起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

278 / 524

因みにアニメ版だとゾロは難なく海兵二人をのしています。

名無し海兵が原作より強化、原作でもこの頃は曹長だったたしぎが少尉なのはきちんと理由があるのであしからず


海賊狩と妖刀

 

入り口近くの樽を指差して"全部一本五万だからそこから勝手に選べ!!"と言う一本松に何で怒ってるんだ?とゾロは首を傾げつつ刀を選び始める。

 

「貴方、刀お好きなんですね!三本揃えるなんてまるでどっかの賞金稼ぎみたい」

 

と"時雨"を手にしたたしぎが話しかけてくる。

 

「賞金稼ぎ…ねぇ」

 

ま、今は海賊になっちまったがなと思いながら刀をどんどん見ていく。

 

「有名ですよ?ロロノアって男です」

 

「"名前は"よく聞く」

 

「えぇ、東の海じゃ知れ渡った剣士の名ですよ?"悪名"ですけど…

 

刀をお金稼ぎの道具にするなんて…許せません!名のある剣豪は多くが海賊だったり、賞金稼ぎだったり…」

 

「海軍にも強いのはいるだろ、ユキムラとか」

 

「確かに海軍にも強い剣士は居ます、モモンガ中将とかストロベリー中将とかクリーク中将は…剣士と言うわけじゃないかなぁ?」

 

「へぇそいつら全員強ぇ剣士なのか?あの鷹の目ともやり合えるのか?」

 

「え?えぇ、仮にも海軍本部の中将ですし、何も出来ずに負けるなんて事は無いと思いますけど…」

 

「へぇ、そりゃ楽しみだ…」

 

「何か言いました?兎に角海軍にも剣士はいるといっても多くの名刀は海賊や賞金稼ぎが持ってるんですよ?刀が泣いています」

 

その言葉にゾロは口角を上げ

 

「ふっ、まぁ色々事情があんじゃねぇのか?職種には時代に合ったニーズってもんがあるからな」

 

「とにかく!わたしはこの時雨でもっと腕を磨いて、いずれ世界中の悪党共から名刀を集めて回るんです!

 

最上大業物12工、大業物21工、良業物50工…命をかけて!」

 

その言葉にゾロは刀を選別していた手を止めたしぎに向き直ると

 

「この刀も奪うのか?確か…和道一文字つったか?」

 

と腰の大業物を少し引き抜いて見せれば

 

「えっ!いや!わたしは別に名刀が欲しいわけじゃなくて悪党の手に渡るのが嫌だって言ったんです!」

 

と慌てて弁解するたしぎに

 

「集めたとして…刀はコレクションじゃねぇんだが…ん?」

 

小声で言うと再び刀を物色し出した所で一本の刀を掴んだ時に何かを感じ取る。

 

赤漆の鞘に四つ銀杏の金鍔、その刀を見るとたしぎは顔色を変えて

 

「その刀確か…"三代鬼徹"!三代鬼徹ですよ!!先代の二代鬼徹は大業物、初代鬼徹に至っては最上大業物に位列しています!!」

 

と手元の手帳をパラパラとめくり目的のものを見つけたのか早口でそうまくし立てるたしぎにゾロは辟易しつつも鞘から引き抜いて軽く翳しながら刀身を確認する。

 

「おじさん!この刀本当に5万ベリーなんですか!?」

 

「う…あ、あぁ…」

 

何か言いたそうだが言えないとばかりにそう返事を返す店主に

 

「凄い!歴とした業物ですよ!!それ、それにすべきです!!普通買えば100万ベリーはしますよ!?」

 

その言葉を聞きつつもゾロは刀を前方に構えて微動だにせず、そこで店主の

 

「いや!駄目だ!そいつは売れねぇ!!」

 

との言葉にたしぎはこの刀にこの額は流石に安すぎるからと判断したが店主はそれを否定した。

 

そこで何回か軽く振ったゾロはこの刀を妖刀と看破、思わず知っていたのか?と確認する店主に帰ってきたのは

 

「いや、わかる」

 

との一言でゾロはそのまま厳しい目つきで大乱れの刃紋を持つ三代鬼徹を眺める。

 

そこからはゾロが看破した通りだった、店主が語るには初代を始め"鬼徹一派"は優れていたが尽く妖刀だったとの事。

 

名だたる剣士が手にして、そして非業の死を遂げていった事から今では鬼徹を腰に差しているものは誰もいないらしい。

 

例え知らずに使っていてもその命を落としてしまうかららしいとの事であった。

 

店主もサッサと処分したいから五万ベリー均一の樽に突っ込んでいたが流石に持ち主を殺すとあってはギリギリ残っていた良心が許さなかったのだろう、それを止めたのだ。

 

「す、すみません!そんな恐ろしい刀だったなんて知らずにでしゃばっちゃって!!」

 

「ふん!ちょっとかじった程度のひよっこが知ったような口を聞きやがって…」

 

謝罪するたしぎとそれを皮肉るいっぽんマツを他所にゾロは何度か三代鬼徹を振り

 

「気に入った、これをもらう」

 

と琴線に触れたらしい三代鬼徹を掲げて言うその姿にいっぽんマツは全力で止めようとするもゾロは取り合わずに"ならおれの運とコイツの呪い…どっちが強いか試してみようか"と言い出したのだ。

 

そして軽く放り投げ、縦に回転しながら落ちてくる三代鬼徹に対しゾロは自身の左腕を差し出せば

 

「なっ!!バカなやめろー!斬れ味は本物だ、腕が飛ぶぞ!!」

 

いっぽんマツの制止とこの後の惨劇を予想したのだろう、目を見開いて口元を押さえるたしぎを他所にゾロはスッと目を閉じる。

 

そして回転しながら落ちてくる鬼徹は刃を届かせそうになりながらも、差し出された腕には刀の峰が当たり刀は床にストン、という軽い音と共に突き刺さった。

 

…無事に腕は繋がったままだった。

 

どうやら三代鬼徹は呪いを届かせる事が出来なかったらしい。

 

「貰っていく」

 

目を開いてそう言うゾロにいっぽんマツは腰が抜けたかのように倒れ込む。

 

斬れ味は本物と言っていたな、と思いつつはばき近くまで床に刺さった三代鬼徹を引き抜きながらたしぎにもう一本選んでくれるように頼みこむといっぽんマツは

 

「ちょっと待ってろ!!」

 

との一言を残して階上に、そして降りてきたいっぽんマツの手には布のかかった刀架台、いっぽんマツはカウンターの上に乗せると

 

「造りは黒漆太刀拵、刃は乱れ刃小丁字…良業物"雪走"!斬れ味はおれが保証する。

 

…ウチはたいした店じゃねぇがこれがおれの店最高の刀だ」

 

そう説明されてもゾロは困るので

 

「はは…でも買えねぇよ、言っただろ?金がねぇって」

 

と正直に言えば

 

「金はいい!貰ってやってくれ…勿論鬼徹の代金もいらねぇ、さっきは騙そうとして済まなかったな、久しぶりにいい剣士の目を見た。

 

刀は剣士を選ぶという、お前さんの幸運を祈る!」

 

とドケチと知れるいっぽんマツにしては珍しくゾロに刀を渡したのだった。

 

そしてたしぎはその光景を見ながら

 

「どうやら只者じゃ無いみたい…後で少し調べてみようかしら?」

 

とその光景に驚きつつも時雨を腰に差すのだった。




ごめんなさい!このシーン好きだからついつい長くなってしまいました!!

このページは原作なぞってるだけと言われてもグウの音も出ない程のど正論…せいぜいゾロに"モモンガ、ストロベリー、クリーク"と言った海軍剣士の情報を与えるくらいしか出来なかった…

というかこのシーンを原作以上に上手く改変する自信が無い…

そして最後ですがこのたしぎは時雨を受け取ろうとして壁に突っ込んで武器をばら撒いていませんし、腰が抜けて立てなくなってる事もありません。

仮にも本部少尉ですからね!!

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。