しかしクリークにキャンドルジャケットを着せるにしてもどうやったものか…
「ちょっと何これ…ビビー!ルフィー!無事ー!?無事なら返事しなさーい!!」
ナミとサンジが信号弾の上がった地点についた時、率直に言えばそこは荒地であった。
元は木々植物が生い茂るジャングルだったのだろうが、あちこちに土が剥き出しのクレーターが作られた上に、周囲の木々も叩き折られたり根元から捲れ上がって倒れていたり、更には所々に白い固形物…恐らく敵の能力であろう物体があちこちにあるという酷い有様。
「ナミー!大変だ!!ビビとゾロが連れて行かれちまった!!」
ナミの声を聞いて急いで戻ってきたルフィは慌てて簡潔に説明する。
「なっ!?クソ剣士はどうでもいいけどビビちゃんが連れて行かれただとぉっ!?何があった!!」
「盾のおっさんと裸の女と頭が3のおっさんが出て来たんだよ!!最初にゾロ捕まえて、んでビビも連れて行っちまったんだよぉっ!!どうしようナミぃっ!!」
ルフィの説明とも言えない説明にナミは一瞬頭を押さえるも
「兎に角一旦落ち着きなさい。連れて行ったって事は直ぐに殺すわけでもないでしょ…ドリーさん、何があったか状況を教えてもらえるかしら?」
とりあえず現状の確認が優先だと考え、まだマトモに話が聞けそうなドリーに質問すれば
「最初は男と女の二人組みだったな、麦わらの小僧が男に、青髪の嬢ちゃんが女と戦ってたがそこに拘束した緑髪の男を連れた能力者が出てきてな、おれも手を出したが奴等途中で煙玉投げて逃げやがった、あのままいけば仕留め切れてたと思うんだがな…」
そう言って拳を手のひらに打ち付けるドリーにナミは
「二組のペアのうち三人がこっちに来るとはね…それにゾロが捕まえられたって事は先にそっちがやられたって事かしら…しまった!ウソップを船に向かわせたんだったわ!」
幾らブロギーがついているとは言え相手は能力者。辺りを探してやろうというドリーに礼を言いつつナミは慌てて他の二人を引っ張ってゴーイング・メリー号の停泊地点へと向かったのだった。
そして一方その頃、色々と手に入れた戦利品を背負いメリー号に向かっていたウソップは驚くべき光景を見て慌てて隠れる。
「…まさかゾロが捕まってるとは、しかもビビも捕まってるじゃねぇか、ルフィはどうしたんだ?まさかやられちまったのか?」
そこにはゾロとビビが上半身裸の男の肩に背負われて運ばれる姿…そしてその側には特異な髪型をした男と白い毛皮のコートの女…間違い無くバロックワークスの追手だろう。
ウソップはどうするべきかと考える。一番いいのはビビ達の元に向かったナミ達に合流すべきだろう、何せ相手は能力者と思われる三人組…、しかもゾロとビビを捕らえているときた、きっと並の相手では無いだろう。
しかし今はただ見かけただけだ。咄嗟の事だったしブロギーには静かにしてもらっているもののいつバレるとも知れない。
二人を運んでいるという事は直ぐに始末するつもりは無いのだろう。となれば何処に行くかを突き止めておくだけでもかなり違うよな?ナミ達との合流はそれからでも遅く無い筈だ…そう考えてウソップはブロギーに伝言をお願いして荷物を渡すと自身は単身目標を静かに追跡し始めるのだった。
そんな事は露知らず、Mr.3は標的のうち二人を手中に収めたとてその気は晴れなかった。
「全く、どうしてあの時私を助けなかったガネ!?生き残ったからいいようなものをもしもあの時私がやられていてはどうするつもりだったガネ!!」
「だってぇ、アナタ自分で言ってたじゃないのぉ巨人は相手にするつもりは無いって…それなのにノコノコと巨人の前に出てきたもんだからてっきり何かの作戦だと思ったんだけどぉ?」
「そうだMr.3、それにおれ達二人が加勢したところで巨人に勝てるわけでも無いだろうに、せいぜい連携が取れずに三人まとめて押し潰されていたのが関の山だろうさ」
Mr.6のその言葉にMr.3は眉をピクリと動かす。
「ほう…よくもヌケヌケと言うもんだガネ、Mr.6お前が巨人の一撃を受け止めていたのは見ていたガネ、隠し札だろうから深くは聞かないでやろうと思っていたがそれはどう説明するガネ?
それにミス・マザーズデー、私でさえ予想してなかったボスの正体に全く驚いて無いように見受けられたが…貴様、もしやボスの正体を知っていたのでは無いカネ?」
Mr.3の疑うようなその目つきにMr.6とミス・マザーズデーは"どうする?処す?"、"まだ早計じゃないのぉ?"と素早くアイコンタクトをとり
「それは誤解よぉMr.3、アタシは薄々予想してただけよぉ…貴方が言ったじゃない、これだけの組織を作って国盗りを企んでるなんてかなりの大物だって…場所からして当然候補の一人だったからそこまで驚かなかっただけよぉ?」
「そうだMr.3、確かにおれの身体は巨人の一撃に耐え得る事ができるがそれも大楯に殆どの衝撃が食われたからこそだ、おれ一人なら盾無しでもなんとかなるだろうが流石にMr.3を庇ってモンキー・D・ルフィの追撃を受けつつ受け止めろってのは無茶が過ぎやしないかい?」
と二人の言葉にMr.3は暫く考えると
「…どこまで本当か知らんがそれもそうだガネ、兎に角今はミス・ゴールデンウィークと合流するガネ。
火山が噴火すればあの猪共は決闘を始めるだろうからその隙をついて残り二人…モンキー・D・ルフィとオレンジ色の髪の小娘を私のサービス・セットに招待してやるガネ…なぁに、こっちは既に二人捕らえているのだから後は簡単、餌を使って一人づつ誘き出せばすむ話だガネ…」
そう言いつつ一行は残る一人と合流すべく密林の中に作り上げた簡易拠点へと向かうのだった。
全て聞かれているとMr.3"は"全く知らぬままに…
Mr.3"は"全て聞かれているとは思っていません。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)