ウーナンの見舞いを終えて数日後、クリークの姿は東の海のとある一角にあった。
目の前には海に空いた穴という不可思議な現象。
似た現象は見た事はある、司法の島とも呼ばれる不夜島、エニエス・ロビーも規模が違うとは言えそんな感じだった。
海に穴。
どういう原理で、どういう現象なのかさっぱりだがこの世界は色々変な現象が多い、慣れるべきだろう。
さて、いつもであれば変な現象もあるもんだな、と思いながらもスルーする所だが今回はそうもいかない状況となった。
切っ掛けはカフウに乗って船の周りを飛んでいたコットンが持ってきた一つのボトル・メッセージ。
封の仕方が稚拙な所為か、水が入っており文字は滲んで読めなかったがそれが穴底からの風に乗って飛んできたとなると誰かしらいるのだろう。
「遭難者の可能性も高い、この海の穴は近づかなければ見えないし船ごと落ちたという可能性もある。」
「メンバーはどうします?」
「とりあえず確認せん事には話にならん、遭難者が少数なら俺一人で十分だしな。」
そう言ってギンや部下達と話し合いとりあえずはクリークが一人で先行する事になった。
とりあえず穴の事を"海の虚(うみのうろ)"と呼ぶ事にして虚の手前にフィーネ・イゼッタ号は錨を下ろしクリークは一人先行。
念の為に海賊がいる可能性を考え無用な刺激をしないようにと考え、海軍コートなどの海軍としての身分を示す物などは置いていく。
タンクトップにコンバットズボンとブーツ。
背中に白尾棍と腰には七星剣とベアコングを装備し上空から飛び込み穴の奥底に着地すればそこはとても広い空洞となっていた。
日の光はあるものの海水のベールのせいか薄暗く海の中にある空間の為か湿度は高く靄に囲まれておりうず高く積み上げられたのは朽ちた難破船の山。
十重二十重と積み上がられた船は古いものから新しいものまで大量にありそのどれもが折れたり穴が開いていたりと"まるで何かに襲撃されたような"有様だった。
真上を見てあの高さから落ちれば無理もないかと考え、この状況なら確かに遭難者がいてもおかしく無いなと考え
「おーい!!誰かいるかー!!」
と大声で呼ぶもその声は広い伽藍堂に響くばかりで反応は無い。
尚も呼びかけているとクリークの耳がその音を捉えた。
重々しく引き摺るようなその後に直ぐに人じゃないと判断し白尾棍を抜き放ち警戒態勢に。
程なくして現れたのはとても巨大なタコであった、緑色で凶悪な面をしているのがタコと言うならであるが。
タコの化け物は敵意に満ちておりその目はまるで"まるで意思を持たぬかのように"不気味な輝きを放っていた。
軽く棍でニ、三度ぶっ叩くも軟体生物のせいかダメージはあまり見られない。
「…やっぱ打撃よりも斬撃か」
いつだったかメルヴィユでシキ捕縛の後に戦ったタコを思い出しつつ七星剣を抜き放つ。
三度ほど振るえばタコの化け物は不気味な輝きを目から消して沈黙。
「…新手の海王類か?」
そう口にしつつ疑問を浮かべるクリークに
「ぬぁーははははは!やるじゃねぇかあんちゃん!!
あの化け物を一人でやっちまうなんて大したもんじゃねぇか!!」
そんな声がかかる。
声の方向を向くも人の姿は無い、そこにいたのは一匹の蝙蝠。
人の顔ほどで片耳に金色のピアスをした蝙蝠がそこにおりこちらに向けて喋っていたのだった。
「む、蝙蝠系の能力者?ここで何を?」
「ぬぁはは!違うなぁっ!そんな事よりあんちゃん、あんちゃんの強さを見込んで頼みがあんだよ!」
「お前がボトル・メッセージを書いた…ってわけじゃなさそうだな」
「ん、何の話だ?それよりもあんちゃん、秘宝に興味はねぇか?」
「秘宝?」
「なんだ、あんちゃんは知らずにここに来たのか?
ここには"夢叶う秘宝"ってのがあるんだよ!興味あるんなら案内するぜぇ?」
とその蝙蝠は薄ら笑いを浮かべつつクリークにそう提案するのだった。
というわけでTVスペシャル"海のヘソの大冒険"に突入しました。
原作知識がビミョいクリークさんの事ですから全く覚えていないようですが。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)