体が鉄の硬度を持ちら斬撃を巧みに操るという事できっと有名であろう殺し屋ダズと考えた模様。
エリックもまぁあの海では割と強いみたいだし有名な裏稼業の人間くらい知ってるよね。
「何じゃとぉっ!?もう一度言うでおじゃるよ!!」
男は自身の目の前にいる巨漢から怒鳴られていた。
何を隠そう目の前の巨漢は縦にも横にも大きい、端的に言って贅肉の塊のような男だ。
日がな1日動く事すらせず運ばれてきた食事を食べるだけ、面倒な事は全て部下に押し付け気に入らない事が有ればすぐに癇癪を起こす。
ただそれだけの事を許される権力を目の前の上司は持っているのだ。
海軍東方方面軍准将ネルソン・ロイヤル、それが上司の名前だ。
半ば艦隊を私物化し、毎度ながら傍若無人に好き勝手やり直ぐに激昂する。
今回もそうだ。
機嫌が悪くなりそうな報告を誰が持っていくか揉めた挙句伍長である自分が押しつけられた。
あぁ、貧乏くじだなと思いつつも
「で、ですから千年竜の情報を知ってると思しき少女の捕獲に軍艦島に向かった人員が失敗したと…」
先程軍艦島に向かった部隊からの報告を告げれば
「全く役立たず共でおじゃるな!!軍艦5隻を引き連れて小娘一人捕らえられんとは何事でおじゃるか!!」
とネルソンから手に持った扇子を投げつけられ、扇子は見事にこめかみに当たり鈍い痛みを訴えるも
「それが邪魔が入って撃退されたという報告が…」
とそれをこらえつつ追加の報告をする。
「エリックはどうしたでおじゃる!!奴からの報告は無いでおじゃるか!!」
と自身が雇った傭兵の事を口に出すネルソン、勿論いけすかないあの傭兵についても報告は上がってきてるがこれ言ったらまたキレるんだろうなと思いながら
「そ、それが…」
と一瞬躊躇うも
「何でおじゃるか!さっさと言うでおじゃるよ!!」
その言葉に
「それがエリック殿は敵対勢力に敗退したとの報告です!現状未だ目は覚めておらず、他の海兵も多くが負傷しているという報告です!!」
事実を報告する。
「何じゃと!?エリックがやられたでおじゃるか!?」
自分も報告を聞いた時は驚いた、いけすかない奴だが悪魔の実の能力者でもあり、ネルソン准将自らスカウトしただけあってその強さは本物だった筈だ。
「未だエリック殿は意識が戻ってない模様、海兵も多くが負傷しています、一旦体制を立て直す為に退却すべきかと…」
これは言うべきか迷ったものの先遣部隊で一番戦力のあるエリックが敵わなかった以上一度体制を立て直すべきだと考えて告げれば
「馬鹿を言うでない!!竜骨の…不老不死の手がかりがすぐそこにあるんじゃ!!」
何が不老不死だ馬鹿馬鹿しいと思いつつも顔には決して出さずに
「しかし被害は甚大です!相手が何者かわからない以上まずは情報を…」
「えぇい!黙るでおじゃる!!…本艦は只今より軍艦島に向かうでおじゃる、全艦出撃準備!!」
一瞬激昂するも、それを押し殺しすぐに指示を出すネルソンに
「なっ!?准将自ら!?」
と、つい驚いたように言えば
「何か文句があるでおじゃるか?さっさと持ち場に着くでおじゃるよ!!」
そう叱咤されたからにはまた怒鳴られるのは御免なのでさっさとその場を離れる。
しかし准将自ら艦隊を率いて出陣か…普段は食う事しか能が無いデブだがあの男は海に出れば生まれ変わる。
"東の海一の用兵家"
海に出たネルソンは生まれ変わり巷ではそう呼ばれる優れた用兵家へと変貌する。
それ故についたあだ名は"提督"
「たかが提督…されど提督という事か?」
そうこぼした男の呟きは誰にも聞かれず風に消えていくのだった。
一方その頃、軍艦島で海軍を撃退したクリークはまずは竜じぃを運び出さないといけないだろう、とギンを使いに出し手空きの者達を船から呼んでこさせる。
そうして集まったのはギン、シグマ、ジョークのみ…
「おい、これだけか?」
「ヌァハハハ、仕方ねぇだろ。
海軍とぶつかる可能性がある以上全員で来るわけにはいかねぇさ。
船の機関が温まるのも時間がかかるしアンタがいれば問題無いだろうというのが話し合いの結果でな」
そう告げるのはクリークの配下に下った元海賊、ジョーク。
骨をカタカタ鳴らしながら喋るその姿に
「が…骸骨が喋ってる…お化け…」
アピスは顔を青ざめさせ後ずさるも
「ヌァーハッハッハ!失礼な嬢ちゃんだな!こちとらちゃんと人間だぜぇ?」
ジョークは何が楽しいのか更に骨をカタカタ言わせながらアピスにゆっくり近づき
「いやーっ!?来ないでぇっ!!」
「そこら辺にしとけ、足の骨叩き折るぞ。
アピスこいつは別におばけじゃねぇよ、ちょっと見た目は変わってるが問題無い」
ジョークはクリークの静止により渋々その場に止まり、アピスは
「全身骸骨の人間に見た目がちょっと変わってるは無いと思うわよクリークおじさん?」
「まぁ気にするな、グランドラインにゃ変な見た目の人間はうじゃうじゃいるんだ、それこそ動く骸骨人間もコイツ以外にいるしな。
それからこっちはシグマだ、コイツもグランドラインの生物でな。
シグマ、こっちはアピスだ。
何でもお前の言ってる事が理解出来るそうだぞ?何か欲しいものがあれば手配してやる、お前にゃ長く世話になってるし折角だから言ってみろ」
「ぐる!?ぐるる!ぐるるるぐるる!!」
「"えっ!?旦那!わらわの旦那!!"…だって」
「ん?旦那?番が欲しいって事か?」
「ぐるる!ぐるるるぐるぅるぐるぐるる…ぐる!ぐるぐるぅる!!」
「"そうじゃ!あの若くて喋れるあの雄熊…あのイケグマが所望じゃ!!"…だって、どの子の事を言ってるか知らないけど…」
「うん?お前と交流があってしかも若くて喋れる雄の熊…?
あっ!ベポか!!あの時かなり気に入ってたっぽいし何だベポが番に欲しいのか?」
「ぐるる!ぐるるるぐるぐるるぐるっ!」
「"そうじゃ!わらわはあの雄が欲しい!!"…だって、クリークおじさんの部下ってずいぶん変わった人多いわね…」
それは自覚してる、と思いつつも
「あー、それは俺の一存じゃ無理だな。
その内会う事もあるだろうから頑張ってアタックしてくれ、応援はしてやる。
さて、とりあえずさっさとこの千年竜を船まで運ぶぞ、俺とお前で抱え上げればいけるだろう。
ジョークは前方の警戒を、ギンはアピスについてやってくれ。
さっさとしねぇとまた海軍が追ってくる事が無いとは言い切れねぇからな」
そう言ってクリーク達は再び洞窟に入りギンやジョークがその巨体に驚くのは数秒後の話である。
アニメではネルソン・ロイヤル提督って呼ばれてたけど当方の作品では階級は准将、あだ名が提督としています。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)