起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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転職なう、そしてバス通勤になり帰りのバスでいつも寝落ちしそうになる。

このままだと終点まで寝たまま行きかねん…


東海の番犬

流石にこの話は一人では決められない、とアピスはクリークと共に一度軍艦島へ向かった。

 

そして時は少しそれから遡る。

 

リヴァースマウンテンと呼ばれる東の海からグランドラインへの唯一の入り口、その近くに一つの街がある。

 

かつて海賊王が生まれ、そして処刑された事から始まりと終わりの街とも呼ばれるその島の名は"ローグタウン"

 

この島は立地の関係から海流や時節の風などに恵まれこの島には多くの人や物が集まる。

 

まず集まったのは商人。

 

海賊がグランドラインに入るのに必ずこの島の近くを通りがかる事に目をつけ一部の怖いもの知らずの商人達が水や食料、武器や防具を売り出し、海賊達も事前に準備ができるのを有り難いと思ったのだろう、品物は飛ぶように売れていった。

 

そうなれば他の怖気付いていた商人達も一人、また一人と集まりどんどんと町は発展していく。

 

そうなれば良からぬ事を企む海賊も出てくるわけだが当然海賊を取り締まる者達…海軍もただ座して見ている訳では無い。

 

島に支部を置き騒ぎをおこす海賊を捕縛する。

 

一応の安全を得た商人は活発に動き時にはグランドラインや他の海域の物も手に入れるようになり、噂を聞きつけ海賊だけでは無く他の船乗りや観光客も徐々に増えていく。

 

そしてこの島が爆発的に成長したのは海賊王の処刑…海賊王の最期の言葉でグランドラインに入ろうとする海賊が一気に増加、当然物も人も金もどんどんと回り、それらを食べて街は成長、そしてとある中将の主導によって導入された"四海制覇"計画。

 

これによりローグタウンにあった支部も強化され、安全だとわかれば人も更に増えていく。

 

伝説にあやかり多くの荒くれ者が集い、それを取り締まるために多くの海兵が所属し、それなら安心だとばかりに商人は活発に動き、珍しい品物目当てに遠方からも人が集まり…と通りには人々の喧騒が響き、夜になれどその明かりは消える事の無いまさに東海一の大都市へと変貌していったのだ。

 

…とは言え"とある一人の男により"最近は専ら脛に傷を持つ海賊はここを通ってグランドラインへ行く事は無くなっていたが。

 

このローグタウンにある東方方面軍第一支部、通称E1海軍基地で一人の男が報告書に目を通しており、その側にはもう一人隻腕の男。

 

短髪の白い髪に鋭い目つき、葉巻を口に加えたまま書類に目を通しているその男の名はスモーカー。

 

"白猟"…そして"東海の番犬"とも呼ばれる凄腕の海兵である。

 

グランドラインを守護する海軍本部所属の大佐であり、ここに就任してからはグランドラインへ入らんとしてここにやって来た違法な海賊達を"全て"捕らえて来た男だ。

 

本来なら支部大佐なり支部准将なりが統括するがこの街の立地は海軍も重点的に目をつけているので特別に本部所属の大佐を置いているのである。

 

命令違反が偶にあるのが欠点だがゆくゆくはメイナードの跡を継ぎ、東方方面軍総司令に就任するのでは無いか?と噂される若手のホープだ。

 

「…モーガン大佐、いや元大佐が更迭か。

 

しかもガープ中将がわざわざ来るだと?あのジジィ何考えてやがる…E8がどうにもきなくせぇしそっち関係か?

 

んでこっちは…新たな海賊か。

 

海賊旗の無断掲揚五回…リミットだな、公認海賊の申請も出てねぇし次に掲揚が確認されたらマニュアル通り懸賞金をかけろ」

 

と、スモーカーが側に控えていた隻腕の男に指示を出せば

 

「了解しましたスモーカー大佐、情報によれば道化のバギーを下した上に、かの"海賊狩り"が同乗しているとの噂もありますが…」

 

との忠告が為されたのでスモーカーは暫く考えるも

 

「バギーをか…東の海のルーキーにしちゃ腕はあるようだな。

 

…いや、一般市民からの被害は報告されていないから何か騒ぎを起こさなけりゃそのまま100万で申請しろ。

 

…そういや海賊狩りには因縁があるんだったか?」

 

と指示を出してついでに昔聞いた話を思い出しそう聞けば

 

「因縁と言うわけでも無いですよ、昔交流があっただけです」

 

と返す隻腕の男。

 

「まぁいい、海賊に交流があろうが無かろうがテメェが海兵の本分を全うするなら文句はねぇさ。

 

ところでたしぎは何処行った、姿を見かけねぇが…」

 

「あぁ、隊長でしたら朝から出かけています。調練には参加するとは聞いてますが…」

 

「ったく何処行ってやがる…聞きてぇ事があるからちょっと探してこい」

 

「了解、直ぐに探してきます」

 

そう言って隻腕の男は部屋を出て行きスモーカーは

 

「何やら上もきなくせぇし何だってんだ…」

 

と街の喧騒を眼下に大きく葉巻を吸うのだった。

 

そのタイミングで勢い良く部屋のドアが開かれ

 

「大佐っ!海賊です!港に海賊が現れたとの報告が!!」

 

息を切らせて走って来たその海兵に

 

「うるせぇぞ!そんなに大声出すな、…で、何だって?」

 

と聞き返す。

 

「すみません!海賊です!北の港に海賊が!旗印は三日月に髑髏、深禍月(みかづき)のギャレンです!!」

 

「ギャレン…700万だったか?」

 

「はい、直ぐに部隊を集結させますので指揮をお願いします!」

 

「いらねぇよ」

 

直ぐに対応するべく部隊を集結させようとした海兵にスモーカーはそう一言だけ返す。

 

「は?しかし相手は700万ですよ?数多くの掠奪を繰り返したあのギャレンですよ!?」

 

「うるせぇなぁ…俺がこの街にきたクズ共を一人でも逃した事があるか?おれに指図するな!」

 

「もっ、申し訳ありませんスモーカー大佐!!」

 

「北の港だったな、直ぐに出る。

 

テメェはたしぎが戻って来たらこっちに連絡しろ、それから東西南北の港は見張りを増員、いいな?」

 

「部隊を集結させますか?」

 

「いらねぇって言ってるだろ、わかんねぇ奴だな…」

 

「でしたら何故…」

 

海兵のその言葉に

 

「どうにもきなくせぇ匂いがしやがる…あくまで念の為だ、ギャレン程度には必要ねぇよ」

 

自身の勘を元にそう告げるのだった。

 

「…了解しました」

 

そう言いつつ報告をしに来た海兵は慌てて部屋を出ていくのだった。

 

それと共にスモーカーは一人北の港へ向かうのだった。

 

一方その頃麦わらのルフィ率いる海賊団は無事にベルメール&アーロンの特訓を潜り抜け今度こそグランドラインに入るべく準備を整えるためにこのローグタウンへ上陸。

 

当然色々と準備を整えるべくゾロは武器屋に、サンジはとある理由で料理会場でコンテストに出場、ウソップは装備を整えに、ナミは自身の服を買うついでに海図と、そして"情報"を仕入れに…そしてルフィは一人、かつて海賊王が処刑された処刑台を見に広場へと向かったのだった。

 




と言うわけでローグタウン編。

ローグタウンは原作版では無くアニメ版を採用していますのでご注意を。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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