起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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輪舞曲と円舞曲…ややこいですね…


蜜柑の航海士

 

「悪ぃな、ヨサク、ジョニーいつもと同じように使ってたが…ちょっと保たなかったみてぇだ」

 

刀身が折れた剣を両手にヨサクとジョニーに詫びるゾロだったが

 

「いえ!ゾロの兄貴が勝てたんなら何よりですよ!」

 

「そうですよ兄貴!剣は…また買い直すんで心配しないで下さい!!」

 

二人はそんな事は気にしなくていい、と慌てて首を振る。

 

「よくやったじゃないゾロ!所で傷は大丈夫なの?」

 

ハチを打ち破ったゾロにナミが近づいて来てそう言えば

 

「…悪ぃな、ちょっと寝る。あぁそれからウソップ、援護助かったぜ」

 

まああんだけの衝撃を受ければ傷も開いて当然か、と思いつつ腹をさすりながらあの時岩を壊してくれたウソップに礼を言う。

 

「はーっはっはっは!援護は任せとけって言っただろ?」

 

一方魚人側は

 

「にゅー…すまねぇアーロンさん」

 

「ふん、まぁ相手が海賊狩りってのもあるかもしれねぇが…」

 

「アーロンさん、次はおれが行こう」

 

申し訳なさそうにするハチにアーロンは流石に名が知られているだけあるか…と考えているとエイの魚人…クロオビが前に出る。

 

「ふーん?ハチの次はクロオビ…」

 

「ナミさん、次はおれが出ようか?」

 

考え込むナミにサンジが自分の出番か、と前に進み出ようとした所で

 

「待ちなさいサンジくん、次はあたしが出るわ」

 

その言葉と共に襟首をガシりと掴まれる。

 

「え!?ナミが自分から戦うとかマジか!?」

 

「おいおいおい、明日は雪でも降るんじゃねぇか?」

 

普段は戦闘を他に任せる自分たちの優秀な航海士が自ら戦う選択をした事に一味は驚きを見せるも

 

「しゃらっぷ男共!あたしだって戦いたく無いわよ、でもこれはあたし達がグランドラインで通用するか否かのテストよ?あたしだけ後ろに下がってるわけにはいかないじゃない…」

 

と、自分の考えを話すナミ。

 

「むー、全員おれがぶっ飛ばしゃいいんじゃねぇのか?」

 

ナミの考えを聞き不満そうにいうルフィだったが

 

「だからアンタはアーロンを舐めすぎだって言ってるでしょ、アーロン以外はあたし達で何とかするから船長は船長らしくどっしり構えてなさい」

 

その言葉にルフィは暫く考え込むと

 

「…わかった!じゃあみんなを信じるぞ!」

 

とその場にドカリ、と腰を落とすのだった。

 

「というわけでウソップ、援護は任せるわよ?」

 

「あぁ、昨日のやつも実用化したからな!タイミングはそっちで言ってくれ。

 

所であの魚人はどういうやつだ?遠距離攻撃とかしてくるのか?」

 

親指を立てながらそう聞くウソップに

 

「…クロオビはエイの魚人よ、戦闘方法は主に魚人空手を用いた接近戦、そして…一応あたしの師でもあるわ」

 

そう言いながらナミは素早く棍を組み立てるとクロオビに向かって真っ直ぐに向かうのだった。

 

「ふん!正面から向かってくるとはその心意気は良し!!

 

だが何の策も無く真っ直ぐ突っ込んでくるとは少し舐め過ぎだ!!」

 

真っ直ぐに突っ込んでくるナミにクロオビは呆れながら手早く終わらせるべく迎え打とうした所で

 

「煙星っ!!」

 

ウソップが煙玉を放ち着弾地点から白い濃い煙が撒き散らされる。

 

「ぐぬっ!小癪なぁっ!」

 

「ごめんねクロオビ、流石にあたしも正面からアンタに勝てる程強くないから色々と小細工使うと思うけど許してね?」

 

煙の中から聞こえてきたその声にクロオビは

 

「そこかぁっ!!」

 

と鍛えられた拳による正拳を突き出すもそこにはナミの姿は無く背中に衝撃、直ぐに向き直るも今度は別の方向から衝撃が走り更に別の方向から…と明らかに相手が一人では無いと感じ

 

「成る程、煙幕を姿を隠しつつお前と長っ鼻による波状攻撃か…だが…その程度の小細工でおれを倒せると思うなぁっ!!百枚瓦正拳!!」

 

その言葉と共にクロオビの拳が地面に叩きつけられ、まるで爆発でもしたかのような衝撃が辺りに広がる。

 

勿論ただの煙がそのままである筈も無くその衝撃によって散らされるとそこには

 

「しまった!煙が晴らされるなんて!!」

 

棍を今まさにクロオビに振り下ろそうとするナミの姿。

 

「ふふふ、まぁあのまま続けてもあの程度の小細工でおれは倒せなかっただろうが…まぁ力不足なりによく考えたと褒めてやろう」

 

そう言いながら振り下ろされた棍を掴み、余裕そうな表情を見せるクロオビだったが

 

「必殺!タバスコ星っ!!」

その言葉と共にウソップが放った玉が狙い違わずクロオビの顔面に着弾、その玉はタバスコ他複数の刺激物を掛け合わせた特殊な溶液を撒き散らすものである。

 

先日、黄金銃の海兵が使っていた複数種の特殊弾を参考にして作った物である、勿論そんなものが顔面にぶちまけられればタダで済む筈も無く

 

「ぐおぉぉっ!!目がぁっ!!!」

 

「よし!今よウソップ!全力で攻撃するのよ!!」

 

「あぁ!任せろ!鉛星!!」

 

思わずナミの棍を手放すと目を抑え膝をつくクロオビ、そしてチャンスとばかりにナミが動けないクロオビの頭部に棍を振り抜き、更にウソップも援護として鉛玉をクロオビに向かって撃ち込む。

 

哀れクロオビは自身の真価を発揮する事無く、当たりどころが悪かったのかナミのフルスイングによって地面に倒れ伏したのだった。

 

「クロオビ…おいナミ、ちょっと小細工が過ぎるんじゃねぇか?」

 

あんまりと言えばあんまりの戦いにアーロンは思わず苦言を呈すも

 

「ふん、誰もがアンタみたいな実力を持ってるわけじゃ無いのよ?

 

弱いなら弱いなりに小細工を使ってでも勝つ、それの何が悪いのかしら?」

 

ナミのその正論に"むぅ…確かに正論かもしれんが…"と黙り込む。

 

「チュッ、どうするよアーロンさん幹部も残りはおれだけだぜ?」

 

そんなアーロンに幹部の一人であるキスの魚人…チュウが声をかければ

 

「…舐めていたのはこっちだったかもしれねぇな、チュウ次はお前が出ろ」

 

「チュッ、任せといてくれよアーロンさんおれ一人で片付けて…」

 

「"全員"でかかれ、残った全員でアイツらにかかれ、いいな?」

 

自身満々に言おうとしたチュウだったがアーロンのその言葉に暫し固まるのだった。

 

 

 





というわけでナミandウソップVSクロオビでした。

原作みたいにサンジVSクロオビでもいいかと思ったのですがサンジの実力は強化が入ってますしここはいいかな、とこの組み合わせになりました。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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