二話を一話に纏める改訂作業中ですので最新話へのしおりは一つ前にお願いします。
賞金稼ぎユニット"ヨサクとジョニー"
剣士であるゾロを兄貴分と慕う彼等からの情報により麦わら一味は航路を少し北へと向け海上レストランを目指していた。
そして数日後、彼等は海に浮かぶレストラン"バラティエ"へと到着していた、丁度運悪くそこには海軍の船。
「げ、海軍の船じゃねぇか…」
「撃…撃ってこないよな?おれ達は海賊じゃねぇぞ?」
恐々としつつ見守っていると甲板に出てきたのは一人の男
「見かけない海賊旗だな…おれは海軍本部大尉"鉄拳のフルボディ"、船長はどいつだ?名乗ってみろ」
「本部大尉!?なんでこんな東の海に!?」
「なんでと言っても東方方面軍に出向に来てるだけだが…まぁいい、取り敢えずは今は休暇中だ」
短髪にスーツ、コートなどは纏っておらずおおよそ海軍の人間には見えないが、その手には似つかわしくない鉄製のメリケンサックを嵌めている事から彼が戦闘を生業としている事が察せられる。
ヨサクとジョニーを相手に優位を保ちつつ下して見せた事からもそれは間違い無いだろう。
「本部の人間…しかも大尉ってベルメールさんクラス…終わった」
何事か小声でいいつつ落ち込む姿を見せるナミだったが
「さて海賊共、おれは今日は休業中でね…運が良かったなと言いたいとこだが流石に見逃すわけにはいかねぇんだ。
ったく、海賊将軍なんて名乗る馬鹿ものが片付いてようやくとれた休みだってのに…
とりあえず一昨日海賊旗を作ったばかりと言うのなら海賊旗の無断掲揚という事で罰金刑になるからこの書類に記入をしろ」
そう言いながら部下から受け取ったバインダーに何事か記すとこちらに向けるフルボディ
成る程、問答無用で捕まえる訳ではないと悟ったのかその文面にナミは目をこらすと
「罰金10万ベリーって…払えるわけないでしょ!?ウチは今カツカツなのよ!?」
思わず反論の声をあげる。
「分割は不可だからな、無理なら持ってる財産に対して強制執行という事になるが…そこの剣士、三本も持ってるんなら一本くらいいいだろう?」
「なっ!おれの刀は渡さねぇぞ!!」
慌てて三本の腰の刀を庇うゾロに
「まぁ無理にとは言わないがそこの女、何か金目の物は無いのか?
罰金が払えないならここで捕まって勾留か、若しくは労役刑となるが…」
とフルボディは別の案を出す。
「ルフィ、働いて罰金を払う気は…無いわよね。
…そうだ!そこの海軍の人!ちょっと待ってて!」
そう言ってナミは船内に戻ると何やら袋を持って再び甲板に
「バギーから奪った宝があるわ!これで何とかならないかしら!」
「えー、こんなのぶっ飛ばしゃいいじゃねぇかよナミー」
「しゃらっぷ!お金でカタがつくんならいいじゃない!あたしのだけどあたしのじゃないし!」
「…まぁぶっ飛ばす気ならこっちも相手させてもらうが」
そう言いつつ小型軍艦から麦わら一味の船へひらりと飛び移ったフルボディはナミの持ってきた袋を覗くと
「これで払えるかしら?」
「へぇ上物だな、バギーから奪ったと言っていたが懸賞金1500万ベリーの道化のバギーから?どうやって?」
「どうやってって言ってもうちの船長がぶっ飛ばしただけよ、空高くぶっ飛ばしたからどこに飛んで行ったか知らないけど…」
「…まぁいい、これだけのお宝ならこれとこれと…あとこれで10万ベリーくらいにはなるか?後は返してやる。
しかし道化のバギーを破ったんなら腕はたつようだな、とりあえず罰金は支払ったと判断するからそこの船長、この書類にサインをしろ」
「なんだお前、偉そうだな」
「いいからルフィ!さっさとサインしなさい!」
相手が海軍だからか敵愾心を見せるルフィだったがナミに頭をはたかれてしぶしぶ書類にサインすると
「モンキー・D・ルフィ…まさかな、とりあえず数日以内には海賊旗を下ろすなり公認海賊の申請をするなりしておけよ?とりあえず支払い証明は渡しておくがまた無断掲揚があるようだと罰金を支払う羽目になるからな?」
そう言って書類の一部をナミに渡したフルボディはそれだけ告げると自分の船に戻り悠々とバラティエに向かうのだった。
「おいナミー、あんな奴ぶっ飛ばしちゃえばいいじゃないかよー」
「馬鹿ね、相手は本部大尉よ?本部大尉って言えばあたしも馴染みが深いから知ってるけどそんじゃそこらの海賊は相手にならない筈…よね?
それにもしやっつけたとして本部のそれこそ佐官クラスとかが出てきたらどうするつもりよ、あたしは安全を買ったの、罰金で片付くのなら安い物よ」
「なんだナミ、お前海兵の知り合いでもいるのか?」
ナミのそんな言葉に今まで蚊帳の外だったウソップがそう聞けば
「うん、あたしの世話になってる人が海兵なのよ。
そりゃもう強いのなんの…ひょっとしたらルフィでも敵わないかもね」
「げっ…どんな化け物だよそいつ…」
「と・に・か・く!海兵は片付いたしさっさとコックをスカウトしに行くわよ!」
ナミの決定により話は纏まり麦わらの一行はバラティエへと再度向かうのであった。
一方その頃海上レストランバラティエ船内でフルボディは彼女と食事を楽しんでいた。
全ておまかせで予約していたがウェイター…自称副料理長の男には色々と言いたい事はあったが、中々の味で満足いく食事であり食後に二人でワインを楽しんでいると
「お嬢さん、こちらは当店からのサービスでございます。
しかしお美しい、どうですお嬢さんよろしければ後でワインでも…」
再びくだんの副料理長が自身の彼女にサービスとしてフルーツの盛り合わせを提供、流れるように口説き始める。
当然フルボディは面白くなく
「おい、いい加減にしろよコック。おれ達は二人で食事を楽しんでるのがわからないのか?」
と思わず立ち上がる。
「いやいや、いい女を独り占めってのは世界の損失だろ、この美しい女性がおれとアンタこどちらを選ぶかは本人の決める事だと思うが?」
そのコック…サンジの言葉にフルボディは思わず胸倉を掴みあげようとしたがそれはサンジの高く挙げられた脚に受け止められ
それを見た護衛として来ていた海兵二人が思わず銃をサンジに向けると
「テメェら!!手を出すな!これはコイツとおれの問題だ」
フルボディが静止するのと
「へぇー!ここが海上レストランか!!うんまそーな匂いがするぞ!!」
「へぇ、もっとこじんまりとした所かと思ってたけど中々の広さじゃない」
「別に飯と酒がありゃ文句をねぇよ、それより鷹の目の噂をだな…」
「げっ、さっきの海兵!なんだなんだ喧嘩か?」
とガヤガヤと入ってくる四人の集団。
それに対して離れた所からフードを深く被った二人組が、離れた所からそれらの様子を
『なんか原作とだいぶ違う事になってるなぁ?』
と感想を抱くのだった。
フードを目深に被った二人組…一体ダレナンダー
因みにフルボディがちらと漏らした海賊将軍とはギャンザックの事です。
性格はクズですが色々な仕込み武器的にコンセプトがクリークと似てて嫌いじゃないです。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
-
麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
-
クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
-
二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)