起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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ゼフの異名はかっこよくて好きです、少しオリジナル技が入りますのでご注意を。

先に言っておきます、原作キャラクターに対して攻撃を加える描写がありますのでご了承下さい。

現在改訂作業中、しおりは最新話より一話前にお願いしますー


赫脚の矜恃

 

壁を突き抜けて放り出されたサンジを追ってゼフはそのまま外へ。

 

それを追ってルフィもナミと共に二人の戦いを見届けるべく外に出て、そこで見たのはゼフの攻撃に対して防戦一方のサンジの姿。

 

「くっ!…テメェくそジジィ!本気でおれを叩き出すつもりか!何と言ってもおれはここに居座るからな!!」

 

「しゃらくせぇぞボケナス!おれへの同情のつもりなら舐めるなと言ってやる!!」

 

そんな二人の姿に

 

「なぁナミ、あの髭のおっさんかなり強いよな?」

 

「えぇ、海兵の人が来た時に"赫脚のゼフ"って言ってたけどあたしの記憶が確かなら数年前に亡くなった筈の海賊よ」

 

「あのおっさん元・海賊か?」

 

「タダの海賊じゃないわ、彼が率いたクック海賊団はグランドラインを1年間航海して、そして無傷での生還を果たした大海賊よ。

 

コックにして船長を務めた無類の海賊、戦闘において一切両手を使わなかったことで蹴脚術の達人として有名で、その強靭な脚力と鋭い蹴りは岩をも砕き、鋼鉄にすら足形を残すと聞いた事があるわ。

 

一時期はグランドラインから戻ってきた時に東方方面軍中では警戒態勢が引かれていたけど…」

 

「という事はかなり強いのかあのおっさん、…うちのコックボコボコにされそうだけど」

 

「まだうちのコックになると決まったわけじゃないでしょ?…でも数年前に死んだと情報があってそれが欺瞞だったとしてもブランクが殆ど感じられないわね…」

 

そんな外野を他所にサンジもようやく覚悟を決めたのだろう。

 

「くそジジィ!テメェが本気でおれを追い出すってんならおれも本気でアンタを叩きのめしてでもこの店にいるからな!!"キュイソー・スライス"!」

 

その言葉と共にサンジが繰り出すのはかつて実家にいた頃に大柄な海兵から教えられた技の未完成版、斬撃を纏った蹴りがゼフの右太腿へと向かうも

 

「あめぇぞボケナス!!」

 

それは引き上げられたゼフの義足により受け止められそのままいなされると、バランスを崩したサンジの腹部に鋼鉄の一撃が入り込む。

 

「がっ…ごほっ!ごほっ!!…相変わらず面倒くせぇ義足だな…」

 

「ふん、どこの誰からの贈り物か知らんが感謝するべきかもしれんな。

 

それよりお前の覚悟はその程度かサンジぃっ!!」

 

追撃とばかりにゼフの鋼鉄の脚が襲いかかるも

 

「っ!舐めんなよくそジジィっ!!"ミルフィ・シュートっ!!"」

 

それと共にサンジは特殊な歩法でまるで消えるかのように移動しながら残像を幾重にも重ね、その残像は一斉にゼフに襲いかかるも

 

「ふん、こんな見かけだけの技…子供騙しじゃねぇんだぞ!!"斬撃(タリアトリーチェ)!!」

 

一閃

 

四方八方から襲いかかるその残像はゼフの鋼鉄の脚による一振りから繰り出された"空を飛ぶ斬撃"によって消されたのだった。

 

「おいナミ!あのコック分身したぞ!?」

 

「えぇ、でもあのおじいさんもかなり手強いわね…でもひょっとしてあの技…」

 

厳密には違うが分身したサンジに大はしゃぎのルフィとゼフの繰り出した技に思い当たる節があるナミ。

 

そんな二人であったが

 

「じじぃ!テメェその技まさか!!」

 

「ふん、確かにおれは蹴りと料理をお前に伝授した。だがおれは全部をお前に教えたとは言ってねぇぞ?

 

それよりも続けていくぞ!せいぜい保つようにしっかり耐える事だなボケナス!!"圧き力(ペントラ・ア・プレッシオーネ)"!!」

 

その宣言通りゼフの右脚による連続した蹴りがサンジに襲いかかる。

 

一見ゼフは左脚を地面にしっかり止めて、右脚だけで連続した蹴りを放っており、簡単に避けてしまえそうではあるが

 

「くっ!鬱陶しいな!避ける方向を防いできやがって!!」

 

「ふん!避けれるもんなら避けてみやがれ!!」

 

サンジが避けようとした場所はそれを見とってかそこに唸る義足が叩き込まれ、回避できるスペースが無くなっていく。

 

「ちっ!この程度全部防いでやるよ!!」

 

そうなると必然防御をせざるを得なくなり高速で繰り出される連続の蹴りを、同じく何とか蹴りで防ごうとする。

 

そして状況は徐々に攻撃するゼフと防御するサンジで膠着状態になりかけていた時に

 

「"蜂の…一刺し(ヴェスパ・アーゴ)!!」

 

連綿と続く攻防の中、防御しているからこそ意識下から外れ孤立している箇所を孤塁と呼ぶ。

 

ゼフのこの技は相手に防御を取らざるを得ない程の圧力で攻撃を連続して行い、徐々に浮き出てきた孤塁に対して全脚力を注ぎ込み、この孤塁をぶち抜く蹴り技である。

 

雀蜂の針を冠するこの技は防御に集中していたサンジの脇腹を捕らえるとその身を空へと大きく吹き飛ばし、サンジはバラティエのマストへと強く叩きつけられその衝撃は船が大きく揺れる程のものだった。

 

「おいおっさん!!やり過ぎじゃねぇのか!?」

 

「ふん、あの程度でくたばるような修行はさせとらん。

 

それよりも小僧…あのチビナスを一緒に連れてやっちゃぁくれねぇか…

 

グランドラインはあいつの夢なんだよ…」

 

と先ほどの戦闘とはうってかわって真摯にルフィへと頼むゼフの姿に

 

「おっさんも人が悪ぃな…あいつを追い出す為にわざわざこんな事したのか?」

 

「ふん、あのチビナスが素直に言うわけないだろ?アイツは今までずっとここで過去の事に囚われてたんだ、いい加減素直になってもいいとは思うがな」

 

「…だが断る!!」

 

ゼフの頼みにルフィはそう断言するも

 

「ちょっとルフィ!?アンタあの人仲間にする気だったんでしょ!?」

 

そう言ってルフィの襟首を掴みガクガクと揺らすナミと

 

「小僧…貴様船にコックが欲しいんじゃないのか?アイツじゃ不服か?

 

おれが言うのも何だが戦闘力は高いし料理も中々の腕だぞ?…まぁおれには及ばんかもしれんが…」

 

と、ルフィの答えに驚くゼフ。

 

「不服じゃねぇよ…おれだってアイツに一緒にきて欲しいけどアイツはここでコックを続けたいって言ってるんだ。

 

おっさんにそう言われても連れていくわけにはいかねぇよ」

 

と本人の意向を無視するつもりは無い、というルフィの言葉にゼフやナミは納得しつつ

 

「アイツの口から直接聞くまでは納得できねぇってか…だがあのチビナスが素直に言えるかどうか…」

 

そう悩むゼフであったがしたたかに叩きつけられたサンジはその会話を

 

「ちっ…全部聞こえてんだよ…」

 

と小声で言いつつ意識を失ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 




というわけでサンジ対ゼフでした、今回ゼフが勝ちましたがまぁ片や異名を持つ程の大海賊、片や脚を使った六式の技術を習得しつつあるとは言えまだ経験が浅いですからね…

まぁゼフが一年間グランドラインにいたんなら当然六式は目にしてる筈ですから蹴りの達人ですし使えてもおかしくないですよねー

因みにゼフの技はオリジナルです、料理長=パスタ=イタリアというわけでイタリア語で技をそれっぽく勝手に作りました。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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