熟練してればモチモチの実のような使い方もできるかもしれませんねー
グランドラインのとある島にその船は隠されるように停泊していた。
黄金のドラゴンを船首に持つその巨大な外輪式の蒸気船は数ヶ月前に造船の街を襲撃し手に入れた新しい船である。
サラマンダー号の甲板にてガスパーデはその事に満足しつつ気分良く酒を飲んでいるとそれに水を差すように怒号や戦闘音が耳に入ってきた。
そしてボロボロになりながら自身の元まで駆けつけたのは一人の男。
「おいテメェ…さっきから随分と騒がしいじゃねぇか…」
折角の気分に水を刺されたガスパーデが何事かの報告を告げにきた男に文句を言えば
「す、すいませんガスパーデ様!襲撃者です!賞金稼ぎかと思われます!」
と、申し訳なさそうに今回の事態の報告を行うのだった。
「あぁ?賞金稼ぎだぁ?そんなもんテメェらだけで何とでもなるだろう
が…」
「そ、それがまだガキみたいなんですけどえらく手強くて!」
あまり顔は覚えて無いが海軍マークに剣でクロスを描いたマークを目の下に入れているという事は自身の部下なのだろう。
尚も喚く部下を見てガスパーデは大きく溜息を吐くと尋ねる。
「何でこのオレ様が!お前如きの為に動かなきゃならねぇんだよ…なぁ?」
その言葉と共にガスパーデの腕がドロリと溶ける。
その液体状になった腕で報告に来た男の首をガシリと掴むとそのまま持ち上げる。
「がっ!ガスパーデ様!やめてくだ…」
「へぇ、それが例の能力か?」
そのままガスパーデが叩きつけようとしたところでまだ若い声が響く。
そこにいたのは一人の少年…年の頃は声の感じから10代後半だろうか?両手にはハンドルのついた棒状の武器、割とマイナーな武器でトンファーとか言ったか、とガスパーデは海軍で習った事を思い出す。
灰色の上下に深くフードを被っておりその人相は伺い知れない。
そしてその傍には背中に荷物を背負ったまだ10代前半であろう少年。
「…てめぇが賞金稼ぎか?ホントにまだガキじゃねぇか。
で?オレの首でも獲りに来たって言うのか?」
ぎゃあぎゃあと喚くので名の知れた賞金稼ぎでも乗り込んできたかと思えば何て事は無い、自身の部下が弱かっただけのようだ。
「アンタがガスパーデか、オレは賞金稼ぎをやってるシルバって言うんだがアンタの首を獲りに来たと言ったらどうする?」
シルバと名乗った少年は右手のトンファーをビシリとガスパーデに突きつければ何を気に入ったのか
「グハハハハ!威勢がいいじゃあねぇか!!随分と暴れてくれたようだがどうだ?このオレ様の下で働く気はねぇか?」
大声で笑いをあげるとそう提案した。
「はっ、何を言ってやがる。おれは賞金稼ぎだぜ?」
「腕と度胸がありゃそれでいいんだよ、このオレ様だって元は海兵だ、強いやつは嫌いじゃねぇからな。
そこのニードルスだってそうだぜ?オレ様の命を狙ってやがる」
そう言って傍に控えていた青白い肌の男に顎をしゃくるガスパーデ
「へぇ、随分と寛大な事だな。いいぜ、アンタの話に乗ってやる。
流石にその能力相手に戦うのは難しそうだしな。
だが別に諦めたわけじゃねぇぜ?狙える時にはその首狙わせてもらうぞ?」
と、シルバは挑発しそれに対してガスパーデは楽しそうにニヤリと笑うのだった。
「で、テメェが連れてるそこのガキは何だ?」
「あぁ、コイツはオレの弟子みたいなもんさ。小間使いや荷物持ちをさせたりしてる。
くれぐれも危害は加えないで欲しいもんだな?」
「フン、テメェの身ぐらいテメェで守らせろや。話は以上だ、ニードルス!そいつらを案内してやれ!
いいかテメェら!このオレ様の部下に弱卒は必要ねぇ!無様を晒すようなら今すぐ死んでもらうぞ!いいなっ!!」
そう言ってシルバにやられたであろう部下を怒鳴りつけるとガスパーデは再び酒を飲み始め、そうしてシュライヤを連れ深くフードを被ったギンは無事にガスパーデの一味に潜入したのだった。
その日の夜、シュライヤが寝てる事を確認してシルバことギンは船内のあちこちを見て周る。
そしてボイラー室にてゾッセーン島から働かされている男を発見。
ビエラと名乗ったその初老の男はこの船でボイラーの点検をしていたところ一味に襲撃を受けそのまま腕を買われて生かされているようだ。
ギンは正体を打ち明け段取りを確認、クリークが艦隊を率いて包囲する予定の明朝にボイラーを停止させる事を約束し与えられた自室に戻る。
そして次の日の朝、ギンは武装を整え、クリークからもしもの時に与えられた切り札をシュライヤに渡す。
そして二人が甲板に向かえばそこには甲板に腰かけて酒を飲むガスパーデ、そして横にはニードルス。
かなりの側近のようだし離れてくれないか…と考えつつ
「なぁガスパーデ、流石に何の手合わせも無しにってのはツマラねぇしここは一つ手合わせしてくれないか?」
と軽い調子で問えば
「グハハハハ、いい度胸じゃねぇか…だがオレ様に相手して欲しいのならせめてニードルスに勝ってから言って見せな」
その言葉に側に控えていたニードルスが進み出る。
全身に刺青を入れた青白い肌の男…"鉄爪"のニードルス、懸賞金額4200万ベリー
と、潜入する際にクリークから与えられた情報を思い出す。
そしてギンは両手に仕込みトンファーを構え深く身を沈めるとニードルスに向かって一気に踏み込むのだった。
デッドエンドの冒険を見直したら冒頭のシーンでルフィの手配書の隣にクリークの手配書が残ってました!
となるとその時点ではまだクリークは海軍に捕まっていないですね!
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)