起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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さて、そろそろ麦わら一味をグランドラインに入れねば、まぁ突入描写はしないかもだけど


竜騒顛末 ドンクリーク

 

「わしを処分するだと!!巫山戯るな!何故わしが殺されなければならない!なぜわしが引き渡されねばならん!

 

エリック!エリックは何処でおじゃる!!ここにいるものを排除するでおじゃる!!」

 

再び喚き出したネルソンにこのままでは話が進まないと思いつつ後ろから首をキュッとすればあれだけ騒いでいたネルソンは沈黙。

 

「…という事だハーディ少佐。

 

一応海軍も組織なんで私刑は勘弁してくれ、周りに示しがつかんからな」

 

センゴクとの通話を終わらせたクリークはネルソンを排除しようとしたハーディにそう言えば

 

「…今の通話の相手がセンゴク元帥だったとしてだ、クリークと元帥はお前を呼んだな。

 

貴様…まさか"東の海の怪力王"か?」

 

クリークという名前に心当たりがあったのだろう、そう聞くハーディ。

 

「お、その異名まだ知ってる奴いたのか、かれこれ十数年は経つと思うんだが…」

 

「十数年前に東の海にあらわれた赤い海軍旗の一団。

 

瞬く間に多くの海賊を掃討し、東の海が最も平和と言われる一因であり、"どんな障害も押し通る、其は東海一の剛力無双"だったか。

 

ある程度暴れた後海軍本部に戻り中将にまで登り詰めたと聞いていたが…何故こんな東の海にいる!海軍本部中将っ!!」

 

ハーディは信じられないものを見るような目でこちらを見て大声で叫ぶ。

 

まぁ確かに海軍本部の、しかも中将がこんなど田舎とも言える東の海にいるなんて普通じゃないだろう。

 

「ただの休暇なんだがなぁ…其の矢先に?どっかの誰かさんが?アホな事やってたから?」

 

と、ハーディ少佐とエリックに初めて遭遇した時の事を強調しつつ言えば

 

「っ…」

 

ハーディは言葉に詰まったので

 

「とまぁそれは冗談だとして元々報告は来てたんだよ、東方方面軍第八支部が何やら良からぬ事をやっている、とな。

 

んで今回の休暇に合わせておれがやって来たわけだ」

 

と本当の事を話しておく。

 

「それも見越して軍艦島に潜んでいたというわけか…」

 

「ん?いや軍艦島にいたのは偶然だ、第八支部のエリア近くだから拠点に動こうとしていただけだが?」

 

「…どの道お前のような戦力が動くまいとネルソンの計画は失敗していただろう。

 

本部に我ら第八の動向が知られていたとなると遅かれ早かれネルソンは更迭されていただろうからな。

 

…クリーク中将、頼みがある」

 

そしてそれと共に居住まいを正して神妙な顔をするハーディ。

 

「…聞こうじゃ無いか」

 

「ネルソンとおれの首で勘弁して欲しい、部下はネルソンやおれの命令を聞いてただけだ」

 

「…さて、どうしたもんか。

 

E8の汚職がどこまで関与しているかわからんし、何処までが命令でやっていたのかわからんしなぁ?」

 

「頼むっ!尋問でも何でも答えよう!なんだったらこの首を落としても構わん!!」

 

「海兵のくせに海軍を何だと思ってやがる…まぁいいや、この件に関する事は一任されているしな。

 

ハーディ少佐、貴様を臨時に中佐に昇進させてやる。

 

直ぐにこの艦隊を纏め上げてE8支部に帰還し運営の健全化を図れ。

 

何かあれば本部宛てでも俺宛てでも構わん連絡を寄越した上で報告は常に海軍本部に提出するように。

 

今回の件は東方方面軍司令のメイナード少将にこちらから伝えておく、彼を通して報告は行え。

 

…そして罪の意識を感じるなら"人を助けろ"。

 

今まで貴様らが迷惑をかけて来た以上に苦しむ人々を助けろ。

 

この東の海は平和とは言うが未だ海賊は現れ、罪もない命が散ってゆくのが常だ。

 

我等は海兵だ!海の守護者にして人々の心の拠り所となるべき存在!天網恢々疎にして漏らさず!強きを挫き弱きを助ける者になれ!いいな!!」

 

「…はっ!!」

 

大声で一気に言えばそれに返して手本のように綺麗な敬礼をとるハーディ。

 

話を聞いていた周囲もハーディに倣い敬礼を行い、クリークはそれを見ながら満足そうに頷くと気絶したネルソンの足首を掴み要塞から飛び降りるのだった。

 

そしてクリークは道中で断続的に聞こえる呻き声を無視して進んでいると

 

「おじさーん!クリークおじさーん!!」

 

と近づいてくる声。

 

「おー、どうした?とりあえず落ち着いて深呼吸しろ。竜じぃに何かあったのか?」

 

こっちの姿を見て走って来たのだろう、息を切らせるアピスを落ち着かせる。

 

「今は大丈夫だよ!おじさんにお礼が言いたくて…なんでおじさんは人間を足首持って引きずってるの?それにこんなに傷だらけに…」

 

「あぁ、こいつが竜骨…というか竜じぃを狙ってた犯人だ。殴るなり蹴るなり好きにして構わんぞ?」

 

「やらないよ!?…と言う事はこの人向こうのでっかい軍艦からずっと地面引き摺られてるの!?」

 

「お仕置きだよお仕置き、所でホントにいいのか?今なら被害者って事で色々と処分に口出してもいいぞ?」

 

「処分って一体何するのよ…別にいいわよ、竜じぃはおじさんのおかげで故郷に戻れたみたいだし。

 

犯人も酷い目にあってるみたいだしね…おじさんって本当は何者なの?旅人って嘘でしょ?」

 

「さてそれはどうかな。

 

とりあえず俺はこいつを運ぶからアピスも満足したらベアトリーチェ号に戻ってこい、少し話があるからな」

 

「うん、わかった!!」

 

そう元気よく答えるとアピスは再び竜じぃの元へ…千年竜が多く集まっている場所にかけていくのだった。

 

さて、と歩みを再会したクリークは程なくベアトリーチェ号の元へ、そのまま踏み込みで甲板へと飛び上がる。

 

それと共に大きく船が揺れジョークやシュライヤが飛び出して来たので

 

「ほら、新しい罪人だ。ふんじばって牢にぶち込んどけ」

 

と放り投げる。

 

「うわすげぇ傷だな…クリークさん、こいつ誰だ?」

 

「ん?あぁ、そいつ元海軍支部准将。引きずったら擦り下ろされて軽くなりゃ良かったんだが…」

 

「あぁ…元って事はなんかやったんだな、今回の首謀者ってトコか?」

 

「ナーハッハッハ!人間がそう野菜みたいになるかよ!なぁシュライヤ!!」

 

「まぁジョークさんを岩肌に擦りつければ骨粉になりそうかも…」

 

「骨粉は植物の成長を促進すると言うが…どうなんだろうな?」

 

「おい、冗談だろ?」

 

骸骨なのになんとなく表情がコロコロ変わったように感じるのは面白いな、と考えつつ三人は協力してネルソンの巨体を縛り上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





明日で千年竜伝説編も終わりですかねー

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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