ミスオールサンデーの言葉にゴクリと唾を飲み込むビビだったが
「するかこんにゃろー!帽子返せー!!あほーこのやろー!」
「ガキか…」
自身の大切な帽子が取られて頭に血が登ってるのか文句が幼児退行しているルフィにゾロのツッコミが入り
「遠吠えは結構、虚勢を張る事なんて誰にでも出来るわ。困難を知っていて突っ込んでいく何てスマートじゃないわよね?」
その言葉と共に麦わら帽子がルフィの頭に、そしてビビには
「エターナルポース?」
一つのエターナルポースが投げ渡された。
「それで困難を乗り越えられるわ、そのエターナルポースが指し示すのはアラバスタの一つ手前の"何も無い島"、うちの社員達も知らない航路だから追っ手もこない」
「な、なんでそんなものをわたしに!!」
「え、あいついい奴なの?」
その様子にナミはそう言うも
「ふん、どうせ罠だろ…」
とゾロは警戒を解かず未だいつでも抜刀できる体勢を維持している。
「さて、どうかしら?」
ミスオールサンデーの言葉にビビは葛藤する。
相手はボスのパートナーで、こちらを助けるような事をしつつもこちらを陥れてくる何を考えているのかわからない女…そして"Mr.8"に会ったという事は恐らく自身の護衛役であったイガラムも手にかけたのだろう。
しかしあの女の言う事が本当だとしたら?この船に乗せてもらっている以上安全な航路をとるべきでは無いのか?
そう考え込んでいるとビビの手からエターナルポースが奪われ
「ふんっ!」
ルフィの手によって握り潰された。
「アホかお前ーっ!!」
「ぶふっ!」
直ぐにナミの蹴りがルフィに減り込むもルフィは
「この船の進路をお前が決めんなよ!!」
「…そう、本当にただの善意だったんだけど残念」
絶句するビビとまだ文句を言うナミにルフィは勝手に船に乗ったり帽子取ったりそれにちくわのおっさん殺したっぽいからミスオールサンデー嫌いだという事であったらしい。
「…私は威勢のいい人は嫌いじゃないわ、そうね生きてたらまた会いましょう」
「ヤダ」
簡潔にそう返すルフィにミスオールサンデーは微笑みつつも
「そうね、ならば一つ忠告を"蝋燭"と"鋼鉄"に気をつけなさい、ねぇミスウェンズデー?貴女なら言ってる意味がわかるわよね?」
その言葉に怪訝な顔をするビビだったが思い当たった事があるのか
「…まさか!!」
と驚愕を露わにする。
「さて…じゃあ精々足掻いて見せる事ね、行くわよバンチ」
そんな声と共にミスオールサンデーは一人がけのソファーを誂えられた巨大な亀に乗り込み去っていったのだった。
そしてなんだかんだと騒ぐ麦わら一味を他所にミスオールサンデー…ニコ・ロビンは
「さて、おじさまの暗号によるともうそろそろだと思うのだけれど…」
麦わらの一味の船からは遠く離れ何かを探すように周囲を見渡していたがその目がある一点で止まる。
「あら、あれかしら…船影がひぃふぅみぃ…外れね、しかも海軍艦隊じゃない…」
触らぬ神に祟り無しとでも言わんばかりにさっさと離れるも海軍艦隊側もその姿を捉えていた。
「…ありゃなんだ?」
「…確かハマキガメでは無かったかと、水陸どちらにも適応している西の海の種だったと思いますが」
サガの報告を受けて双眼鏡を覗いたスモーカーの目線の先にいたのは巨大な亀とそれに乗る一人の女性。
「なんで西の海の生き物がこんなグランドラインの前半に?」
そのまますいすいと泳いで離れる姿にスモーカーは疑問を抱くも双眼鏡を下ろす。
「まぁ今は珍しくも無いでしょう、グランドラインに入った海賊達の影響で固有種が他所に出ている事は多いですからね」
「しかしあの女…どっかで見た気がするんだが…まぁいい、麦わらの情報はどうだ?」
「あっはい、どうやら他の船などからのすれ違っただの見かけた等の情報を統合するにウィスキーピークに向かったと思われます」
「…ウィスキーピーク、あぁ臆病者達の巣か。狩られていると思うか?」
「まさか、そう簡単にやられているのならこちらも苦労しません。それより良かったのですか?本当にE1支部支部長を断って…」
「ちゃんと申請もしたしルールは守ってんだ、別に文句ねぇだろうが」
「…とは言え後でメイナード少将に詫びを入れておいた方がいいかと、例のE8支部の件で本部が動きましたのでそれでタダでさえ人が足りないのに今回の件ですから」
「ちっ…後で埋め合わせはするさ。所でサガ、てめぇ"815"って何のことか知らねぇか?」
「はちいちご…いえ、寡聞にして知りませんが何かの暗号で?隊長の方がその手の事には詳しいのでは?」
「はっ、あの刀バカに聞いても知らないだとよ。…昨年末から海軍上層部で囁かれてる数字だ、何かしらの符丁か暗号だと思うんだが見当がつかねぇ」
「確かに気になりますね、何かの作戦名でしょうか?」
「わからん、が一つだけ分かってるのはどうもその中心にあの男がいるって事だよ」
「あの男とは?」
誰の事を言いたいのかさっぱりわからないスモーカーの言葉にサガが聞き返せば
「本部中将、鈍熊のクリークだ」
あぁ、そういや苦手としてたんだったな…とサガはスモーカーの言葉にその事を思い出したのだった。
ハマキガメってのは適当です、バンチが種族名か固有名かも分からなかったもので
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)