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サンジは麦わら帽子をかぶった黒髪の少年…ルフィの攻勢の前にたじたじとしつつも自分の夢である"オールブルー"などを話したり聞かせつつもモヤモヤとしたものを心に持っていた。
今回はそれを払拭すべくバラティエの船内にて治療中のあの剣士の元へ向かう。
「おい、ちょっといいか…って何やってんだ?大人しく寝てねぇと治るもんも治らねぇぞ?」
そこでは寝ている筈の青年…ゾロが床で腕立て伏せを行っている姿。
「何だ、ルフィの仲間になる決意でもしたのか?」
突然の来客に立ち上がりつつベッドに腰掛けるゾロに
「いや、テメェに少し聞きたい事があってな…鷹の目とやり合った時、胸を刺された時だ。
何故あそこで退かなかった?あのまま続けてりゃ死ぬとは思わなかったのか?」
サンジはここに来た目的を軽い口調で話す。
「…簡単だ、あの時あの場所で後ろに退がればそこで何か色んなものが折れちまう気がしたんだよ」
「折れちまう…か。そんなん命あってのもんだろ、あそこで死んでたらどうする気だったんだ?」
「違ぇ、例え死んだとしてもあの時あの場で退くんなら死んだ方がマシだ」
「…分からねぇ、テメェの夢は世界一の剣豪になる、だったか。あの麦わら帽子が言ってたぜ?
夢の為なら例え命を落としてもいいって事か?そんななれるかどうかわかんねぇものの為に?」
「少し違ぇな。なれるかどうかじゃねぇなると決めたんだよ。
なぁコック、テメェには成し遂げたい夢はねぇのか?」
ゾロは自身の気持ちを話しつつサンジにそう尋ねる。
「…無いわけじゃねぇ」
「だったらその夢を…」
「そんなん二の次だ、おれは昔からくそジジィに命を救われた、そして何もかも奪っちまった。
だからおれはここでジジィに恩を返さなくちゃなんねぇ、悪ぃが仲間は他をあたってくれ」
と、"あの時"の事を思い出しつつそう言うサンジ。
「そう言うがそれを俺に言われてもな…後ついでにうちの船長が諦めると思ぇねぇがな」
そんな事を言うゾロにサンジは頭の中にあの麦わら帽子を思い浮かべつつ軽くため息を吐くのだった。
「なぁ!おれと海賊やろうぜ!!」
「だからしつこいっての!おれは海賊にならねぇって言ってるだろ!!」
フロアに戻って来ればこれである。
「でもあのオールブルーってやつ気になんだろ?一緒に海賊になって見つけに行こうぜ!」
オールブルーの事を話したのは失敗だったか…と思いつつ
「だからおれはここを離れるつもりは…」
と拒否しようとした所で
「いいじゃねぇか、海賊にでもなんでもなっちまえ。
客とはすぐ面倒を起こすし女とみりゃ直ぐ鼻の穴を膨らます、ろくな料理も作れねぇしテメェはこの店にとってお荷物だと言ってんだ」
「くそジジィ…テメェ!他の何を置いてもおれの料理を貶すとは何事だっ!!」
思わずゼフの胸倉を掴むサンジだったが
「オーナーの胸倉を掴むとは何事だボケナス!!」
ゼフのその言葉と共にサンジは投げられ地面に叩きつけられる。
「ちっ、おれはなぁ!何と言われても船を降りねぇぞ!それこそテメェが死ぬまでなっ!!」
「ふん、おれが死んだら船を降りるのか?」
「っ…知るか!!」
「…おいボケナス、てめぇまだあん時の事を気にしてんのか?」
強情なサンジの目の前にゼフが座り込みそう尋ねる。
「…悪ぃかよ」
そっぽを向きつつ答えるサンジにゼフは
「おれはな、テメェに守られる程落ちぶれちゃあいねぇつもりだ」
「だけど!おれはあの時テメェから何もかも…力も夢も奪っちまったんだぞ!あん時アンタはおれを見捨ててりゃ良かったんだ!!
そうすればアンタの足は…アンタの"赫足"は残ってたんだ!ならおれはそれに対して命をかけてでも返すしかねぇだろうが!!」
今までの心のモヤモヤを拭い去るかのようにそう叫ぶサンジだったが
「成る程な…おいボケナス、あんまりおれを舐めてんじゃねぇぞ?」
その言葉と共にゼフの脚が高速でサンジに突き出される。
「なっ!!グッ!」
直ぐ様反応して防ごうとするサンジだったが片足を無くしたとは言え流石に大海賊に数えられた一人であったからか、その蹴りはブランクなど感じさせぬかのようにサンジを大きく吹き飛ばすと壁にぶつけた。
「っ…テメェ!何しやがるんだ!!」
いきなりの攻撃にサンジは怒鳴るも
「いい機会だクソガキ、おれがテメェをこの店から叩き出してやる」
その言葉と共にゼフは"鋼鉄製"の義足をカツンっと床に叩きつけて言った言葉に一瞬固まる
「っ!おれを追い出すつもりか!!馬鹿にしてんじゃねぇぞ!」
ゼフの言葉にサンジは激昂し直ぐ様反撃するべく近づき右膝での蹴りを相手に打ち込もうとするも
「だから舐めるなと言ってるだろうがぁっ!!」
その言葉と共にゼフの脚が唸りサンジの身体を吹き飛ばす。
今度は壁にぶつかるどころか壁を砕いてサンジの体は外へと投げ出された。
「おいおっさん!いきなり何やってんだよ!?」
いきなりの、しかも仲間同士の荒事にルフィは驚いた様子で立ち上がると
「黙って見てろ麦わらの小僧、あのバカは一回叩きのめしでもしなきゃわかんねぇんだよ。
…ったくいつまでも自分の心を押さえて何が恩返しだ」
ゼフのその言葉にルフィは何かを悟ったのだろうか、それ以上は反論する事は無かったのだった。
と言うわけでまた戦闘が入ります、ゼフはどういうつもりでしょうね?
因みに原作ではゼフの義足は木製でしたが今作では"とある事情"により鋼鉄製になっています。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)