そしてローグタウン編も長くなってますがサンジの相手となるカルメンは全く関わりが無いのでそこまで長くはならないと思います
「そうだ小僧、貴様は海賊だと言ったが公認海賊にならないのか?」
惜しくも外してしまったがその姿に動揺は見られずダディは使用した拳銃に弾を装填しながらそう聞けば
「あー、そりゃうちの船長が反対してんだよなんか"そんなん自由じゃない"ってさ」
「ほう…まるで赤髪みたいなことを言うのだな、なんて名だ?」
「おう、名前はモンキー・D・ルフィ、おれ達麦わら海賊団の船長さ」
「ちょっとウソップ、なんでアンタが威張ってんのよ」
「モンキー・D・ルフィ…いや、まさかな。そっちの嬢ちゃんも仲間か?」
「えぇ、航海士をさせてもらってるわ。
所で子連れのダディ、貴方が海軍の事情に色々詳しいと見込んでちょっと質問があるんだけど…」
「む?なんだ?」
「赤い海軍マークの入ったコートを着ていて、十数年前に東の海に来た事があり、棒のようなものを武器に使い、そしてその当時にあの赤髪のシャンクスと互角に戦える戦闘力を持つ人間に心当たりは無いかしら?」
ナミがダディに聞いたのはその昔ルフィが遭遇し、今も心に影を落とす存在だった。
ルフィ本人はそこまで気にしてないという風にしているができれば憂いは取り除いておきたいと考えナミは独自に調べていたのだった。
ベルメールにも聞いてみたがベルメールも本隊に所属していたわけでは無いらしいのでちゃんとした情報は持っていなかったが。
「ふむ…海軍のコートを纏っていたのなら少尉以上、海軍将校と呼ばれるものだろうな。
そして十数年前となると赤髪はまだ四皇と呼ばれていないが…その戦闘力はかなり高かった筈だ、となると少なくとも本部大佐クラス若しくはそれより上の将官クラスかもしれん。
そして東の海にいたという事だがおれ達の部隊は基本的に定期的に何処の海にでも出現するからな…
そして棒のようなものを武器に…あ!」
「何か思い出したの!?」
それと共にダディは思い出す、自身もあの時あの場にいたのだから当然だろう。
しかしこれは教えてもいいのか少し迷う、相手は本部中将でしかも対個人の戦闘力だけなら大将にも匹敵すると言う男である。
これでもし若い芽が摘まれたら目も当てられないと考え…
「あ、あぁ棒のようなものを武器に使っていると言ったがおれ達の部隊は基本的にどんな武器でも使えるように訓練させられるからな…一概に誰であるとは決められんな」
咄嗟に誤魔化す事にしてナミはその答えに残念そうな顔をする。
「そういやダディのおっさん、あんた親父と因縁があるって言ってたんだが何かあったのか?」
何か考え込むナミを他所にウソップはふと思い出したようにダディに聞けば
「…そうだな、奴の息子であるお前になら話してもいいか。
あれは…あれはそう、この街のように暑く乾いた港街で、おれがまだ本部少佐だった時の事だった…」
そう言ってダディが語ったのは数年前の話だった。
「おれの所属する海軍独立遊撃隊…お前達には赤カモメの方が通りはいいか、いつものようにグランドラインを巡回してとある港街に停泊していた所赤髪海賊団の船と遭遇したんだ。
海賊相手となれば直ぐ様出動する赤カモメだが自身の上司である中将と赤髪海賊団船長の判断で双方共に戦闘はしないと取り決めそれぞれは不干渉にて作業を進めていた…」
「え?赤カモメって海賊とみれば直ぐに捕まえるイメージだったんだけど…赤髪海賊団って懸賞金かかってるんじゃないの?」
ナミが少し疑問に思ってそう聞けば
「ふっ、海賊を全て片っ端から捕縛してればいくら手があっても足りん。
実際大海賊時代の当初がそうだったからな、片っ端から海賊を捕らえ一罰百戒の体制で後続の出現を抑えようという目論見だったが…」
「ま、そんなんで海賊が減れば苦労しないだろうな。憧れは止められねぇってな」
ダディの言葉にウソップはうんうんと頷く。
「その為に作られたのが公認海賊だ、だからさっき聞いたんだぞ?公認海賊にはならないのかって」
「ま、おれはどっちでもいいんだけどさ。やっぱメリットとかデメリットとかあんのか?」
「メリットか…そうだな、海賊旗を掲げていても罰金を払う必要は無いし少なくとも海軍から追われる事は無いな。
あと緊急招集が有れば集まってもらうがこれは強制では無い、特に罰は無いし集まってくれたのならば謝礼は払うというぐらいか」
「海軍に追われないで済むのか…なぁナミぃ、今からでもルフィ説得して公認海賊の申請出させようぜ?」
ダディの言葉に魅力を感じたのかウソップはナミにそう言うもナミは
「馬鹿ね、今更アイツが自分の決定を翻すわけないでしょ?諦めなさい。
それにアンタは海軍きっての狙撃手に勝ったんでしょ?ちょっとは自信持ったらどうなの?」
「いやありゃ辛勝だって、それにダディのおっさんまだ隠し球あるって認めたじゃねぇかよ」
見事な狙撃を見せておきながら未だに怯えるウソップにダディはあの男とは全く違うな、と苦笑いしつつ
「さて、話がそれたな。
情報交換をすべくこちらとあちらから数名づつ集まった時にあの男がいたんだ、そうお前の父親だ。
目敏くおれの事を気づいたのだろう、自分の船長とこっちの上司に確認をとりあれよあれよいう間におれとあの男は決闘をする事になった。
…勝負はおれの負けだった、最初にお前に提案した早撃ち勝負さ、奴に手傷は与えたもののおれの方が倒れた。
殺せ、決闘に負けた以上命乞いはしない、というおれに奴はこう言った"おれ達海賊は生かそうが殺そうが自由なんだよ"とさ。
その後だよ、おれに娘がいると知った奴は自分の息子の事を話してくれたのさ、自分は父親としてはダメだったと、だが愛してなかったわけじゃない海賊旗が自身を呼んでいたとな。
それからだ、おれは色々と考えさせられた。"赤い狙撃手"なんて煽てられちゃいたがこんな稼業だいつ娘1人残して死んでもおかしくは無い。
そして当時の上司からの勧めもありおれは海軍を辞めて賞金稼ぎになったと言うわけさ」
「そんな…ぱぱが負けちゃったの?海賊に?」
「なるほど海軍きってのエリートが賞金稼ぎに身を落としたのにはそんな訳があったんだ…でも凄いじゃないアンタの父親、子連れのダディに決闘で勝ったんでしょ?」
「あぁ、親父が強いとは聞いていたが…」
「ふっ、おれもあの時のままでは無いさ」
そう言いつつダディは両腕を振ると袖から何らかの部品が、そしてそれを手早く組み合わせると瞬く間に随分とゴツい一丁の長銃が出現。
手早く構えると発砲、大きな銃声が轟き勝負に使われた風見鶏のウソップが撃ち抜いた場所を寸分違わずに撃ち抜いて見せて
「次にやればおれが勝つ、娘の手前海賊に負けたままではいられんからな」
そう言って未だ煙たなびかせる長銃を手にダディはニヤリと笑って見せるのだった。
と言う事でダディの隠し球は組み立て式の長距離狙撃用の専用ライフルでした。
普段使っているのは量産品の拳銃ですから単発式な上に近距離にしか向きません、まぁそれでも通常よりかなり高い精度で遠くに当てれるんですが。
というかそれはパチンコで追随するウソップは何者…
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)