起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

197 / 524

あの世界で手っ取り早く強くなるにはどうすれば良いか。


300話記念 もしも彼が手っ取り早く強くなろうとしたら

 

朝起きたら少年になっていた。

 

俗に言う転生・・・憑依?とでも言うべきか。

 

まぁそれは良い、いや良くないけれども。

 

問題はこの世界があのワンピースの世界という事である。

 

割と死亡フラグが多いこの世界、対策しなければ死ぬ・・・

 

となれば早急に強くなる必要がある・・・となれば悪魔の実を手に入れる、と言いたいとこだが問題はこの場所である。

 

「東の海に悪魔の実が流れてくる可能性はひっくいよなぁ・・・」

 

周りの情報を集めここが東の海という情報は仕入れた。

 

あーだこーだ言ってくるうるさいおっさんを尻目に適当に頷きつつ考える。

 

悪魔の実が難しいとなると手っ取り早く強くなるのは海軍に入るべきだろう。

 

そしてゆくゆくは・・・

 

そうと決まれば早速行動!

 

「おい!何処行きやがる!!」

 

そんなおっさんの声に

 

「やかましい!俺は死にたくないんでな!あばよ!!」

 

そう言い捨てて昼に目処をつけていた海軍船に忍び込む。

 

当然見つかって摘み出されそうになるがそこは土下座して頼み込み何とか海軍に入隊させてもらえた。

 

それからの数年、彼・・・鏡を見て自身の正体を悟ったクリークは医学や科学技術を猛勉強、そしてその熱意と深い見識を持って海軍本部科学部隊を前身として海軍本部科学技術局を設立、見事にその初代局長へと君臨した。

 

そして時は流れここはシャボンディ諸島。

 

色々な事件で世間を賑わせる麦わらの一味が今度は天竜人を殴ったとあって海軍本部は大騒ぎになっていた。

 

「ほお、とうとうやって来たか麦わらのルフィ・・・」

 

おおわらわで出航準備を進める軍艦を眼下にクリークは無精髭を擦りつつ溢す。

 

「なんだ?知ってんのか"鉄熊"のオジキぃ」

 

そんな彼に声をかけるのは海軍本部科学技術局戦闘班長を務める"戦桃丸"

 

「まぁ奴は"色々と"有名だからな。」

 

「まぁな、じゃあわいはもう行くぜ?」

 

「俺も行かせてもらうぞ?」

 

「はぁっ?いやいやいや!なんでオジキが出るんだよ!」

 

「俺達科学技術局で手がけたパシフィスタのデータをとるチャンスだろ?

 

それに・・・」

 

「それに?」

 

「俺がどの程度強くなったか確かめるいいチャンスだと思ってな」

 

そう言いつつクリークは金属で出来た両手の指をガシャガシャと鳴らすのだった。

 

そしてシャボンディに着いた科学技術局は直ぐ様パシフィスタを投入、億越えも含む多くの賞金首を相手に圧倒的優位に進めていた。

 

更にダメ押しに海軍大将"黄猿"が戦線に加わり戦闘はいよいよ決着がつくかと思われていた。

 

そんな中麦わらの一味は必死に海軍本部科学技術局で開発された人間兵器パシフィスタを相手に戦っていた。

 

何とかパシフィスタを退けるも更に追撃として二体目のパシフィスタと科学技術局戦闘班長、戦桃丸が現れ満身創痍の麦わら一味に追撃をかける。

 

一味はこの状況では流石に戦闘は不可能としてバラバラに逃走を図るも更に黄猿大将が戦闘に参入、一味は絶対絶命の危機を迎えていた。

 

「移動もさせない・・・ムダだよォ〜、今死ぬよォ〜!!」

 

そんな中黄猿の攻撃が海賊狩りにトドメを刺そうとした折そこに邪魔が入る。

 

「慌てんなよボルサリーノ、それよりもちょいとこっち手伝えや」

 

倒れたゾロと今まさにトドメを刺そうとしていた黄猿の足の間に差し込まれたのは金属製で子供の身長と同じくらいの馬鹿げた大きさを持つ手。

 

「おぉ〜?何でわっしの邪魔するかなァ〜・・・なぁ?本部中将、鉄熊のクリーク」

 

「なっ!!大将に加えて中将まで出て来やがった!やべぇぞルフィ!!

 

と言うかあの攻撃どうやって止めやがった!?」

 

更に海軍中将が出て来たとあって一味は即座に逃げようとし、トドメを刺すのを邪魔された黄猿は文句を言うが

 

「いや、流石に一人でアレの相手はしたくない・・・」

 

その言葉に黄猿はクリークが走って来た方向を見れば

 

「・・・アンタの出る幕かい、"冥王"レイリー!」

 

後ろから迫ってくる人影を確認してそう溢す黄猿。

 

伝説の海賊王ゴールド・ロジャー、かつて彼が率いたロジャー海賊団の副船長を務めた男"冥王"シルバーズ・レイリー。

 

「若い芽を摘むのは頂けないねぇ・・・、これから彼等の時代が始まるってのに・・・」

 

黄猿と冥王が会話を重ねる間に麦わらの一味は船長である麦わらのルフィの判断により即座に撤退を選択、一味はバラバラに逃げ出す傍らでレイリーに対してボルサリーノ、クリークが立ち向かう。

 

「戦桃丸!お前もこっち手伝え!麦わら一味はパシフィスタに任せとけ!」

 

「わかったぜ!鉄熊のオジキィ!」

 

その言葉で更に戦況は混沌と、しかしいくら冥王と言え海軍本部大将、中将、そして階級無しとは言え覇気まで操る程の高い戦闘力を持つ三人相手では分が悪く徐々に押されていく。

 

そんな時だった、クリークの耳に電伝虫の鳴き声が響いたのは。

 

「何だ!こっちは戦闘中だ!手短に頼む!!」

 

直ぐ様腕のパネルを開き喉に手を当てて応答すれば

 

『麦わらの一味を全員逃しました!更に他の億越えも続々と逃亡!直ぐに指示をお願いします!!』

 

そんな悲鳴のような海兵の声。

 

それを受けクリークは体内に移植した電伝虫の回路を繋げたまま

 

「ボルサリーノ!標的に逃げられた!これ以上レイリーに関わってる場合じゃねぇぞ!!」

 

「パシフィスタは何やってるのかなァ〜?勝負はお預けだねェ〜」

 

ボルサリーノはクリークの言葉と共に文句を言って直ぐ様戦線を離脱、戦桃丸、クリークもそれに続くが

 

「おっと、もうちょっとこの老いぼれに付き合ってもらおうか?」

 

「鉄熊のオジキっ!?」

 

なおもクリークを追撃するレイリーに戦桃丸は戻ろうとするも

 

「お前はボルサリーノを追いかけろ!こっちはこっちで何とかする!!」

 

そんなクリークの命令に逡巡するもその言葉に従い戦線を離脱、クリークとレイリーの一騎打ちとなる。

 

「さて、クリークくんだったね。

 

どうしてさっきから本気で戦おうとしないのかな?」

 

相対する二人だったがレイリーのそんな言葉にクリークは動きを止める。

 

「・・・何の事だ?」

 

レイリーの言葉に素知らぬフリをするクリークだったが

 

「いやいや、鉄熊と言えば島一つ灰塵に変える事ができる人間兵器だという噂は聞いてるよ?

 

それなのにルフィくん達を救うような素振りは見えるし私相手にもどこか手加減が見える、何故かな?」

 

レイリーのその言葉に

 

「あぁ、実際手加減はしてるさ。

 

彼等には世界を救ってもらわなきゃならんのでね、俺が死なない為にもな!」

 

クリークは事実を認め両手を打ち付ける。

 

「世界を救ってもらうとは随分と大仰だね、しかも死なない為とはどう言う意味だい?」

 

「さぁな!お喋りはここまでだ!」

 

それと共に両腕をレイリーに叩きつければ

 

「ふむ、その巨大な両手は海楼石かな?

 

確かに能力者相手には有効だろう、だが私にはあまり意味は無いのではないかな?」

 

ロギア相手だろうと問答無用で叩き潰すその攻撃は剣の一振りで受け止められる。

 

「どうかな!スマッシュ・・・ブラスター!!!」

 

ならば、と両手に内蔵したボルサリーノの能力を科学的に再現したビームを圧縮、その膨大なエネルギーは一条の巨大なビームとなってレイリーに襲いかかる。

 

「おぉ、怖いねぇ。黄猿君の能力も使えるのか。」

 

「まだまだあっ!!」

 

おどけるように言うレイリーにクリークは両腕の義手からマシンガンのようにビームを発射しながら背中がガパリと開かせて暴風を放出、宙に浮かび上がると両脚膝からブレードを出現させると空中からレイリーに襲いかかる。

 

「いやいや武装義肢に胴体までもか、随分と引き出しが多いね。

 

それに随分と硬いね、流石噂に名高い改造人間だ。

 

この分だと他にもあちこち仕込んでそうだ、これは油断できないね」

 

そう言いながらもクリークの攻撃を剣でいなすレイリーは一対一になった事で随分と余裕を取り戻したように見える。

 

すれ違い様に口から毒針を連続して吐けば見聞色によるものなのか不明だがスイスイと避けて見せ、ならばとスマッシャーと呼ばれる大型戦闘義手のロケットブースターを点火させ発射したロケットパンチは剣によりワイヤーを断ち切られあらぬ方向へ。

 

膝からの迫撃砲は爆発を切って捨てられ、とっておきとして膝に仕込んでいたパイルバンカーは剣の切っ先で止められる。

 

「・・・己の身体を改造し続けて十数年、億越えも多く仕留めてきた!

 

何故だ!何故未だに俺は勝てない!!!」

 

腕も切り捨てられ、体内の武装も多くを消費させられ満身創痍のクリークはそう叫ぶ。

 

戦闘力が必要だった、手っ取り早く強くなる必要があった。

 

だからこそパシフィスタ計画を自身の手で立ち上げそれを強化した上で自身の身を実験台とした。

 

「確かにクリーク君、君は強い。

 

だが今の君は一流には勝てるかもしれないが超一流には勝てないよ、今のままではね」

 

トドメを刺す気は無いのか満身創痍のクリークを放置して剣を鞘に納めるレイリー。

 

「確かに君のその武装は強力だ、だが戦ってわかった、君には圧倒的にルフィくんなんかと違い心構えが足りない。

 

それではいくら億越えを屠ろうと、いくら島を灰塵に帰そうとも到底彼には及ばないよ。」

 

「っ・・・!!」

 

「確かに君は強い、だが壁を知るといい・・・」

 

その言葉と共にクリークの意識はレイリーの鞘打ちによりブラックアウトさせられたのだった。

 

 

 

 




手っ取り早く強くなる為に人体改造、サイボーグ化したクリークさんです。

あまり努力をせずに安易に改造に頼った事により強い事は強いのですが超一流には勝てません。

両手はスマッシャー(劇場版filmZにてゼファーが装着していた義手)の改造品を装着、それ以外にも体のあちこちを義体化しており生身の部分はあまり多くありません。

あちこちに武装を仕込んであり単騎で海賊団を相手取れますがトッププレイヤー相手には敵わず敗退する事となります、ですがそれを補って余りある殲滅力があるので中将の地位についています。

スマッシャー・改

海楼石製の超大型武装。

殴打、マシンガン、ビーム、爆発、防御など、様々な用途に使用出来る高性能な武器。

制御用の義手の上に更に装着する形となる。

海楼石で出来ているので能力者相手にはかなり有効。

劇場版版、FILM Zにて登場したものを改造、黄猿のレーザーやロケットブースター、ワイヤーやマシンガンなどを仕込んである。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。