起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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皆様いつも誤字訂正ありがとうございます。

現在原作開始より8年前です。


海底寒村 ドンクリークさん

 

うっさんくせぇ…

 

正直言えばそんな感想を抱いたクリークであるが一応は情報源なので顔には出さない。

 

「夢叶う秘宝ねぇ。

 

所でお前は何もんだ?ゾオン系の能力者じゃないってんなら喋る蝙蝠なんて珍しい存在がそうそう居るとは思えんが」

 

「お…おぅ!アレだ!おれは宝への案内人さ!精霊みたいなもんさ!」

 

うっわ、自称精霊とか更に胡散臭ぇ事この上ないな。

 

「まぁ何でもいいがその夢叶う秘宝だったか?それって何だ?」

 

「ヌァハハハハ!名前の通りそれは人の願いを叶える秘宝さ!

 

命を落とした者も数知れず…数多の海賊がソレを求め!奪い合い!そして番人である神の獣に阻まれた!

 

そんな番人の一匹をアンタは倒しちまったんだよ!はっ!ザマァみろってんだ!!」

 

成る程、多分この喋る蝙蝠は多分その願い叶う秘宝とやらを探しにきた海賊なのだろう。

 

んで何らかの事情により蝙蝠になったとかそんな所か?

 

まぁ本人が話さない以上憶測でしかないが喋り方的に多分間違いないだろう。

 

「まぁだから云々は置いておくがこの辺りに人はいるか?」

 

しかしここに来た目的がボトル・メッセージが発端な以上遭難者が居る可能性があるのでそう聞くと

 

「んぁ?人っていうか集落があるが何もねぇぞ?」

 

との答えが返ってきた。

 

「こんな所に集落?海水が無いとはいえこんな海底に?」

 

ジメジメと湿気も多く碌に作物も育たなそうな環境に特殊な立地によって外界と遮断されたこんな場所に村?

 

「ヌァハハ、なんでも秘宝の守人とか何とかって話さ!」

 

そんな疑問に答える蝙蝠に成る程、と納得がいく。

 

「ふむ…先に少しその村とやらに行くぞ蝙蝠。」

 

宝の番人か若しくは伝承を知る者がいるというなら納得だ。

 

恐らくその一族的なものが先祖伝来で住んでいるのだろう。

 

「げ…お、おれは先に秘宝がある遺跡の入り口に行ってるぜ!あんちゃんが秘宝を探す気になったらあの山の上に来てくれ!!」

 

そう言って蝙蝠はここからうっすらと見える山を翼で指し示した。

 

「あの山をわざわざ登れって?」

 

「神の山って言われる場所さ!守人以外は入っちゃいけないらしいけどな!!」

 

あー、何となくわかった。

 

七星剣と同じく民間伝承みたいなもんか。

 

七星剣には触れたら呪われるだのなんだのいう伝承もあったしそれもあって島民も排他的だった。

 

となるとその守人の村とやらも排他的な可能性がある、それがあるからこの蝙蝠も行きたがらないのだろう。

 

そしてそういう夢叶うやら何やら伝承があるんなら何かしらのものがある筈だ、七星剣がそうだったしな。

 

となると危険なものであればその守人とやらと話し合って海軍で回収するのも視野に入れておこう。

 

そうとなれば先ずは村に向かうか、そう考えて蝙蝠の方を向けばいつの間にやら蝙蝠はいなくなっておりクリークは首を傾げつつ村があるという山の麓の方へ歩か始めるのだった。

 

暫く歩けば蝙蝠の言っていた通りの村が見えた。

 

一本の通りがあり右手側には何軒かの建物が、左側には海があった。

 

ん?海の底の更に海?と少し悩むもこの空間が海の一番底だとは誰も言ってなかったな、と思い直す。

 

恐らくこの海のようなものは一段とこの陸地より深くなっておりそれで海水が溜まっているのだろう。

 

しかし立ち並ぶ家はどこも窓が板で塞がれ全体的に何だか寂れた村だなと思いつつ一軒の家の戸をトントンと叩く。

 

「…どちら様?」

 

少しだけ戸を開けて顔を出したのは一人の少女。

 

「すまない、お父さんかお母さんはいるかな?旅の者だが少し話を聞かせて貰いたいのだが…」

 

「どっちもいない、とりあえず家に入りなよ。アイツがやってくる前にね。」

 

そう言って急かす少女に疑問を覚えつつクリークは身を屈めて民家に入るのだった。

 

 

 





結構記憶が曖昧だったので海のヘソをGEOで借りてきて見直しました。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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