更部下を襲撃犯と言い直すスパンダムに
「・・・ところでスパンダム殿、最近面白い物を手に入れましてな」
と、クリークは懐から貝殻を取り出して見せる。
一見すれば何の変哲もない巻貝であった。
スパンダムもそう考えたのか
「何だそれは?」
と首をひねる。
「実はこの貝殻、音を溜め込む事ができましてね・・・」
そう言ってクリークが貝殻の頭頂部をカチリと押せば
『あぁ?・・・何ださっきの海兵か・・・』
といった会話がはじまりしっかりとスパンダムがやろうとしていた計画のことまで録音されていた。
「なっ!てめぇっ!!まさかおれを嵌めるつもりか!!」
「いえいえいえ、まさかそんな。
実はトムのスカウトを考えてましてね、今更つまらない事で捕縛されるのは望ましくないんですよねぇ?
俺の言いたい事がわかりますか?五老星から受けた任務・・・でしたか?
とは言え海軍の人間として騒ぎを起こされるのは望ましくないんですよ。
まぁ今後彼に関わらないのであればこれはお渡ししますが・・・」
「っつ・・・わかったからとっととそれを寄越しやがれ!!」
「まぁいいでしょう、貴方の部下は後で解放するように指示しておきましょう」
「っ・・・後で覚えてやがれっ!!」
「あれれー?そんな事言っていいんですかー?今すぐにこの録音データ公表して貴方を逮捕する事もできるんですけどー?」
その言葉にスパンダムも騒ぎになるのは避けるべきだと考えたのだろう、怒鳴りそうになる気持ちを何とか抑えてクリークの手から音を溜め込むダイアル・・・トーンダイアルを取り上げると苛々しながらその場を去るのだった。
「・・・まぁトーンダイアルが一つとは言ってないんだがな。」
スパンダムが見えなくなったところでクリークは懐からトーンダイアルを取り出すとさて、どう使うべきかな?と考えるのだった。
さて、これで懲りてくれればいいんですけどねー
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)