起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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(´・ω・`(作者)←詳細は伏せるがすっごいもにょる事があった模様、でもちゃんと書く…


子連れのダディ

"赤カモメを背負っていた"

 

その言葉が意味するのはただ一つ。目の前の男は元海兵、しかも海軍最強の部隊と恐れられる"カモメの水兵団"のメンバーだったのだろう。

 

思わず転身して逃げそうになるもここで逃げたらナミのかーちゃんに申し訳がたたねぇ!と思い震える足を押さえつつ

 

「へ…へぇ、あんた元は赤カモメにいたのか。因みになんて名前だ?ひょっとしたら師匠から聞いてるかもしれないなー」

 

勝手にベルメールを師匠呼ばわりし少しでも情報を集めようと名前を聞けば

 

「そうか小僧、まだ名乗っていなかったな。

 

おれはダディ、ダディマスターソンだ。そしてこっちの天使のように可愛い子は娘のキャロルだ」

 

「だ…ダディ・マスターソン!?あんたまさか"子連れのダディ"か!!」

 

「いかにも、でどうする?話が纏まらないならこいつでやり合うか?」

 

そう言ってマントをばさりと翻した中には三十丁の拳銃。

 

とんでもないビッグネームが出てきた上に尋常じゃないその数にウソップの余裕は全て吹っ飛んで

 

思わず叫んでしまうがまぁ無理も無いだろう。

 

"子連れのダディ"

 

元は海軍きっての狙撃手と呼ばれていた凄腕のスナイパーであり、現在は銃使い最強の賞金稼ぎとも呼ばれている凄腕である。

 

数年前を境に突然海軍を辞めて賞金稼ぎになったのは風の噂で知っていたがまさかここで会ってしまうとは…とウソップは苦い顔をする。

 

「…最近は小物狙いに切り替えたって噂だったんじゃなかったのか?」

 

「一攫千金なんぞ狙うよりチマチマと小物を狩っていった方が効率はいいからな」

 

「はっ、海軍一の狙撃手が聞いて呆れるぜ。赤カモメは市民の味方じゃねぇのかよ?」

 

「無論市民に迷惑をかけるような人間は放ってはおかん、"一般人を守るのは海兵の仕事"とかつての上司の教えがあるからな。

 

小僧も海賊なのだろう?しかも直ぐに高額の賞金首になると豪語している…ならここで仕留めておいて問題無いな?」

 

その言葉と共にいつ抜いたのだろうか、拳銃をウソップに向けるダディだったが

 

「ま、待てよ!まぁ落ち着いてこっちの話を聞いてくれよ」

 

とウソップのその言葉に少し考え

 

「ふむ…まぁいい話してみろ」

と頷いたのでウソップはここぞとばかりに先程の出来事を説明、商品は自分が買おうとしていた所に横入りされた事と、どうしてもそのゴーグルが必要な事、渡してくれればきちんとお金は払うということも合わせて伝えればダディは少し考え込む様子。

 

「なっ?頼むからそのゴーグルを譲ってくれ!!それはこのおれが勇敢なる海の戦士…キャプテン…ウソップになる為に必要なんだ!!」

 

と頭を下げて頼み込めばダディは

 

「ふむ…ん?ウソップ?小僧…貴様赤髪海賊団のヤソップの縁者か?」

 

考え込んでいる途中で何かに気づいたように顔を上げてそう聞いた。

 

何故急に親父の話に?と疑問に思いつつもダディのその質問にウソップは正直にヤソップは自分の父親だと告げればダディは

 

「くくくくくっ、そうか小僧!貴様はヤソップの息子か!!くくくっはははははっ!!」

 

最初は小さく、そして高らかに笑い始めたのだった

 

「お、おいどうしたダディのおっさん?」

 

「ぱ…ぱぱ、どうしちゃったの?」

 

急に笑い始めたのその様子にウソップとキャロルは驚くも

 

「くくくくくっ、お前が真摯に頼み込むもんだからせっかくの可愛い娘のプレゼントだが仕方ないと思っていたが…貴様がヤソップの息子なら別だ、これは簡単には渡せんな」

 

そう言ってスナイパーゴーグルをマントの下に仕舞うダディ

 

「なっ!どういう事だよ!!」

 

「小僧!おれと決闘してもらおうか、もし貴様が勝ったらゴーグルは渡してやろう。だがもし貴様が負けたら…」

言葉を溜めるダディにウソップはごくりと唾を飲み込みつつ

 

「…負けたら?」

 

と聞くのが怖い気がするも聞いとかない訳にはいかないよなと思えば

 

「…そうだな、おれの弟子になってもらおうか?」

 

ダディは少し考え込んだ後にそう告げたのだった。

 

一方その頃麦わら一味の航海士であるナミは多くの洋服が入った袋を両手にぶらぶらと街中を歩いていた。

 

にわかに辺りが騒がしくなり聞き耳を立てればどうやら"あの"子連れのダディが決闘を行うらしい。

 

「あの子連れのダディと決闘なんて…どんな馬鹿かしら!顔だけでも見とかなくちゃね!!」

 

と意気揚々と人の流れを読んで高台まで来てみればそこにはすでに十数人の野次馬が集まっており、その囲いの中にはマントを羽織り深く帽子を被った髭の男と長い鼻に茶色のオーバーオールを着た年若い青年と緑のドレスの少女。

 

「…どんな顔かと思えば知った顔じゃない、なんだつまんないの。

 

ちょっとウソップー!なんでアンタが決闘なんかしてんのよ!!いつの間に賞金首にでもなってたのー?」

 

と、ナミはこりゃ死んだかな?と思いつつそう聞けば

 

「し、知らねぇよ!!このおっさんがいきなり決闘をふっかけて来たんだよ!!」

 

「はははははっ!小僧!!貴様の父親とおれは少し因縁があってだな…だからあの男の息子とわかった以上は対等に相手させて貰うぞ?」

 

何がそんなに楽しいのか最初に見た寡黙さなど見当たらず、今はただ強い眼差しで目の前の勝負を見据えるダディの姿に"自分の父親は一体この男に何をしたのだろうか"とウソップは自身の父親を呪いつつ、キャロルはキャロルで"ぱ…ぱぱが昔のぱぱに戻っちゃった…"と少し引いている様子。

 

そしてダディは徐に一丁の短銃をウソップに投げ渡すと

 

「ほらこいつを使え、ルールは簡単だ10数えて振り向いて相手を撃つ、それだけだ。

 

そうだなそこの嬢ちゃん、小僧の知り合いだろ?すまんが10数えちゃくれねぇか?」

 

と丁度野次馬として来ていたナミに頼んだのだった。

 




というわけで100話記念にも出てきたダディさんです、(海軍きってのスナイパーにしては本部少尉という階級だったので昇任させる為に)元・海兵にして海軍独立遊撃隊…その前身であらゆる経験豊富な人員を集めた部隊である"海軍独立中隊"の頃からの所属で赤カモメの中でもかなりの古参だった、それこそベルメールより古株である。

最も今は海軍を辞して娘と共に気ままな賞金稼ぎをやっている模様

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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