起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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さて、原作では七武海の勧誘を断っていたエースですが果たして…

因みにイスカは小説版では少尉でしたがこの作品では熊の子供達の一員としてかなり鍛えられているので少佐となっています。


火拳勧誘 ドンクリーク

 

「げ…、またお前かよ…」

 

エースは自分の元に来た一人の海兵を見てそう溢した。

 

イスカ、釘打ちの異名を持ち海軍コートを羽織った彼女は、グランドラインに入ってしばらくした頃からこちらを追いかけ回して来るようになった女性だ。

 

そんな彼女は腕を組んで得意げな顔をしており、横にはいつも連れていた部下達では無く一人の男。

 

「喜べ火拳!いい話を持って来てやったぞ!」

 

イスカが目を輝かせてそう言うが横にいたデュースがエースに

 

「気を付けろエース、あの横の男将官だぞ」

 

イスカの横にいた男は巨漢と呼ぶに相応しい大男、薄紫の髪を短く刈り上げその目つきは鋭く海兵というよりまるで海賊のような顔立ち、そしてその背中には一本の棍、腰には長剣を挿していた。

 

両手にはゴツイ鈍色の腕鎧と胴鎧、その上に羽織ったコートには赤い海軍マーク、間違いなく強者であろう。

 

「あぁ、この人はわたしの恩人でクリーク中将だ」

 

「げっ!?クリークと言えば赤カモメの親玉じゃねぇか!!」

 

「ん?それはそうだろう、わたしの上司だからな。」

 

そう言って誇らしげに自身の赤い海軍マークが入ったコートを見せるイスカに

 

「そういえばお前もカモメの水兵団だったな…」

 

「さて火拳のエース、俺は海軍本部中将のクリークだ。

 

今回はお前に話がある、まずはこれを読んで欲しい」

 

クリークと名乗る男はそう言って懐から一通の手紙を取り出しこちらに渡して来た。

 

「なっ!エースを七武海に推薦だと!?」

 

手紙に書いてあったのは火拳のエースを七武海に推薦するという内容であった。

 

王下七武海と言えばグランドラインにおいて知らぬ者のいない一大勢力、海賊でありながらその存在を政府に認められた強者たちである。

 

似たようなもので海軍が"公認海賊"という制度を設立しているがその実態は大きく違う。

 

公認海賊は宝探しや冒険などの為に海に出た海賊達が海賊旗を掲げる為に必要な制度だ。

 

海賊旗の掲揚は違法となっているので何ら瑕疵が無い者は自身の海賊旗を持って海軍支部に訪れ申請を行う。

 

そして審査と面談が行われ、これに合格すれば"公認海賊証"としてシリアルナンバーが入った青十字の旗を発行される制度だ。

 

勿論公認海賊になってから掠奪などの違法行為を行った場合本部大佐クラスの海兵が飛んでくるのだが。

 

それ故に所属する海賊は強さも知名度も幅広い、下はソロの旅をメインとする海賊から上は大海賊として名を知られる者もいる。

 

公認海賊である"黄金海賊"が良い例だろう、数千人の部下を抱え未知の冒険を追い求める様は憧れる者も多い。

 

一時期は東の海に戻っていたらしいが数年前から再びグランドラインに戻ってきて今は新世界にいると聞いている。

 

しかし王下七武海は別だ。

 

世界政府に所属し、求められるものは強さと知名度。

 

その強さは一騎当千とも言われそこら辺の海賊なら鎧袖一触、桁外れの強さを持つ者達だ。

 

"鷹の目"や"砂漠の王"、"海俠"なんかが有名所だろう、そんな七武海の一角にエースが推薦されているというのだ。

 

「どうだ!いい話だろう?これなら海賊を辞めなくて済むぞ!」

 

「で、返事はどうだ?火拳のエース」

 

エースがこの話を受けると思っているのだろう、目を輝かせるイスカと返事を聞くクリークにエースは

 

「…七武海か、ゴメンだな。」

 

と、即決でその勧誘を断るのだった。

 

「なっ…何故だ!?この提案を受け入れれば海軍にも追われなくて済むんだぞ!?」

 

と何故エースがこの話を断ったのか理解が出来ないように取り乱すイスカに

 

「落ち着けイスカ少佐、公認海賊にもなろうとしない海賊がそうそう頷くわけもないのはわかってただろう」

 

「しかしクリーク中将!!」

 

「因みに火拳のエース、断った理由を聞いても?」

 

「悪ぃがそもそも七武海って制度がどうにも気に入らねぇんでな」

 

「…因みにこの話を断ると言う事は俺がお前を捕らえてもおかしくないという事はわかるか?」

 

「なっ!クリーク中将、それはそれであんまりでは!?」

 

反論するイスカを宥めそう言うクリークにエースとデュースは素早く身構える。

 

「因みにこのシャボンディには俺達の部隊で包囲網が敷かれている、お前の船も場所は掴んでいる。

 

俺が合図を出せば一斉に動く形になるが…果たしてそれでもこの話を断るか?」

 

「…上等だよ、おれ達の船出を邪魔するってんなら押し通るまでさ」

 

その言葉と共にエースとデュースは覚悟を決めたようにこちらを見据える。

 

「ふむ…、まぁ言ってはみたがこちらとしては事を荒立てるつもりは無い。とりあえず火拳のエース、お前と一対一で話をさせてくれ。

 

場合によっては部隊を引かせるがどうだろう?」

 

「おいエース、乗るなよ?」

 

「だが相手は赤カモメだろ?流石に本隊が相手となるとおれ達でもきついぞ?」

 

エースとデュースはゴソゴソと話し合いを行い

 

「わかった、だが話し合いの場所はこちらで指定させてもらうぞ?

 

因みにその棍と剣も無しでいいか?それなら話し合いに応じる、それが飲めないんならひと暴れさせてもらうぞ?」

 

そう言いながらエースは両腕を炎に変化させるのだった。

 

 





まぁ小説版でもそうでしたがエースがそう簡単に頷く筈ないですよねー…

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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