起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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飛ばしたかた向けに前回のあらすじ

愛用の棍がぶっ壊されました。


指名手配 ドンクリークさん

「…という訳で新しいのを頼む」

 

呼ばれて受付まで行くとぐるぐるに包帯を巻かれたミイラ男、もとい半端な長さの棍を手に熊殿がしょぼくれていた。

 

「えぇ…、これをここまでやった上にそこまでボロボロになるってどんな化け物と戦ったんですか…」

 

聞けばかなりの大物とやり合ったらしく包帯は医務局の連中に無理矢理巻かれたらしい。

 

治療は大事ですよ?と言うと"最近あいつらの実験生物を見るかのような目が怖い"と返された。

 

そういえば兵器開発局の連中がサイボーグを作りたいとか言ってたな…と思いつつも変な事に首を突っ込みたくないので黙っておく。

 

そして頼む、と渡された棍を受け取ろうとしたが半ばしかないとは言え元々5tの棍、無用な怪我などしたくないので持ってきていた台車に乗せてもらい

 

「取り敢えずこっちで見ますので何日か下さい、今例の強化プランを実装した形で作成してますんで」

 

そう言うと熊殿はとぼとぼとした足取りで引き返していったのでそのまま台車を押して研究室まで戻る。

 

ここは技術班に割り当てられた区画のうちの一角"試作兵装局"

 

主に熊殿のアイディアを元に武装を作成しそれを実際に使ってもらってその意見を参考に改良、技術班兵器開発局へ申し送り採用された武装はそちらで簡易化、低コスト化を行い海兵へ支給される形となっている。

 

近年だと"青色弾"と呼ばれる麻酔弾頭や"黒色弾"と呼ばれる鉄網内蔵型の捕獲用の大型弾頭などである。

 

黒色弾に関しては安価な事に加え携帯式の大砲など既存の武器でも使用が可能で普通の人間だけでなくパラミシア系の能力者にも割と有効なようでハイペースで生産が進んでいる。

 

ぶっちゃけ熊殿の武装専属班と言ってもいいが。

 

「熊殿の棍が壊されたらしい」

 

そう言って台車を指差すと五人ほどのメンバーが

 

「うわ、どんな化け物と戦ったんですか?」

 

「ありゃりゃ名前つけて結構大事にしてたのに…」

 

「ふえぇ…単純故に頑丈さは折り紙つきの筈なのにぃ…」

 

「で?新しい武器の要望かい?」

 

「だいぶ落ち込んでそうだな、いっちょ例の武装でも出すか?」

 

などと口々に言い出した。

 

「はいはいストップ、取り敢えず新しいのは今作成中の棍をさっさと仕上げてしまうぞ、それから空島からやっと手に入った例の"アレ"、使えそうか?」

 

「あぁ、今作ってるのならあと何日か…いや、出来るだけ早めに完成させるか」

 

「ふぇまた徹夜ですかぁ…」

 

「まぁまぁ、熊殿は毎日海賊と戦ってくれてるんだしこっちはちゃんとこっちの仕事やらなきゃだよ」

 

「例の"アレ"はちょっち難しいねぇ、入手したはいいんだけどどっちも希少とかなんとか言う話で結局一つづつしか手に入れられなくてねぇ」

 

「あと割とヤバい代物だぜ、俺らが使ったら軽く骨折れそうで怖いんだが・・・」

 

「そうか、今作ってる棍に関しては兵器開発局に応援を頼もう、あとそっちのに関しては熊殿に試してもらいながら作るしかないだろう、というか熊殿は何処で存在を知ったんだ?」

 

「空島じゃ割とメジャーらしいぜ?そこから人伝にでも聞いたんじゃないか?」

 

「ふーんそんなもんか、取り敢えず熊殿には数日見てもらってるからその間に完成させてしまうぞー」

 

了解、とそれぞれ返事をするとそれぞれ作業に戻っていった。

 

そして後日新しいおもちゃでも買ってもらったかの如く演習場で大はしゃぎで両端が白い鈍色の棍を振り回すクリークの姿が見受けられたらしい。

 

そして無事に装備を受け取りクリークはロビンを傍に、再び海軍独立中隊を率いて海に出たのだった。

 

「手配班!これはどういう事だ!!」

 

そしてそれは海軍独立中隊として再び海に出て一年が経とうかとした頃の話であった。

 

毎月届けられる手配書の束を確認中に看過できないものを見つけてしまい、とある手配書を手に本部の指名手配の決定機関である手配班に慌てて確認する

 

『そ、そう言われましても!今回は世界政府から"重要参考人"としての手配の要請でして…』

 

くっそ、問答無用の生死問わずの指名手配は防げるようになったけどやり方変えて来るかやっぱ…

 

「…わかった、ただ危険度と優先度がどちらも高認定なのは何故だ」

 

『それが上から一刻も早く捕まえろとの指示が下ってまして・・・』

 

世界政府寄りの大将か中将あたりか…

 

「なるほど、だが危険度は下げておけ。あまり一般人と変わりない戦闘力しか持たないのに危険度高は後々の認定度合に影響を及ぼすかもしれんからな」

 

『わかりました』

 

「お前らはよくやっている、これからも頼んだぞ」

 

そう言って電伝虫を一旦切り再び別のところに繋ぐ。

 

『はいこちら海軍本部情報班』

 

「こちらM,C00919、海軍本部大佐クリークだ」

 

『お疲れ様ですクリーク大佐、本日はどのようなご用件でしょう』

 

「すまんが現在サウロ中将の船がどの辺りにいるか調べられるか?」

 

『わかりました、少々お待ちください・・・あぁ、つい先日定期連絡を終えて出立してますね。

今回の割り当ては西部前半海域ですのでマリージョアに向かわれたようです』

 

「わかった、感謝する」

 

『いえ、おやすい御用ですよ…一応サウロ中将ですが大将直々の任務を受けているそうですので気をつけて下さい』

 

と、一段階声を落としての情報を受け取る。

 

「了解した」

 

そう言って受話器を置くと考えを巡らせるながら目の前には一枚の手配書を眺める。

 

白い髪に意志の強そうな目を持つ目鼻立ちの整った女性、彼女の名は"ニコ・オルビア"、今現在この船で面倒を見ている"ニコ・ロビン"の母親である。

 

そして作中ではサウロ中将が指名手配となったオルビアを捕縛しておりその後に離反している。

 

サウロ中将が受けてる任務というのはオルビアの捕縛の可能性が高いだろう、今まで情報があまり無くあったとしてももぬけの殻だったオルビア達をそう簡単に捕縛できるとは思えんが作中では実際捕縛してるから楽観は出来ない。

 

こうなったら誰よりも先にオルビアを見つけて事情を話し探索を止めてもらいオハラに帰ってもらうしかないか…

 

「というかこうならない為に早めにオルビアを探し始めたのに…というかこれロビンにも言わなきゃいけないよな…」

 

今の時間はきっと書斎か、しかし手配される前に母親と会って話をすると約束した以上こうなったら話さないわけにもいかんだろうからなぁ…

 

 

あぁ、気が重い




旧型から新型への移行って鉄板よね

そしてオルビアさんが指名手配に…

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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